トンネル支柱

トンネル支柱とは

トンネル支柱とは、農業においてトンネルを作る際に使用する湾曲した支柱のことです。

農業におけるトンネルは、畝の上に湾曲させた支柱を設置し、その上から透明のビニールフィルムや不織布、寒冷紗、防虫ネットなどを掛けてトンネル状にして農作物を覆ったものを指します。トンネルを作ることにより、防風や防寒、防虫に効果が期待できます。

トンネル支柱の使用用途

トンネル支柱は、農業において保温や防虫を目的に使用します。トンネル支柱を活用した栽培方法をトンネル栽培と呼びます。スイカやメロン・カボチャ・大根など、トンネル栽培で生産される果物や野菜はさまざまです。

トンネル支柱に取り付ける被覆資材によって、トンネル栽培の効果は異なります。栽培する作物の特性に合った被覆資材を使用することができれば、農作物の収量や品質の安定にもつながります。

トンネル支柱の特徴

長所

トンネル支柱の長所は、防風や保温、防虫の効果を発揮することです。農作物によっては、強風の影響や低温などの環境要因により生育が悪くなる場合があります。トンネル栽培により適切な被覆資材で覆うことで、強風などの影響から農作物を守ることが可能です。

被覆資材にビニールフィルムなどを用いれば、冬の寒い時期でも霜や雪が直接当たらないので農作物が長持ちするだけでなく、長期間収穫できるメリットもあります。また被覆資材として防虫ネットを用いれば、葉物野菜などの虫が付きやすい農作物の栽培にも効果的です。

短所

トンネル栽培の短所は、隙間があると十分な効果が発揮できないことです。防虫目的の場合は、虫が入る隙間ができないように裾を固定してください。

また、被覆資材を貼る前に農作物に卵を産み付けられていた場合にも、十分な効果が得られません。トンネルを設置する前には卵が産み付けられていないか、目視で確認しておく必要があります。

トンネル支柱の種類

1. 素材による分類

トンネル支柱には、主に鋼管製支柱が使われます。鋼管を樹脂でコーティングすることにより、金属ならではの重みと樹脂による錆止め効果を期待できるのが特徴です。

その他にも、木製やプラスチック製、亜鉛メッキスチール製など様々な素材のものがあります。

2. 特徴による分類

トンネルの特徴は製品によって様々です。先端の防水加工により鋼管の錆びつきを予防するものであれば耐久性に優れ、長く使用することができます。また、埋め込み用の目印が付いているものであれば、土に差し込む際に深さにばらつきが出る心配がありません。

この他にも、雪や強風にも耐えられる特殊な鋼管を使ったものなど、製品ごとに様々な特徴があります。

トンネル支柱の選び方

トンネル支柱を選ぶ際には、大きさと強度が重要です。畝幅や作物の高さに合った大きさのトンネル支柱を選べば、栽培途中でトンネルを作り直す必要もありません。防虫目的で使用する場合は、少し大きめのサイズのものを選べば安心です。

これは農作物がトンネル支柱の被覆資材に触れていると、外側から卵を産み付けられることがあるからです。また、10m以上の長いトンネルを作る場合には、強風にも耐えられるよう太さのあるトンネル支柱がおすすめです。

トンネル支柱は土に埋め込んで使います。そのため、埋め込んだ分だけトンネルの高さが低くなる点に注意してください。また、トンネル支柱と合わせて使うネットが決まっている場合は、ネットの特徴に合わせて選ぶ方法もあります。

トンネル支柱の使い方

トンネル支柱は、両方の先端を土に差し込んで使用します。畝の上にトンネル支柱を固定したら、ビニールフィルムや不織布、寒冷紗、防虫ネットなどの被覆資材を取り付けることで、さまざまな効果が得られるのが特徴です。

