アルミハニカムパネル

アルミハニカムパネルとは

アルミハニカムパネルの最大の特徴は、パネルの内部がハニカム構造になっているところです。ハニカム構造とは、中空の正六角柱(正六角形)を隙間なく並べた構造で、蜂の巣に似ていることからハニカム(蜂の巣)構造と呼ばれています。

アルミハニカムパネルは、一般的な板状パネルの場合、アルミ箔で形成したハニカム構造部材(アルミハニカムコア)を、2枚のアルミ面板で挟み、互いを特殊な接着剤で接着した構造をしています。

アルミハニカムパネルは、その内部にハニカム構造を持つことによって、高い剛性、軽量、ひずみのない優れた平面性といったさまざまなメリットを備えています。

アルミハニカムパネルの使用用途

あらゆる分野において、製品の剛性・強度を犠牲にせずに可能な限り軽量化を図りたいといった事例は数多くあります。アルミハニカムパネルは、そのようなニーズに応えられる部材としてさまざまな製品に役立てられています。

建築分野では、屋根、庇(ひさし)、壁、防潮板などに使用されています。また、工業・運輸分野では、コンテナ、搬送パレット、定盤、ロボットカバー、各種装置ケースなどに利用されています。

アルミハニカムパネルは、振動・衝撃を吸収する特徴がありますので、車両・航空機では、床材、隔壁、ドアなどに使用されているほか、ロケット・人工衛星の機体各部にも利用されています。

粘土瓦

粘土瓦とは

粘土瓦

粘土瓦とは、粘土を瓦の形状に圧縮成形して乾燥した後、1,000~1,250°C程度の高温度で焼成して得られる建築資材です。

別名、和瓦とも呼ばれています。粘土瓦の形状は、和瓦の「J形瓦」、洋瓦でスペイン風の「S形瓦」、洋瓦でフランス風の「F形瓦」に分類可能です。粘土瓦の状態には、表面に釉薬が塗られている「釉薬瓦」と、表面に釉薬が塗られていない「無釉薬瓦」のほか、無釉薬瓦の表面をいぶして炭素の膜で覆った「いぶし瓦」などがあります。

粘土瓦は耐久性に優れており、遮音性・防音性に優れています。ただし粘土瓦は、1枚あたりの重量が3~4kgと非常に重いです。粘土瓦を使用した建築物は、地震発生時に倒壊するリスクが高まる恐れがあります。 

粘土瓦の使用用途

粘土瓦は日本の気候に適しているため、日本家屋に古くから使われています。

粘土瓦の中でも、伝統的な形状である「J形瓦」は、社寺・城郭・茶室などに使用されていることが多いです。「F形瓦」や「S形瓦」は、洋風和風問わず、幅広い形態の住宅に利用されています。

「いぶし瓦」は、銀色で独特の風合いがあり、和風住宅に多く使用されています。無釉薬瓦の一つである「素焼き瓦」と呼ばれる朱色の粘土瓦は、沖縄の家屋で多く見られるほか、ヨーロッパの建築物などにも利用可能です。 

粘土瓦の種類

製法区分上は、釉薬瓦、いぶし瓦、無釉瓦の3種類に分類されています。

1. 釉薬瓦

釉薬瓦は釉薬を塗布して作られます。釉薬とは焼きものの絵具のことです。ガラス質の釉薬層が瓦の表面に形成されるため、赤色の瓦が多く、釉薬による着色も表面だけが多いです。釉薬であらゆる色が表現でき、量産性や色の管理が容易なため、大量生産されています。釉薬瓦には塩焼瓦も含まれ、釉薬の代わりに塩を使います。

2. いぶし瓦

いぶし瓦は素地の瓦を焼成し、水やプロパンガスで薄めた灯油を使っていぶして、炭素膜を瓦表面に形成した瓦です。瓦には表裏がなく、均一な黒色になります。新品は一様な黒色ですが、年月が経つと黒~銀色に色調変化が見られ、屋根のアクセントになります。

