キラップフロアブル

キラップフロアブルとは

キラップフロアブルとは、バイエルクロップサイエンス株式会社から市販されている農業用殺虫剤です。キラップフロアブルは、エチプロール水和剤で、エチプロールを10%含有した白色の液体です。

キラップフロアブルの作用機序としては、キラップフロアブルは、害虫の神経伝達物質に作用することにより殺虫効果を示します。このキラップフロアブルの作用機序は、通常の殺虫剤の作用機序とは、異なります。そのため、キラップフロアブルは、他の殺虫剤に耐性があったり、感受性が低い害虫にも効果があります。

キラップフロアブルの使用用途

キラップフロアブルは、農作業を行う際の害虫を駆除するために使用されます。キラップフロアブルの使用方法としては、水で最適濃度に希釈したあとに、植物を栽培している農地に散布します。

以下に適応植物・害虫を説明します。

まず、カメムシ類は、稲作において成虫・幼虫ともに稲の子実粒を加害します。また、エダマメやダイズを栽培する際にも、カメムシの増殖が大きな問題になります。キラップフロアブルは、カメムシ類(アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメなど)に優れた殺虫効果を示します。

その他、りんごを栽培する際に問題になるキンモンホソガ、モモシンクイガやアブラムシ類、柑橘類を栽培する際に問題になるチャノキイロアザミウマなどにも高い殺虫効果を示します。

ペール缶スタンド

ペール缶スタンドとは

ペール缶スタンドとは、重量があるペール缶を設置し、内容物を別容器に移すために使用する道具です。

ペール缶スタンドのハンドル部を傾けるだけで、ペール缶の内容物の移し替えが容易になります。また、単にペール缶を保管・移動するためのペール缶スタンドもあります。

重量のあるペール缶を持ち上げる必要がないため、作業効率の向上や労力軽減につながります。

ペール缶スタンドの使用用途

ペール缶スタンドに設置するペール缶の内容物は多様なため、使用用途も多岐に渡ります。

1. 自動車修理工場

自動車修理工場では、エンジンオイルやトランスミッションオイルなど液体の補充作業で、ペール缶スタンドが使用されることがあります。

2. 建築現場

建築現場では、塗装などの施工作業時に、ペール缶スタンドを使うことがあります。

3. 工場

食品工場や化学薬品工場では、ペール缶内の液体や化学物質の保管・供給にペール缶スタンドを使い、流出事故の防止や作業軽減に役立てています。

ペール缶スタンドの特徴

ペール缶スタンドの形状はシンプルです。主に、堅牢かつ錆にも強いスチール製やステンレス製などのフレームが用いられ、ペール缶設置枠・ハンドルで構成されています。

また、ペール缶スタンドは耐火性もあり、熱や火災のリスクがある環境でも使用可能です。

長所

ペール缶スタンドは、ペール缶を安定させるために設計されています。これにより、ペール缶が倒れたり転倒したりするリスクを軽減します。

ペール缶スタンドを使用することで、作業者は安定した状態でペール缶を操作できるため、効率的かつ正確な作業が可能です。また、ペール缶スタンドは一般的に頑丈な金属で作られており、長期間に渡って使用できるほどの耐久性があります。

短所

ペール缶スタンドは、主に丸型のペール缶用の道具なので、一斗缶に使用できないこともあります。また、他の用途に使用できない点が短所です。

ペール缶スタンドは一定のスペースを要するため、設置場所に不自由する可能性があります。組み立てタイプがほとんどですが、1人で組み立てられない製品もあるので、購入前に確認が必要です。

ペール缶スタンドの種類

ペール缶スタンドには、いくつかの種類があります。

1. スイング式

ペール缶スタンドとして最も一般的な、スイング式と呼ばれるタイプです。ハンドル操作により、容易にペール缶の傾きがコントロールできるため、内容物を容易に移し替えできます。

2. キャスター付き

ペール缶スタンドの底部にキャスターが付いており、必要に応じて移動できます。

3. 固定式

固定式のペール缶スタンドにはキャスターがなく、床面に直置きします。安定性が高い一方で、移動しにくいのが特徴です。

4. 二段式

二段式のペール缶スタンドには、ペール缶を上下の枠に2つ設置できるため、縦方向の空間を有効活用できます。

5. 横置き

横置き型のペール缶スタンドもあります。ハンドルが付いていない製品が多いため、傾けることはできません。専用の給油栓が必要です。二段に重ねられる製品もあります。

6. 卓上置き

棚や卓上に置けるタイプのペール缶スタンドも販売されています。製品によっては、ペール缶と一斗缶の両方に対応しています。

ペール缶スタンドの選び方

ペール缶スタンドを選ぶ際は、以下の要素を考慮し、使用目的や環境に合った適切な製品を選ぶことで、作業の効率性と安全性を向上できます。必要に応じて、専門家や製造業者からの助言も利用してください。