例えば、ビニールフィルムを組み合わせれば、植物の初期成長を促す効果が生まれ、雨の影響で花卉が落下したり、裂果により果実に傷が入るのを防いだりすることができます。また、不織布を組み合わせれば、初冬や晩春の霜害から植物や農作物を守る効果があります。

さらに、寒冷紗を組み合わせた場合には、強い日差しから植物や農作物を守り、地温を下げることで乾燥の防止に効果的です。その他にも、防虫ネットとトンネル支柱とを組み合わせることによって、害虫や鳥の被害を抑えられます。

アクチノール

アクチノールとは

アクチノールは除草を目的としたニトリル系農薬の一種です。

薬剤名はアイオキシニルで、商品名としてはアクチノール乳剤とアクチノールB乳剤がありますが、どちらも成分は同一です。主に麦やたまねぎなどの畑で除草剤として使用されます。

アクチノールは使用後の半減期が7〜8日と短く、土壌残留性もないため、後作物に影響を与えません。また、温度が高いと作用が早く、温度が低いと遅いという性質があり、気温が20℃を越えると作物に薬害を与える場合もあります。

アクチノールの使用用途

アクチノールは、植物の生育期に使用すると、イネ科・ユリ科などの単子葉植物に対してほとんど影響を与えず、紅葉植物に対して非常に強い影響を与えるという特徴を持ちます。そのため、麦類・たまねぎ・にんにく・大豆・小豆などの畑で、一年生の広葉雑草を除草するために使用されます。

アクチノールは接触型除草剤で、植物の根から吸収されることはありません。土壌中のアクチノールが移動することもないため、ジャガイモなど土中の作物に影響を与えません。

非破壊糖度計

非破壊糖度計とは

非破壊糖度計とは、果物・野菜などの測定対象を切らずに糖度を測定できる糖度計です。

一般的な糖度計は、液体中の固形物が大きいほど屈折率が大きいという原理を利用し、果汁などの液体サンプルを通過する光の屈折率を測定して糖度を求めます。

一方、非破壊糖度計は、糖が特定の波長の光を吸収しやすいという原理を利用し、果物や野菜の表面に光を当てて光の減衰量を測定して糖度を求めます。

非破壊糖度計の使用用途

非破壊糖度計は、果物や野菜の糖度を測定する際に使用されています。一般的な糖度計は、測定対象を切らないと糖度を測定することができません。しかし、一度測定に使ったサンプルは、商品として使えなくなります。

ブドウのような房に何個も実がついている果物だと、糖度計測用の実として付けておくことは可能ですが、梨やメロンのような対象物が比較的大きいものは、1個をサンプルとして切って測定すると損失が大きくなります。

その点、非破壊糖度計は測定対象を全く傷つけることがないため、サンプルではなく出荷商品の糖度を直接測定することができます。

非破壊糖度計の特徴

長所

ハンディタイプの非破壊糖度計は、果実などが樹になっている状態でも、糖度を測定可能なため、果物や野菜の収穫時期を正確に把握できます。糖度を測定した後、収穫しそのまま出荷に移せるため、等級や糖度を重視としている作物の素早い対応が可能です。

短所

従来の屈折式の糖度計と比較すると、まだまだ高価です。同じ非破壊糖度計においても、種類によって価格が大きく異なります。計測する位置によって誤差が生じるため、数箇所を計測して平均値を取らないといけません。皮の厚い果物や対象物が小さすぎる果物だと、計測不可能になる糖度計も存在します。

非破壊糖度計の種類

非破壊式糖度計には、近赤外線分析法と散乱光路長補正吸収方式の2種類の方式があります。前者は、近赤外光を測定対象に照射することにより、特定の波長の光のみが吸収され、その吸収された光の強度が、物質の濃度に比例します。その濃度により、糖度が決まる仕組みです。

後者は、特定の波長の光を測定対象に照射し、内部で散乱する光を照射した点から距離の異なる2か所で観測し、その結果を基づき、他の測定法と合わせたうえで糖度を計測します。

