旋盤

旋盤とは旋盤

旋盤とは、金属加工用の工作機械の一種です。

チャックと呼ばれる回転土台に加工する材料を固定し、バイトと呼ばれる切削工具を当てて加工物を削り取り、目的の形状を削り出す機械です。

旋盤は「主軸台」「ベッド」「心押台」「送り装置」「往復台」などで構成されており、バイトの種類を変えることで「外径旋削」「内径加工」「端面削り」「テーパー削り」「ネジ切り」「突切り」など、一台でさまざまな加工を行うことができます。材料を回転させながら加工するため、円形材料の加工によく使われます。

旋盤の使用用途

材料を回転させながら加工するため、円形や円錐形の加工によく使われます。

具体的には、ねじやボルト、シャフトといった丸物の工業製品によく使われていますが、ドアノブや椅子の部品といった生活に密着したものまで広く使われています。

また、刃物交換から送り速度、座標位置まで数値で制御するNC旋盤の普及により高品質な部品を大量に生産することができるようになり、量産部品を生産する現場において欠かせない存在となっています。

旋盤の原理

旋盤は、基本的に5つの部品によって構成されています。

1. 主軸台

材料を回転させるためのモーターと変速機が組み込まれており、回転数の制御や回転方向を決める役割を担っています。回転数の単位はRPMという単位を使っており、一分間に主軸が何回転するかを表しています。

2. ベッド

旋盤の心押し台と往復台を支えている広いテーブルのような箇所をベッドと言います。心押し台を動かす時は、ベッド上を滑らせて動かします。ベッド上の金属レールは、心押し台の摺動面にあたるため、レールに傷がつかないようベッド上の切屑は定期的に掃除すると良いです。

3. 往復台

刃物台に取り付けた刃物を前後左右に動かすための台のことです。回転するチャックに近接しすぎると刃物台とチャックが接触し事故に繋がるため、往復台の操作には注意が必要です。

4. 送り装置

往復台と同じく刃物を前後左右に動かすための装置ですが、往復台よりも0.01mm単位の操作が可能となっており、寸法通りに仕上げるための精密な加工をする時に使用します。

5. 心押し台

主軸台と反対側に取り付けられているベッド上の台が心押し台です。主に長い加工物を反対側から支えて固定したり、ドリルを取り付けて穴空け加工をするときに使用します。

旋盤の使い方

まず、加工物の大きさ・材質・形状・加工の内容などによって、適切な切削工具 (バイト) を選定し、切削速度、主軸の回転数などの加工条件を決定します。次に、加工物をチャックに固定し、バイトを刃物台に、刃先の高さがセンター高さに合うように調整して固定します。

加工物の端面を削って平らにした後 (面削り) 、心押台にセンタドリルをセットして加工物に近づけ、加工物の中心にドリルをセット (心立て) して加工の基準を定めた後、図面に従って旋盤加工を行います。

旋盤の選び方

旋盤を選ぶときは、以下の仕様を確認する必要があります。

1. 心間距離

主軸から心押し台の距離のことで、加工物の最大長を表します。実際の旋盤加工では、主軸に加工物をセットするためのチャックを取り付けます。また、心押し台にもドリルなどを装着するため、心間距離よりも短い材料の加工しかできません。心間距離の60〜70%程度が実際に加工できる範囲になります。

内径加工の場合、往復台上の刃物台にセットされたバイトで加工物の内側を削るため、往復台が干渉し、加工できる材料の長さはさらに短くなります。

2. ベッドの上振り

ベッドから主軸までの距離を2倍した値で、ベッドに触れずに加工できる円筒形材料の最大直径を表します。

実際には、主軸に取り付けたチャックを使用して加工物を固定するため、加工できる材料の直径は、チャックの径によって制限されます。

心間距離およびベッド上振りについては、加工する材料のサイズに対して余裕をもったサイズを選びます。ただし、旋盤は一度購入・設置した後は簡単に買い換えができる機械ではありません。選択時には、設置スペースや価格なども考慮することが必要です。

コンクリートカンナ

コンクリートカンナとは

コンクリートカンナとは、コンクリートの表面を削ることで滑らかにする工具のことです。

カンナというと木材をカンナ掛けするように薄い膜を削るというイメージが強いですが、コンクリートカンナはやすり掛けに近いです。同じような用途で使用するものとしてグラインダーがありますが、グラインダーは比較的狭い範囲を滑らかにするもので、コンクリートカンナは広範囲のコンクリート表面を滑らかにできます。

