ヒートカッター

ヒートカッターとは

ヒートカッターとは、熱の力で溶ける素材を切断するカッターです。

「ホットカッター」や「ホットナイフ」とも呼ばれています。発泡スチロール用のヒートカッターは「スチロールカッター」と称されます。

ヒートカッターの使用用途

ナイロンロープとセルトレイ

図1. ナイロンロープとセルトレイ

ヒートカッターは、プラスチックやアクリル、ナイロン、ポリエステル、発泡スチロール、塩化ビニルなど、熱に溶ける素材を切断する際に使用します。DIYや手芸、園芸などのシーンで使われることが多いです。

プラスチックやペットボトルを切断して工作したり、アクリルや発泡スチロールを任意の形に切り抜いたりできます。ナイロンやポリエステルの布地やロープ、網などのほか、園芸で使うセルトレイやプラグトレイなどの切断も容易です。

プラモデルのダメージ加工 (ウェザリング) にも使われます。銃弾やビーム兵器に被弾した傷痕をヒートカッターで表現できます。大きなプラスチック製品や発泡スチロールを処分したい場合も、簡単にバラせるため便利です。

ヒートカッターの原理

ヒートカッターは、電気の力で刃を加熱させることにより、熱に溶ける素材を切断します。熱に溶ける素材は通常のハサミやカッターなどでも切断可能ですが、ヒートカッターは熱の力を利用するため切断スピードが速く、切り口も滑らかでキレイな仕上がりになります。

ナイロンやポリエステルは切断面が溶着されるため、切断後にほつれる心配がありません。切りくずなどのゴミが出にくいことも特長の1つです。

ヒートカッターの選び方

ヒートカッターを選ぶ際に気をつけるポイントは、以下の3点です。

1. はんだごてタイプとガンタイプ

はんだごてタイプとガンタイプ

図2. はんだごてタイプとガンタイプ

ヒートカッターには「はんだごてタイプ」と「ガンタイプ」があります。薄くて小さなものを切断する際は、小型のはんだごてタイプがおすすめです。細かい切り抜き作業などにも向いています。

厚くて大きなものを切断する場合は、大型のガンタイプが良いです。パワーがありますが、その分重量もあるため取り扱いには注意が必要です。

2. アタッチメント式の刃

刃がアタッチメント式になっており、切断する素材に合わせて刃を交換できる製品もあります。さまざまな素材を切断したい場合に便利です。

3. 発泡スチロール用のヒートカッター

発泡スチロール用のヒートカッター

図3. 発泡スチロール用のヒートカッター

発泡スチロールを切断する際は、弓状のヒートカッターが使い勝手が良いです。安定して作業したい場合は、卓上タイプのヒートカッターもあります。卓上にはガイドが描かれているため、正確な切断が可能です。

ヒートカッターのその他情報

ヒートカッターの使い方

ヒートカッターの使い方は、電源を入れてから刃が加熱されるまで一定時間待って使用します。製品によって異なりますが、早いものだと10秒程度で使用可能です。遅いものだと数分待つ必要があります。加熱した刃を当てると、バターを切るように素材が溶けて切断されます。

切断したいところ以外に刃が触れないように中が必要です。作業する机や床が焦げないように、ヒートカッターを置くスタンドや耐熱のカッターマットなどもあると便利です。刃の温度は100℃から500℃程度まで上がります。手元スイッチがないタイプのヒートカッターは、コンセントが挿さっている間はずっと加熱状態になります。

連続して作業しない場合は、その都度コンセントを抜いたほうが安全です。抜き忘れると火災の原因になる恐れがあります。また、素材が溶ける際は少なからず煙が発生して不快な臭いが充満しがちなため、換気の良いところで作業することが重要です。

ヒートカッターは使っているうちに素材の溶けカスが刃にこびりつくことがあります。そういう場合は刃を加熱状態にして、真鍮のブラシなどでこすると簡単に掃除できます。また、クロームメッキ仕様の刃は溶けカスがつきにくいです。

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