パルスアイソレータとは
パルスアイソレータとは入力と出力を持つ装置であり、パルス信号の変換と分配を行う装置を示します。
パルスアイソレータは入力側に接続した機器から受けたパルス信号を内部で波形整形を行います。波形したパルス信号を出力側に接続した機器に出力する機器になります。
パルスアイソレータの内部では入力側と出力側が絶縁されているため、入力側の電位と出力側の電位が異なる場合でも問題なく使用することができます。また、入力側に発生したノイズ等の影響は出力側に伝わることはありません。
産業機器や計測機器などの計測結果を別のデータ処理用装置に入力する場合、信号レベルやデューティーなどが異なると直接入力することができません。
この場合、信号の仕様を整合させて機器間に信号を受け渡す装置がパルスアイソレータになります。
また、パルスアイソレータの機能として測定したデータを複数の機器に入力する場合などに、信号分配器としての機能を持ちます。
パルスアイソレータの使用用途
パルスアイソレータの使用用途としては、モーターの回転を検出するエンコーダ、流量計、電力量計、カウンタ、近接スイッチなどパルス出力する計測器のパルス信号を別の装置であるPLC(Programmable Logic Controller)や表示装置などに入力する場合、入力したパルスを出力先の装置に合わせたパルス信号に変換して出力します。
パルスアイソレータに入力された信号をPLCや表示装置の2系統に入力させるため分割して出力する役割もあります。そして、パルスアイソレータの内部は絶縁されているため、入力側と出力側の電位が異なる場合でも問題なく使用できます。また、入力側に発生したノイズなどを出力側に伝えないアイソレート(絶縁)する役割があります。
このように入力側の回路と出力側の回路を電気的に絶縁する場合などには非常に有効な機器になります。
例えば、回路的に絶縁されていることにより入力側が故障などで破損し異常電流などが発生した場合でも、出力側の回路や機器には影響がなく、保護されます。
パルスアイソレータの特徴
パルスアイソレータの特徴は電気仕様の異なる信号の接続と信号を分配することが目的の装置であり、多くの信号変換機能があります。このためパルスアイソレータは機器内部の設定により入力仕様、出力仕様を任意に変更できます。この結果、多様なパルス信号を変換して接続することが可能になります。
まず、パルスアイソレータの機能としてレベルの異なるロジック信号の変換、伝達を行うことができます。
信号伝達を行う場合、入出力の信号レベルを適合させなければなりません。この機能は入力信号レベルが不足している場合に有効です。例として入力信号が3Vのロジック信号を5Vのロジック信号に変換して出力することが可能です。
次にパルスアイソレータの入力側に接続する装置の出力仕様が電圧出力やオープンコレクタ、またはラインドライバの場合、パルスアイソレータの設定を変えることで入力可能になります。
同様に、パルスアイソレータの出力側に接続する装置の入力仕様が電圧出力やオープンコレクタ、またはラインドライバの場合、パルスアイソレータの設定を変えることで出力可能になります。
このようにパルスアイソレータは入出力仕様を組み合わせることで多くの信号変換を行うことが可能になります。
また、機種によりますが入力側の信号がゼロクロス信号(0Vで極性が反転する信号)を受けて一般的なロジック信号に変換する機能を持つパルスアイソレータもあります。
このようにパルスアイソレータを使用することにより信号レベルの異なる機器を接続することが可能になります。
パルスアイソレータを選択する場合には電源仕様や扱えるパルス信号の仕様などに制限がありますので注意が必要です。