コンクリートカンナの使い方

コンクリートカンナはコンクリートの表面に這わせ、滑らせることで表面を削ります。かなり大きな音が出るため、騒音対策だけでなく、使用する人も耳栓やイヤーマフなどで対策が必要です。

また、かなりの粉塵も発生するため、防塵マスクも着用します。広範囲でコンクリートカンナを使用する場合は同時に集塵機を使用することが推奨されます。

コンクリートカンナの選び方

コンクリートカンナを選ぶ際に気を付けることは以下3点です。

1. 砥石のサイズ

コンクリートカンナには回転する砥石がついていますが、サイズによって一度に研削できる面積が変わります。広範囲で使用したい場合は砥石のサイズが大きいものを選びます。

2. 回転数

コンクリートカンナのパワーは回転数によって決まります。回転数が増えるるほど研削のスピードも上がるので、よりスピーディーに表面を滑らかにすることができます。しかし、回転数が高いと操作性が悪くなりやすいため注意が必要です。

3. 重量

コンクリートカンナの操作性は重量によって大きく変わります。手で持ちながらの操作がほとんどのため、重すぎると手首に負担をかける可能性があります。購入する場合は、実際に持ってみて操作性に余裕があるものを選ぶことが大切です。

シャープナー

シャープナーとは

シャープナーとは、包丁やナイフなどの刃物を砥石で研磨し切れ味をよくするための道具です。

一般的に、包丁を使い続けると摩耗により刃先が丸くなり、切れ味が悪くなります。シャープナーを使用することで、簡単に切れ味を回復させることができます。

砥石は研ぐことに対し、シャープナーは刃先に傷を付けることで食材への食いつきをよくします。そのため、日頃のメンテナンスを行なう場合、砥石のかわりとして使用することはできません。

包丁を長く使用したいのであれば砥石を使う方がよいですが、シャープナーは誰でも簡単な操作で使用できるため、スピーディーに包丁の切れ味を復活させたい場合に便利です。

シャープナーの使用用途

シャープナーはおもに包丁を研ぐのに使われますが、一部の商品はハサミや鎌などの刃物も研ぐことができます。一般的にコンパクトなタイプが多く携帯性に優れているため、キャンプなど屋外での使用に便利です。

各メーカーから様々なデザインや形状の商品が販売されており、使用する環境に適したものを選ぶことで、インテリア商品として使用することもできます。

シャープナーの構造

シャープナーはシンプルな構造で、どのタイプも内部に砥石が組み込まれており、包丁などの調理器具を砥石部でスライドさせ、研ぐ仕組みになっています。

砥石部は、セラミックやダイヤモンドといった素材が使用されていて、さまざまな刃物の種類に対応することが可能です。

シャープナーの選び方

シャープナーの種類は、一般的にロール式、交差式、電動式、研ぎ棒の4つに分類されます。それぞれの特徴を把握し、自分に合ったものを選ぶことが大事です。

1. タイプ

ロール式
ロール式のタイプは、シャープナーの中でも種類が豊富なため人気があります。ロール状の砥石が組み込まれており、刃物を砥石にあて引くことで研ぐことができます。

シャープナーは、砥石部が1つのタイプから3つのタイプまで販売されており、それぞれ砥石の粗さが違うため、きれいに仕上げることができます。ただし、頻繁に使用してしまうと刃先がギザギザになり、刃を傷めてしまうため注意が必要です。

交差式
交差式シャープナーは、V字型の砥石に包丁を挟んで使用するタイプで、構造も単純なため、比較的安価な商品が多いです。ただし、刃先に対し横方向に研ぐため、刃先のみが削られバリが残ってしまうデメリットがあります。

切れ味に優れる刺身包丁などに使用した場合、切れ味が悪くなることに加え、包丁の刃先を痛めてしまうことがあるため、高価な包丁への使用は避けたほうが無難です。

電動式
電動式シャープナーは、電動で使用できるため、力に自信がない方でもスピーディーに仕上げることができます。一般的に、ロールシャープナーと同じ形状になっていて、回転する砥石に包丁を当て、スライドさせることで研ぐことができます。

