ポータブルpH計

ポータブルpH計とは

ポータブルPH計

ポータブルpH計は、pH計の中でも特に、持ち運びに特化したpH計です。基本的には、実験室の据え置き用のpH測定器と測定のメカニズムに違いはありません。ガラス電極を用いてpHを測定します。電極と、pH計本体がケーブルで繋がっています。pH計本体は、片手で持てるサイズとなっており、据え置き用のpH測定器と違い、電極を固定するためのスタンドはありません。

ポータブルpH計の使用用途

ポータブルpH計は、フィールドでの水質測定等、野外での測定に耐えうるように設計されていますが、もちろん、実験室でも利用可能です。様々な利用条件を考慮して、設計されており堅牢です。防水・防塵加工がされており、落下衝撃への耐性もあります。また、持ち運びに便利なキャリングケースとともに販売されている場合が多いです。人間工学的に基づいて設計されており、片手に収まるサイズなので、生産ラインなどの実務の現場でも利用できます。

ポータブルpH計の原理

pHは、水素イオン濃度を表す指標です。ポータブルpH計で広く利用されている、ガラス電極によるpHの測定方法について説明します。pHの測定に使うガラス電極は、水素イオンに反応するガラス膜で作られています。この電極を、試料に入れると、ガラス膜の表面で水素イオン濃度に対応した起電力が生まれます。この起電力を単独で取り出すことは理論上できません。ですので、基準となる電極(比較電極)とガラス電極の間に電圧計を挟み、この電位差を電圧計に表示させます。試料を測定する前に、pH濃度がわかっている液体(pH標準液)を測定し、起電力との検量線を作成することで、pHを知ることができます。ただし、pHと電位差の関係は温度によって微妙に変化します。電極の内部に温度素子が内蔵されており、電極の変化を補正します。これによってpH標準液や試料によって温度が異なっていた場合でも、安定してpHを測ることができます(これを温度補償と呼びます)。pH標準液や試料の温度を、恒温槽を用いて均一にする、という方法もありますが、フィールドでの使用を想定している、ポータブルpH計にとって、温度補償は重要な機能であるといえます。

参考文献
https://www.tactec.co.jp/download/hamilton_dl/hamilton_pH_info_1.pdf
https://www.toadkk.co.jp/support/useful/index.html
https://www.horiba.com/jp/application/material-property-characterization/water-analysis/water-quality-electrochemistry-instrumentation/the-story-of-ph-and-water-quality/the-basis-of-ph/measuring-ph-using-a-glass-electrode/
https://www.horiba.com/jp/ja/cafe/06/

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