3. 無釉瓦

無釉瓦は釉薬を施さない瓦です。素焼瓦、練り込み瓦、窯変瓦があります。素焼瓦は素地を焼き上げます。練り込み瓦は原料粘土中に金属酸化物を練り込む瓦です。窯変瓦は意図的に特殊な焼成雰囲気を作って焼きます。

粘土瓦の選び方

粘土瓦以外の瓦屋根には塗装が必要ですが、メンテナンスが不要です。粘土瓦は遮音性や断熱性に優れています。近年主に用いられているスレート屋根や金属屋根と比べて、音をほとんど生じません。そして瓦屋根は、冬は暖かくて、夏は涼しい屋根材です。結露の発生を防げて、空気の層があるため、外に湿気が逃げ、建物の劣化の原因にもなる結露の発生を防ぎます。またひび割れなどで一部劣化した場合にも、1枚ずつ交換できます。さらに粘土瓦はカラーバリエーションが豊富で、作業効率が良く、色落ちや色褪せがしにくいです。

しかし粘土瓦は重く、1枚あたりの費用も高いです。劣化すると苔やカビが発生し、強風や台風によって飛散する可能性もあります。

粘土瓦の構造

1. J形瓦

J形瓦は伝統的な瓦のデザインです。城郭、社寺、茶室のような、日本建築が培った屋根瓦の伝統美を基本としたモチーフです。波型の断面が美しくて、雨が降った場合にも水切れが良い形をしています。

2. S型瓦

S型瓦は断面がS字のカーブを描いた洋風瓦です。スペインを意味する「Spanish」の頭文字の「S」から名前が付いたとも言われています。赤土色を代表とする温かみがある色合いがよく用いられます。カラフルで色のバリエーションも多いです。

3. F形瓦

F形瓦は洋風式の四角形のシンプルな瓦です。波形がなく、平らなデザインで、平板瓦と呼ばれます。平らを意味する「Flat」の「F」から名前が付いたとされています。洋風住宅や和風住宅の両方に使用可能です。最近では軽量化されて、F型の軽量防災瓦もよく用いられています。

瓦葺き

瓦葺きとは

瓦葺き

瓦葺きとは、建築物の屋根を瓦で覆うことや瓦で覆われた屋根自体のことです。

瓦は取り外しが簡単で、1枚だけが破損・劣化しても1枚ごとに取り替えられ、修理しやすいため今もなお家屋で重要な様式のひとつとなっています。

瓦葺きには様々な形式の葺き方があります。代表的な瓦葺きは、本瓦葺き、桟瓦葺き、引掛け桟瓦葺きの3種類です。

本瓦葺きは本瓦の平瓦と丸瓦を、交互に組み合わせて並べる葺き方です。重厚感はありますが、屋根の重量が非常に重くなります。本瓦葺きの弱点の対策として、平瓦と丸瓦が一体化した波型の桟瓦を用いた葺き方があり、これを桟瓦葺きといいます。引掛け桟瓦葺きは、桟瓦の裏側に突起をつけて瓦同士を引っ掛け、瓦がずり落ちないように改良した方法です。 

瓦葺きの使用用途

瓦葺きは全世界で用いられている屋根仕上げです。

耐火性や耐水性に優れ、台風が多くて梅雨のある日本に適しており、広く日本家屋の屋根に使用されています。本瓦葺きは重厚感があり、古くから寺社建築、武家屋敷、城郭建築などに用いられてきました。世界最古の現存する木造建築である法隆寺も瓦葺きです。そして現在では、一般住宅の瓦の葺き方として、よく引掛け桟瓦葺きが採用されています。

瓦葺きは使用する瓦の種類によって、利用される建築物が異なります。例えば、本瓦や銅板瓦は神社仏閣での使用が多いです。その一方で朱色に仕上がる素焼き瓦は、沖縄やヨーロッパなどの建築物に使用されています。 

瓦葺きの種類

瓦葺きには主に下記の3種類があります。

1. 粘土瓦

粘土瓦は窯で粘土を焼いた屋根材です。陶器と同様の方法で作られるため陶器瓦とも呼ばれています。荘厳で落ち着いた雰囲気があり耐久性に優れ、中には100年以上経過した建物も多いです。

