エポキシ粉体塗装

エポキシ粉体塗装とは

エポキシ粉体塗装とは、エポキシ樹脂を主成分とした粉体塗料を用いて塗装することです。

エポキシ粉体塗装とはエポキシ樹脂を主成分とした粉末状の塗料を対象物に静電気で付着させたあと、焼き付け工程により樹脂を溶解させて固着させます。

エポキシ粉体塗装に使用されるエポキシ樹脂はプラスチック素材に分類されます。また、工業用接着剤として使用した場合には非常に高い性能を持っています。そして、耐久性、耐水性、耐薬品性、耐食性など優れた特性があります。

一般の塗料には人体や環境に有害な有機溶剤が含まれているため、取り扱いには十分な注意が必要です。しかしエポキシ粉体塗装には溶剤は含まれていません。このため人体や環境に対して影響が低いため、広く使用されています。

エポキシ粉体塗装の使用用途

エポキシ粉体塗装では主成分がエポキシであるため耐久性、耐水性、耐薬品性、耐食性には優れていますが耐候性が劣ります。このため、紫外線の影響が少ない自動車や電機機械、屋内用建具、家具、家電製品、雑貨品のコーティングに使用されます。また、エポキシ樹脂の特性として耐薬品性が高いため薬品槽や工作機械などのコーティングに使用されます。

その他には、エポキシ樹脂の耐水性を生かして水道管の内面をエポキシ粉体塗装でコーティングして配管の防食対策を行う地方自治体もあります。

また金属への密着性、耐食性の高さと、溶剤塗料の上塗り適合性が高いことから、溶剤塗料の下塗りとして使われるケースもあります。

エポキシ粉体塗装の種類

エポキシ粉体塗装に使用されるのはエポキシ樹脂を主成分とした粉末状の塗料ですが、その中でも使用用途にあった特性を持つ粉体塗料が使用されます。 エポキシ樹脂を主成分とするのが一般的なエポキシ粉体塗料です。この塗料は熱硬化性粉体塗料として初めて商業化された製品です。特性として耐久性、耐水性、耐薬品性、耐食性が優れています。しかし、耐候性が劣るため、屋外で使用する場合は紫外線の影響が少ない場所に使用されます。 主な使用用途は自動車部品、屋内金属家具、家電、電気メーター、電機モーター、鉄筋、水道関連資材、パイプコーティングなど野外機器などのコーティング向けとなります。以下にエポキシ粉体塗装の種類を記します。

1. エポキシ樹脂(超低温焼付粉体塗料)

エポキシ樹脂を主成分とした低温焼付熱硬化型粉体塗料です。 通常のエポキシ粉体塗装の焼付温度は180℃位ですが、超低温焼付粉体塗料は110℃(焼付時間は20分)で焼付可能であり耐熱プラスチックなど高温にすることが出来ない素材へのコーティングが可能となります。

2. エポキシ樹脂(ジンクリッチ粉体塗料)

ポキシ粉体塗料に特殊な亜鉛粉末大量の配合して亜鉛の犠牲防食性(使用時に亜鉛部が優先的に腐食するため素地金属の腐食進行を防ぐ)を利用した下塗り用エポキシ粉体塗料です。代表的な用途ではガードレールや照明ポールなどの下地塗装に使用されます。

3. ハイブリッド型(エポキシポリエステル)

「ハイブリッド粉体」と言われている粉体塗料です。 エポキシ樹脂と酸末端ポリエステル樹脂を触媒で反応させてコーティングします。 特徴としては、コーティング後の外観がつや消し塗装となります。また、エポキシを使用しているため耐候性が劣ります。このため使用用途としては消火器、オイルフィルタ、機械部品、電動工具、事務家具などに使用されます。

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