土のう袋

土のう袋とは

土のう袋

土のう袋とは、中に土砂などを詰め、中身が出てこないようにしばって使用する袋です。

本来は水害時の応急対策や土木工事現場で使われる土木資材ですが、丈夫で耐久性に優れているため、農業資材としても利用されています。

土のう袋の使用用途

農業現場において、土のう袋はさまざまな用途で使用されています。土砂などを詰めた土のう袋は、水田の水をせき止めて湛水状態にしたり、取り外して排水したりする際に用いられます。

また、農業用水路の補修・補強などにも使用します。 土のう袋は丈夫で軽量なので、野菜等の収穫、ごみ袋、用具・工具袋など、単に袋としての使用も可能です。麻製の土のう袋は通気性にも優れており、イモ類・タマネギ・米などの保存袋としても使われます。

さらに、土のう袋に水抜き穴を開け、中に培養土を詰めることで、野菜や花などを栽培するという使い方もあります。

土のう袋の種類

1. 麻製の土のう袋

麻製の土のう袋は、通気性の良さが特徴です。以前は麻製の土のう袋が一般的でしたが、現在はポリエチレン製のものが主流になっています。

​​​​​​​​袋栽培やガーデニングの道具の収納、根菜の保存など、様々な用途での活用が可能です。

2. ポリエチレン製の土のう袋

現在流通している土のう袋の大半はポリエチレン製です。ポリエチレン製は軽量で、価格も麻製のものより安価な場合が多いため、大量に用意する場合などにも重宝されます。

ポリエチレン製のデメリットとしては、紫外線に弱い点が挙げられます。そのため、日当たりの良い場所で長期間使用する場合には、紫外線劣化防止剤を使用した黒い土のう袋の活用が有効です。

土のう袋の選び方

土のう袋の大きさは、人が持ち運びしやすい48cm×62cmの大きさが一般的です。これは、水害時に土のうの大きさを揃えることで隙間なく積み上げ、浸水対策を効果的に施すためです。

土砂を入れた場合の容量の目安は約25kgとされており、25kgとなる位置にラインの入った土のう袋も販売されています。一般的なサイズの土のう袋以外にも、重機運搬用の大きいサイズや、ガーデニング用の小さいサイズのものもあります。

土のう袋の種類選びは、土のう袋を効果的に使用するために非常に重要です。特徴やサイズから、適切な土のう袋を選ぶようにしてください。

土のう袋の特徴

長所

土のう袋は主に水をせき止める目的で使われますが、使い方次第でさまざまな方法で使用することが可能です。例えば、通気性が優れている麻製の土のう袋は、野菜や果物、花などの袋栽培にも活用できます。

この使い方の注意点は、植物の栽培には適度な日照が不可欠なため、紫外線に弱いポリエチレン製の土のう袋は基本的に使用不可であることです。土のう袋で植物を栽培する際には、麻製の土のう袋あるいはUVカットタイプのポリエチレン製の土のう袋の使用が適切です。

また、袋栽培以外にも、土のう袋はイモ類などの保存袋や道具の収納袋として活用することができます。

短所

農業資材として幅広く活用される土のう袋ですが、耐久性によっては長期間の設置が困難であったり、隙間からの水漏れが起こりやすかったりすることが短所と言えます。

また、土のうの数が増えるほど、土のうの設置には体力が必要です。使用の目的にあわせて、適切な種類の土のう袋を活用することが大切です。

土のう袋のその他情報

吸水性の高い土のう袋

土のう作りに欠かせない土砂ですが、地域によっては土砂が手に入りにくい場合もあります。そのような場合には、吸水性のある土のう袋がおすすめです。

具体的には、袋を水に浸して膨張させることで、従来の土のう袋と同様に使用することができます。このタイプの土のう袋は、吸水後の重量が土砂を詰めた土のう袋より軽いことが特徴で、吸水後に運搬する場合にも便利です。

また、必要に応じて水に浸すだけで使用できます。使用前はコンパクトに収納しておくことができるので、水害が見込まれる地域では家庭用の防災グッズとしても活用できます。

リライアブル

リライアブルとは

リライアブルとは、特定の疫病から農作物を守る薬剤です。アシルピコリド系のフルオピコリドとカーバメート系のプロパモカルブ塩酸塩という全く作用性の異なる有効成分を組み合わせた薬剤です。

優れた浸達性により、葉の表、裏のどちらからも浸透し、葉全体に行き渡ります。また、雨水や給水等で洗い流されにくい保持力があります。リライアブルは、フロアブル剤のカテゴリーに入ります。つまり、粉立ちがなく作業者の薬剤被爆を避けることができます。