  • 適応缶サイズ
  • キャスターやハンドルの有無
  • 設置場所に見合ったサイズと形状
  • 組み立てに要する人員数

ペール缶スタンドのその他情報

ペール缶スタンドの使用上の注意点

購入前に、ペール缶スタンドとペール缶のサイズが適合しているかを確認してください。多くのペール缶スタンドには、落下防止ストッパーが付帯していますが、ストッパーがない場合は、ペール缶を傾け過ぎて落下させないよう注意が必要です。

また、移動可能なキャスター付きペール缶スタンドで、ストッパーが付いていない製品もあります。作業時に動かないよう、車の輪留めなどを活用して安全を確保してください。

ワンタッチカプラー

ワンタッチカプラーとは

ワンタッチカプラー

ワンタッチカプラーとは、カプラーと呼ばれる流体継ぎ手のプラグ (オス側) とソケット (メス側) をスライドさせてはめ込むことにより、ワンタッチで接続可能とした配管接手です。

材質にもよりますが、迅速かつ容易に着脱が可能であり、空気、水、油といったさまざまな流体に用いられています。ワンタッチカプラーの特徴は、その他のねじ込み式やクランプ固定式の継手と比較して接続の時間が短く、脱着と同時に内部バルブの開閉が行われるため、脱着時の流体漏洩量が少ないことです。

ワンタッチカプラーの使用用途

ワンタッチカプラーの使用用途は幅広く、プラグ・ソケットやホースの素材耐性にもよりますが、さまざまな気体や液体の移送に使用することが可能です。具体的には、種々の工場内での圧縮空気や窒素などの気体配管、冷却水やブラインなどの液体配管などです。化学や電子、食品といったあらゆる分野で用いられています。

農業用途においても、散水ホースや農薬などの散布機の継手部分に多く用いられることが多いです。ワンタッチで脱着が可能となることから、これらの作業をより素早く、より簡単に行えるようになります。

ワンタッチカプラーの特徴

長所

ワンタッチカプラーの長所は、名前の通りワンタッチで簡単に接続できることです。農業分野におけるカプラーは、灌水時の蛇口とホースの接続に用いられることが多く、着脱の機会が多くあります。このため、毎日のように行う着脱の作業性が向上すると、ストレスなく灌水作業を行えるようになります。

また、同じ規格のワンタッチカプラーを使用することで、多くのホースを接続することが可能です。そのほか、ホースの種類を変更したいときにも使用されます。

短所

ワンタッチカプラーの短所は通常のカプラーと異なり、蛇口とホースにそれぞれプラグ (オス側) 、ソケット (メス側) を付けておく必要があることです。そのため、ワンタッチカプラーと通常のカプラーを比較すると使用開始時の作業は少し増えてしまいます。

その一方で、プラグやソケットを一度つけてしまえば、その後の作業が非常にスムーズになります。

ワンタッチカプラーの種類

ワンタッチカプラーのサイズは主に1/4、3/8、1/2の3種類に区分されており、最も使用されているのが3/8サイズです。高圧洗浄機などに使用する際はメーカー、機種ごとにサイズが異なる場合が多いため、図面で確認することが大切です。

移送したいものの種類により、使用する製品が異なるケースがあります。薬剤など特殊なもの移送に用いる際は、対応可能な製品か確認が必要です。

ワンタッチカプラーの選び方

使用する際にどのくらい水を流すのか、水量・水圧に合ったワンタッチカプラーを選ぶことが大切です。水圧によりカプラーが外れてしまったり、事故が起こってしまったりするのを防ぐため、水量が多い場合は高圧に耐えられるものを選ぶ必要があります。

高圧タイプのワンタッチカプラーは、中に入っている球が8つと中圧タイプの6つに比べ多く、ホースからカプラーが外れないようにするスライドロックが付いていることが特徴です。

ワンタッチカプラーの使い方

ワンタッチカプラーは通常のカプラーと異なり、接続部にそれぞれオス側のプラグ、メス側のソケットを取り付けて使用します。プラグとソケットを押し当てるだけで接続できるもの、合わせて回転させることでロックされるものがあり、どちらも工具なしで簡単に接続することが可能です。

ワンタッチカプラーは着脱により中に入っている球が動き、自動的に止水するという特徴があります。長期間の使用により球がすり減ったり、変形しバリが出てしまったりすることがあるため、定期的にメンテナンスを行うことが重要です。

