パンチングメタル

パンチングメタルとは

パンチングメタル

パンチングメタルとは、鋼板 (ステンレス鋼板、アルミめっき鋼板など) ・アルミ板・銅板などにパンチング加工用の金型により穴をあけた金属板のことです。

パンチング加工とは、板状の材料に穴をあける方法の一種です。パンチングメタルには規則的に配列された穴を開けるため、専用の金型を用いることにより加工時間を短縮できます。

パンチングメタルは人が触れられないようにするために安全用の遮蔽材や、デザイン性を求めるオブジェや照明などに使用されます。

パンチングメタルの使用用途

パンチングメタルは板状のまま使用するだけでなく、様々な加工を行うことでより広い用途に使用可能です。使用例は下記の通りです。

1. 自動車部品

排気マフラー、エアフィルタオイルフィルタ、ラジエーターカバー、フロントグリル (自動車の正面の格子状の部分) など

2. 建築材料

建築物の外装、建築物の内装 (エレベーター・階段の手すり・サンルームの屋根など) 、天井材、排気トップ

3. プラント関係

発電所や石油・ガス・化学製品の精製などに使用するストレーナ、通気口、階段、フェンス

4. 遠心分離機

食品や化学、薬品開発などに使用する遠心分離機など

5. 電子機器

スピーカー、電子機器の収納箱、エアコンのフィルター、照明器具のカバー

6. 家具

椅子、テーブルの脚、椅子の背もたれ、ベッドのフレーム
住宅・家電製品、キッチンや浴室の排水口、電子レンジの扉 (電波漏れ防止用) 、食器洗い機の排水口

7. その他

給排水管のフィルター、自動販売機の金属棚、航空機のエンジンカバー、防音素材、空気や水の濾過材など

パンチングメタルの原理

規則正しく多数の穴が空いた金属板などを必要とする製品を中心とし、パンチングメタルは広く様々な用途に使用されています。

また、板に開ける穴は丸穴が一般的ですが、角穴や長丸穴などの加工を行うことも可能です。このため、パンチングメタルは実用品だけではなく、装飾品などにも使用されます。例えば、パンチングメタルを円筒状へ加工することや、パンチングメタルを曲げ加工し、箱型に組み立てる事も可能です。

パンチングメタルは、パンチ(凸型)及びダイ(凹型)と呼ぶ金型を使用し、これらの金型を使用して板状の金属に多数の穴などをうち抜くことで加工を行います。パンチングメタルの加工は他の加工方法と比較して、金属板に対して規則正しい配位の多数の穴を短時間で加工することが可能です。

パンチングメタルを製造するプレス機としては、タレットパンチプレスと呼ばれるプレス機を使用することが一般的で、現在では金属板の加工手順をプログラム化し自動制御することが可能となっています。

パンチングメタルの性質

パンチングメタルの性質は下記の通りです。

1. 強度

金属シートに穴が開けられた構造のため、要求される金属シートの強度を確保しながら軽量化できます。また、穴は均等に配列されているので、応力分散が均一になり、応力集中が起こりにくくなります。建築産業や自動車産業などで使用されるパンチングメタルは、強度が高く剛性があります。

2. 通気性

多数の穴が開けられていて通気性が高く、風や空気がパンチングメタルの穴を自由に通過できるため、建築・排気システム・音響制御などに使用されています。通気性が高いため、湿度の上昇やカビの発生を抑えられます。

3. 軽量

パンチングメタルは金属シートに穴が開けられた構造を持っているため、同じ外形サイズかつ同一材料の金属シートよりも軽量です。建築産業や自動車産業では、パンチングメタルを使うことで構造物や車両の重量を軽くできます。軽量であり取り扱いが容易であるので、施工コストを削減できます。

4. 耐久性

パンチングメタルは金属製であるため、耐久性が高く屋外環境に耐えることができます。空気・水・雪などはパンチングメタルの穴を通過できるため、蓄積された雪や水によって金属シートが損傷しません。そのため建築物や屋外設備などでの使用に適しています。

5. 視認性

様々な穴のパターンや形状があるため、建築物や家具などで様々なデザインを表現できます。穴のサイズ・穴の配置・穴の形状などを工夫することで、多種多様なパターンの模様を作り出せます。

6. 熱伝導性

パンチングメタルは、金属製であるため熱伝導性が高いのが特長であり、熱交換器や加熱装置などで活用されています。熱伝導性が高いため、放熱板としても使用できます。

パンチングメタルのその他情報

1. 穴の形状

パンチングメタルの穴の形状は丸穴が一般的ですが、角穴や長丸穴に加工することも可能です。そのため実用品だけではなく、装飾品などにも使用されます。

2. 製造方法

パンチングメタルを製造する際は、パンチ (凸型) 及びダイ (凹型) と呼ぶ金型を使用し、板状の金属に多数の穴などを打ち抜きます。パンチングメタルを製造するプレス機としては、タレットパンチプレスと呼ばれるプレス機を使用することが一般的で、現在では金属板の加工手順をプログラム化し自動制御することが可能となっています。

3. タレットパンチプレス

タレットパンチプレスとは、形状の異なった金型をタレットと呼ばれる円状の金型ホルダーに固定し、NC制御によって金属板に穴をあけるプレス機のことです。NC制御は、数値制御の一種であり、コンピュータによって機械やロボットの動きを制御する技術です。NCはNumerical Controlの略称で、数値的な指示に基づいて機械を動かす方法を意味します。

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