ラドン吸入器とは
ラドン吸入器は、ラドンという気体を吸入できるようにする装置です。
温泉の一種であるラドン温泉 (放射能泉) に入浴をするとき、自然に気体のラドン (放射性物質) を吸入します。このときに吸入することにも入浴の意義があると考えられたことから、吸入器を運用するという発想が生まれました。すなわち、ラドン吸入器はラドン温泉の温泉地で実際に入浴しなくとも、ラドンを吸入できるようにする装置です。
ラドン (元素記号Rn) は無味無臭、無職の気体です。ラドンの同位体は多数あり、いずれも放射性物質です。狭義のラドンはラドン222 (222Rn) を指し、ラジウム (226Ra) から生成します。その他の同位体のうち、220Rnはトロン、219Rnはアクチノンとも呼ばれます。
ラドン吸入器の代表的な構造は、放射性鉱石から発生したラドンガスを空気ポンプによって送気し、吸入に用いるようにするものです。吸入器としての付加機能である、加湿や酸素導入などを可能とした製品も開発されています。
ラドン吸入器の用途
ラドン吸入器は、温泉以外の場所で、ラドン温泉への入浴を模するために用いられます。想定される使用場所は、例えば自宅やリラクゼーションサロンなどです。ラドン吸入器の使用目的は、湯治による健康増進を模することであり、この点からラドン吸入器は健康雑貨、あるいはリラクゼーション器具とも位置付けられます。
ラドン吸入器を運用する必要性は、放射能泉であるラドン温泉が非常に限られた地域にしか存在せず、実際に入浴することが容易ではない点にあります。ラドン吸入器は場所を選ぶことなくラドンの吸入が可能であり、この課題の有力な解決策の一つです。
ラドン吸入器は使用環境や目的に応じて、気体のラドンのみならず、酸素など他の気体を混合吸入できる装置や、加湿できるようにした装置が開発・提案されています。また、ガスを送気する機能だけの装置であれば小型にすることもできるため、簡単に持ち運ぶことができるサイズの吸入器も提案されている状況です。