バリが出て上手く接続できなくなったときは、やすり等でバリを除去することで解決する場合もあります。

ミニビニールハウス

ミニビニールハウスとは

ミニビニールハウス

ミニビニールハウスとは、ビニール素材とパイプで作られた、家庭用の小型温室のことです。

植物や野菜作りなど家庭菜園で多用されており、さまざまな種類が販売されています。100均やホームセンターなどでミニビニールハウスの素材を購入し、自作のミニ温室として活用する方もいます。

ミニビニールハウスの使用用途

ミニビニールハウスは家庭菜園で使用されることが多く、寒い時期の植物や野菜などの防寒対策や育苗管理などに活用されています。

その他、ガーデニング用品の保管や一時的な洗濯物干し場として使用することも可能です。ビニールやパイプなどの資材を購入すれば、ベランダや室内の置き場所にフィットしたミニビニールハウスを自作できます。

ミニビニールハウスの特徴

長所

ミニビニールハウスの最大の長所は、手軽に保温環境を作れることです。ミニビニールハウス内に植物や花などを移動することで、強風や雨、寒さから守れます。

また、ミニビニールハウスは日光を透す素材でできているため、植物などの光合成や成長を妨げません。春先以降はビニールカバーを外して防虫ネットに交換すれば、虫除けにも最適です。

短所

温室効果が高いため、こまめな温度観察が必要です。また、ビニールカバーは数年間で劣化してくるため、買い替えや処分の手間がかかります。

自作のミニビニールハウスの場合、接地部分をしっかり固定しないと、強風で倒れてしまうことがあります。ミニビニールハウスは強風が直接当たらない場所に設置し、ペグなどで地面にしっかり固定しましょう。

ミニビニールハウスの種類

ミニビニールハウスの基本的な構造は、骨組みとなるフレームとビニールもしくはアルミ製ガラスでできています。農業用の大型ビニールハウスとは異なり、ミニビニールハウスは通販サイトやホームセンターでさまざまな種類を入手可能です。

代表的なミニビニールハウスの種類として、以下の4種類が挙げられます。

1. 家庭菜園の作業がしやすいミニビニールハウス

家庭菜園用のミニビニールハウスは、長方形・ドーム型など多数の形状が販売されています。自宅の庭に設置する場合、中に入って作業できる高さがあるミニビニールハウスが便利です。

高さが2mあれば、腰を曲げる必要がありません。入り口の種類も多様で、ファスナー式や巻き上げ式、扉タイプなどがあります。

2. 室内に置けるお洒落なミニビニールハウス

低温に弱い花や多肉植物などの寒さ対策には、室内に置けるお洒落なミニビニールハウスがおすすめです。移動がラクな軽量タイプや折り畳みタイプなど、デザインや大きさもさまざまです。栽培環境を整えるのが難しい観葉植物の管理にも最適です。

3. 背丈の高いミニビニールハウス

洋ランなど背丈の高い花を保温できるよう、縦長のミニビニールハウスもあります。設置スペースを取らないので、鉢を1つだけ保温したいときにも便利です。

4. プロ仕様のミニビニールハウス

プロの農家も納得の本格タイプのミニビニールハウスもあります。耐久性や耐候性に優れた農業用のビニールを用いているため、家庭用よりも長持ちします。

また、強風でビニールが飛ばないような押さえバンドや螺旋杭がセットの製品を選べば、風が通り抜ける場所に設置しても安心です。

ミニビニールハウスの選び方

家庭用のミニビニールハウスを購入する際は、使用目的はもちろん、置き場所、サイズを明確にしておくことが大切です。また、屋外に設置する場合は、ペグを打てるタイプのミニビニールハウスがおすすめです。

ペグなどで固定できないタイプのミニビニールハウスであれば、レンガなどの重たいものを複数個所置くなどして、強風対策を行う必要があります。1人では組み立てられないタイプのミニビニールハウスもあるので、購入前に確認することをおすすめします。

リン酸肥料

リン酸肥料とは

リン酸肥料とは、主成分としてリン (P) を含有する肥料の総称です。

リンは窒素 (N) 、カリウム (K) と並んで肥料の3大要素とされています。特に開花、結実を促す効果があり、リン酸肥料は別名で花肥、実肥などとも呼ばれています。リンが欠乏した作物は生育が弱まるだけではなく、開花や成熟が遅延する可能性が高いです。

結果として実の収量が落ちたり、味がぼけたりするため、農作物に重要な栄養素です。また、リン酸は日光や光合成でできた太陽エネルギーや呼吸エネルギーを作物の成長エネルギーに転換させる大切な役割があります。

古くは骨粉、米ぬか、灰といったリン酸を多く含むものを有機質肥料として用いていましたが、現在では過リン酸石灰などを原料とした無機質リン肥料が主流です。さらに、現在では2つ以上の成分を含む複合肥料を用いる割合が高くなっており、リン酸肥料を単独で施肥するケースは少なくなっています。