電動式シャープナーは、研ぎムラができにくいという特徴がありますが、研ぎ方を間違えると刃物に傷をつけてしまうこともあるため注意が必要です。

研ぎ棒
研ぎ棒は、その名のとおり棒状の形をしており、ヤスリのような面に包丁を擦り付けて研ぐタイプの研ぎ器です。このタイプは、力加減や包丁にあてる角度の調整が必要なため、慣れるまで使いにくいと感じることがあります。しかし、コンパクトなうえ、包丁以外にもハサミやスライサーなどに使えて便利です。

2. 対応可能な素材

包丁などの刃物にはステンレスやセラミックなど、様々な材質のものがあります。刃物の材質に対応していないシャープナーを使うと刃物を傷つけてしまうため、各製品の情報をよく読み、刃物の材質に対応したシャープナーを選ぶことが大切です。

3. 安全性

シャープナーはコンパクトで軽いため、きちんと固定した状態で使用しないと、大きな怪我につながります。電動の場合は力を加える必要がないため、比較的安全に使用できますが、手動式シャープナーの場合、滑り止めや吸盤による固定などの安全性を確認する必要があります。

4. 衛生面

包丁などの調理器具は食材に直接触れるため、衛生面での対策も重要なポイントになります。砥石部の素材がステンレスのタイプであれば錆びに強く、長期間清潔に保つことができます。また、砥石部分を取り外しできる商品も販売されており、衛生面を重視される場合におすすめです。

ヒートカッター

ヒートカッターとは

ヒートカッターとは、熱の力で溶ける素材を切断するカッターです。

「ホットカッター」や「ホットナイフ」とも呼ばれています。発泡スチロール用のヒートカッターは「スチロールカッター」と称されます。

ヒートカッターの使用用途

ナイロンロープとセルトレイ

図1. ナイロンロープとセルトレイ

ヒートカッターは、プラスチックやアクリル、ナイロン、ポリエステル、発泡スチロール、塩化ビニルなど、熱に溶ける素材を切断する際に使用します。DIYや手芸、園芸などのシーンで使われることが多いです。

プラスチックやペットボトルを切断して工作したり、アクリルや発泡スチロールを任意の形に切り抜いたりできます。ナイロンやポリエステルの布地やロープ、網などのほか、園芸で使うセルトレイやプラグトレイなどの切断も容易です。

プラモデルのダメージ加工 (ウェザリング) にも使われます。銃弾やビーム兵器に被弾した傷痕をヒートカッターで表現できます。大きなプラスチック製品や発泡スチロールを処分したい場合も、簡単にバラせるため便利です。

ヒートカッターの原理

ヒートカッターは、電気の力で刃を加熱させることにより、熱に溶ける素材を切断します。熱に溶ける素材は通常のハサミやカッターなどでも切断可能ですが、ヒートカッターは熱の力を利用するため切断スピードが速く、切り口も滑らかでキレイな仕上がりになります。

ナイロンやポリエステルは切断面が溶着されるため、切断後にほつれる心配がありません。切りくずなどのゴミが出にくいことも特長の1つです。

ヒートカッターの選び方

ヒートカッターを選ぶ際に気をつけるポイントは、以下の3点です。

1. はんだごてタイプとガンタイプ

はんだごてタイプとガンタイプ

図2. はんだごてタイプとガンタイプ

ヒートカッターには「はんだごてタイプ」と「ガンタイプ」があります。薄くて小さなものを切断する際は、小型のはんだごてタイプがおすすめです。細かい切り抜き作業などにも向いています。

厚くて大きなものを切断する場合は、大型のガンタイプが良いです。パワーがありますが、その分重量もあるため取り扱いには注意が必要です。

2. アタッチメント式の刃

刃がアタッチメント式になっており、切断する素材に合わせて刃を交換できる製品もあります。さまざまな素材を切断したい場合に便利です。

3. 発泡スチロール用のヒートカッター

発泡スチロール用のヒートカッター

図3. 発泡スチロール用のヒートカッター

発泡スチロールを切断する際は、弓状のヒートカッターが使い勝手が良いです。安定して作業したい場合は、卓上タイプのヒートカッターもあります。卓上にはガイドが描かれているため、正確な切断が可能です。

ヒートカッターのその他情報

ヒートカッターの使い方

ヒートカッターの使い方は、電源を入れてから刃が加熱されるまで一定時間待って使用します。製品によって異なりますが、早いものだと10秒程度で使用可能です。遅いものだと数分待つ必要があります。加熱した刃を当てると、バターを切るように素材が溶けて切断されます。

