瓦葺き

瓦葺きとは

瓦葺き

瓦葺きとは、建築物の屋根を瓦で覆うことや瓦で覆われた屋根自体のことです。

瓦は取り外しが簡単で、1枚だけが破損・劣化しても1枚ごとに取り替えられ、修理しやすいため今もなお家屋で重要な様式のひとつとなっています。

瓦葺きには様々な形式の葺き方があります。代表的な瓦葺きは、本瓦葺き、桟瓦葺き、引掛け桟瓦葺きの3種類です。

本瓦葺きは本瓦の平瓦と丸瓦を、交互に組み合わせて並べる葺き方です。重厚感はありますが、屋根の重量が非常に重くなります。本瓦葺きの弱点の対策として、平瓦と丸瓦が一体化した波型の桟瓦を用いた葺き方があり、これを桟瓦葺きといいます。引掛け桟瓦葺きは、桟瓦の裏側に突起をつけて瓦同士を引っ掛け、瓦がずり落ちないように改良した方法です。 

瓦葺きの使用用途

瓦葺きは全世界で用いられている屋根仕上げです。

耐火性や耐水性に優れ、台風が多くて梅雨のある日本に適しており、広く日本家屋の屋根に使用されています。本瓦葺きは重厚感があり、古くから寺社建築、武家屋敷、城郭建築などに用いられてきました。世界最古の現存する木造建築である法隆寺も瓦葺きです。そして現在では、一般住宅の瓦の葺き方として、よく引掛け桟瓦葺きが採用されています。

瓦葺きは使用する瓦の種類によって、利用される建築物が異なります。例えば、本瓦や銅板瓦は神社仏閣での使用が多いです。その一方で朱色に仕上がる素焼き瓦は、沖縄やヨーロッパなどの建築物に使用されています。 

瓦葺きの種類

瓦葺きには主に下記の3種類があります。

1. 粘土瓦

粘土瓦は窯で粘土を焼いた屋根材です。陶器と同様の方法で作られるため陶器瓦とも呼ばれています。荘厳で落ち着いた雰囲気があり耐久性に優れ、中には100年以上経過した建物も多いです。

2. セメント瓦

セメント瓦は材料にセメントを、コンクリート瓦はコンクリートが使用されています。価格が安く自由に形成できて、安定した品質で大量に生産可能です。耐久性はあまり高くなく、10年程度で色あせなどが出始めるため、定期的な塗装が必要です。

3. ハイブリッド瓦

ハイブリッド瓦の見た目は粘土瓦ですが、粘土瓦の半分の重さです。建築時の費用を抑え、地震での揺れによるダメージを軽減できます。設置方法が強固であり、台風による飛散のリスクも少ないです。ただし施工方法に専門的な技術が必要です。

瓦葺きの選び方

瓦葺きは目的に合わせて選ぶことが大切です。

1. 日本瓦葺き

日本瓦葺きは非常に高価ですが、厚みがあるため比較的強いです。ただし素焼きや陶器のため割れる場合もあります。耐久性は50年~100年で、漆器部分にはメンテナンスが必要ですが瓦自体には不要です。日本瓦自体が重いため、屋根が重くなり地震対策には向きません。

2. セメント瓦葺き

セメント瓦葺きの見栄えは日本瓦と似ていますが、本体標準工事費用が比較的安いです。雨風や太陽光によって、変色や塗装の剥がれが起こります。数年ごとに点検やチェックが必要で、定期的に修理やメンテナンスをしない場合には、劣化が早くなります。

瓦葺きの構造

瓦葺きの方法には本瓦葺き、桟瓦葺き、引掛け桟瓦葺きの3種類があります。

1. 本瓦葺き

本瓦葺きは本瓦の平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて並べ、社寺建築で使用される葺き方です。平瓦のみでは継ぎ目から雨が入るため、継ぎ目の上から丸瓦を被せます。練った土を基礎になる野地板の上に置いて土台にして、瓦の角度や瓦同士の隙間を調整しながら葺く土葺き工法を用います。一般的な家屋の瓦よりも非常に大きいため、屋根重量が重いです。

2. 桟瓦葺き

桟瓦葺きは本瓦葺きの弱点の重量対策が可能です。平瓦と丸瓦を一体化した波型の桟瓦を用いています。

3. 桟瓦葺き

桟瓦葺きを改良したものが引掛け桟瓦葺きです。瓦を引っ掛けてズリ落ちないように、桟瓦の裏面に突起を付けています。野地板の上に防水材を張り、広小舞の上に瓦座を置いて等間隔に瓦桟を打ち付けて瓦を葺いていきます。

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