リン酸肥料の使用用途

リン酸肥料は、植物に必要不可欠な栄養素であるリン酸を補い、植物の生育を助ける際に使用されます。特にリン酸は植物の花芽充実や結実の促進、果実の品質向上などが目的です。そのため、花や実をつくる生殖生長期や果実の肥大期に使用すると、より高い効果が期待できます。

また、植物体を作るのに必要なたんぱく質や遺伝子の元になる核酸の構成成分でもあるため、栽培の初期から必要な栄養素です。現在、主に用いられているリン酸肥料は無機質製品が多くなっていますが、肥料の種類によって効果の作用が異なります。過リン酸石灰などのリン酸肥料は即効性肥料といわれ、すぐに水に溶けて根から作物に吸収されます。

一方で、熔成リン肥などのリン酸肥料は水に溶けにくく、ゆっくりと作用して効果が長く続くことから緩効性肥料といわれれる肥料です。熔成リン肥はアルカリ性のため、特に土壌のpH調整に用いることが可能であり、リン酸を吸着するアルミナ (アルミニウムの酸化物でリン酸を吸着すると作物のリン酸吸収の阻害になる) の活性を抑制する働きもあります。

リン酸肥料の特徴

長所

  • 適切な量と回数あたえることで、より花や芽がついたり、果実の品質向上につながります。
  • 葉面散布で使用できるため、花や実をつくる時期や果実の肥大期など散布したいタイミングで散布し、早く効かせることができます
  • 農薬と混合して使用できるものもあるため、作業の省力化につながります。

短所

  • 入れすぎると農作物の背丈が伸びず生育不良を起こしたり、亜鉛や鉄など微量要素の吸収阻害を引き起こします。
  • リン酸は他の成分と比べ、植物への吸収率が低いです。固形状、液体状どちらも散布するなどの対策を行わないと、リン酸不足になってしまう可能性があります。

リン酸肥料の種類

リン酸肥料は形状によって、次のような種類に分類できます。

1. 固体状リン酸肥料

固体状リン酸肥料は、形状が粉や粒の固形状の肥料になります。固体状のものは基本的に、農作物の植え付け前の土壌に散布、混和して植物の根からリン酸を吸収させます。

リン酸肥料は土の中で移動が少なく、根からの追肥で補うことが難しいため、植え付け前の散布で不足なく散布しておくことが重要です。

2. 液状リン酸肥料

液状リン酸肥料は、液体のリン酸肥料を希釈し、農作物の葉面に散布し使用します。葉面に散布して植物に吸収させるので、ある程度農作物を成長させてから使用します。

固体状リン酸肥料と比べ、農作物への吸収が早いため、追肥や花芽がつく時期、果実の肥大期での散布が効果的です。また、液状リン酸肥料は農薬散布時に混ぜて使用できるものもあり、作業の省力化につながります。

リン酸肥料その他情報

リン酸肥料の注意点

  • 液状リン酸肥料は、アルカリ性の物質や石灰硫黄合剤と混ぜて使用することができません。
  • 高濃度で散布してしまうと、根や葉に炎症が出てしまう可能性があるため、適切な濃度で使用することが大切です。

育苗トレー

育苗トレーとは

育苗トレー

育苗トレーとは、細かくトレーで仕切られている育苗箱のことです。

その名の通り、植物を栽培する上で、ある程度の大きさまで成長させるために使用します。

育苗トレーの使用用途

育苗トレーは、植物を苗まで育てる際に使用します。トレーの中で種をまいて、成長させることで、苗まで育てています。

初心者の方は特に、種から植物を成長させることが難しいです。育苗トレーである程度の大きさまで成長させてから、畑に植えることで、確実に植物が成長します。

育苗トレーの特徴

長所

育苗トレーの長所として、畑に植える前に苗を大きく育てられることが挙げられます。前述したとおり、畑に移植した後も成長の度合いが同じである苗を効率的に育てることが可能です。

そのほか、管理がしやすいことも長所の一つとして挙げられます。これは、間引きの作業を一気にできたり、天候に合わせて場所を移動したりすることができるためです。

また、管理された環境で植物を成長させるため、害虫から守り、安全に栽培をすることも可能です。

短所

育苗トレーの短所として、まずコストが挙げられます。育苗トレーを購入するのはもちろん、育苗トレーを置く場所も必要になります。ある程度場所の余裕がないと、使用するのは難しいです。