リライアブルの使用用途

リライアブルが適用される農作物は、低温多湿でカビが発生し易い場所と季節に栽培される作物に適しています。主にばれいしょ、たまねぎが該当します。

リライアブルは、浸透移行性が高く、散布後に新たに生長した箇所にも有効成分が効くことから、生育初期に適しています。作物に、つぼみができた時期に散布することが推奨されています。

使用できる期間は、作物で異なります。ばれいしょに対しては、収穫の7日前まで使用可能で、たまねぎは、収穫の14日前まで使用可能です。

ビニペット

ビニペットとは

ビニペットとは、ハウス用フィルムを固定するための部材です。ピニペットは、金属製で両サイドに溝を持った細長いレール形状です。ビニペットの上にフィルムを被せ、フィルムの上からスプリングをビニペットの溝にはめ込むことで、フィルムを固定できます。

ビニペットは、溝が深く、リップ部分が内側に折り込まれているものほど、スプリングが外れにくいです。複数のフィルムを重ねて固定する場合に、溝仕様を選ぶ必要があります。

ビニペットの使用用途

ビニペットは、農業用ハウスのシート張りに頻用されています。シートが多重構造のハウスでの場合に、複数のシートを一度に固定することができます。

例えば、育苗用ハウスは、雨水防風用のシートと日除けシートの二重構造ですあり、ビニペットを使って一度に固定しています。また、特殊なジョイントを用いると、ビニペットとパイプをクロスに止めることができます。また、ビニペットのスプリングの末端を加工することで、マイカ線を固定することもできます。ビニペットを活用することで、効率的にハウスを組み立てることができます。

反射シート

反射シートとは

反射シートとは、太陽光を反射させるための農業資材の1種です。

野菜や果物の生産に幅広く使用されており、地熱抑制効果や果樹の糖度・着色の向上、害虫被害の抑制などに効果があります。反射シートの厚みは0.2mm程度と薄く、太陽光を反射するように作られています。反射シートの特性から、太陽光反射シート・アルミ反射シート・光拡散シートなど、呼び方はさまざまです。

反射シートの使用用途

反射シートは、野菜・果物・穀物など、農業に関わるあらゆる作物に使用されています。ハウス栽培だけでなく、露地栽培にも有用です。

例えば、トマトやイチゴ、サクランボ、ブドウ、リンゴなどの根元に反射シートを敷き、太陽光を反射させる目的で活用されます。また、水稲育苗中の幼苗が日焼けしないよう、反射シートでカバーする使い方もあります。その場合、水稲育苗専用の使いやすい反射シートが便利です。

反射シートの特徴

長所

1. 反射光効果
反射シートは、作物に必要な光を株元・葉・実の裏側にも当てられるため、株の育成や果実の着色効果を得られます。

2. 防虫効果
反射シートの中でも、シルバーの反射シートは、光を嫌うアザミウマやコナジラミなどの害虫被害を減らす効果が期待できます。

3. 病気予防
反射シートにより、作物にまんべんなく光が行き渡ることで、健康状態の維持や病気の発生予防が可能です。

4. 収穫量増加
反射シートの効果により、作物の生長促進・害虫被害や病気の予防・摘果数の低減が可能となるため、季節を通した収穫量の増加が見込めます。

また、日照時間が短い冬場に反射シートを取り入れることで、使用前よりも収穫量が増えるケースも多く見られます。

短所

1. 雨天時の効果低減
反射シートは、太陽光を反射することによって効果を発揮するため、長期に渡り雨が続くと効果が薄れることがあります。

2. 破損の可能性
耐久性機能がない反射シートを圃場の通路に敷くと、破れる可能性があります。果樹や野菜などの株元以外の場所に反射シートを敷く場合は、高強度の丈夫なシートを選択することが大切です。

3. 汚れが落ちにくい
透湿加工されたものや不織布を素材とした反射シートは、汚れを落としにくいことがあります。防汚処理された反射シートを選択してください。

反射シートの種類

反射シートの素材は、不織布に反射性や赤外線遮蔽機能を施したものから、強度があるポリエステルとアルミニウムを組み合わせたものなどさまざまな種類があります。また、雨水を通しやすくした有孔タイプや完全防水タイプなどが販売されています。

反射シートの種類を色で分けると、白色とシルバーの2色が代表的です。以下、白とシルバーの反射シートの特徴を素材とともに詳しく解説します。

1. 白の反射シート

白の反射シートは、一般的にポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルムなどの素材で作られています。反射率が高く、光を拡散して反射するため、ハウス内の広い範囲に明るい光を行き渡らせることが可能です。