また、ハンディタイプのものと、非破壊式の光センサーによる選果機があります。ハンディタイプのものは持ち運びが簡単で、収穫前に計測することが可能です。選果機の場合だと、全量の果物や野菜を自動で素早く計測できます。

ハンディタイプの糖度計には、トマト用・ぶどう用といったように測定対象の種類によって糖度計が異なるものも存在します。作物の種類によっては、糖度以外に酸度や内部障害度、リコピン量が同時に計測できるものもあります。

非破壊糖度計の選び方

収穫前の作物を計測するのであれば、ハンディタイプのものを選ぶと良いです。作物全部の糖度を計測する必要があれば、光センサーによる選果機がおすすめです。この場合、大掛かりで高価なため、地域が一体となって作る作物であるほど有効に利用できます。

トマト農家はトマト用の糖度計など、専門分野における糖度計を選ぶことも可能です。

非破壊糖度計の使い方

果物や野菜などの対象物の表面にセンサーを当て、ボタンを押すことにより計測を行います。数秒後には、画面に表示された数値を読み取ることが可能です。

測定のコツとしては、測定対象とサンプルステージに隙間のないように密着することです。離れていると、正確な測定結果が得られません。

また、測定対象と機械の温度に温度差がないような時間帯を選びます。太陽光が直接当たると光が強すぎて測定値に誤差が生じるため、当たらないように注意が必要です。

非破壊糖度計のその他情報

糖度計における注意点

糖度計は、厳密にいえば、測定対象の濃度を計測しており、糖分が0%であっても糖度は0ではないということです。レモンを例にとると、レモンは糖度が比較的高いのですが、糖分が多いわけではありません。

非破壊糖度計がより身近に使えるよう、さらなる研究が必要です。

セルトレー

セルトレーとは

セルトレー

セルトレー (セルトレイ) とは、小型のポット (セル) が多数繋がったトレイ状の農業資材です。

別名でプラグトレイとも呼ばれています。種を畑に植えても思うように発芽しない場合や発芽しても生育にばらつきがある場合などに、セルトレーを使用すると解決できる可能性が高いです。

セルトレーの使用用途

セルトレーは、野菜や花の種まきから畑に植え替える直前までの期間、作物を栽培するために使用します。

セルトレーは各ポットに土を入れ、穴をあけて種をまき、上から土をかぶせれば、あとは通常通りの方法で栽培ができます。このように使用方法が簡単であるため、気軽に導入しやすいです。

セルトレーの特徴

長所

1. 省スペースで栽培できる
セルトレーを用いることで、狭いスペースでもたくさんの苗を育てることができます。露地に直接種をまく場合、収穫時までを想定して株間を広くとる必要があります。セルトレーを活用すれば、狭いスペースでも苗の栽培が可能です。

また、1つの苗に対して必要な用土が少ないため、コストの削減にも繋がります。

2. 状態の良し悪しで選別ができる
セルトレーは各ポットが隔離されているため、成長度合いが良好な苗だけを選んで、畑に移植することが可能です。作物栽培の初期段階においては、種によってはうまく発芽しなかったり、成長速度にばらつきが見られたりすることは多々あります。

セルトレーを用いれば、状態の良いものを選んで移植できるので、移植後の歩留まりも良くなります。

3. 病害虫の被害が少ない
セルトレーに対しては新しい土を用いることが多いため、雑草や病害虫の被害を受けにくいこともメリットとして挙げられます。露地に直接種をまく場合、土壌中の病害虫や雑草を全て取り除くことは困難なため、病害虫の影響は避けられません。

セルトレーを用いて新しい土のみで育苗することで、雑草や病害虫の影響を最小限に抑えることが可能です。

4. 軽量で持ち運びしやすい
セルトレーは軽いため、持ち運びが簡単です。そのため、環境の影響を受けやすい発芽直後の苗を、適切な環境下に適宜移動させることが可能です。露地に種をまいた場合、温度や湿度などの環境要因の影響により、発芽率が下がったり、発芽したとしても十分に育たなかったりする場合もあります。