育苗トレーの種類

育苗トレーには大きく分けて「連結ポット」と「セルトレー」の2種類があります。

1. 連結ポット

連結ポットは、16~49個程度のポットが連結された育苗トレーです。ポットのため、深さがあり、根付きの良い苗を育てることができます。

2. セルトレー

セルトレーは、72~300個程度の小さな穴がある育苗トレーです。連結ポットと比べて、穴が小さいため、限られたスペースで多くの苗を育てることが可能です。

育苗トレーの選び方

育苗トレーは、育てる植物によって適切なものを選ぶことが大切です。

1. 強い根を形成したいとき

苗の根を強くしたいときは、連結ポットを使用すると良いです。茎が太く、根が強く、畑に移植した後も、定着が強く成長してくれます。なるべく、育苗トレーで大きく成長してから移植したい場合におすすめです。

2. 夏場に育苗したいとき

夏場に育苗する際は、白色のセルトレーを使用すると良いです。一般的に、育苗トレーは黒色が多いですが、白色のトレーを使用することで、遮熱効果があります。

畑で栽培するときよりも、育苗トレーは土が乾燥しやすいため、熱を下げて土からの水の蒸発を防ぐ必要があります。

3. 葉茎菜類を育苗したいとき

ブロッコリーやキャベツなどの葉茎菜類の育苗には、128穴のトレーがおすすめです。特に、プラグトレーは成長した苗をそのまま畑に差し込むことができることから、使い勝手が良いと言えます。

育苗トレーの使い方

育苗トレーを使用する際は、以下の手順に沿うことが大切です。

1. 育苗トレーに土を入れる

土にも種類があるので、育てる植物や気候に合わせて、選定します。

2. 種をまいて、土をかぶせる

土に軽く穴を作って、種をまきます。また、種をまいて、土をかぶせたら、何の植物を植えたか分かるように、ピンを挿して管理します。

3. 給水をする

育苗トレーは基本的に土が乾きやすいです。そのため、給水をしっかり行うことが大切です。受け皿を用意して給水したり、霧吹きなどで給水したりする方法があります。

育苗トレーのその他情報

育苗トレーを使用して栽培する上で日当たりや水の管理について紹介していきます。

1. 日当たりの管理

育苗をする上で種から発芽する前までは、温度の管理を徹底することが必要です。発芽の最適温度は、品種によって異なるため、気温が下がる場合は、保温するなどの管理が必要になります。

また、発芽後は日当たりが良い場所に育苗トレーを置きます。日照時間が少ないと、細い苗になってしまい、植え付け後の生育が弱くなるためです。

2. 水の管理

前述したとおり、育苗トレーは畑よりも土が乾燥しやすいです。そのため、土の表面が乾いたら水をたくさんあげる必要があります。

しかし、水をあげすぎると、根腐れ病になってしまうこともあるため、水の調節が重要です。

菌床

菌床とは

菌床

菌床とは、菌床栽培に用いられる培地のことです。

木質素材となるおがくずなどに、栄養源となる麦ぬかや米ぬかなどを水で混ぜて作られます。菌床は、袋や容器に小分けされた後、そこにキノコ類の種菌を植え付け栽培します。

菌床栽培は、上記のように人工的に作った培地 (菌床) を用い、管理された環境下で栽培されるので、人工栽培とも呼ばれます。一方、原木栽培は、クヌギやコナラ、ミズナラなどの丸太や切り株に穴を開け、そこに種菌を植え付けます。自然に近い環境で栽培されるので、自然栽培と呼ばれています。

菌床の使用用途

菌床は、しいたけなどのキノコ類を栽培する際に使用されています。これまでの栽培方法をしいたけの原木栽培を例にとると、まず場所の選定として、山間地や森林部などの人里離れた場所が必要でした。そこからほだ木の運搬、潅水や天地返し、年に数回ほだ木を吸水させる作業と、何かと重労働でした。

そして、1〜3年程度の栽培期間を要するうえ、春秋と限られた季節での収穫となります。また、収穫したしいたけを長期保存するために、さまざまな加工方法を必要としました。菌床栽培では、それまでの栽培方法が見直され、人工的に作った培地 (菌床) を用い、温度・湿度など管理された環境下で栽培されます。短い栽培期間で、一年を通して収穫が可能です。

何より屋内での栽培は、山間部まで行かなくても、田畑などの平地でも可能になり、原木を扱う重労働から、培地を扱う軽作業へとシフトしました。また、菌床は気象の変化や害虫・有害菌の影響を受けることなく、安定した品質と収穫量を確保することが可能です。これまでの缶詰や乾燥といった加工方法に加え、生の状態でのしいたけを市場に送り出すことが可能になりました。

菌床の特徴

長所

菌床栽培は、菌床に種菌を植え付けた後は、適切な湿度・温度管理のもとで培養すれば約3~5カ月といった短いサイクルで収穫までたどり着くことができます。また、1年を通じて収穫が可能です。原木のようなほだ木と比較して、場所も取らず、労働面においても作業が軽くて済みます。