また、白の反射シートはシルバー色よりも遮熱性が高く、シート回りの温度上昇を抑制する効果があります。夏場の農業用ハウスや温室などで広く使用されています。

2. シルバーの反射シート

シルバーの反射シートは、アルミニウムフィルムやポリエステルフィルムを基材として、銀色の表面加工を施したものが一般的です。反射率が非常に高く、光を強くかく乱反射するため、果実を色付けるのに適しています。

また、シルバーの反射シートは、白色よりも光を強く反射するので、マルチ栽培などの害虫対策にも効果があります。

反射シートの選び方

反射シートのサイズや機能はさまざまなので、使用用途に応じて選ぶ必要があります。反射シートの幅は、65cmから150cm程度、長さは50mから100m程度と長い製品が一般的です。

耐用年数は製品によって異なりますが、約3~4年を目安に交換します。大規模農園になるほどコストがかさむため、当初から強度が高く汚れにくい反射シートの購入をおすすめします。

ディーゼルオイル

ディーゼルオイルとは

ディーゼルオイルとは、エンジンオイルの1種で、ディーゼルエンジンに使用する内燃機関用潤滑油のことです。

エンジンオイルは、ディーゼルエンジンオイル・ガソリンエンジンオイル・航空エンジンオイルの3種類に大別され、基本的にエンジンタイプに合ったオイルが使用されます。ディーゼルオイルはガソリンエンジンに使えるものの、ガソリンオイルをディーゼルエンジンに使うことはできません。

ディーゼルエンジン用のディーゼルオイルを使用しないと、シリンダやピストンを潤滑に動かせなくなったり、エンジンを正常に保てなくなったりします。

ディーゼルオイルの使用用途

ディーゼルオイルは、主に自動車や船舶、建設機械、発電機などに使用されています。農機具では、トラクターや耕運機、コンバインなどが挙げられます。

ディーゼルエンジンは、燃費が良くトルクが大きいため、大型船舶や漁船などの船舶でも多用されます。

ディーゼルオイルの特徴

ディーゼルオイルには、清浄分散材という酸を中和させるアルカリ性物質が、ガソリンオイルよりも多く配合されています。ディーゼルエンジンの燃料である軽油には硫黄分が多く含まれるため、不完全燃焼による汚れともいえる酸化化合物が生じます。

ディーゼルオイルを用いることで、燃焼時の酸化反応による汚れを中和し、エンジン内部への滞留や腐食を防ぎます。

長所

1. 高い安定性
ディーゼルオイルの長所は、熱や圧力の変化に対して比較的安定している点です。また、清浄性や摩擦防止性、酸化安定性に優れています。高出力のディーゼルエンジンにとって高い安定性は重要で、過酷な運転条件下や高速道路など長距離運転での安全走行をサポートします。

2. 強いトルク性
ディーゼルエンジンに適したディーゼルオイルを使用することで、安定した出力を発揮でき、発進時や坂道などを走る際の加速力であるトルクが強くなります。

3. 高粘度
ディーゼルオイルは粘度が高く、エンジンの摩擦や磨耗を低減させ、長期に渡り高いパフォーマンスを発揮します。

短所

1. 低温時の問題
ディーゼルオイルは粘度が高いため、冬季などの低温環境では流動性が悪くなり、エンジン始動が困難になることがあります。

2. 交換頻度の問題
ディーゼルエンジンに使用するディーゼルオイルと、ガソリンエンジンに使用するガソリンオイルの劣化具合を比較すると、ディーゼルオイルのほうが劣化スピードは早いため、オイル交換時期が早まる傾向にあります。

ディーゼルオイルの選び方

ディーゼルオイルは自動車用だけでなく、農業で使用するトラクターや耕運機に見合った規格 (グレード) のオイルが販売されています。ディーゼルオイルのグレードが高くなるほど、耐久性や省燃費性などが高くなります。

ただし、ディーゼルオイルを選ぶ際は、グレードを最優先するのではなく、車両メーカーが推奨する規格や粘度などを確認することが大切です。

ディーゼルオイルのその他情報

1. エンジンオイルの粘度

市販のエンジンオイルには、粘度やグレードが表記されています。例えば、「CD 10W-30」などです。ディーゼルオイルを含むエンジンオイルの粘度は、SAE規格 (アメリカ自動車技術者協会規格) で分類されています。

0W-20や10W-40などと表示され、左側の数字は低温時の粘度を示します。数字が小さいほど低温で固まりにくく、始動性が良くなります。右側の数字は高温時の粘度グレードで、大きくなるほど粘性が高くなり、エンジン保護性能を発揮しやすくなります。

2. エンジンオイルのグレード

エンジンオイルのグレードを示すものに、アメリカが定めたAPI規格があります。日本の規格としては、環境に対応したディーゼル車向けのJASO規格が設けられています。

API規格 (アメリカ石油協会規格) 
API規格表示では、ディーゼル車はC、ガソリン車はSで始まります。ディーゼルオイルでは、CA・CB・CC・CD・CE・CF・CF-4と、Cに続くアルファベット表記が進むごとに、省燃費性・耐熱性・耐摩耗性など品質グレートがアップしていきます。