切断したいところ以外に刃が触れないように中が必要です。作業する机や床が焦げないように、ヒートカッターを置くスタンドや耐熱のカッターマットなどもあると便利です。刃の温度は100℃から500℃程度まで上がります。手元スイッチがないタイプのヒートカッターは、コンセントが挿さっている間はずっと加熱状態になります。

連続して作業しない場合は、その都度コンセントを抜いたほうが安全です。抜き忘れると火災の原因になる恐れがあります。また、素材が溶ける際は少なからず煙が発生して不快な臭いが充満しがちなため、換気の良いところで作業することが重要です。

ヒートカッターは使っているうちに素材の溶けカスが刃にこびりつくことがあります。そういう場合は刃を加熱状態にして、真鍮のブラシなどでこすると簡単に掃除できます。また、クロームメッキ仕様の刃は溶けカスがつきにくいです。

スチロールカッター

スチロールカッターとは

スチロールカッターとは、主に発泡スチロールを切断・加工するための工具です。

発泡スチロールを溶かしながら切断する発熱タイプと、のこぎりやカッターナイフのように切っていく刃物タイプがあります。

普通のカッターで発泡スチロールを切ると、切りくずが多くなり断面が乱れ、静電気によって切りくずが飛び散った場合は片付けも厄介です。しかし、スチロールカッターであれば、切りくずを出さないだけでなく断面も滑らかに切断することが可能です。さらに通常のカッターより曲線のカットが容易になります。

スチロールカッターの使用用途

スチロールカッターは、発泡スチロールを使った立方体な工作、抜き文字、文化祭、運動会などのイベントや発表会の切り抜き文字や飾り付けなどに使用されます。

一般店舗での使用用途はPOP、町内会の行事、地域のお祭りなどです。個人ではプラモデル、鉄道模型などのジオラマ制作などに使用されます。また家電など梱包に使用されていた発泡スチロールの処分のために小さく分割する目的でも使用されます。倉庫や工場で使われる場合は、梱包用発泡スチロールの加工などです。

スチロールカッターの原理

スチロールカッターには、発熱タイプと刃物タイプがあり、切断できる原理が異なります。

1. 発熱タイプ

発熱タイプのスチロールカッターはニクロム線などの発熱体に電流を流すことで発熱させ、発泡スチロールを溶かしながら切断します。ニクロム線は、ニッケルとクロムなどの合金で作られた金属の線です。銅線よりも電気抵抗が大きく、高温にも耐えられるため電熱線として使用されています。

2. 刃物タイプ

刃物タイプのカッターにはのこぎりのような細かい刃や波形の刃がついており、刃を前後に動かしながら奥に入れることで発泡スチロールを切断します。

スチロールカッターの使い方

発熱タイプのスチロールカッターは、基本的に熱で発泡スチロールを溶かしながら切断するため、スイッチを付けてからスチロールカッターが温まるまで待つ時間が必要です。温めてから使用することでより切断面を滑らかにすることができます。

きれいな断面を作りたい場合、対象物を固定してから、スチロールカッターを引くようにして切断するのがポイントです。

スチロールカッターの選び方

スチロールカッターを選ぶ際に気を付けることは以下3点です。

1. カッターのタイプ

スチロールカッターには様々な種類があります。一般的なニクロム線タイプはニクロム線を発熱させ、その熱で表面を溶かして切るタイプのものです。その他にも先端に発熱体がついたペンタイプやニクロム線が卓上に固定されている卓上タイプなどがあります。

電気を使用しない刃物タイプは熱くならないスチロールカッターです。使用したい場所や目的にあわせて選びます。

2. 電源方式

スチロールカッターの電源方式は、電源式と電池式の2種類です。

電源式はパワーが強く、かなり高温になるので分厚めの発泡スチロールでも素早くカットできます。電池式はコードがないため使用する場所を選びません。電源式に比べるとパワーは少し弱いですが、小回りが利くので細かい作業に向いています。

3. スイッチ

スイッチにはスイッチ式とプッシュ式の2種類があります。

スイッチ式は常時電源がONの状態になるため、大型のものを切る場合や長時間使用したい場合におすすめです。プッシュ式はスイッチを押しているときのみ電源が入るので、細かな作業をしたい場合やこまめな使用をしたい場合に適しています。

