ブシュ

ブシュとは

ブシュとは大きな意味では「部品同士の隙間を埋めるための部品」のことです。
よく機械部品で使われているのは、軸受け部品で使用されているブシュです。

軸受け部品は機械が稼働している最中、常に回転する軸と摩擦を起こしているため、グリスなどの潤滑油で摩耗を防ぐようにしても、完全にゼロにはできません。
そのため、削れた部分の再生が必要となるが、ブシュが使用されていれば、部品交換だけで機能を復元することができます。

ブシュの使用用途

ブシュには下記のような使用例があります。

  1. 自動車のサスペンションアームのジョイント部
    サスペンションアームと車体の間は、車体が走行中に振動で、お互いに摩擦が発生します。
    そのため、ジョイント部分にはゴム製のブシュが使われていて、振動の低減を可能にしています。
    ゴム製のため経年劣化をすると、走行時の振動やぐらつきが出るようになります。
  2. モーターとアームのリンク部
    蓋を開閉する用途で使われているモーターでは、蓋とモーターをつなぐアームの取付穴に無給油ブシュを入れることが多いです。
    アーム本体が削れると、部品交換が大掛かりになるためです。

ブシュの原理

ブシュには給油方式で無給油タイプと給油タイプの2種類あり、特徴が異なります。

  1. 無給油ブシュ
    定期的な給油が不要なので、給油しにくい場所でよく使われます。
    ただし、摩耗しやすいデメリットがあるので交換頻度が増えます。
  2. 給油ブシュ
    敵的な給油を行えば、摩耗は少なく交換頻度が下がります。
    ただし、給油を怠れば、かえって寿命は短くなるので管理が重要です。
    自動給油装置を同時に使用すれば、作業者の管理工数がかからなくなります。

またブシュに材質で強度が異なるため、使用用途によって適切な選定が必要です。
一般的な機械部品では、耐摩耗性を考えて強度の高い材質を選定しがちですが、ブシュは交換を前提とする部品です。
ブシュの強度が高すぎると、ブシュは摩耗しないのに、本体の部品側が摩耗してしまうため、部品交換のコストや作業工数が増加してしまいます。
ブシュは本体の部品の材質を考慮して、適切な材料を選定する必要があります。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/g0019.html
https://car-moby.jp/article/automobile-supplies/automobie-item/rubber-bush/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です