メモリモジュールとは
メモリモジュールとは、複数のメモリチップを基盤に実装したものです。
マザーボードのメモリスロットに挿入して使用します。コンピュータのプログラムや処理内容を一時的に記憶させておくための電子部品です。
メモリモジュールにはサイズによって、主にDIMMとSO-DIMMがあります。
メモリモジュールの使用用途
メモリモジュールはデスクトップパソコンやノートパソコン、サーバー、産業用機器などでCPUと共に使われます。メモリをメモリモジュールに構成したことで、使用用途によってメモリ容量を簡単に増設ができるようになりました。
例えば、オフィス文書作成に使っているパソコンと同じモデルのパソコンにメモリモジュールを追加して、簡単な写真編集にも対応できるようになります。
メモリモジュールの原理
ほとんどのメモリモジュールは、DRAMメモリチップが複数個実装された基板から構成されます。DRAMは電荷を蓄えるキャパシタ (コンデンサ) とスイッチとしての電解効果トランジスタ (FET) 一対から成るメモリセル、メモリセルが集まったメモリセルアレイ、ビット線、ワード線等で構成されています。
DRAMのキャパシタ (コンデンサ) に蓄えられた電荷の有無で、1ビットの論理情報が記憶されます。電荷は時間経過で消失するため、1秒間に数回程度、電荷の更新 (リフレッシュ) が必要です。 ワード線に電圧が印加されると、メモリセルのFETがキャパシタとビット線を導通になり、キャパシタの電荷移動によって1ビットの論理情報”0″または”1″が読み出し、書き込みされます。
メモリモジュールの記憶容量は、メモリ容量で表されます。基板に実装されているDRAMメモリチップの個数によって決まり、大きいほどより多くの作業や同時作業を行うことが可能です。 メモリの規格とデータ転送レートをまとめて、メモリクロックをスペックで示し、データ転送レートが大きいほどデータ転送を高速に行えることを意味します。
メモリモジュールの種類
メモリモジュールには、形状によっていくつかの種類があります。 DIMM以前に普及したSIMM、信号出力の効率化を図ったDIMM、企業が独自に開発したRIMMなどがありますが、一般的には高速かつ大容量のDIMMが広く採用されています。
1. SIMM (英: Single Inline Memory Module)
SIMMとは、基板の表裏両面で同じ信号を出力するよう設計されたメモリモジュールです。DRAMメモリチップが4または8個単位で構成されています。取り付けピン数がDIMMより少なく、大きさも一回り小さいのが特徴です。
2. DIMM (英: Dual Inline Memory Module)
DIMMとは、基板の表面と裏面でそれぞれ異なる信号を出力するよう設計されたメモリモジュールです。SDRAMメモリチップ規格が採用されています。 さらにDIMMはサイズによって2種類に分けられます。
- DIMM: デスクトップPC向け。
- S.O.DIMM: ノートPC、プリンタやルータなどのハードウェア向け。DIMMの半分程度の大きさ。
3. RIMM (英: Rambus Inline Memory Module)
RIMMとは、米国のRambus社が開発したDirect RDRAMと呼ばれる特殊なメモリモジュールです。DIMMとは異なる独自の技術で作られており、帯域幅が広い代わりに遅延時間(レイテンシ、CL)が比較的大きく高価である特徴があります。
メモリモジュールのその他情報
1. メモリチップの規格
メモリチップにも規格が存在しています。規格名として、DDRn (nには世代を示す数字が入ります) が挙げられます。現在、市場で流通しているのはDDR2、DDR3、DDR4、DDR5の4世代です。
メモリモジュールは、同一規格のメモリチップで構成する必要があります。そして、世代間で互換性はありませんので、今までのDDR3に代わってDDR4のメモリモジュールを使用するようなことはできません。
最新の世代になるほどメモリのデータ転送速度は高速となりますが、CPUやマザーボードが対応している必要があります。
2. デュアルチャネル
デュアルチャネルは、同一規格・同一容量のメモリモジュールを2枚1組で使用しデータ転送速度を2倍にする方式です。マザーボードがデュアルチャネルに対応している必要がありますが、多くのモデルが対応しています。
参考文献
http://www.ritsumei.ac.jp/se/re/fujinolab/FujinolabHP_old/IntroLSI/IntroLSI-11.pdf