農業用機械ではCDやCF規格を使用することが多く、大型トラックではCF-4規格が多用されます。

JASO規格 (日本自動車技術会規格)
JASO規格は、日本国内で使用されるディーゼルエンジン用のオイル規格で、高温酸化防止性が高いのが特徴です。主な規格にDL-1やDH-2があり、DL-1は乗用車ディーゼル車向け、DH-2は大型ディーゼル車向けのクリーンディーゼルオイル規格を示します。ただし、両規格に汎用性はないため注意が必要です。

ライン引き

ライン引きとは

ライン引き

ライン引きとは、畝作りや種播き、苗植えなどの作業に使用され、畑の整備に欠かせない道具の1つです。

ライン引きの道具は「ラインナー」とも呼ばれており、畑に直線を引く作業を「線引き」や「縄ずり」と言うこともあります。また、ライン引きというと、一般的には、学校のグラウンドなどに白線を引く器具を指すことが多いですが、本記事では農業で使用する道具であるライン引きについて解説します。

ライン引きの使用用途

ライン引きは、畑の土を細長く盛り上げる「畝作り」の前に直線ラインを引きたい場合や、種播き、苗植えなどの前に目印を付けるために使用されます。ライン引きは、付けた直線に合わせて耕運機で畝立てをしたり、種播きや苗を植えたりするのに便利です。

ほかにも、株間 (かぶま) に印をつけることで、その後の植え付け作業が容易になります。また、圃場に直線を引くことで、種播きや苗植えを均等に行うことが可能で、畝を美しく整えられます。

ライン引きの特徴

ライン引きの特徴は、人力で引っ張りながら直線が引ける点にあり、ガソリンなどの燃料は一切不要です。

長所

  • 正確な区画設定が可能
  • 作業効率が向上する
  • 一定の幅で一気に作業ができる
  • 手作業に比べ、楽に作業できる

ライン引きの最大の長所として、正確に区画設定できる点が挙げられます。作物の栽培面積を線引きして調整することで、より効率的に栽培を行えます。また、ライン引きを使用することで、手作業に比べて楽に作業を行えるのも大きな長所です。

さらに、ライン引きで直線を引くことにより、畝同士を真っすぐに一定間隔で作れるため、摘果や収穫作業時にも便利です。

短所

  • 使い方に慣れるまで経験が必要
  • 初期投資が必要
  • 一定の精度が必要
  • 雑草で作業効率が悪くなる

長所がある一方で、ライン引きの短所としては、使い方に慣れるまでに多少の経験と時間を要することや、初期投資が必要であることが挙げられます。

また、ライン引き本体のガタツキや爪部に破損があるなど、状態が悪いライン引きを使用したり、雑草が引っかかったりすると、作業効率が悪くなる可能性があるので注意してください。

ライン引きの種類

ライン引きの道具を販売する会社は少ないことから、種類はあまり多くありません。サイズはいくつかあり、全幅1.4~4m前後の製品が販売されています。また、ライン引きの素材は、軽量素材であるアルミ製を使ったタイプのほか、錆びにくいスチール製があります。

ライン引きの基本的な形状は同じで、1人で持ち手を持ち、引っ張ることで容易に直線を引ける構造です。地面に溝を付ける「爪部」は、希望する条間に応じて自在にスライドできるようになっており、交換もできます。

また、ライン引きは簡単に組み立て・取り外しができるため、移動時は軽トラなどへの積載が可能です。

ライン引きの選び方

ライン引きの選び方は、圃場面積や一度に直線を引きたい幅に応じて選びます。また、ラインを引く作業は基本的に1人作業のため、肉体的な作業負担も考慮し、適したサイズのライン引きを選んでください。

なお、ライン引きの製品は、引っ張る方向が後ろ向きに限定されたもの、前向き・後ろ向きのどちらにもチェンジできるタイプがあります。後ろ向きで進むのが苦手な場合は、両方向に対応したライン引きを選ぶことをおすすめします。

ライン引きのその他情報

1. ライン引き使用時の注意点

ライン引きには、いくつかの注意点があります。ライン引きの使用前に、できるだけ地面の凸凹をなくし、平らであることが望ましいです。また、ライン引きを使う際には、なるべく引きの力を均等にかけるようにすることで、正確な直線が引きやすくなります。

2. ライン引きの代替品

市販されるライン引きの価格は、全幅が広くなるほど高くなり、3~6万円程度です。経費を極力削減したい場合は、ライン引きの簡易版とも言える「田引車」を用いることもできます。ただし、ライン引きのように一気に何本もの直線を引くことはできず、1本ずつ直線を引くことになります。