セルトレーに種をまけば、発芽前後のデリケートな作物を必要に応じて移動させつつ、適切な環境下で育てることができます。

短所

1. 水や肥料が不足しやすい
セルトレーのデメリットとしては、水や肥料が不足しやすいことが挙げられます。各ポットあたりの土の量が少ないため、保水力が乏しく肥料も少量しか散布できないからです。

また、ビニールハウス内にセルトレーを設置する場合は、雨による給水もありません。水や肥料が不足しないよう、こまめに確認しながら管理することが大切です。

2. 根巻きが発生しやすい
セルトレーの使用にあたって、各ポットの容量はそれほど大きくないため、根巻きのリスクは避けられません。根巻きとは、根の伸長が妨げられることで根が内側に巻いてしまう現象を指します。根巻きを起こすと、露地への移植後も根が広がりにくく、作物の生育が悪くなります。

セルトレー上で根巻きを防ぐためには、予定していたサイズまで成長したら、時間を置かずに露地へ移植することがポイントです。

3. 不向きな作物もある
セルトレーでの育苗に適さない作物もあります。具体的には、大きく育てたい苗や双葉の大きい作物、根野菜などがあげられます。これはセルトレーの性質上、各ポットの容量やポット同士の距離に限りがあるため、根や葉がかさ張る作物にとっては窮屈だからです。

セルトレーでの栽培を検討する場合は、栽培が可能な作物かどうか事前に確認しておくことが大切です。

セルトレーの種類

セルトレーの種類は、穴の数と大きさによって様々です。穴が大きいものほど穴の数が少なく、穴が小さいものほど穴の数が多いのが特徴です。

また、セルトレーのサイズは、外寸28cm×54.5cmが主流となっています。セルトレー自体は耐久性が優れていないため、土が水分を含んだ状態で持ち運ぶと破損等の原因になります。そのため、セルトレーを水稲用育苗トレーに入れて管理する方法がおすすめです。

一般的なサイズの水稲用育苗用トレーは内寸28cm×58cmで、セルトレーの収納にちょうど良い大きさです。

セルトレーの選び方

セルトレーを選ぶ際には、栽培する作物がどの程度の大きさになるまでセルトレーで育てるのか、あらかじめ決めておくことが重要です。これはセルトレーでの栽培期間中に、根の張りや葉の重なりに無理が生じることを防ぐためです。根や葉に対して穴の容量が小さすぎると、植物の成長を妨げてしまう可能性があります。

pH指示薬

pH指示薬とは

PH指示薬

pH指示薬とは、pHの変化によって色が変わる有機色素の総称です。

酸塩基指示薬、中和指示薬とも呼ばれています。指示薬の構造が変わる反応が起こるpHは指示薬によって異なるため、確認したいpH領域に合わせた指示薬を選定することが重要です。pH指示薬の代表的なものは酸性、中性、塩基性で色が変わるBTB (ブロモチモールブルー) や塩基性溶液で着色するフェノールフタレインが挙げられます。

pH指示薬は製造業の研究開発や製造現場で使われているほか、農作物や土壌のpH確認でも使われています。また、pH指示薬は色の変化が大きく、簡便に使用できるため、理科授業などの学校教育においても以前から使われてきました。

pH指示薬の使用用途

pH指示薬は試料溶液のpHを簡便に見ることができるため、特に分析用途で多く用いられています。例えば、製造業においては中和点の確認であったり、排水のpH確認をしたりなど生産現場で使われる場合が多いです。とりわけ、工場から下水道に放出する排水のpHの範囲は行政によって定められているため、排水のpH管理は必須と言えます。