スチロールカッターのその他情報

使用上の注意

スチロールカッターは、発熱タイプでも刃物タイプでも、子供と一緒に使用する場合は、大人の目の届く範囲で作業させることが重要です。

発熱タイプは発熱部分が高温になり、触れるとヤケドの心配があるため、使用中・使用後ともに取扱いには注意が必要です。また発熱部分に触れる場合は、最初に電気が流れていない状態を確認します。

発熱タイプのスチロールカッターの特性として、発泡スチロールを熱で溶かして切断するので、特有の臭いが発生します。少しの量を嗅いだだけで、すぐに人体に悪影響は出ないとされていますが、長時間作業する場合は十分な換気を行いましょう。

参考文献
https://www.sure-ishizaki.co.jp/tool/heatingtool/coolite/hc-23tf/
https://dendokogu-kan.com/cut/hsct/

電動ハサミ

電動ハサミとは

電動ハサミとは、電動で刃を動かして硬いものを簡単に切断することができるハサミです。

充電式のものやコード式のものがあります。金属板を切ることができるものや、布や段ボールを切ることができるもの、樹木の枝を切ることができるものなど様々なタイプがあります。

用途によって電源の取り方や刃の形状に違いがあります。小さくて扱いやすいものでは3千円ほどから購入することができます。大きくて出力の大きいものでは10万円を超えるものもあります。

電動ハサミの使用用途

電動ハサミには大きく分けて家庭用、金属用、剪定用の3種類があります。

家庭用電動ハサミは普通のハサミと同じくらいの大きさで充電式のものが多く、カッターやハサミと同じ要領で使うことができます。段ボールやフェルト、アルミ板などを切断することができ、家庭でのDIYや廃材の切断などに適しています。

金属用電動ハサミは金切りハサミを電動にしたもので、鉄板や板、ステンレス板などを加工するのに使われます。有線のものとコードレス(充電式)のものがあります。

剪定用電動ハサミは樹木の枝を切るための電動ハサミで、女性でも簡単に枝を切ることができます。電源はリュックサックのように背負うことができるバッテリー式のものが多いです。

電動ハサミの選び方

電動ハサミを選ぶ際のポイントをご紹介します。

切断できる材質

電動ハサミは、製品によって切断することのできる材質が大きく異なります。以下に主な電動ハサミの種類をご紹介するので、用途に合ったものを選ぶようにしましょう。

1.非金属用
段ボールやカーペットなどを切断することができるタイプの電動ハサミは、普通のハサミと同じくらいの大きさで扱いやすく、3000円~5000円のものが多いです。家庭で日常的に使う場合はこのタイプの電動ハサミを選ぶと良いでしょう。

2.金属用
鉄板や銅板などを切断するための電動ハサミは充電式カッターと呼ばれることも多いです。金属加工に用いられ、7万円~10万円程のものが多いです。金属加工を目的としている場合は、鉄板や銅板などに対応していると記載された電動ハサミを選ぶと良いでしょう。

3.剪定用
電動ハサミは果樹の剪定に使われることも多いです。剪定用の電動ハサミは枝を切りやすいよう刃がカーブしており、またバッテリーを背負って長時間作業することができるよう設計されています。

刃の形

金属加工用の電動ハサミには直線切用と曲線切用があり、それぞれ直線を描いて切断する場合と曲線を描いて切断する場合に適した刃の形となっています。用途に合ったものを選びましょう。

卓上丸ノコ

卓上丸ノコとは卓上丸ノコ

卓上丸ノコとは、材料を置くベースと、アームに取り付けられた刃で構成された電動鋸です。電動で高速回転する刃を材料に向かって振り下ろすように使います。似た機能を持った道具に卓上スライド丸ノコがあります。

卓上丸ノコは材料に対しアームで固定された刃を振り下ろすので切断できる材料の大きさに制限があります。一方、卓上スライド丸ノコでは振り下ろした刃を前後にスライドすることができるので、刃の大きさに関わらず幅広い大きさの材料を切断することができます。