また、小規模で始められて安定した収益が見込めるため、新規就農として始めやすいことで注目されています。

短所

菌床は収穫が終わると、産業廃棄物としてお金をかけて処分する必要があります (廃菌床) 。廃菌床は収穫できるキノコの2~3倍の量が発生するため、廃棄処分となればかなりの費用がかかります。

菌床の種類

菌床栽培で栽培できるキノコの種類は多く、使用するおが粉もキノコの種類に合わせて選択します。

1. しいたけ

ブナ・トチ・シイ・カシなどの落葉広葉樹に栄養剤を加えた培地です。中国産では、クワやリンゴの剪定枝も使用されています。袋で栽培されます。

2. えのきだけ

スギやエゾマツなどの針葉樹おが粉を6 ヵ月堆積散水、もしくはコーンコブを基剤とし、栄養剤を加えた培地です。ビンで栽培されます。

3. まいたけ

ブナ・コナラ・ミズナラ・クヌギなどの広葉樹に栄養剤を混ぜた培地です。袋栽培が一般的となっています。

4. ぶなしめじ

ブナ・ナラ等の広葉樹、または堆積散水のスギやマツ等の針葉樹に栄養剤を混ぜたものです。ビンで栽培されます。

5. エリンギ

堆積散水のスギ・マツ等の針葉樹、または広葉樹、コーンコブに栄養剤を混ぜた培地です。ビンで栽培されます。

6. ひらたけ

ブナ・サクラ・トチ・ヤナギ・リンゴ・カキ・みかんなどの広葉樹全般に栄養剤を混ぜたものです。ビンで栽培されます。

 

栄養剤は、主栄養源と補助栄養源から成り、主栄養源は、米ぬか、麦ぬか、とうもろこしぬか、小麦粉から成ります。補助栄養源としては、貝殻、カルシウム塩、木酢液、ビール酵母粕等があり、成長促進剤として添加します。

菌床の使い方

1. 混合撹拌

おが粉に含まれる異物を取り除いて、菌床材料を決められた割合で混ぜます。地域や生産者、よっては季節により配合が異なります。

2. 充填

混合した菌床材料を、瓶や袋、平箱に詰めます。菌床の形状は、菌種や育成後の形により選択されます。同じ菌床材を用いた場合でも、床の形状で発生状況が異なります。

3. 滅菌

充填した菌床を、中心温度98℃、4時間以上かけて滅菌します。

4. 種菌接種

種菌を無菌室で培地表面もしくは接種孔に塗ります。

5. 育成

菌床に菌糸体がつく環境を整えます。菌糸体の成長において、呼吸により発生する二酸化炭素の濃度が高くなると生育不良を起こす可能性があるので、必ず換気を行います。

時間の経過と共に菌床中の水分が減少するので、散水が必要です。菌種にもよりますが、育成に30〜120日程度かかります。

6. 発生

キノコの発生条件に適するように、温湿度と光量を変えてキノコの発生を促します。

7. 収穫

瓶栽培の場合は、一度に全てのキノコを収穫しますが、袋や平箱の場合、出荷できる大きさになった物から収穫をします。

根ぐされ防止剤

根ぐされ防止剤とは

根ぐされ防止剤とは、植物の根ぐされ症状を予防する薬剤の総称です。

根ぐされとは、植物の根が腐った状態のことを指します。植物は土壌中の適度な酸素と水分量のもとで、根から水分や養分を取り込みます。しかし、土壌中の酸素が少なくなり水分過多の状態になると、根が呼吸できなくなり、根ぐされを起こし始めます。

やがて根の機能が失われて、水分や養分が取り込みにくくなり、最終的に植物が枯れてしまいます。根ぐされ防止剤をあらかじめ土壌に混ぜ込むことで、土壌の水はけを良くしたり、土壌中の酸素量を増やしたり、それ自身が膨張することにより、酸素の通り道を作ったりします。

また、酸素量を適度な状態に保つことで、水を腐りにくくしたり、有害なガスを取り除き、土壌中の微生物を活発にすることで、土壌環境の改善が可能です。

根ぐされ防止剤の使用用途

根ぐされ防止剤は、植物の根ぐされを予防するために使用されます。根ぐされの原因は、土壌環境に起因します。主に肥料や水のやりすぎ、カビの増殖、土壌の水はけの悪さなどが、根ぐされの原因に挙げられます。

最近では、異常気象により長雨が続くと、正常な土壌であっても根ぐされを起こす可能性が高いです。そのような状態にならないために、根ぐされ防止剤を、植物を栽培する土壌にあらかじめ混ぜ込むことにより、根ぐされを防止することができます。