2. セメント瓦

セメント瓦は材料にセメントを、コンクリート瓦はコンクリートが使用されています。価格が安く自由に形成できて、安定した品質で大量に生産可能です。耐久性はあまり高くなく、10年程度で色あせなどが出始めるため、定期的な塗装が必要です。

3. ハイブリッド瓦

ハイブリッド瓦の見た目は粘土瓦ですが、粘土瓦の半分の重さです。建築時の費用を抑え、地震での揺れによるダメージを軽減できます。設置方法が強固であり、台風による飛散のリスクも少ないです。ただし施工方法に専門的な技術が必要です。

瓦葺きの選び方

瓦葺きは目的に合わせて選ぶことが大切です。

1. 日本瓦葺き

日本瓦葺きは非常に高価ですが、厚みがあるため比較的強いです。ただし素焼きや陶器のため割れる場合もあります。耐久性は50年~100年で、漆器部分にはメンテナンスが必要ですが瓦自体には不要です。日本瓦自体が重いため、屋根が重くなり地震対策には向きません。

2. セメント瓦葺き

セメント瓦葺きの見栄えは日本瓦と似ていますが、本体標準工事費用が比較的安いです。雨風や太陽光によって、変色や塗装の剥がれが起こります。数年ごとに点検やチェックが必要で、定期的に修理やメンテナンスをしない場合には、劣化が早くなります。

瓦葺きの構造

瓦葺きの方法には本瓦葺き、桟瓦葺き、引掛け桟瓦葺きの3種類があります。

1. 本瓦葺き

本瓦葺きは本瓦の平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて並べ、社寺建築で使用される葺き方です。平瓦のみでは継ぎ目から雨が入るため、継ぎ目の上から丸瓦を被せます。練った土を基礎になる野地板の上に置いて土台にして、瓦の角度や瓦同士の隙間を調整しながら葺く土葺き工法を用います。一般的な家屋の瓦よりも非常に大きいため、屋根重量が重いです。

2. 桟瓦葺き

桟瓦葺きは本瓦葺きの弱点の重量対策が可能です。平瓦と丸瓦を一体化した波型の桟瓦を用いています。

3. 桟瓦葺き

桟瓦葺きを改良したものが引掛け桟瓦葺きです。瓦を引っ掛けてズリ落ちないように、桟瓦の裏面に突起を付けています。野地板の上に防水材を張り、広小舞の上に瓦座を置いて等間隔に瓦桟を打ち付けて瓦を葺いていきます。

珪藻土壁紙

珪藻土壁紙とは

珪藻土壁紙

珪藻土壁紙とは、珪藻土が塗られた壁紙のことです。

珪藻土は植物プランクトンの一種である珪藻 (ケイソウ) の殻が、混入物がほとんど含まれない状態で陸から離れた海底や湖底に降り積もってできた堆積岩です。未固結のものもありますが、岩石となったもの (珪藻頁岩) も珪藻土という名で販売されていることがあります。

珪藻土壁紙の使用用途

珪藻土壁紙は特に湿気によるカビの発生や、臭いを抑えたい場所、例えば寝室や居間などで使用されます。ただし、単位面積当たりの珪藻土量が少ないので、激しい結露の予想される箇所での使用は避けるべきです。

粘着性の無い珪藻土に糊などを混ぜて紙に塗り付けたものなので、吸湿能力を超える結露があるとカビが発生したり、壁紙そのものが損傷したりする可能性があります。一般的なビニールクロスと比較すると、伸縮性が少ないため継ぎ目が目立ちやすく、施工する際は専門の業者に依頼した方が無難です。

珪藻土壁紙の特徴

珪藻土のH2O吸着曲線

図1. 珪藻土のH2O吸着曲線 (概念図)

長所

珪藻土の材料は珪酸を主成分とする岩石であるため、耐火性に優れています。主体となっている珪藻の殻の化石にある無数の細孔は、気体分子や水の分子を吸着するのに適した大きさです。珪藻土は湿度70%以上になると水の吸着量を急増させ、湿度が下がれば吸着した水を放出するという特性をもっています。