その他、農業における土壌や食品のpH確認に用いられることもあります。特に、土壌のpHは作物の育ち方に大きな影響を与えるうえに、作物によって最適なpHが異なること、地域によって元々の土壌のpHが異なることから、安定した作物の育成にはpH測定が極めて重要です。

pH指示薬の原理

pH指示薬の色が変わるのは、pH変化によってpH指示薬の化学構造が変わるためです。芳香環の変化や二重結合の位置が変わることによって分子のエネルギー状態 (HOMO、LUMOのエネルギー) が変わり、吸収する光の波長が変化します。

1. BTB溶液

BTBの構造変化

図1. BTBの構造変化

BTB溶液 (ブロモチモールブルー) は酸性、中性、塩基性で色が大きく異なるため、酸と塩基を判別するpH指示薬として使われています。厳密に言うとBTBは酸性であるため、市販品の化学構造はナトリウム塩です。

BTB溶液はpHが6.0未満の場合、ほぼ全てのBTBがナトリウムと塩を形成した状態ですが、pHが7.6より大きい場合、BTBのヒドロキシ基のプロトンも脱離した2価の陰イオンとなります。この構造の変化によって色が変わり、pH6.0未満の場合は黄色、pH7.6より大きい場合は青、その間のpHでは2つの化合物の色を重ねた緑色となります。

2. フェノールフタレイン

フェノールフタレインの構造変化

図2. フェノールフタレインの構造変化

フェノールフタレイン溶液は、塩基性溶液を判別するためのpH指示薬です。紫色にわかりやすく着色するため、学校における理科の実験でも多く使われています。

フェノールフタレインは白色固体の物質で、エタノールや水に溶解します。中性や酸性環境のフェノールフタレイン溶液は透明ですが、pHが9を上回るとエーテル部位の開裂並びに陰イオンへの変化が起こり、溶液は紫色に変化します。一方で、pH10を上回るとフェノールフタレインは更に構造が変化し、pH13を上回ると紫色の溶液は再び無色透明に戻ります。

pH指示薬のその他情報

1. 製造業におけるpH指示薬の活用

製造業におけるpH指示薬の活用

図3. 製造業におけるpH指示薬の活用

事業者が下水道に放出できる排水のpHは自治体ごとに定められており、基本的には中性にしなければなりません。実験室や研究開発など、使用した排水の量が少ない場合は、炭酸水素ナトリウムなどの弱塩基が中和剤として使われており、中性付近で色が変化するpH指示薬を排水に加えてpHを確認しています。

しかし、炭酸水素ナトリウムを用いた中和では二酸化炭素ガスが発生するため、スケールが大きな生産現場では場合によっては使用できません。その場合は塩酸水酸化ナトリウムなどの気体が発生しない塩基や酸を用いて中和することがあります。

なお、生産現場では排水に直接指示薬を加えられないため、処理後に排水をサンプリングして指示薬を添加してpHを確認します。

2. 農業におけるpH指示薬の活用

農業においては土壌のpHが作物に大きな影響を与えるため、土壌のpH管理が行われています。その他、農作物に限らず幅広い食品でpHの確認が求められることも多いです。

例えば、乾燥スープなど水に溶解する食品では水に溶かした食品にpH指示薬を加えて簡易分析することがあります。なお、食肉や魚などの固体食品ではpH指示薬の代わりに電極を用いたpH測定器を用います。

アタゴ糖度計

アタゴ糖度計とは

アタゴ糖度計は、アタゴ株式会社が開発・製造する糖度計のことです。

アタゴ株式会社は、屈折計・塩分計・pH計・酸度計などの計測器の開発・製造・販売・修理・校正を行っている企業で、特に屈折計タイプの糖度計は国内で80%、海外で30%のシェアを持ち、国内では単に糖度計というとアタゴ糖度計のことを指すことが多いといえます。

アタゴ糖度計には、アナログタイプの手持ち糖度計・卓上タイプのデジタル糖度計・持ち運びに便利なポケットタイプのデジタル糖度計・非破壊糖度計など、用途に応じたさまざまな種類の糖度計があります。 

