ロータリーブロワ

ロータリーブロワとは

ロータリーブロワとは、容積式ポンプの一種でケーシング内部に偏芯して取り付けられたローターが回転することで機能するポンプです。

この装置はルーツブロワとよく比較されます。ルーツブロワは、マユ型のルーツが回転してポンプとして機能しますが、基本的に隙間が存在するため高い圧縮比を達成することはできません。

一方で、ロータリーブロワはケーシングとの隙間が基本的に存在しないため、ルーツブロワよりも高い圧縮比を得ることが可能です。これによって、より効率的な圧縮が期待できることから、様々な産業での用途に適しています。

ロータリーブロワの使用用途

ロータリーブロワは高い圧力の気体を大量に排出する能力を持っているため、大量の空気を必要とする浄化槽や排水処理施設の曝気槽向けのブロワとして広く使用されています。このブロワは空気輸送にも適しており、同様の理由から空気輸送用のブロワとしても活用されています。

ローターとケーシングが密接しているため、ロータリーブロワは真空ポンプとしても利用可能です。現在では吸引式フィルター、真空装置、吸込みタイプの空気輸送用の真空ポンプとしても利用されています。

また、ロータリーブロワは粉体の混合プロセスや化学工業の分野でも使用されるなど、その応用範囲は広いです。これらの用途において、ロータリーブロワの高い圧縮能力と効率的な性能が重宝されています。

ロータリーブロワの原理

ロータリーブロワはケーシングの内部に偏心して取り付けられたローターを持ち、このローターは上下に移動するシリンダによって駆動されます。シリンダの動作によってローターが回転し、ローターとケーシングとの接触を維持します。

この構造により、ロータリーブロワは高い圧縮比を保つことができ、結果として高い圧力の気体を生成することが可能です。真空ポンプとしても高い性能を発揮します。

従来のロータリーブロワはローターとケーシングの接触部には摩擦が発生するため、潤滑のために内部にオイルを常時供給する必要がありました。これは、油分を嫌う設備では使用が制限されるという問題を引き起こしていました。しかし、現在ではオイルフリーのロータリーブロワも開発されており、これにより油分を嫌う設備でも安心して使用することが可能です。

さらに、内部コーティングを施した特殊仕様のロータリーブロワも市場には存在し、化学工業をはじめとする多くの業界での応用が進んでいます。このように、ロータリーブロワは多様なバリエーションにより、広範な用途に対応しています。

ロータリーブロワの選び方

ロータリーブロワを選ぶ際は、以下の点が重要になります。

  1. 必要な圧力と流量
    どの程度の圧力と流量が必要かを明確にします。使用するプロセスが要求する最大圧力と流量を満たす能力を持つブロワを選ぶ必要があります。また、使用する気体の種類や特性(温度、湿度、化学的性質)も考慮に入れるべきです。
  2. エネルギー効率
    運用コストを低減するためには、エネルギー効率の高いブロワを選択することが望ましいです。これには、ブロワの設計、モーターの効率、全体的なシステムの効率が関与します。オイルフリーのモデルはメンテナンスコストも削減できるため、運用コストの観点からも好まれます。
  3. 設置する空間の制約
    設置予定の場所の空間が限られている場合は、コンパクトなデザインのモデルを選ぶべきです。また、騒音レベルも重要な選択要因であり、低騒音モデルが好まれる場合が多いです。
  4. 耐久性とメンテナンスの容易さ
    長期間にわたって信頼性の高い性能を維持するためには、耐久性が高く、簡単にメンテナンスが行えるモデルを選ぶことが重要です。部品の交換が簡単で、アフターサービスが充実している製品を選ぶことで、将来的なトラブルを回避できます。

参考文献
https://www.unozawa.co.jp/product/arj/features.html
https://www.tohin.co.jp/blower/rotary-vane/#

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