また、栽培中においても、根ぐされを起こしやすい状態になる前に投入しておくと、未然に防ぐことができます。

根ぐされ防止剤の特徴

長所

根ぐされ防止剤の長所は、土壌に合った薬剤選びと適切な使用方法ができれば、根ぐされを防止可能なことです。さらに、酸素を土壌に放出するため、植物を植える前に投入して、機械などで土壌に混ぜ込むことにより、降雨などにより硬くなった土をより柔らかいふかふかの土に仕上げることができます。

防止剤といっても、農薬のような化学薬品ではなく、自然界由来の鉱物なので安心して土壌に混ぜ込める点も長所の1つです。

短所

あくまで防止剤なので、根ぐされが発生する前に薬剤を入れておく必要があります。薬剤によって持続期間が異なるので、水はけの悪い土壌で、長期間栽培する植物に使用する場合には、生育期間を考慮して薬剤を入れることが大切です。

また、持続期間が長いと、その分高価になる可能性があります。

根ぐされ防止剤の種類

1. 原料による分類

根ぐされ防止剤の主な原料として、珪酸塩白土やゼオライトなどがあります。種類によって、この原料の配合割合が異なります。

珪酸塩白土
秋田県八沢木原産の白色粘土です。珪酸塩白土は、土壌中のカビ発生の抑制や有害物質の除去などの効果があります。

ゼオライト
アルカリ性粘土鉱物で、表面に多数の穴が空いています。ゼオライトは、土壌の悪臭、窒素、汚れなどを吸収することができます。

2. 形状による分類

市場で出ている一般的なものとして、主に液状と粒状のものがあります。液剤は即効性があり、効果はその日のみです。粒状の場合、1ヶ月・3ヶ月・5ヶ月など持続期間が種類により異なります。

根ぐされ防止剤の選び方

植物の生育期間により、選ぶ薬剤が異なります。生育期間が短いレタスやほうれん草などの葉物ものであれば、持続期間の短い薬剤が適しています。なすやきゅうり、トマトなどの果菜類など生育期間の長いものは持続期間の長い薬剤が最適です。持続効果が切れる前に、追加として投入する場合には、収穫終了時期を考慮して薬剤を選ぶと良いです。

プランターや鉢などの栽培は、量も限られているため、割高にはなりますが、量の少ない使い切りのものが望ましいと言えます。

根ぐされ防止剤の使い方

栽培する土壌に、根ぐされ防止剤と元の堆肥などと一緒に畑に投入し、機械などで混ぜ込みます。同じ畑でも、水はけの悪い部分には、使用量を調節する必要があります。

プランターや鉢など限られた場所での栽培ですと、底に敷いて使用します。また、追加として投入する場合は、追肥と同様に散布することも可能です。

いずれにしても、必要量に応じて均等に入れる必要があります。残った場合は紐などで封をして、水気のないところで保管すると良いです。

接ぎ木テープ

接ぎ木テープとは

接ぎ木テープ

接ぎ木テープとは、接ぎ木を行う際に、接ぎ合わせる枝や芽などの移植する部分 (接ぎ穂) と接ぎ木をされる台木の接合部分を巻きつけるために使用するものです。

接ぎ木とは植物の繁殖法の1つで、繁殖させたい植物の枝や芽を切り取り、これを別の植物に接ぎ合わせることで、新しい個体を作りだす増殖技術です。土台となる台木を接ぎ木ナイフで削り、接ぎ穂を入れる切り込みを作ったところに先端を削って形を整えた接ぎ穂をさし込みます。

植物のもつ治癒力を利用した繁殖方法で、それぞれの形成層と呼ばれる新しい細胞を作りだしている組織が密着していなければなりません。接ぎ木テープは、人でいうところの絆創膏のようなもので、接いだ部分に巻くことで固定し、植物同士の活着を早めます。

テープ以外にも、クリップタイプやチューブタイプのものなどがあり、接ぎ木方法によって使い分けています。

接ぎ木テープの使用用途

接ぎ木テープは、さまざまな接ぎ木 (切り接ぎ、合わせ接ぎ、割り接ぎ、呼び接ぎ、芽接ぎなど) を成功させるために使用します。接ぎ木のメカニズムは、形成層を密着させることで、植物同士が癒合することにあります。枝や茎の外周の部分には、緑色をした形成層と呼ばれる水や栄養分の経路となる新しい細胞を生成する組織があります。

接ぎ穂と台木のお互いの形成層を合わせた状態で固定しておくと、最終的に両者は癒合し、経路がつながります。接ぎ木を成功させるには、接合部分を動かないように固定するだけでなく、切り口が雨にぬれたり、雑菌が入ったりしないように保護することが重要です。