卓上丸ノコの使用用途

卓上丸ノコは木工工事現場で使われるほか、家庭でのDIY用の商品も多数存在します。

設置するのには場所をとるため気軽に買うことはできませんが、扱いやすいため家庭でも使うことが可能です。

操作に慣れてくると角度や傾斜をつけた切断ができ、同じ切断方法の木材を通常の丸ノコよりも簡単に量産することができるという利点があります。また切断面もきれいであるため、正確に同じ切断面を持った木材を複数加工する際などに適しています。

卓上丸ノコの選び方

卓上丸ノコを選ぶ際に重要となるポイントをご紹介します。

  • 電源方式
    卓上丸ノコの電源には、AC電源と充電式の2種類があります。

    AC電源はバッテリー切れをすることがない、充電式に比べて出力が大きく安定しているといった特徴があります。長時間作業する場合や、力強い切断が必要な場合にはAC電源式のものを選ぶと良いでしょう。

    一方充電式は、コードレスであるため持ち運びがしやすい、あらゆる現場に持ち込んで作業ができる、木くずの処理がしやすいなどの利点があります。AC電源に比べると出力は劣りますが、年々パワフルな充電式の卓上丸ノコが登場しています。

  • 切断能力
    卓上丸ノコの切断能力は切り込み幅と切り込みの深さで測ることができます。切りたい材料の厚みや幅にあったものを選びましょう。最大切込み深さは、材料の厚みよりも大きくなるようにしましょう。
  • 傾斜の種類
    卓上丸ノコには両傾斜と左傾斜の二種類があります。

    左傾斜のものは刃が左向きに傾斜したままで固定されているのに対し、両傾斜のものは刃が左右どちらにも傾斜することができます。左傾斜のものでも卓上丸ノコを反転させることで左右の傾斜に対応することができますが、反転させる手間を省きたい場合は両傾斜のものを選ぶとよいでしょう。

  • 付属機能
    卓上丸ノコの中には、切断箇所がわかりやすいレーザー機能や切断面が美しくなる回転数維持機能、安全性に配慮されたブレーキ機能などを持ったものがあります。必要に応じてこれらの機能を持ったものを選ぶようにしましょう。

エアータッカー

エアータッカーとは

エアータッカーとは、木工や建築作業で木材を固定したり、布や断熱材などを張るのに使われる工具です。

打ち込む針はステープルと呼ばれ、ホッチキスの針に似た形状をしています。エアータッカーでは、エアーコンプレッサーから送られてくる空気の圧力でステープルを打ち込むタッカーです。

トリガーを引くことでステープルが発射されるため、力を必要とせず簡単に素早くステープルを打ち込めます。

エアータッカーの使用用途

エアータッカーは一般的なDIYから専門的な現場まで幅広く使われる工具です。DIYでは、椅子のカバーの張り替えや壁紙の張り替えなどに使用されます。建築現場では、断熱材や防水シートを張る作業などに使われます。

手で握って打ち込むガンタッカーやハンマーのように打ち付けるハンマータッカーに比べると、ボタンを押すだけで、ステープルを打ち込むことが可能です。そのため、作業効率の向上、仕上がりの正確さや美しさに優れています。

エアータッカーはパワーがありますが、コンプレッサーが必要です。最近は、電動タッカーが取り回しの良さ、機能や充電池の性能向上などの点で、主流になりつつあります。

エアータッカーの原理

エアータッカーは、エアーコンプレッサーを使って空気を圧縮し、それを一気に開放することによる力を利用して、ステープルを打ち込みます。通常のホチキスは、針の先端を折り曲げて対象物を固定しますが、タッカーはコの字のまま刺さって対象物を固定します。ホチキスと同じように、打ち付けたい場所にタッカーを水平に押し当て、ボタンを押します。

打ち付ける針は、幅の広いもの、針の長いもの、針の太いものなど種類はさまざまです。目的に合わせた針を使うことが、仕上がりの正確さにつながります。

エアータッカーの選び方

1. 高圧用・常圧用

エアータッカーには、高圧用エアータッカーと常圧用エアータッカーの2種類があります。高圧用は1.2〜2.3MPa程度、常圧用は0.39〜0.83MPa程度の空気圧で用いられます。

エアータッカーに接続するエアーコンプレッサーにも高圧用と常圧用があるので、統一することが大切です。高圧用エアーカッターは小型軽量でパワーも強いため、打ち込み作業が安定していますが、常圧用に比べ耐久性が弱く、価格が高いという欠点があります。