細孔の機能

図2. 細孔がもたらす珪藻土の機能

そのために、珪藻土を塗った壁は湿度を一定に保つ効果と、悪臭物質でありシックハウス症候群の原因ともなるホルムアルデヒドトルエンなどの有害ガスを取り除く効果を発揮します。また、珪藻土を壁面材料として使用するには、直接塗って珪藻土塗壁とする方法がありますが、粘着性のない珪藻土を扱うには配合材料の選択や塗り方のノウハウなどを熟知したプロに依頼する必要があるため費用が嵩みます。

それに対して、あらかじめ珪藻土が塗られた珪藻土壁紙であれば、珪藻土塗壁に比べて施工費用を大幅に抑えることが可能です。

短所

壁材の吸放湿特性

図3. JIS A6909の評価基準に基づく壁材の吸放湿特性

珪藻土壁紙は珪藻土塗装よりも施工費用が大幅に抑えられますが、その分珪藻土塗装の効果は落ちてしまいます。建築用仕上塗材の吸放湿性試験規格 (JIS A6909) では1㎡に塗り広げられた試験体が、湿度を45%と95%に1日おきに変化させた時に吸放湿する水分量で調湿性能を表します。調湿建材と称して販売するには、その値が70g/㎡/日以上でなければなりません。

製品によりバラつきはありますが、珪藻土塗壁の調湿性能が約200g/㎡/日であるのに対して、珪藻土壁紙は80g/㎡/日程度です。いずれも調湿建材ですが、数値は半分以下となります。

珪藻土壁紙の選び方

調湿性能、有毒ガス吸着性能、断熱・防火性能などは珪藻土塗壁より低いですが、施工した壁を塗壁のように見せる効果があります。そのため、自然由来の無機素材の外観を好む、かつ予算を押さえたい方におすすめです。

しかし、同じ珪藻土壁紙 (あるいは珪藻土クロス) と銘打って売られている商品であっても、その調湿性能などには大きな差があります。外観と性能はもちろん重要ですが、施工あるいは修復のしやすさなど、見た目やカタログの説明では判別できない要素も多いです。ゼオライトなど珪藻土以外の成分と調合して性能を高めたと謳うものや、光触媒である酸化チタンを配合して防汚・防黴効果を持たせたと宣伝されているものもあります。

これらの性能に期待して選択する場合は、性能の根拠が明らかにされているものを選ぶことが重要です。まずはカタログや紹介記事などを参考にして、自分の目的に沿う性能を持つ候補をいくつか選び、不明な点などをメーカーに直接問い合わせるのが良いでしょう。いずれの製品もメーカーが工夫をこらして作り上げたもので、それぞれの特徴を最も良く理解しているのはメーカーだからです。

また、施工業者や既に珪藻土壁紙を使用しているユーザーの意見を伺う機会があれば、それを逃す手はありません。どのような建築材料であっても、施工済みの現場で実物を見たり、ユーザーの意見を聞いたりすることが有効な判断材料となります。

漆喰壁

漆喰壁とは

漆喰壁

漆喰壁とは、日本独自の塗り壁で、漆喰を塗り固めて仕上げられる壁のことです。

漆喰とは、消石灰に砂と糊を混ぜ合わせ、ひび割れを防ぐための麻スサ等を加え、最後に水で練り上げることによって作られたものです。

漆喰壁は、5000年前から世界中で使われてきた塗り壁ですが、日本では独自の製法により、西洋漆喰とは異なる和漆喰が生まれました。

漆喰壁の使用用途

漆喰壁の使用用途は、住宅や公共施設の内装・外装として多岐にわたります。漆喰は、自然素材でありながら、さまざまな効果を発揮します。

漆喰壁は美しく、自然素材であるため、和室や和風のインテリアにも最適です。また、塗り壁として、現代的なインテリアにも合わせることができます。漆喰はカラフルな染料で染めることもできるため、さまざまなデザインにも対応可能です。