アタゴ糖度計の使用用途

アタゴ糖度計は、農業・食品業界・飲食店・カフェなど、主に糖度の高い食品に関わる分野で使用されています。

農業では出荷する果物・野菜・蜂蜜などの糖度、食品業界ではトマト加工品・乳製品・ジャム・チョコレートなどの糖度、飲食店・カフェではデザート類の糖度を測定するのに使われます。

また、アタゴ糖度計には、酸度計機能を併せ持つハイブリッドタイプの糖度計もあり、柑橘・ブドウ・トマト・イチゴ・りんご・バナナ・ブルーベリー・キウイ・パイナップル・マンゴーなど、測定対象果実に特化した製品ラインナップが揃っています。

フィールドスター

フィールドスターとは

フィールドスター(フィールドスターP乳剤)とは、日本曹達株式会社から市販されている除草剤です。フィールドスターの有効成分は、ジメテナミドPで、フィールドスター中に、ジメテナミドPが64.0%含まれています。

フィールドスターは、他の除草剤と異なり、土壌処理型の除草剤です。従来の除草剤は、農地に散布することで、畑にすでに生えている雑草を除草します。しかし、このフィールドスターは、雑草が生える前に土壌に散布します。散布されたフィールドスターにより、畑に除草成分の層(処理層)ができます。雑草が成長する過程でこの処理層に触れると、枯れてしまいます。つまりフィールドスターを散布することで、処理層が存在する限り、除草効果を保つことができます。

フィールドスターの使用用途

フィールドスターは、畑に散布することで、畑の雑草を枯らすことができる処理層を作ることができます。

フィールドスターは、1年生イネ科雑草に特に高い効果を発揮します。具体的には、ノビエ、メヒシバ、オヒシバ、エノコログサ、スズメノテッポウなどの雑草を除去するのに最適です。

フィールドスターは、アブラナ科の植物に活性があり、成長阻害を起こします。そのため、ハクサイなどのアブラナ科の野菜を栽培する際には、注意が必要です。

PPロープ

PPロープとは

PPロープ

PPロープとは、ポリプロピレンという合成繊維を撚り合わせ、熱融着処理された強力なロープのことです。

安価で温度や湿度の変化に強く、耐摩耗性に優れるため、様々な業界や一般家庭で利用されています。屋内・屋外問わず、さまざまな環境で使用可能です。

また、PPロープは軽量かつ柔軟性を持つため、取り扱いが容易です。さらに、耐水性や水に浮くため、濡れても硬くなりにくい特徴があります。

PPロープの使用用途

PPロープは、流通業・農業・漁業・工業・一般家庭など、さまざまな分野で使用されています。

1. 流通業

流通業では、荷物や重量物の結束、パレットの仮止めなどに使用可能です。

2. 農業

農業では、農業資材の結束や植物の誘引などを容易にします。

3. 漁業

漁業では、繋留用や作業網としても使われます。

4. 工業

工業では、塩ビパイプやサッシ枠など長尺物の結束などに最適です。

5. 造園業

造園業では、冬囲いや雪吊り用のロープとして、PPロープを用いることがあります。雪吊りの目的は、積雪によって樹木の枝折れや木全体の傾斜を防ぐことです。天然素材の荒縄と比較して、PPロープのほうが長持ちします。

6. アウトドア

キャンプなどのアウトドアでも、テントやタープを張る際にPPロープを使い、しっかりと結ぶことができます。また、荷物を車の荷台に固定する際にも便利です。

7. ガーデニング

ガーデニングでは、植物の支柱やネットの取り付けなどに使用できます。

PPロープの特徴

長所

PPロープの長所として、軽量かつ強度に優れ、摩耗に対する耐性があることが挙げられます。また、PPロープは柔軟性に富んでおり、結び目を締めたり緩めたりする作業が容易です。