常圧用エアーカッターは、打ち込みパワーは弱いものの、一度に使用する空気の量が少ないため、高圧用に比べ長時間の使用に向いています。高圧用に比べ価格も安いです。このような特徴から、一般的に、高圧用はプロ用、常圧用はDIY用と言えます。

2. ステープル

エアータッカーのステープルには「4mm幅」「7mm幅」「10mm幅」と異なるサイズがあります。エアータッカーで装填できるステープルの幅は一種類のみです。

また、足の長さも「6mm」「8mm」「10mm」「13mm」「16mm」「19mm」「22mm」「25mm」とさまざまな種類があります。足のサイズは、数種類対応しているモデルが多いです。

エアータッカーの機種によってセットできる「ステープル幅」「ステープルの足の長さ」が異なるので、作業に必要なステープルのサイズを決めてから、エアータッカーを選ぶことをおすすめします。また、メーカーごとにステープルの寸法が異なる場合もあるため、エアータッカーとステー
プルのメーカーは統一する方が安全です。

3. 安全機能

先端を部材に当てないと発射しない機能や、コンタクトアーム (部材に押し付ける部分) とトリガーが同時に作動しないと発射しない機能などの安全機能がほとんどのモデルに付帯されています。

エアータッカーのその他情報

エアータッカーの使い方

マガジンスペースにステープルをセットします。次に、エアーコンプレッサーから圧縮空気を送るエアホースをセットします。ステープルを打ち込みたい場所にエアータッカーの先端部を押し当て、トリガーを引きます。すると、エアーコンプレッサーで圧縮された空気でステープルが発射される仕組みです。

単発打ちの場合、トリガーを離すと、エアホースから空気が送り込まれ、次の発射が可能になります。連続打ちが可能な機種では、はじめにトリガーを引いておいて、その後ステープルを打つ場所に射出口を押し当てることで、連続的にステープルを発射可能です。

なお、作業中断時や使用後は、安全のため必ずエアホースを外し、未使用のステープルを全て抜き取ることが奨励されます。打ち損じて釘がはね返ることがあるため、保護メガネの着用が必要です。

フロアタッカー

フロアタッカーとは

フロアタッカーとは、床材を貼るために使用する電動工具です。

ホチキスの針のようなコの字型のステープルを打ち付けます。ホチキスのように脚は折り曲げず、コの字のまま差し込みます。

フロアタッカーは、エアーコンプレッサと接続して空気圧でステープルを打ち込むエアータッカーの1種です。フロア打ち専用なので、通常のエアータッカーのような用途には使用できません。

フロアタッカーの使用用途

フロアタッカーは、主に専門的な現場で使用されます。最近では、DIYで床を貼る際に使用するケースもあります。

なお、フロアタッカーは床材を貼るために作られた専用のエアータッカーです。「フロアの盛り上がり」「ひび割れ」に対応した構造になっているため、通常のエアータッカーよりもきれいに床材を貼ることができます。

また、手で釘を打ち込む作業に比べると、簡単にステープルを打ち込めるエアータッカーは、作業効率の向上や仕上がりの正確さや美しさの面からも優れています。

フロアタッカーの原理

フロアタッカーは、エアーコンプレッサーを使って空気を圧縮し、それを一気に開放することによる力を利用して、ステープルを打ち込みます。床材を貼る時は、斜めに打ち込むのが基本なため、斜め打ちがしやすい形状と重心になっています。

ステープルの形は、通常のエアータッカーのステープルに比べ、針の太さが太めです。通常のエアータッカーと互換性がないので、購入時は確認が必要になります。

フロアタッカーの種類

フロアタッカーには、「高圧用フロアタッカー」と「常圧用フロアタッカー」があります。常圧用高圧用は1.2〜2.3MPa程度、常圧用は0.39〜0.83MPa程度の空気圧で用いられます。

フロアタッカーに接続するエアーコンプレッサーにも高圧用と常圧用があるので、高圧用・常圧用を統一して用意しなければなりません。

フロアタッカーの選び方

1. 高圧用・常圧用

高圧用フロアタッカーは、パワーが強いので堅い材料への打ち込み用に向いています。ただし、パワーが強いため空気の減り方も早く、長時間の作業向きではありません。

常圧用フロアタッカーは、ステープル発射のパワーが小さいのであまり堅い材料への打ち込みができませんが、長時間の作業に向いています。

2. ステープルの規格

フロアタッカーのステープルは、4mm、8mm、9mm、11.3mmの種類があります。一般的に4mm幅を使うことが多く、幅の広いステープルは、より強固な固定が必要な場合に使用されます。4mm幅以外のステープルは、メーカーごとの専用フロアタッカーになるため、よく確認したうえで選択することが重要です。