漆喰壁の特徴

漆喰壁の特徴は、その自然素材であることです。漆喰は、石灰岩から作られる粉末状の素材で、水と混ぜることで、塗り壁として利用できます。 

長所

1. 見た目が美しい
漆喰は石灰岩から作られるため、ナチュラルな風合いがあり、美しい見た目を作ることができます。また、さまざまな色に染めることができるため、デザイン性にも優れています。

2. 自然素材である
漆喰は、天然素材であるため、人体に害を与える化学物質が含まれていません。また、湿気を吸収する性質を持っており、室内の湿度を調整し、健康にも良い環境を作ることができます。

3. 断熱性・調湿性・放射性の効果がある
漆喰は吸放湿性に優れ、室内の湿度を調整することができます。また、放熱効果もあるため、夏は涼しく、冬は暖かい空間を作ることが可能です。 さらに、調湿効果もあります。室内の湿度を調整することで、カビやダニの発生を防ぎます。漆喰は、アレルギーや喘息などのアトピー症状の軽減にも効果的です。

4. 耐久性がある
漆喰は、長期間にわたって使用することができます。また、汚れや傷がついた場合でも、再塗装することで修復が可能です。

短所

1. 手間と時間がかかる
漆喰は塗り壁として使用するため、塗る作業に時間と手間がかかります。また、塗る前に下地処理が必要で、その工程も手間がかかります。

2. 乾燥時間が必要
漆喰は、塗り壁として使用するため、塗った後に乾燥時間が必要です。乾燥時間中は、部屋を使用することができません。建築物の工程を遅らせる可能性があります。

3. 硬さが低い
漆喰は、硬さが低いため、壁に触れることで傷がつくことがあります。また、汚れがついた場合には、洗剤で洗うことができません。状況によっては、再塗装が必要になることがあります。

漆喰壁の種類

1. 珪藻土漆喰

珪藻土と石灰を混ぜたものです。湿気を吸収する性質があるため、調湿効果が期待できます。また、カビや菌を防止する効果もあります。

2. 石灰漆喰

石灰と水を混ぜたものです。湿気を吸収する性質があるため、調湿効果が期待できます。また、酸性の環境に強く、耐久性があります。

3. セメント漆喰

セメントと石灰を混ぜたもので、硬さがあります。耐久性が高いため、外壁に使用されることが多いです。また、耐水性が高く、水に強い性質があります。

4. 水性漆喰

水性塗料と石灰を混ぜたもので、塗りやすく、乾燥時間が短いため、施工の手間が少なくなります。また、湿気を吸収する性質があり、調湿効果が期待できます。

漆喰壁の選び方

漆喰壁を選ぶ際には、以下のポイントに注意する必要があります。

1. 使用用途

漆喰壁の種類は、用途によって異なるため、目的に合わせて種類を選ぶことが重要です。例えば、内壁に使用する場合は、湿気を吸収する性質のある漆喰を選ぶことが適しています。

2. 職人の技術力

漆喰は塗る技術が重要なため、職人の技術力が高いかどうかを確認することが大切です。また、施工後には、漆喰の乾燥状況を確認することをおすすめします。

3. 施工費用

漆喰壁の施工費用は、素材や施工方法によって異なります。そのため、事前に費用を確認することが重要です。

板葺き

板葺きとは

板葺き (いたぶき) は、屋根を板で葺くという葺き方や、その屋根自体のことを指します。日本建築では、板の寸法や形状、葺き方によって、「柿葺き」「木賊葺き」「栩葺き」「長板葺き」「木瓦葺き」「石置き板葺き」などといった板葺きの種類があります。

「柿葺き」は、「木羽葺き」とも呼ばれており、長さ30cm前後・厚さ3mm前後のサワラやスギの手割り板を、竹釘を使って細かく葺くもので、板葺きの中では、最も高級で品が良いとされています。

現在では、金属板で屋根を覆う「金属板葺き」が多く、トタン・ブリキ・アルミなどが使用されています。さらに、最近では、・ステンレス・チタンなどの利用も増えてきています。

