加速度計とは
加速度計とは単位時間当たりの速度の変化率である加速度を計測する装置です。
加速度計によって自動車の加速度や機械の振動を測定することができます。また、振動や傾きなどの情報を収集・保存することも可能です。
加速度計は大きく4つの種類に分かれており、圧電式、サーボ式、ひずみゲージ式、半導体式などがあります。
加速度計の使用用途
加速度計は自動車業界や加工業界、電子機器業界など幅広い分野に活用されます。自動車業界ではエンジンテストに使用されます。これ以外にも自動車の研究開発や異常検知を目的に設置される場合も多いです。
振動計として使用する場合は、回転機器に対する異常振動の監視を目的に設置されます。回転機器の急な故障はコスト肥大化に直結するため、振動監視により機器の故障を未然に防ぎます。大型産業機器では、輸送中の製品に対する品質管理にも加速度計が用いられます。
加速度計は古くから振動計として、振動測定や振動試験に使用されてきました。近年ではスマートフォンに内蔵され、万歩計やヘルスケアアプリでも使用されます。
加速度計の原理
加速度計が振動や加速度を計測することができる原理は、加速度計の種類によって異なります。
1. 圧電式加速度計
センサー内部の圧電素子が加速度に伴う圧力で伸縮し、電荷を放出することで加速度を検知します。
2. サーボ式加速度計
コイル、磁石、振子で構成されます。加速度による振子の動きによりコイルが発電し、発電量を測定して加速度へ変換します。
3. ひずみゲージ式加速度計
加速度によって内部重錘に慣性力が働くことでひずみが生じ、このひずみ量をゲージで検知することで加速度を計測します。
4. 半導体式加速度計
半導体内部に可動電極で構成されたコンデンサを組み込みます。加速度により、可動電極がたわんでコンデンサの静電容量が変化することで加速度を測定します。
加速度計の固定方法
加速度計を用いた計測では、固定方法が精度に大きく影響します。加速度センサの固定方法は大きく分けて5通りあります。
1. ねじ固定
最も理想的な固定方法で、剛性を高めるために計測対象にグリースを薄く塗ってから規定トルクで締め付けます。
2. セメント剤固定
測定対象にセメント剤を塗布して固定します。
3. 絶縁ワッシャ固定
計測対象とセンサを絶縁したい場合に用います。
4. マグネット固定
計測対象が磁性体の場合、簡便な固定方法として用います。
5. ハンドプローブ固定
ねじ固定できない場合や、素早く検査を行いたい場合などに用います。ケーブルについては、加速度センサの接続部に無理な力が加わらないよう固定します。
加速度計のその他情報
加速度計による振動計測
振動は変位・速度・加速度の3つパラメータから測定します。測定用センサの一つとして加速度計が使用されます。振動センサの中でも圧電型加速度センサは広い周波数範囲をカバーできる点が特徴です。
機械振動の定義は、「機械系の運動または変位を表す量の大きさが、ある平均値または基準値よりも大きい状態と小さい状態を交互に繰り返す時間的変化」とJISで規定されています。
振動を解析する場合、周波数解析が広く用いられます。測定された波形が、どのような周波数がそれぞれどれくらいの強度で含まれているかを調べる方法です。
参考文献
https://www.jp.omega.com/prodinfo/accelerometers.html
https://tml.jp/knowledge/transducers/acceleration-example.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/acceleration/applications.jsp
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/acceleration/applications.jsp
https://www.asahi-kasei.co.jp/aec/pmseries/shindoshindan/3rd.html