ワイヤー電極線とは
ワイヤー電極線とは、ワイヤー放電加工機で使用する工具です。
工作物(ワーク)を放電加工を行う場合、ワークと工具電極間に電圧印加させ放電現象を起こします。
その時発生する高熱(7000℃程度)で少しずつワークを加熱溶解します。
この加工の際に使用する工具が「ワイヤー電極線」です。
その電極線の直径はおよそ0.05~0.3mmと非常に細い金属線です。
また、電極線を構成する物質はほとんど黄銅(銅と亜鉛の合金)です。
ワイヤー電極線の使用用途
ワイヤー電極線は、いろいろな硬い金属部品を切削加工する際に使用されます。
通電可能なワークで有ればどのように硬くても放電加工が可能です。
- 特殊リングの加工
ワイヤー電極線により特殊リングを高精度で切断します。 - 板ばね
ワイヤー電極線を使って板バネを重ね切りします。 - メタルマスク
簡単にメタルマスクの加工が可能です。 - 家電製品他
家電製品やスマートホーンに使用される金属部品の精密加工に使用されます。
また、航空機分野の精密部品加工にも使用されます。
ワイヤー電極線の特徴
ワイヤー放電加工機に使用する「ワイヤー電極線」は、電極としてのワイヤーを送り続けながらワーク金属を放電による熱で「糸のこ」のように切断します。
切断や異形加工する金属の形や厚さからワイヤーの径を決めますが。主に直径0.1~0.3mmの線を選択します。
放電加工機に使用されるダイス径により、電極線の直径が変わりますが太すぎるとダイスを通りませんし、細すぎても電極線が振れるので適切なサイズを選びます。
現在使用されている線径(単位mm)は下記のようになります。
・0.02,0.03,0.05,0.07,0.10,0.15,0.20,0.25、0.30
ワイヤー電極線の組成は、主に黄銅(銅と亜鉛の合金、亜鉛の組成が35~40%)が主になります。
黄銅は放電特性がよく、汎用型の電極線として大変広く使われています。
次いで使用されるのが、コーディングワイヤーと呼ばれるタイプです。
黄銅の表層に電気メッキで高純度亜鉛をコーティングします。
高純度の亜鉛層はワーク表面を均一で凹凸なく仕上げるため高速度加工が可能となります。
参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/110610283319/?list=PageCategory
https://sunroxedm.co.jp/product/
https://edm-expertnavi.com/492/
https://www.hitachi-metals.co.jp/products/auto/ml/discharge_wire.html
https://chb.co.jp/products-ct-wire/