ダイオードとは
ダイオード (英: diode) とは、電流を一方向にだけ流す電子部品です。N型半導体とP型半導体を接合したPN型ダイオードがよく使われます。
N型半導体は、原子核の持つ正の電荷に比べて電子が余分に存在している半導体です。余っている電子は自由電子と呼ばれ、電圧をかけるとマイナス側からプラス側へ移動します。N型半導体は、原子核の持つ正の電荷に比べて電子が余分に存在している半導体です。余っている電子は自由電子と呼ばれ、電圧をかけるとマイナス側からプラス側へ移動します。
P側がプラス、N側がマイナスになるようにPN接合ダイオードに電圧をかけると、マイナス側に移動したホールとプラス側に移動した電子とがPN接合面で出会い、N側の電子とP側のホールが結合してどちらも消滅します。
その分、N側には電源から電子が供給され、P側からは電子が流出してホールが生成され、P側からN側へ電流が流れることになります。逆に、P側にマイナス、N側にプラスの電圧をかけると、ホールはマイナス側、電子はプラス側と、どちらも接合面とは反対側に移動するため、電流は流れません。
このように電流を一方通行にするダイオードの特徴は、スイッチや整流器として利用されます。
ダイオードの種類
ダイオードには様々な種類がありますが、主に下記7種類が存在します。
- 整流用ダイオード
- スイッチングダイオード
- ツェナーダイオード
- フォトダイオード
- ショットキーバリアダイオード
- 発光ダイオード
1. 整流用ダイオード
電圧の方向によって電流の流れる方向と流れない方向があり、交流を直流に変換する働きがあります。
2. スイッチングダイオード
電流を一方向にのみ流す特徴をスイッチとして機能させるダイオードです。整流用ダイオードに比べて、オン状態からオフ状態になるまでの時間が短いことが特徴です。
3. ツェナーダイオード
ダイオードに逆電圧をかけても電流は流れませんが、逆電圧がある電圧 (ツェナー電圧) 以上になると、逆方向に電流が流れます。この時、電流の大きさに関係なく一定の電圧を保つことから、ツェナーダイオードを定電圧ダイオードと呼ぶこともあります。
4. フォトダイオード
フォトダイオードは光を照射すると微小な電流が一定方向に流れるダイオードです。発光ダイオード (LED) とは逆の働きをします。
5. ショットキーバリアダイオード
PN接合ではなく、N型半導体と金属を接合した構造のダイオードです。オン状態からオフ状態になるまでの時間が非常に短く、高速スイッチング動作に使われます。
6. 発光ダイオード
LEDとしてよく知られるダイオードです。順方向に電圧をかけると、PN 結合面で電子とホールが結合して消滅しますが、その前後のエネルギーの差分が光となって放出されます。半導体を構成する化合物によって、放出される色が異なります。
ダイオードの特性
ダイオードには、印加する電圧と流れる電流との関係を表すV-I特性、ダイオードがオンからオフになるまでの逆回復時間、印加できる順電圧・逆電圧の最大値、順電流・逆電流の許容最大値、電力損失など、多様な電気的特性があります。
用途に応じたダイオードの種類だけでなく、使用する環境や条件などに応じて適切な特性を持つものを選択することが大切です。
ダイオードの利用方法
ダイオードは一方向のみ電流を流す性質を持っているため、交流を直流に変換する回路に使用されます。 また、結合時の熱エネルギーを光として取り出す発光ダイオードにも使われているため、多くの電気製品に使用されています。 発光ダイオードは電流が流れるとPN接合の接合部から光を放出する特性があります。 材料によって様々な波長の光を放射できるので、テレビ画面や赤外線リモコンの投光部分に利用されています。
発光ダイオードの発光は熱が発生するため、エネルギー効率が良くLED照明機器として広く普及が進んでいます。 色々な電気機器で利用されるACアダプターにもダイオードが利用されています。 100Vの交流電源を、変圧器で12Vや6Vの電圧に落としてからダイオードとコンデンサーを使って平滑化された直流にします。