また、小規模農家や家庭菜園など圃場面積が狭い場合は、自作のライン引きを作ることも可能です。ホースリールやロープ巻き取り器に、ロープを100mほど巻き付けるだけなので、容易に自作できます。

スピードスプレーヤー

スピードスプレーヤーとは

スピードスプレーヤー

スピードスプレーヤーとは、走行しながら薬剤を散布することができる農業用器具のことです。

その頭文字から「SS」と略称されることもあります。主に果樹園の病害虫の付着防止のため、農薬をまく際に利用され、特に大規模な農園では、散布にかかる労力を大幅に軽減することができます。

スピードスプレーヤーは、人が乗る運転席、薬剤を噴霧するポンプ・送風機、エンジンなどで構成されており、散布対象となる果樹に応じて、走行形式やポンプの吐出量、送風機の性能などが異なります。

スピードスプレーヤーの使用用途

スピードスプレーヤーは、主に果樹園の病害虫の付着防止用の農薬を散布する際に利用されます。散布範囲が広くても、効率良く一度に広範囲にまくことが可能です。

果樹園と一口に言っても、その仕立て法はさまざまです。立ち木向き・棚園向き・みかん園向きなど、果樹園の環境に合わせたスピードスプレーヤーが販売されています。

また、走行形式も4WD、6輪駆動などと仕様も異なり、傾斜地や凸凹の多い土地などに適したものを選択することができます。

スピードスプレーヤーの特徴

長所

スピードスプレーヤーの長所は、本体に大型のファンが装備されているため、霧状の薬剤を高所や広範囲に散布できることです。

走行方式によっては傾斜地や軟弱地でも散布可能なので、手作業で防除すること無く、効率的に作業できます。

短所

スピードスプレーヤーの短所は、ドリフトの危険性があることです。ドリフトとは、農薬を散布する際に、散布対象の作物以外に農薬が飛散することを指します。

スピードスプレーヤーはファンによる強い送風を使って、機体上方や側方に霧状の薬剤を散布するため、ドリフトが起こりやすいです。風がある日や隣接する他の作物がある場合は、気をつける必要があります。

スピードスプレーヤーの種類

1. 車体による分類

スピードスプレーヤーの車体は、キャビンタイプとオープンタイプがあります。キャビンタイプは操縦席に屋根やドアが付いており、薬剤の散布中に操縦者に薬剤がかかってしまうことを防いでくれます。

オープンタイプは屋根がないため、薬剤の散布中はヘルメットやゴーグル、マスクなどの装着が必要です。しかし、キャビンタイプに比べ安価に購入できます。

2. 走行方式による分類

スピードスプレーヤーには、4WD (4輪駆動) ・4WS (4輪操舵) ・6輪・3輪などの走行方式があります。圃場の地盤や規模に合わせて、適した走行方式が選べます。

スピードスプレーヤーの選び方

1. 圃場の形態

スピードスプレーヤーは製品によって、立ち木向き・棚園向き・わいか向き・みかん園向きなど、適している圃場を明確にしている製品もあり、圃場の形態にあっているか確認することが大切です。

2. 薬剤タンクの容量

スピードスプレーヤーの薬剤タンクは、基本的に500L・600L・1,000Lの容量があります。大規模な圃場であれば、容量が大きければ大きいほど効率よく散布できますが、コストもかさむので、自分にあった容量を見極めると良いです。

3. 走行形式

スピードスプレーヤーは、さまざまな圃場に適した走行方式があります。4WDは軟弱地でも比較的走行しやすい特徴があります。

小回りを求めるなら、4WSか3輪がおすすめです。4WSはオフロードに強く小回りがききます。3輪は小回りはききますが、傾斜地に弱く、平地でしか使えません。

6輪駆動は常に6輪が接地しているため、傾斜地や軟弱地に強く、安定した走行ができます。

4. 車体

スピードスプレーヤーの車体は、オープンタイプとキャビンタイプの2種類があります。少しでも価格を安くしたい場合は、オープンタイプがおすすめです。ただし、キャビンタイプより価格は安くなる反面、ゴーグルやヘルメットなどの操縦者を守る装備を揃える必要があります。

キャビンタイプは操縦席が囲まれているので、操縦者を守る装備を揃えること無く、安全を確保できます。しかし、オープンタイプよりも価格が高くなる傾向があるため、予算との相談になります。

