ディーゼルオイル

ディーゼルオイルとは

ディーゼルオイルとは、エンジンオイルの1種で、ディーゼルエンジンに使用する内燃機関用潤滑油のことです。

エンジンオイルは、ディーゼルエンジンオイル・ガソリンエンジンオイル・航空エンジンオイルの3種類に大別され、基本的にエンジンタイプに合ったオイルが使用されます。ディーゼルオイルはガソリンエンジンに使えるものの、ガソリンオイルをディーゼルエンジンに使うことはできません。

ディーゼルエンジン用のディーゼルオイルを使用しないと、シリンダやピストンを潤滑に動かせなくなったり、エンジンを正常に保てなくなったりします。

ディーゼルオイルの使用用途

ディーゼルオイルは、主に自動車や船舶、建設機械、発電機などに使用されています。農機具では、トラクターや耕運機、コンバインなどが挙げられます。

ディーゼルエンジンは、燃費が良くトルクが大きいため、大型船舶や漁船などの船舶でも多用されます。

ディーゼルオイルの特徴

ディーゼルオイルには、清浄分散材という酸を中和させるアルカリ性物質が、ガソリンオイルよりも多く配合されています。ディーゼルエンジンの燃料である軽油には硫黄分が多く含まれるため、不完全燃焼による汚れともいえる酸化化合物が生じます。

ディーゼルオイルを用いることで、燃焼時の酸化反応による汚れを中和し、エンジン内部への滞留や腐食を防ぎます。

長所

1. 高い安定性
ディーゼルオイルの長所は、熱や圧力の変化に対して比較的安定している点です。また、清浄性や摩擦防止性、酸化安定性に優れています。高出力のディーゼルエンジンにとって高い安定性は重要で、過酷な運転条件下や高速道路など長距離運転での安全走行をサポートします。

2. 強いトルク性
ディーゼルエンジンに適したディーゼルオイルを使用することで、安定した出力を発揮でき、発進時や坂道などを走る際の加速力であるトルクが強くなります。

3. 高粘度
ディーゼルオイルは粘度が高く、エンジンの摩擦や磨耗を低減させ、長期に渡り高いパフォーマンスを発揮します。

短所

1. 低温時の問題
ディーゼルオイルは粘度が高いため、冬季などの低温環境では流動性が悪くなり、エンジン始動が困難になることがあります。

2. 交換頻度の問題
ディーゼルエンジンに使用するディーゼルオイルと、ガソリンエンジンに使用するガソリンオイルの劣化具合を比較すると、ディーゼルオイルのほうが劣化スピードは早いため、オイル交換時期が早まる傾向にあります。

ディーゼルオイルの選び方

ディーゼルオイルは自動車用だけでなく、農業で使用するトラクターや耕運機に見合った規格 (グレード) のオイルが販売されています。ディーゼルオイルのグレードが高くなるほど、耐久性や省燃費性などが高くなります。

ただし、ディーゼルオイルを選ぶ際は、グレードを最優先するのではなく、車両メーカーが推奨する規格や粘度などを確認することが大切です。

ディーゼルオイルのその他情報

1. エンジンオイルの粘度

市販のエンジンオイルには、粘度やグレードが表記されています。例えば、「CD 10W-30」などです。ディーゼルオイルを含むエンジンオイルの粘度は、SAE規格 (アメリカ自動車技術者協会規格) で分類されています。

0W-20や10W-40などと表示され、左側の数字は低温時の粘度を示します。数字が小さいほど低温で固まりにくく、始動性が良くなります。右側の数字は高温時の粘度グレードで、大きくなるほど粘性が高くなり、エンジン保護性能を発揮しやすくなります。

2. エンジンオイルのグレード

エンジンオイルのグレードを示すものに、アメリカが定めたAPI規格があります。日本の規格としては、環境に対応したディーゼル車向けのJASO規格が設けられています。

API規格 (アメリカ石油協会規格) 
API規格表示では、ディーゼル車はC、ガソリン車はSで始まります。ディーゼルオイルでは、CA・CB・CC・CD・CE・CF・CF-4と、Cに続くアルファベット表記が進むごとに、省燃費性・耐熱性・耐摩耗性など品質グレートがアップしていきます。

農業用機械ではCDやCF規格を使用することが多く、大型トラックではCF-4規格が多用されます。

JASO規格 (日本自動車技術会規格)
JASO規格は、日本国内で使用されるディーゼルエンジン用のオイル規格で、高温酸化防止性が高いのが特徴です。主な規格にDL-1やDH-2があり、DL-1は乗用車ディーゼル車向け、DH-2は大型ディーゼル車向けのクリーンディーゼルオイル規格を示します。ただし、両規格に汎用性はないため注意が必要です。

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