スチロールカッター

スチロールカッターとは

スチロールカッターとは、主に発泡スチロールを切断・加工するための工具です。

発泡スチロールを溶かしながら切断する発熱タイプと、のこぎりやカッターナイフのように切っていく刃物タイプがあります。

普通のカッターで発泡スチロールを切ると、切りくずが多くなり断面が乱れ、静電気によって切りくずが飛び散った場合は片付けも厄介です。しかし、スチロールカッターであれば、切りくずを出さないだけでなく断面も滑らかに切断することが可能です。さらに通常のカッターより曲線のカットが容易になります。

スチロールカッターの使用用途

スチロールカッターは、発泡スチロールを使った立方体な工作、抜き文字、文化祭、運動会などのイベントや発表会の切り抜き文字や飾り付けなどに使用されます。

一般店舗での使用用途はPOP、町内会の行事、地域のお祭りなどです。個人ではプラモデル、鉄道模型などのジオラマ制作などに使用されます。また家電など梱包に使用されていた発泡スチロールの処分のために小さく分割する目的でも使用されます。倉庫や工場で使われる場合は、梱包用発泡スチロールの加工などです。

スチロールカッターの原理

スチロールカッターには、発熱タイプと刃物タイプがあり、切断できる原理が異なります。

1. 発熱タイプ

発熱タイプのスチロールカッターはニクロム線などの発熱体に電流を流すことで発熱させ、発泡スチロールを溶かしながら切断します。ニクロム線は、ニッケルとクロムなどの合金で作られた金属の線です。銅線よりも電気抵抗が大きく、高温にも耐えられるため電熱線として使用されています。

2. 刃物タイプ

刃物タイプのカッターにはのこぎりのような細かい刃や波形の刃がついており、刃を前後に動かしながら奥に入れることで発泡スチロールを切断します。

スチロールカッターの使い方

発熱タイプのスチロールカッターは、基本的に熱で発泡スチロールを溶かしながら切断するため、スイッチを付けてからスチロールカッターが温まるまで待つ時間が必要です。温めてから使用することでより切断面を滑らかにすることができます。

きれいな断面を作りたい場合、対象物を固定してから、スチロールカッターを引くようにして切断するのがポイントです。

スチロールカッターの選び方

スチロールカッターを選ぶ際に気を付けることは以下3点です。

1. カッターのタイプ

スチロールカッターには様々な種類があります。一般的なニクロム線タイプはニクロム線を発熱させ、その熱で表面を溶かして切るタイプのものです。その他にも先端に発熱体がついたペンタイプやニクロム線が卓上に固定されている卓上タイプなどがあります。

電気を使用しない刃物タイプは熱くならないスチロールカッターです。使用したい場所や目的にあわせて選びます。

2. 電源方式

スチロールカッターの電源方式は、電源式と電池式の2種類です。

電源式はパワーが強く、かなり高温になるので分厚めの発泡スチロールでも素早くカットできます。電池式はコードがないため使用する場所を選びません。電源式に比べるとパワーは少し弱いですが、小回りが利くので細かい作業に向いています。

3. スイッチ

スイッチにはスイッチ式とプッシュ式の2種類があります。

スイッチ式は常時電源がONの状態になるため、大型のものを切る場合や長時間使用したい場合におすすめです。プッシュ式はスイッチを押しているときのみ電源が入るので、細かな作業をしたい場合やこまめな使用をしたい場合に適しています。

スチロールカッターのその他情報

使用上の注意

スチロールカッターは、発熱タイプでも刃物タイプでも、子供と一緒に使用する場合は、大人の目の届く範囲で作業させることが重要です。

発熱タイプは発熱部分が高温になり、触れるとヤケドの心配があるため、使用中・使用後ともに取扱いには注意が必要です。また発熱部分に触れる場合は、最初に電気が流れていない状態を確認します。

発熱タイプのスチロールカッターの特性として、発泡スチロールを熱で溶かして切断するので、特有の臭いが発生します。少しの量を嗅いだだけで、すぐに人体に悪影響は出ないとされていますが、長時間作業する場合は十分な換気を行いましょう。

参考文献
https://www.sure-ishizaki.co.jp/tool/heatingtool/coolite/hc-23tf/
https://dendokogu-kan.com/cut/hsct/

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