スピードスプレーヤーの使い方

  1. エンジンをかける
    エンジンをかける前に、ポンプやファンのスイッチがオフになっていることを確認する必要があります。故障や事故につながる恐れがあります。
  2. 薬剤タンクに水を入れる
  3. 噴霧ポンプを起動する
    噴霧ポンプは起動前に、故障防止のため、ピストン部分にエンジンオイルを1~2滴注入する必要があります。
  4. 薬剤を作る
    薬剤を投入後は、噴霧ノズルを閉じ、必ず撹拌させます。薬剤の希釈割合は、必ずメーカーの指示に従って希釈しなければなりません。
  5. 散布する
    送風ファンを起動させ、安定した送風を確認したら、噴霧バルブを開き散布します。

アルミスコップ

アルミスコップとは

アルミスコップ

アルミスコップとは、その名の通りアルミで作られたスコップのことです。

畜産・農業や園芸作業、雪かき、キャンプなどのアウトドアシーンで使用されます。スコップの材質には、アルミ製以外では、鉄製、ステンレス製、プラスチック製など種類が多いです。アルミスコップは、強度面ではプラスチックのものよりも丈夫ですが、鉄製スコップには劣ります。

扱いやすさでは、鉄製のものよりは軽くて使いやすく、プラスチックスコップには劣ります。また、スコップには、先端の形の違いで「角型スコップ」「剣先スコップ」「窓スコップ (穴あきスコップ) 」など、さまざまなタイプのものがあります。

ヘッドの形によって、土ささりがよく地面を掘りやすかったり、砂利や堆肥などをすくいやすかったりと、得意分野が異なります。スコップの柄の材質は、木材と金属の2種類があります。金属製の柄は、冬は持つときに冷たく感じますが、耐久性は木製のものより優れます。木製の柄は、滑りにくいことが特徴です。

アルミスコップの使用用途

アルミスコップの使用用途は、酪農・畜産、農業、園芸・造園作業、土木建築の工事現場、除雪作業など多岐に渡ります。アルミスコップの全長は、スタンダードなもので1m前後です。アルミスコップは軽量で錆びにくいため、キャンプやアウトドアの際の持ち運びに便利です。

サイズや先端部分の形状などが違う多様な商品が販売されており、車載用の折りたたみタイプもあります。先が尖った剣先スコップは、硬い地面に尖った先端が食い込み掘りやすく、角型スコップは、腐葉土や肥料などを大量にすくったり、アスファルトに落ちた対象物も最後まできれいにかき取ることができます。

雪かきや道路の舗装には、大きめの角型タイプのものがよく使用されています。ブレードに穴があいている窓スコップは、軽量で土ばなれがよいため、粘土質土壌を掘るときや、大きな石をふるい分けたい作業に適しています。側面にギザギザ刃が付いたノコギリ機能があるものや、栓抜きがついているものなどは、アウトドアで用いられます。

アルミスコップの特徴

長所

アルミ製のスコップは、軽量で耐食性に優れ、他のスコップよりも扱いやすく、使いやすいのが長所です。掘削や重量物の運搬など、さまざまな作業に適しています。

形や大きさなどのバリエーションが豊富で、使用目的に合う種類を選びやすいことも大きな長所です。耐熱性があり錆びにくい構造は、屋外での使用に最適なツールです。雪かきや溝掘りなどのハードな場面でも、使用者の負担や疲労を軽減します。

短所

アルミスコップの短所は、機械的強度が弱く、鉄製のものに比べて強度や耐久性、耐摩耗性が劣ることです。硬い地面や凍った硬い雪を掘ったり、岩にあたったりすると、欠けたり曲がる可能性があります。

アルミスコップは摩耗に弱いため、焼き入れをして強度を強くした耐摩耗性の商品が販売されています。また、アルミは熱伝導率がよいため、雪が一度つくと離れにくいところが短所です。ただし、雪を滑りやすくするシリコンスプレーを吹きかけると予防できます。

アルミスコップの種類

アルミスコップには、ブレードの先端の形により、おもに下記のような種類があります。

1. 角型スコップ

スコップの先端が平らな形をしているスコップですすくったり、運んだりするためのスコップで、地面に落ちた細かな砂利などの対象物も最後まできれいにかき取れます。

土などの大きな塊を持ち上げるためにも最適です。ただし、硬い地面を掘るには効率が悪くなります。

2. 剣先スコップ

ブレードの先端が剣のような三角の形をしています。土ささりがよく、硬い土壌にも食い込むため、地面を掘るのに最適なスコップです。

角型スコップとは異なり、ヘッドがスマートで小回りが利きます。すくった土を花壇や鉢に入れたり、土と腐葉土、石灰、肥料などを混ぜ合わせる土作りの作業にも便利です。

3. スペード型スコップ

スコップの先が、トランプのスペードのような形をしています。土や溝を掘りかえす作業に適したスコップで、ブレードが先端に向かってわずかにカーブを描いています。

4. 窓スコップ

穴あきスコップとも呼ばれ、ブレードにいくつか穴があいています。普通のスコップより軽量で土ばなれがよいため、粘土質の土や湿った土壌を掘るときや、対象物をすくいながら大きな石をふるい分けたい作業に向いています。

