鋼板曲げ加工

鋼板曲げ加工とは

鋼板曲げ加工

鋼板曲げ加工とは、板状の金属材料に力を加えて変形させる加工方法です。一般的にはベンダーブレーキと言われる曲げ加工専用機を使用します。ベンダーブレーキはこの他にベンダー、ベンディングマシン、ブレーキプレスなど色々な呼び方があります。曲げ加工板金加工の基本的な工法の1つに分類されます。

対象となる金属材料は、スチール、アルミ、ステンレス、があります。一般的に扱える板厚は材質にもよりますが、1.0~3.2mmが多く使用されています。しかし、加工メーカーや素材によっては0.3mmから30mm程度の範囲で加工が可能ですが、一般的に流通していない板厚には対応できないことがあります。

ベンダーブレーキには下運動を行うプレス部分(パンチ)と受け側に金型(ダイ)が上下に設置されています。
パンチとダイの間に曲げ加工を行う素材を設置します。この状態でパンチを下降させ、素材に力を加えて板金など金属素材を曲げます。

パンチが1往復すると、1箇所の曲げ加工が行われるため量産加工に向いています。
金属素材を曲げるには大きな力が必要になるため、油圧式、サーボモーター式、油圧サーボ、機械式など用途に合わせた駆動方式があります。

鋼板曲げ加工の使用用途

鋼板曲げ加工では1工程で1箇所の曲げ工程になりますが、工程を複数回繰り返すことで複雑な構造でも対応することができます。また、鋼板曲げ加工には加工方法により、V曲げ、R曲げ、Z曲げ、ヘミング曲げ(自由曲げ)などの種類があります。

鋼板曲げ加工は非常に多くの製品を製造する場合に使用されています。
身近な物ではワインオープナー、カッターの芯金、ピザカッター、パソコンの筐体などや金属ボックスケース、工業製品では固定金具などの製造に使用されています。
しかし、これら多くの製品は鋼板曲げ加工だけではなく他の加工も併せて加工して製品になることがあります。

鋼板曲げ加工の種類

鋼板曲げ加工には、大きく分類するとV曲げ、R曲げ、Z曲げ、ヘミング曲げ(自由曲げ)の4種類に分類されます。
また、メーカーによってはV曲げ、L曲げ、U曲げ、自由曲げと呼ばれていますが、基本的には、曲げ角が90以上の加工、角のない丸みを帯びた曲げ加工、直角もしくは曲げ部が複数ある加工、曲げ角度が自由な加工の4種類になります。その他はこれらの加工を拡張したものになります。
曲げ加工の場合、1つの加工方法で完結する場合もあれば、複数の加工工程を経て作られる場合もあります。

1. V曲げ

金属素材を90度以上のV字型に折り曲げる加工方法です。V字型のベンダーを使用して加工するため、加工部分の形状が鋭角になります。この加工方法は曲げ加工の中でも非常に多く使用されています。

2. R曲げ

R曲げは、角のないベンダーを用いて曲げ加工を行います。ベンダーに角がなく丸みを帯びているため、加工された金属素材も角のない丸みを帯びた形状になります。

3. Z曲げ

Z曲げは、Z型のベンダーを使用して加工する金属材料をZ形に曲げる加工方法です。
Z曲げの加工方法は2種類あります。
1つはV曲げを2回行う方法です、もう1つは専用のZ形ベンダーを使用して1工程で加工する方法です。

4. 自由曲げ

自由曲げは、V曲げを拡張した加工方法です。一般的には「パーシャルベンディング」と言われています。
自由曲げは、V曲げ加工の途中でパンチを停止することにより金属素材を曲げる角度を自由に調整する加工方法です。この加工方法は、金属素材に加える圧力が低いため他の加工方法と比較した場合、金属素材のそり(スプリングバック)が大きいため、加工精度は低くなります。

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