根ぐされ防止剤

根ぐされ防止剤とは

根ぐされ防止剤とは、植物の根ぐされ症状を予防する薬剤の総称です。

根ぐされとは、植物の根が腐った状態のことを指します。植物は土壌中の適度な酸素と水分量のもとで、根から水分や養分を取り込みます。しかし、土壌中の酸素が少なくなり水分過多の状態になると、根が呼吸できなくなり、根ぐされを起こし始めます。

やがて根の機能が失われて、水分や養分が取り込みにくくなり、最終的に植物が枯れてしまいます。根ぐされ防止剤をあらかじめ土壌に混ぜ込むことで、土壌の水はけを良くしたり、土壌中の酸素量を増やしたり、それ自身が膨張することにより、酸素の通り道を作ったりします。

また、酸素量を適度な状態に保つことで、水を腐りにくくしたり、有害なガスを取り除き、土壌中の微生物を活発にすることで、土壌環境の改善が可能です。

根ぐされ防止剤の使用用途

根ぐされ防止剤は、植物の根ぐされを予防するために使用されます。根ぐされの原因は、土壌環境に起因します。主に肥料や水のやりすぎ、カビの増殖、土壌の水はけの悪さなどが、根ぐされの原因に挙げられます。

最近では、異常気象により長雨が続くと、正常な土壌であっても根ぐされを起こす可能性が高いです。そのような状態にならないために、根ぐされ防止剤を、植物を栽培する土壌にあらかじめ混ぜ込むことにより、根ぐされを防止することができます。

また、栽培中においても、根ぐされを起こしやすい状態になる前に投入しておくと、未然に防ぐことができます。

根ぐされ防止剤の特徴

長所

根ぐされ防止剤の長所は、土壌に合った薬剤選びと適切な使用方法ができれば、根ぐされを防止可能なことです。さらに、酸素を土壌に放出するため、植物を植える前に投入して、機械などで土壌に混ぜ込むことにより、降雨などにより硬くなった土をより柔らかいふかふかの土に仕上げることができます。

防止剤といっても、農薬のような化学薬品ではなく、自然界由来の鉱物なので安心して土壌に混ぜ込める点も長所の1つです。

短所

あくまで防止剤なので、根ぐされが発生する前に薬剤を入れておく必要があります。薬剤によって持続期間が異なるので、水はけの悪い土壌で、長期間栽培する植物に使用する場合には、生育期間を考慮して薬剤を入れることが大切です。

また、持続期間が長いと、その分高価になる可能性があります。

根ぐされ防止剤の種類

1. 原料による分類

根ぐされ防止剤の主な原料として、珪酸塩白土やゼオライトなどがあります。種類によって、この原料の配合割合が異なります。

珪酸塩白土
秋田県八沢木原産の白色粘土です。珪酸塩白土は、土壌中のカビ発生の抑制や有害物質の除去などの効果があります。

ゼオライト
アルカリ性粘土鉱物で、表面に多数の穴が空いています。ゼオライトは、土壌の悪臭、窒素、汚れなどを吸収することができます。

2. 形状による分類

市場で出ている一般的なものとして、主に液状と粒状のものがあります。液剤は即効性があり、効果はその日のみです。粒状の場合、1ヶ月・3ヶ月・5ヶ月など持続期間が種類により異なります。

根ぐされ防止剤の選び方

植物の生育期間により、選ぶ薬剤が異なります。生育期間が短いレタスやほうれん草などの葉物ものであれば、持続期間の短い薬剤が適しています。なすやきゅうり、トマトなどの果菜類など生育期間の長いものは持続期間の長い薬剤が最適です。持続効果が切れる前に、追加として投入する場合には、収穫終了時期を考慮して薬剤を選ぶと良いです。

プランターや鉢などの栽培は、量も限られているため、割高にはなりますが、量の少ない使い切りのものが望ましいと言えます。

根ぐされ防止剤の使い方

栽培する土壌に、根ぐされ防止剤と元の堆肥などと一緒に畑に投入し、機械などで混ぜ込みます。同じ畑でも、水はけの悪い部分には、使用量を調節する必要があります。

プランターや鉢など限られた場所での栽培ですと、底に敷いて使用します。また、追加として投入する場合は、追肥と同様に散布することも可能です。

いずれにしても、必要量に応じて均等に入れる必要があります。残った場合は紐などで封をして、水気のないところで保管すると良いです。

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