5. 石炭スコップ

石炭がこぼれ落ちないように、ブレードの両端の縁が立ち上がり、ちり取りのような形になっているスコップです。全体的に大きな爪のような形で面積が大きく、石炭以外にも、一度にたくさんのものをすくいたいときに最適なスコップです。

アルミスコップの選び方

アルミスコップを選ぶ際に確認したいポイントは、スコップのヘッドの形です。スコップの先端の形が、尖っているか、平らかなどにより、スコップの得意な分野が違ってきます。

スコップを地面を掘る作業に使うのか、それとも土や堆肥などをすくったり、移動させたりするのか、使用用途を明確にすることが大切です。さまざまな場面での使用を考えている場合は、剣先スコップの購入をおすすめします。

剣先スコップは、地面を掘るのに適したスコップですが、土や砂利、雪などをのせて運ベるからです。角型スコップほどの大容量ではありませんが、1つで2通りの使い方ができます。

アースドリル

アースドリルとは

アースドリル

アースドリルとは、地面に穴を掘るために使用される道具のことです。

農業や家庭菜園などで幅広く使用されており、効率的で迅速な穴掘り作業を可能にします。アースドリルには、電動タイプや手動タイプなどがあり、素材は堅牢なスチールや鉄製で造られています。

アースドリルの使用用途

アースドリルは、農畜産業・家庭菜園・園芸分野などで活躍する道具です。主に支柱や柵などを地面に埋設する前に、下穴を空ける目的で使用します。

具体的な使用用途は、以下のとおりです。

  • ビニールハウスのパイプ埋設穴
  • 作物の支柱や雨除けの支柱埋設穴
  • 電気柵や牧場など柵の設置用穴
  • 植樹穴
  • 果樹・樹木への肥料や水やり穴
  • 日よけパラソルの支柱埋設穴

その他、肥料の混合・かく拌、木の根の掘削などにも、アースドリルが活用されています。

アースドリルの特徴

長所

アースドリルの使用により、支柱などを直接打ち込めない固い地面であっても、容易に下穴を空けられます。電動ドリルなどと結合して使用するアースドリルや手動のアースドリルの操作は比較的簡単であり、初心者でも扱いやすいのが長所です。

また、手動一体型タイプのらせん状の刃には、堀った土が溜まる仕組みになっており、穴の中に土が残りにくく作業が捗ります。

短所

アースドリルの短所は、石や岩盤などの固いものにぶつかると、歪んだり刃が欠けたりする可能性があることです。その際は、掘削場所を変えて使用してください。

また、手動一体型タイプのアースドリルは、固すぎる土を掘り下げるのは困難です。エンジン付きタイプは強力に下穴を掘れるものの、給油や始動手順などに慣れないうちは、使いにくい可能性があります。

アースドリルの種類

アースドリルの種類は、主に、以下の3つに大別できます。

  • ドリルに結合させるタイプ
  • 手動一体型タイプ
  • エンジン付きタイプ

1. ドリルに結合させるタイプ

電気ドリルやドリルドライバー本体に、らせん状のアースドリルを結合させて使うタイプです。最も汎用性が高く、ビニールハウスのパイプ埋設や園芸用支柱の下穴を空けるのに適しています。

電気ドリルなどに短めのアースドリルを設置すれば、シイタケの原木に種菌を打ち込むための穴空け作業が容易になります。

2. 手動一体型タイプ

手動一体型タイプのアースドリルは、持ち手とドリル部が一体になったT字型形状です。ドリル部の形状は2種類あり、らせん状タイプと、先端が鋭利な棒状タイプがあります。

らせん状タイプは持ち手を回転させて使うのに対し、棒状タイプは付帯の足乗せ棒に体重をかけ、まっすぐに押し込んで使います。手動作業のため、畑などの比較的柔らかい土の下穴堀りに適しています。

3. エンジン付きタイプ

エンジン付きタイプは、混合燃料が入った本体に、らせん状のオーガと呼ばれるドリルを結合します。本体を両手で持ち、アースドリル全体を地面に押し込むようにして使用してください。燃料を使用するためパワーがあり、太さや深さがある下穴掘りに適しています。

アースドリルの選び方

ドリル結合タイプのアースドリルは、短時間で地面に穴を空けられるため、ビニールハウスのパイプ埋設時など、数多くの下穴を空けるのに適しています。

手動一体型タイプのアースドリルは、少なからず身体への作業負担があるため、下穴の数が少ない家庭菜園などの支柱立て時に向いています。エンジン付きのアースドリルは打撃力が強いため、固い地質の穴掘りや植樹時におすすめです。