板葺きの使用用途

板葺きは、日本の伝統的な建築物に多く使用されています。例えば、柿葺きは、中世以降に社寺建築や書院・客殿に用いられており、代表的な例としては、桂離宮の書院が挙げられます。

一方、金属板葺きについては、瓦葺きと比べて軽量で、かつ、低コストであるといった理由から、一般住宅に広く利用されています。一般住宅で用いられる際には、素材として、鋼板やアルミが多く使用されています。また、金属板葺きの中でも、銅板葺きについては、神社・仏閣で使用されることが多く、経年の影響で、銅が緑青になった建築物が多く見られます。

日本瓦

日本瓦とは

日本瓦

日本瓦とは、日本国内にある粘土を材料にして作られた焼き物の瓦のことです。

日本瓦は耐久性に優れ、強度が高い一方で瓦1枚あたりの重量が大きく価格が高いです。日本瓦にはそのまま窯で焼く「素焼き瓦」と、瓦に釉薬を塗布して焼いた「釉薬瓦」の2種類が存在します。素焼き瓦の中には、瓦をいぶすことで炭素の膜で覆った「いぶし瓦」もあります。

さらに日本瓦には形状の違いによって、「J型」「F型」「S型」などのタイプが存在します。

日本瓦の使用用途

日本瓦はJ型を中心に、日本の歴史的文化建築や一般家屋などに広く利用されています。

F型の日本瓦は和風を基調にしながらも洋風の雰囲気を合わせ持っているため、モダン建築に利用される場合が多いです。最近では、太陽光パネルを載せる目的のためにより軽量化したF型の軽量防災瓦がよく使用されています。S型の日本瓦は、主に洋風建築に広く使用可能です。

日本瓦の建築物や家屋での需要は年々減少を続けているため、最近では日本瓦を工芸品や置物、インテリア商品、庭園資材などに用いる場合もあります。

日本瓦の原理

瓦の形状には、本瓦葺きと桟瓦葺きがあります。本瓦葺きは古くから使用されており、平瓦と丸瓦を交互に組み合わせます。桟瓦葺きとは桟瓦を葺くことです。桟瓦は波形の瓦で、平瓦と丸瓦を一体化させた形状です。重厚感や曲線美を表現できます。本瓦葺きによる重くなるデメリットを解消でき、製造や施工のコストも抑えます。

葺き方は、土葺き工法、から葺き工法、引掛桟瓦葺き工法、ガイドライン工法に分類可能です。土葺きは野地板の上に、杉の皮のような下葺き材を敷いて、上に乗せた土の接着力によって瓦を固定します。から葺き工法は葺土を使用せず、銅線や釘などの緊結線によって瓦を固定する方法です。

引掛桟瓦葺き工法は野地板に取り付けた横桟に、桟瓦の裏に付いた突起を引っ掛けて固定します。ガイドライン工法は耐震性を見直すため、これまでの葺き方をアレンジし災害に強くした方法です。

日本瓦の種類

釉薬瓦は瓦の材料となる粘土を瓦の形に成型して乾燥させ、ガラス質の釉薬を塗り窯で焼いた瓦です。表面に塗った釉薬の成分で、表面があらゆる色彩に変わります。

全く釉薬を用いず焼き上げた瓦は、無釉薬瓦と呼ばれています。無釉薬瓦の中で最も有名な瓦が、いぶし瓦です。いぶし瓦の「いぶし」は、煙で「いぶす」を意味します。焼き上げる最後にいぶすと、炭素の膜が瓦の表面に作られ、日本瓦独特の風合いが得られます。

日本瓦の選び方

日本瓦の特徴として、耐久性、耐火性、耐水性、耐寒性、断熱性、防音性が挙げられます。

屋根は太陽光や風雨などの厳しい環境下にさらされるため、耐久性が非常に重要です。高温焼成で製造された日本瓦は耐火性が高いだけでなく、硬くて強度が高いです。表面が陶器質である釉薬瓦は、あまり雨水を吸収せずに流れ落とします。

