育苗トレーとは
育苗トレーとは、細かくトレーで仕切られている育苗箱のことです。
その名の通り、植物を栽培する上で、ある程度の大きさまで成長させるために使用します。
育苗トレーの使用用途
育苗トレーは、植物を苗まで育てる際に使用します。トレーの中で種をまいて、成長させることで、苗まで育てています。
初心者の方は特に、種から植物を成長させることが難しいです。育苗トレーである程度の大きさまで成長させてから、畑に植えることで、確実に植物が成長します。
育苗トレーの特徴
長所
育苗トレーの長所として、畑に植える前に苗を大きく育てられることが挙げられます。前述したとおり、畑に移植した後も成長の度合いが同じである苗を効率的に育てることが可能です。
そのほか、管理がしやすいことも長所の一つとして挙げられます。これは、間引きの作業を一気にできたり、天候に合わせて場所を移動したりすることができるためです。
また、管理された環境で植物を成長させるため、害虫から守り、安全に栽培をすることも可能です。
短所
育苗トレーの短所として、まずコストが挙げられます。育苗トレーを購入するのはもちろん、育苗トレーを置く場所も必要になります。ある程度場所の余裕がないと、使用するのは難しいです。
育苗トレーの種類
育苗トレーには大きく分けて「連結ポット」と「セルトレー」の2種類があります。
1. 連結ポット
連結ポットは、16~49個程度のポットが連結された育苗トレーです。ポットのため、深さがあり、根付きの良い苗を育てることができます。
2. セルトレー
セルトレーは、72~300個程度の小さな穴がある育苗トレーです。連結ポットと比べて、穴が小さいため、限られたスペースで多くの苗を育てることが可能です。
育苗トレーの選び方
育苗トレーは、育てる植物によって適切なものを選ぶことが大切です。
1. 強い根を形成したいとき
苗の根を強くしたいときは、連結ポットを使用すると良いです。茎が太く、根が強く、畑に移植した後も、定着が強く成長してくれます。なるべく、育苗トレーで大きく成長してから移植したい場合におすすめです。
2. 夏場に育苗したいとき
夏場に育苗する際は、白色のセルトレーを使用すると良いです。一般的に、育苗トレーは黒色が多いですが、白色のトレーを使用することで、遮熱効果があります。
畑で栽培するときよりも、育苗トレーは土が乾燥しやすいため、熱を下げて土からの水の蒸発を防ぐ必要があります。
3. 葉茎菜類を育苗したいとき
ブロッコリーやキャベツなどの葉茎菜類の育苗には、128穴のトレーがおすすめです。特に、プラグトレーは成長した苗をそのまま畑に差し込むことができることから、使い勝手が良いと言えます。
育苗トレーの使い方
育苗トレーを使用する際は、以下の手順に沿うことが大切です。
1. 育苗トレーに土を入れる
土にも種類があるので、育てる植物や気候に合わせて、選定します。
2. 種をまいて、土をかぶせる
土に軽く穴を作って、種をまきます。また、種をまいて、土をかぶせたら、何の植物を植えたか分かるように、ピンを挿して管理します。
3. 給水をする
育苗トレーは基本的に土が乾きやすいです。そのため、給水をしっかり行うことが大切です。受け皿を用意して給水したり、霧吹きなどで給水したりする方法があります。
育苗トレーのその他情報
育苗トレーを使用して栽培する上で日当たりや水の管理について紹介していきます。
1. 日当たりの管理
育苗をする上で種から発芽する前までは、温度の管理を徹底することが必要です。発芽の最適温度は、品種によって異なるため、気温が下がる場合は、保温するなどの管理が必要になります。
また、発芽後は日当たりが良い場所に育苗トレーを置きます。日照時間が少ないと、細い苗になってしまい、植え付け後の生育が弱くなるためです。
2. 水の管理
前述したとおり、育苗トレーは畑よりも土が乾燥しやすいです。そのため、土の表面が乾いたら水をたくさんあげる必要があります。
しかし、水をあげすぎると、根腐れ病になってしまうこともあるため、水の調節が重要です。