なお、エアータッカーにも4mm幅のステープルがありますが、フロアタッカー用ステープルは、エアータッカー用ステープルより太い寸法をしています。そのため、エアータッカー用のステープルとの互換性はありません。

フロアタッカーのその他情報

フロアタッカーの使い方

フロアタッカー使用時は、まず、エアーコンプレッサーから圧縮空気を送るエアホースをセットします。その後、トリガーをロックして安全を確保してからステープルをセットします。

正確にステープルを打ち込むときは、1本ずつステープルを打ち込む単発打ちが基本です。ステープルを打ち込みたい場所にフロアータッカーのコンタクトアームを押し当て、トリガーを引くと、空気圧でステープルが発射されます。

屋根、床、壁などの下地打ちを行う場合は、位置の正確さが求められていないため、連続打ちで作業します。トリガーを引いたままコンタクトアームを対象物に押し当てると、連続的にステープルを発射することができます。

なお、作業中断時や使用後は、安全のため必ずエアホースを外し、未使用のステープルを全て抜き取ることが重要です。また、必ず指定された空気圧のエアーコンプレッサーを使用します。指定外の圧力で使用すると、ステープルが材料から突き抜けてしまったり、ひび割れの原因になったりするためです。

ビス打ち機

ビス打ち機とは

ビス打ち機は、ビス(ネジ)の打ち込みと締め付けを自動で行う工具で、ネジ打ち機またはターボドライバと呼ばれることもあります。床、壁、天井などの木下地や薄鋼板下地にボードを貼り付ける作業などに使われます。

ビス打ち機の動力は圧縮空気です。ビス打ち機本体とは別に専用のエアーコンプレッサーを用意して接続します。

ビス打ち機では、ロールビス、コイルビス、プラシートねじなどと呼ばれるシートでコイル状に連結されたビスを使用します。住宅の内装用石膏ボードを貼り付ける場合は、耐火構造住宅に適用される規格DTSNに対応したビスを使用しなくてはなりません。 

ビス打ち機の使い方

ビス打ち機を使用するときは、まず、エアーコンプレッサーから圧縮空気を送るエアホース接続します。

次に、ビス打ち機が指定する軸径・長さのロールビスを装填します。

単発打ちの場合は、ビスを打ちたい場所にビス打ち機の射出口を押し当て、その後トリガーを引くことで1本だけネジを打ち込みます。ネジが完全に締め込まれてモーターの回転が止まったら、トリガーから指を離します。

連続打ちの場合は、トリガーを引いた状態でビスを打ちたい場所に射出口を押し当てると、ネジが1本打ち込まれます。モーターが止まるまで押し続け、モーターが止まったらトリガーを引いたまま次の打ち込みポイントに移動し、連続的にネジ止め作業を行います。

ビス打ち機の選び方

ビス打ち機には高圧ビス打ち機と常圧ビス打ち機の2種類があります。

高圧用は1.2〜2.3MPa程度、常圧用は0.39〜0.83MPa程度の空気圧で用いられます。ビス打ち機に接続するエアーコンプレッサーにも高圧用と常圧用があるので、高圧用・常圧用を統一して用意する必要があります。

高圧ビス打ち機はパワーがあり、安定したビス打ち・締め付け作業ができます。また、一部の長いビスには高圧タイプでないと打ち込めないものもあります。

常圧ビス打ち機は打ち込みパワーは弱いものの、空気の消費を抑えることができるため、長時間の使用に向いています。

このような特徴から、一般的に、高圧用はプロ用、常圧用はDIY用と考えられます。

ビス打ち機で使用するビスの長さには、25〜32mmのショートサイズ、25〜41mmの標準サイズ、28〜51mmのロングサイズがあります。ビス打ち機の種類によって使用可能なビスの長さが決まるので、使用するビスに合わせてビス打ち機を選びます。特に、住宅用の石膏ボード貼り付け作業では、長さ30mm以上のDTSN規格ビスを使用しなくてはならないため、DTSN規格に対応しているビス打ち機を選ぶ必要があります。