日本瓦は焼き締まって水分の吸収率が低く、水分凍結による屋根材の損壊にも対策されています。断熱性のような遮断性能も高くて通気性が良いほか、遮音効果が高いため周囲の騒音や雨音が気になりません。

ただし日本瓦は屋根の勾配に対して段々に瓦が重なっており、勾配が大きい必要があります。硬いものが当たったり、台風の後などに割れる可能性もあります。重厚感があるデザインであり、金属系の壁などに合わせにくいです。

日本瓦の構造

1. J型

J型は「和形」とも呼ばれており、波状の形をしています。日本家屋でよく見られるため、日本人にとって馴染み深い瓦の形状です。

2. F型

F型は「平形」とも呼ばれ、J型の曲面をフラットにした形状です。洋風の雰囲気を醸し出します。

3. S型

S型は「スパニッシュ瓦」とも呼ばれ、スパニッシュはスペインを意味します。西洋風の住宅に合う瓦です。S型には朱色の釉薬を塗るため赤色をしており、瓦の波目が傾いています。

回転扉

回転扉とは

回転扉

回転扉は、回転軸に2枚または4枚の扉を取り付けたものです。

元々欧州の寒冷地で暖房の温かい空気が逃げない扉として開発されました。4枚の扉で構成する場合、回転扉は4つの空間を移動させ、移動する空間を人が歩いて建物の内部に入る構造となっています。

自動式と手動式があり、安全性を高めるために軽量である必要があります。人を挟むリスクがあり、自動式は挟み防止などの保護装置が付いています。回転方向は世界中のほとんどで反時計回りを採用していますが、これは回転扉を採用した欧州国の車が右側通行であることと関連があると言われています。

回転扉の使用用途

回転扉は人の出入りが多い大型の商業施設や、高層ビルで使用されることが多いです。

広い空間で空調の効率を高めるためには、常に外気と遮断している回転扉を使うのが有効です。平成16年、国土交通省と経済産業省より、自動回転ドアの事故防止に関するガイドラインが発行されています。その主な内容は以下の通りです。

  • 子供、高齢者、障がい者の利用に配慮し別のドアを併設すること。
  • 挟まれ防止などの多重の安全対策を設けること。
  • ドアの回転速度を外周部で最大65cm/秒以下とすること。

合板

合板とは

合板

合板(ごうはん)とは、薄く剥いだ木を繊維を直角の方向に1枚づつ重ねて接着剤で貼り合わせた人口の板です。

無垢材に比べて、コストが安く、水を吸いにくく、温度や湿度で反りが発生しにくいメリットがあります。

また、木目などのプリントが選べたり、遮音性を高められることも合板を選択する特徴です。

デメリットとしては接着剤が起因となるシックハウスやアレルギー、化学物質のにおいが懸念されることがあります。

合板にシートを貼っている場合は10年から20年でメンテナンスが必要になり貼り換えにコストが発生します。

 

合板の使用用途

合板は、建築資材として、さまざまな場所に使われています。
JAS(日本農林規格)で指定されたものでは以下の種類があります。

  • 普通合板:広く使われ、特に使用箇所に指定はありません
  • 構造用合板:壁下、床下、屋根下など、耐久力が必要な箇所に使用
  • コンクリート型枠用合板:コンクリートを打つ際の堰(せき)板として使用
  • 化粧ばり構造用合板:表面または裏面に化粧板が貼られたものです。
  • 天然木化粧合板:内装や家具に使用
  • 特殊加工化粧合板:木目模様を印刷したものを貼った合板

原動機

原動機とは

原動機

原動機とは、電気エネルギー、熱エネルギー、圧力エネルギーなどを、機械的な動力に変換する装置のことです。

一般的にモーターやエンジンを指し、電気や化石燃料を動力源として回転運動や往復運動に変換する機構を総称したものです。原動機は、産業界や日常生活で欠かすことのできない存在であり、その技術の進歩により、私たちの生活は大きく変わってきています。

原動機の使用用途

原動機はさまざまな用途に使用されています。以下に代表的な用途をいくつか挙げます。

1. 産業

産業分野で、機械や生産設備の動力源として重要な役割を果たしています。例えば、工場の機械やコンベアベルト、ポンプ、圧縮機などは、電気モーターや内燃機関によって駆動されています。

