光学測定器とは
光学測定器は、英語名で「Optical Measuring Instruments」と呼ばれており、主に受光器を用いて測光を行う機器です。その名の通り、光の測定器であり、光波などを処理することで、画像をより見やすくしたり、その特性を分析するために利用します。
一般的に光学測定器には、照度計や輝度計、放射計、積分球などがあります。機器によっては、これらを組み合わせて高精度な透過や反射などの光学特性を測定することが可能です。また、光学測定器は、三次元の測定が可能な機器も販売されています。
このような光学三次元測定器は、光学式コンパレータや測定顕微鏡と同様に、画像を使用して計測を行う非接触式の測定器です。CNC画像測定器とも呼ばれており、画像処理技術を活用して、高速で高精度な自動測定を行います。CNCは「Computer Numerical Control」の略称です。
光学測定器の使用用途
光学測定器は、さまざまな用途で使用されています。
例えば照度計は、紫外線照度計や紫外線強度計と呼ばれており、電子部品のシーリングやプリント基板の印刷などで使用されています。大部分は、各種産業における殺菌工程で使用されるランプの強度管理を目的として使用されています。
そのほかに光学測定器には、積分球がありますが、代表的な積分球としては、球形光束計が挙げられます。
球形光束計は、ランプの全光束を比較測定するために用いられ、分光測光装置に付属して分光反射率の測定に使用される小型の積分球です。ポータブル計測器としても製品化されており、持ち運びが可能です。
ただし、積分球は、大型の製品も販売されているため、導入を検討する際には注意が必要です。
主な用途として光源の全光束を測定するために使用されており、測定対象には、蛍光灯や白熱灯、モバイル機器のバックライトなどが挙げられます。
光学測定器の原理
光学測定器には、あらゆる機器や測定方法による分類があるため、記事内で解説した照度計や積分球の原理について、このトピックで解説します。
紫外線照度計
一般的に紫外線照度計は、小型な機器で持ち運びが容易です。シンプルな構造となっており、シリコンフォトダイオード前面に紫外透過フィルターと可視吸収フィルターを設置することで、可視域などを吸収して紫外線のみを取り出す仕組みです。
受光器は、交換式の製品も販売されており、受光器を差し替えることにより、紫外線の硬化用や紫外線洗浄用など、さまざまな用途で使用が可能になります。
積分球
積分球は、測定法や使用用途によって種類が多様で、主な利用形態には、ビーム測定法や全光束測定法、均一標準光源法、透過率・反射率測定法などがあります。
一般的な積分球は、光を集めて空間内で多重反射させることにより、光を均一化して、その一部を検出します。空間内は、球面となっており、内壁には、硫酸バリウムや熱可塑性樹脂、金メッキなどの反射率の高い素材が使用されています。
また、積分球は、測定光を照射する位置に穴があいており、入射した光が球内で反射されます。
しかし、光の均一化には、拡散反射を繰り返すことが必要です。このことから放射された光は、検出器に直接入射することを避けなければなりません。
そのため、光源と検出器の間には、バッフルと呼ばれる拡散用の遮光板が取り付けられています。
光学測定器の世界市場
光学測定器の世界の市場調査として、株式会社富士キメラ総研による発表とKenneth Research社による発表を参照しました。以下にそれぞれの発表内容を記載します。
- 株式会社富士キメラ総研による発表
株式会社富士キメラ総研は、2021年2月12日に光学関連製品の市場調査結果として「2021イメージング&センシング関連市場総調査」を発表しました。
同発表によると、2020年における光学ユニットの世界市場は、5兆5,967億円の見込みで、前年比が107.8%でした。そして、2026年の光学ユニットにおける市場は、8兆9,781億円となる予測で、2019年比では、172.9%となる見込みです。
- Kenneth Research社による発表
Kenneth Research社による市場調査では、世界の光学イメージング機器市場が2022年に23億米ドルに達し、2030年度末までに61億米ドルに達すると予測しています。
また、2022年から2030年の予測期間のあいだに年平均成長率(CAGR)が約15%ほど、拡大すると見込んでいます。