このように、使用用途や使用環境によって最適なタイプは異なりまう。アースドリルを選定する際は、まずこれらを明確にすることが大切です。

アースドリルのその他情報

アースドリルを購入する際の注意点

ドリル結合タイプを購入する際は、電動ドリルなどの本体とアースドリルの軸径が見合っているかを確認してください。支柱径よりもやや太めの軸径のアースドリルを利用すると、支柱などを設置しやすくなります。

また、アースドリルの溝の種類には「単溝」「両溝」などがあります。土質が荒土や砂地の場合は単溝型のタイプが向いており、粘土質には両溝型のタイプが適しています。

メカニックグローブ

メカニックグローブとは

メカニックグローブ

メカニックグローブとは、主に自動車整備をする際や、機械を触る際などの危険な作業中に、手を怪我から守るために使用する手袋です。

中には、使い捨てのものもあり、主に料理や掃除をする際に使用されます。防御型タイプと呼ばれるものは、防御性に優れています。

モトクロス競技などのスポーツの際に用いられる他、表面を特殊加工するなどした商品は、グリップ性にも優れているため、鉄鋼・非鉄金属製造業などの油脂を伴う作業にも用いられます。

メカニックグローブの使用用途

メカニックグローブには、防御性、防水、防寒、耐熱など、商品によって様々な機能があります。

防水性のあるものは、掃除や料理などの水場作業や、オイル交換作業に用いられる他、丈夫なものが多いため、畑作業でも利用されます。

バイクの運転時や危険の多い現場作業などでは、防御型のプロテクターが入ったものが用いられます。また、主にシリコン製の耐熱機能のあるメカニックグローブは、料理やバーベキュー、キャンプでの焚火など、アウトドア活動に利用される場合が多いです。

メカニックグローブの特徴

長所

メカニックグローブは、着用することで怪我や汚れから手を守ることができます。また、グリップ加工や耐熱性の付与など、特殊な加工が施されたメカニックグローブは作業をより安全でスムーズに行うために役立ちます。

使い捨てタイプは汚れやすい作業を行う時に使用し、洗浄などの手入れを行わず処分することができるため、効率的な作業につながります。

短所

メカニックグローブはものによっては高価で、使用する状況により破損しやすいことがあります。手の保護という目的を果たすことはできますが、コストパフォーマンスに優れるとは限りません。

メカニックグローブの素材はさまざまなものが使用されており、アレルギー反応を起こす可能性がある方は使用前によく確認しておくことが大切です。

メカニックグローブの種類

メカニックグローブには様々な機能を持つものがあり、使用用途によって使い分けることが大切です。

1. 使い捨てタイプ

ビニールやゴムを使用した薄手のもので、使用後の手入れがいらずすぐに処分することが出来るため汚れ作業に適しています。薄く作られていることが多いため、強度は低く危険な作業には向きません。コストパフォーマンスに優れていることも特徴です。

2. 滑り止めタイプ

手のひら部分に滑り止めが付いており、運搬作業を行う際に物を落としてしまう危険性を減らすことができます。少し厚手のものであれば、段ボールなどで怪我をしにくくなります。

3. パット付き滑り止めタイプ

手の甲側にパット、手のひら側に滑り止めが付いているタイプです。作業性と安全性を両立する万能なメカニックグローブです。

4. 防御型タイプ

プロテクターがついており、衝撃に強いためバイク用として多く用いられます。耐久性が高く、危険な作業にも適しています。

5. 耐熱タイプ

耐熱機能が付与されており、キャンプやバーベキューなどで火を扱う際に用いられます。火傷を防ぐだけでなく、多少の衝撃からも守られるためアウトドアには最適です。

6. 防寒タイプ

分厚く裏起毛になっており、手に冷たさが伝わりにくいため冷蔵・冷凍倉庫や冬場の作業時に用いられます。

7. 防水タイプ

液体が浸透しない特徴から、水場だけでなくオイル交換にも使用されます。

メカニックグローブの選び方

メカニックグローブは非常に種類が多いため、まずは使用用途に合わせどのような機能が必要なのかを考える必要があります。防御型や耐熱タイプなど、特殊な加工がされているものは比較的高価であることが多いです。

必要な機能はどのようなものか、どの程度の強度が必要かなどをよく調べて選ぶと安心です。

メカニックグローブの使い方

特殊なものでなければ手にはめるだけですが、製品によっては固定のための操作が必要になります。いずれも複雑な操作を必要としないため、スムーズに着用することができます。

作業中にグローブが取れてしまうと、大変危険です。事故を防ぐためには、自分の手に適したサイズのものを使用することが大切です。