PPロープは10~25%の伸度を備えているので、引張や負荷に対する強度も優れています。さらに、ポリプロピレン繊維を複数本撚り合わせて熱融着処理が施されているため、カットしてもバラけにくく、裂けにくいのが特徴です。

短所

PPロープの短所は、65℃程度の比較的低温で融解する点です。特に、高温環境や炎の近くでの使用は避けてください。

また、他の合成繊維ロープと比較して、耐紫外線や耐候性にやや弱い傾向があるため、長期使用は注意を要します。PPロープは摩擦耐性を持つものの、鋭利なエッジや粗い表面と接触し続ける場面での使用は不向きです。突然切れる可能性があります。

PPロープの種類

PPロープの太さは3~12mm程度、長さは100~300m程度が一般的で、太くなるほど強度が高まります。また、PPロープの製品によっては、強度が記載されたものや、標識ロープ・庭木用ロープ・干し柿を吊るす専用ロープなど、用途が記載されたPPロープもあります。

多くの種類は手で結束するタイプですが、自動結束機用に製造されたカラフルなPPロープもあり、長さ1,000m~5,000m程度の製品が販売されています。さらに、PPロープには多くの色があり、一般的な白色に加え、黄色・緑色・茶色など、色付きの製品が多数販売されているので、特定の用途や物品の色分けにも便利です。

PPロープの選び方

PPロープを選ぶ際は、使用目的に合った太さや強度を選ぶことが重要です。農作物の誘引や軽量物の梱包であれば強度を気にする必要はないものの、重量物を結束する際は、強度が記載された商品を選ぶか、製造・販売会社に確認してください。

また、使用環境によっては、耐紫外線を考慮した製品を選ぶことも重要です。土木現場や災害現場でシートなどを固定する場合や、農作業や材木の結束など長期間の屋外使用を想定している場合は、UV剤入りのPPロープを選ぶことをおすすめします。

さらに、PPロープのカラーバリエーションや水に強い特性も上手に活用してください。例えば、キャンプ場で使用する場合は、赤色系のPPロープを選ぶと可視性がよく、失くしにくくなります。水気を含んでも、PPロープの強度やパフォーマンスに影響を与えません。

発酵促進剤

発酵促進剤とは

発酵促進剤とは、発酵を促進させる物質のことです。

発酵促進剤の原料には、主に土壌微生物や米ぬかなどが使用されており、これらの原料をよく混ぜて乾燥させて作られます。

発酵促進剤の使用用途

発酵促進剤は、家庭で出た生ゴミにかければ堆肥化を促進する際に使用します。また、田畑で不要になった残渣、稲ワラ、籾殻などの植物由来の有機物や牛糞、鶏糞、豚糞などの動物の排泄物に対しても使用が可能です。

堆肥化が不十分なまま堆肥を使ってしまうと、作物の生育不良の原因となる場合があります。発酵促進剤を使うことで発酵を促し、堆肥化を促進できます。

発酵促進剤の特徴

長所

1. 堆肥作りが簡単にできる
効果的な堆肥を作るためには、時間も手間もかかります。実際の堆肥作りの過程では、臭いが気になったり、予想以上に時間がかかったりすることも多く、途中で断念してしまうケースも少なくありません。発酵促進剤を使用すれば、誰でも簡単かつスピーディーに堆肥を作ることができるので、初めての堆肥作りにもおすすめです。

2. 生ゴミをリサイクルできる
発酵促進剤を使うことで生ゴミの堆肥化を促せば、生ゴミを肥料として再利用することができます。また、生ゴミを再利用できれば、重い生ゴミをゴミ捨て場まで運搬する労力が省けるだけでなく、ゴミの焼却が減り二酸化炭素量の削減にもつながります。

3. 化学肥料の使用を減らせる
発酵促進剤を用いて作った堆肥を使用することで、化学肥料の使用を少なくすることができます。作物の栽培において非常に便利な化学肥料ですが、人体への影響に懸念があったり、高価であったりと、抱える問題は少なくありません。発酵促進剤を用いることで、現場で発生した生ゴミを効率的に堆肥化できれば、化学肥料の使用回数を減らすことが可能で、経済的にもメリットがあります。