2. 交通

自動車や船舶、鉄道などの交通手段は、原動機によって動いています。内燃機関や電気モーターが車両の走行を可能にし、人々や物資の移動の効率と速度を向上させています。

3. 日常生活

原動機は、私たちの日常生活でもさまざまな場面で利用されています。冷蔵庫やエアコン、洗濯機、掃除機などの家電製品には、電気モーターが使用されています。また、ドリルやハンマー、芝刈り機などの工具も、原動機によって作業の効率化が実現可能です。

原動機の原理

1. エネルギー変換

原動機の原理は、電気、熱、圧力などのエネルギーの機械的な動力への変換です。エネルギー変換の原理は、エネルギー保存の法則に基づいています。エネルギーが変換される際、エネルギーは増加も、消失も起こりません。

原動機は、外部から与えられたエネルギーを内部で変換し、動力として出力します。しかし、電気、燃料などのエネルギーを、動力のみに変換することは不可能で、動力に変換できなかったエネルギーは、熱や振動となって周囲に放出します。これを損失と呼び、損失を抑えることは燃料資源の節約につながり、環境改善に直結します。

2. 各エネルギーの動力への変換

電気エネルギーを利用する場合は、電動機 (モーター) が使用されます。電動機は、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換し、その磁気エネルギーを利用して回転運動を生み出す仕組みです。

熱エネルギーを利用する場合は、内燃機関や外燃機関が使用されます。内燃機関では、燃料の燃焼により生じた熱エネルギーを直接機械的エネルギーに変換し、外燃機関では熱源で加熱された気体や蒸気を利用して動力を生み出す仕組みです。

圧力エネルギーを利用する場合は、圧縮空気や液圧を動力源に使用します。圧縮空気を利用した原動機では、空気圧縮機によって圧縮された空気を用いてピストンを動かし、機械的な動力を得ます。

また、液圧を利用した原動機では、ポンプによって圧縮された油圧を用いてピストンを動かし、そこから回転運動を取り出すことが可能です。また、水車などは水流から回転運動を取り出しています。

原動機の種類

原動機にはそれぞれ特長や用途があり、適切なものの選択が重要です。例えば、内燃機関は燃料のエネルギー密度が高いため、長距離運行が可能な自動車や船舶に適しています。一方、電動機は電気エネルギーを使用するため、近年の電気自動車や家電製品に多く採用されています。

これらの原動機技術は、エネルギー効率や環境性能の向上を目指して日々進化しており、今後も私たちの生活や産業に大きな影響を与えることでしょう。さまざまな原動機の特長を理解し、適切な選択と活用が求められます。

主な原動機の種類には、以下のようなものがあります。

1. 内燃機関

燃料の燃焼により発生する熱エネルギーを直接機械エネルギーに変換する原動機で、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンが代表的です。内燃機関では、燃料と酸素の混合気を燃焼室で点火し、高温・高圧のガスを生成します。

このガスの圧力を回転運動に変換します。内燃機関は熱効率が高く、大きな出力を得ることができるため、自動車や船舶、発電所など広範な用途で利用されています。

2. 外燃機関

熱源で加熱された気体や蒸気を利用して動力を生み出す原動機で、蒸気機関やガスタービンが代表的です。ボイラーで水を加熱し、発生した蒸気をシリンダー内のピストンに導入します。

蒸気の圧力によってピストンが往復運動し、回転運動を発生させます。鉄道車両や発電所、船舶などに使用されています。

3. 電動機

電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する原動機で、直流モーターや交流モーターが代表的です。電気モーターは効率的で静かな動作が特徴であり、家電製品や産業機械、電気自動車などに使用されています。

4. 液圧・空気圧原動機

圧縮空気や液圧を動力源として利用する原動機で、空気圧シリンダーや油圧シリンダが代表的です。工作機械や建設機械、自動搬送装置などに使用されています。風力や水力などの自然から得られるエネルギーを利用したものもあります。