また、形成層がつながると「カルス」と呼ばれる遺伝情報をもつ、かさぶたのようなものが形成されますが、カルスが作られ固定されるまでは、切り口を乾燥させてはいけません。市販されている接ぎ木テープは、接ぎ口部分の乾燥や細菌の繁殖から守る効果があるため、非常に有用です。

接ぎ木テープの特徴

長所

接ぎ木テープの長所は、接ぎ木の接合部分を乾燥や細菌から守り、接ぎ木の成功率を向上させることです。接ぎ木テープは、植物の接ぎ木部分を固定し、保護します。接ぎ木は接ぎ穂と台木の形成層を合わせることで、ひとつの個体を作りだします。

接ぎ木が失敗する原因は、雨風で接合部分がずれたり、形成層が活着しカルスが形成される前に接ぎ口が乾燥してしまったりすることが多いです。薄く伸縮性のある特殊フィルムで作られている接ぎ木テープは、枝や表皮に密着しやすい特徴があります。

ぴったりと張り付いて保湿性を留め、雨水の浸み込みも防ぎます。芽は柔らかいテープを突き破って出ることで、生長を阻害しません。紫外線で自然劣化する商品は、取り除く手間も不要です。

短所

接ぎ木テープの短所は、自然劣化しない種類の場合は、接ぎ口が完全に接合したあとにテープを取り外す必要があることです。幹に食い込んで枯れてしまうこともあるため、必ず取り除かなければなりません。

接ぎ木テープの種類

接ぎ木テープの素材には、紙や合成樹脂、低密度ポリエチレン、軟質塩化ビニルなど、さまざまな種類があります。今日最も注目されているのは、プラスチックとゴムのミックスのような素材の合成樹脂のテープです。

代表的な商品として、メデールが挙げられます。伸縮性と粘着性があるため、手で伸ばしながら締めつけて巻けば、そのまま固定が可能です。初心者でも簡単に巻くことができます。

接ぎ木テープの選び方

接ぎ木テープを選ぶときは、接ぎ木の種類を考えて選択します。

1. 大きさ

テープの幅には15mm、25mm、30mmなど、いろいろな大きさのものがあります。接ぎ木をしたい植物の茎や枝が細くて華奢なものが多い場合は、小さいサイズを選ぶのがおすすめです。

2. 素材

素材は、取り扱いの容易さや難しさに直結しています。合成樹脂の粘着性のあるテープは、巻きながら固定できるため、初めて接ぎ木をする人でも作業が行いやすいです。

接ぎ木テープのその他情報

1. 接ぎ木クリップ

サカタのタネなどから、接ぎ木用のクリップが販売されています。接ぎ木の接合部分をクリップで挟むだけの簡単に作業ができる資材です。一箱に200個前後と容量も多く、野菜の接ぎ木など、早い作業スピードで大量の接ぎ木を行いたい場合に便利な商品です。なお、クリップは何度でも使用できます。

2. 接ぎ木チューブ

透明のチューブのような形の入れものを、接ぎ木部分にはめるタイプの資材です。ホルダーの中に水滴がたまることで、接ぎ口の乾燥を防ぎます。ホルダーは透明で、外から接いだ部分の活着をチェックすることができます。トマト、ナス、ピーマンなどの野菜の接ぎ木に使用され、軟性樹脂で作られたホルダーは茎が太くなると自然に外れるようになっています。

万田酵素肥料

万田酵素肥料とは

万田酵素肥料とは、植物用万田酵素をベースとして作られている植物用の肥料です。「万田アミノアルファ」という商品名で、万田発酵株式会社から市販されています。また、植物の光合成を促進させる目的で、万田アミノアルファにマグネシウムを加えた「万田アミノアルファプラス」も市販されています。

万田発酵株式会社のホームページによると、万田酵素とは、穀物、果実、海藻類などの植物性原材料を53種類以上用いて、長期間発酵・熟成させた植物発酵食品のことをさすそうです。

万田酵素肥料は、植物用の万田酵素に液肥を混合したものです。

万田酵素肥料の使用用途

万田酵素肥料の使用用途として、液肥として植物に施します。万田酵素肥料は、簡単な家庭用の鉢植えから、大規模な農作物の栽培にまで幅広く使用することができます。具体的には、トマト、ゴーヤ、玉ねぎ、キュウリなどを栽培するときに万田酵素肥料が使用されています。

万田酵素肥料の使い方は、まず原液を水で1000倍にまで希釈します。希釈した万田酵素肥料をジョウロや霧吹きなどで植物に散布します。植物に万田酵素肥料を与える頻度は、1週間から10日に1回のペースが推奨されています。