短所

1. コストがかかる
堆肥を作るにあたって、発酵促進剤の使用は必須ではありません。発酵促進剤を用いることで効率よく堆肥を作ることができますが、その分コストがかかります。コスト面が気になる場合は、発酵促進剤なしでの堆肥作りから始め、必要であれば購入を検討する方法もおすすめです。

2. 季節によって効果に差がある
堆肥作りにおいて、気温は重要な条件です。気温が低すぎると発酵が進みづらく、反対に気温が高すぎると発酵が進みすぎて、効用の乏しい堆肥ができ上がってしまいます。発酵促進剤を用いる場合も、気温が低いと大量の発酵促進剤を使用しなければ思うような効果が得られないことがあります。

発酵促進剤を使って堆肥を作る場合には、季節によって効果に差があることを考慮し、適切なタイミングで着手することが重要です。

発酵促進剤の種類

発酵促進剤は使用する対象によって種類を使い分けることが大切です。具体的には、家庭から出る生ゴミの処理にはコンポスト用、牛糞や鶏糞など家畜の排泄物用、稲ワラや籾殻に対して使用可能なものなどがあります。複数の用途に兼用で使用できるものもあるため、購入を検討する際には具体的な用途と照らし合わせて検討するようにしてください。

また、落ち葉に使用することで腐葉土作りが簡単にできるものや、米ヌカに混ぜてから使うものなど、製品によって具体的な使用方法が決まっている場合もあるため、注意が必要です。

発酵促進剤の選び方

発酵促進剤は目的に合った種類のものを選ぶことが大切です。そのうえで製品ごとの特徴を比較して選ぶと、より快適に使用することができます。

例えば、発酵中の臭いが気になるのであれば、臭いを軽減するために炭やゼオライトが配合されているものがおすすめです。また、発酵中に寄り付く害虫が気になる場合だと、防虫成分を含むものを使用すれば、害虫に頭を悩ませる必要もありません。

発酵促進剤の使い方

発酵促進剤は、生ゴミなどに直接かけて使用します。家庭で処分に困った生ゴミも発酵促進剤により堆肥化を促進すれば、最終的には堆肥として家庭菜園やガーデニングなどに使用することができます。

また、田畑で不要になった稲ワラや籾殻、牛糞や鶏糞などの排泄物についても同様の方法で使用が可能です。

くど石灰

くど石灰とは

くど石灰とは、ドロマイトと呼ばれる岩石を原料として製造される石灰性肥料です。くど、とはマグネシウム分を意味し、カルシウム分である石灰に加えて、炭酸マグネシウムが製品中に豊富に含まれる点が特徴的です。一般的な定義として、アルカリ分53%以上、マグネシウム分をクエン酸可溶性マグネシウムとして3.5%以上含んでいることとされています。くど炭酸石灰、くど消石灰、くど生石灰の3種類が知られていますが、通常の土壌改良や農業用肥料として用いられるものはくど消石灰が用いられています。

くど石灰の使用用途

くど石灰の使用用途は主に土壌へのカルシウム分とマグネシウム分の補給、及び土壌pHの調整です。カルシウムは植物の育成に重要な栄養素として知られており、細胞の原料となることから特に植物の生長点や根の先端の生長に大きくかかわる栄養素です。またカルシウムを十分に与えることにより、様々な病気に対して耐性を持つことが知られています。カルシウムは水溶性の状態で土壌に存在するため、雨によって流れ出てしまうことから、農業用作物などの施肥によって生長を早める植物類にとってはカルシウムの補給は重要な事項ということが出来ます。また、くど石灰はカルシウム分と併せて微量元素であるマグネシウムを補給することも可能であり、特にマグネシウム欠乏地とされるような土地では好んで用いられています。