ソケットレンチ

ソケットレンチとは

ソケットレンチとは、ハンドル部分となるレンチと、レンチに取り付ける部分のソケットとの組み合わせで構成される工具です。設備や機器の整備などに使われます。

ソケットは脱着式です。六角穴付きボルト(キャップボルト)用のヘキサゴンソケットや、六角ボルト用の六角ソケットなど、使用状況に合ったものを選ぶことで、様々な作業ができます。

1セット所持するだけで、複数の締結部品を取り扱えるため、整備関係の仕事をする人にとっては重宝する工具になります。

ソケットレンチの使い方

ソケットレンチは、締結部に合ったサイズ、形状のソケットをハンドルにはめ込んで使います。ソケットを締結部品の頭部差し込んでからハンドルを回転方向に回すと、ネジを締めたり緩めたりできます。
ソケットを差し込むときは、決して斜めにすることなく、締結部品の頭部に奥までしっかりと差し込みます。頭部への差し込みが浅いと、力を掛けた時に外れて、手をぶつける可能性があります。また、ハンドルが長いとその分トルクが大きくなるため、しっかり締結できる反面、締結部品が破損する恐れがあるので、力加減にも注意が必要です。

ソケットレンチの選び方

ソケットレンチを選ぶ際は、締結部品に対応したソケットを選びます。設備によく使われる、六角ボルトやキャップボルトには、六角ソケットやヘキサゴンソケットが使われます。六角ソケットでも、奥まったところにあるナットを外す際には、ロングソケットを使用する場合もあります。また、エクステンションバーを使うと、奥にあるナットやボルトに届くようになります。

ソケットを選ぶポイントは、ソケットの形状だけではなく、ハンドル部分にもあります。両手でしっかり締め付けられるT型ハンドルや、早回しができるドライバーハンドルなどの形状がいくつかあるので、作業効率の良いハンドルを選ぶことも大切です。

ソケットレンチは、ソケット側に差込角、ハンドル側にドライブ角があります。それぞれが同じサイズでなければ差し込めません。差込角(ドライブ角)が大きくなると、必然的にハンドル自体も大きくなります。使うソケットのサイズによって、差込角が変わってくるので、サイズが大きく違うボルトなどを扱うのであれば、サイズ別のセットを用意する必要があります。

ベルトレンチ

ベルトレンチとは

ベルトレンチは、パイプや缶のフタなど、円筒状のものに、ベルトを巻き付けて、外したり締めたりする工具のことです。ベルトは、繊維質のタイプとゴム質のタイプがあります。いずれも高い摩擦力を持っています。そのため、主に次のような用途に適しています。

  • 引っ掛かりがなく手では滑ってしまうものを回す
  • 固くなって握力だけでは開けられなくなった堅いフタを開ける

また、摩擦力はありますが、柔らかい材質のベルトを使用するため、使用相手を傷つけることなく締結を行えます。

ベルトレンチの使い方

ベルトレンチの使い方は、まずベルト部分を対象部の外周に巻き付けて、一周したら、ベルトレンチ本体に通します。

そして、ベルトを絞り円周に密着させた後、柄の部分をもって回します。この時、絞り方が甘いと、滑ってしまいます。

したがって、強い力を掛ける前に、軽く力を掛けて、引っかかり具合を確かめてから本格的に力を掛けるようにする必要があります。また、あまり強く引っ張りすぎると、ベルトがちぎれてしまう可能性があるため注意してください。特にゴム製のベルトは、布製のベルトよりもちぎれやすいです。

ベルトレンチの選び方

ベルトレンチを選ぶときは、どの程度の力で締結を行うかによって、ゴム製か繊維製かを選びます。ゴム製のベルトは、繊維製ベルトに比べて引張強度が弱く、大きな力で締結するのには適しません。強い力で締結するには、繊維製のベルトを選択します。繊維製のベルトレンチは、大きいサイズのタイプから小さいサイズのタイプまであるので、使用先の大きさによってベルトレンチのサイズを選ぶと良いでしょう。

しかし、ゴム製のベルトレンチにも長所はあります。ゴム製ベルトレンチの持ち手部分は、プラスチック製のものが多く、軽くて持ち運びも楽です。さらに、ゴムなのでグリップ力が強く、滑りやすいツルツルした表面のパイプなどにも使えます。滑り止めとして使うには、ゴム製ベルトレンチが扱いやすいです。しかし、持ち手部分も破損しやすいため取り扱いには注意が必要です。

他にも、ベルトレンチの類似品として、ベルト部分がチェーンになった、チェーンレンチというものがあります。チェーンは金属製のため、巻き付けた相手を傷つける可能性がありますが、非常に強力な力で締結したいときは、選択肢のひとつとなります。

両口スパナ

両口スパナとは両口スパナ

両口スパナとは、主に六角ボルトやナットを締めたり緩めたりするために使用する工具です。

ボルトやナットを掴む部分を「口径部」、U字型になっている開口部の幅を「二面幅」と呼びます。片口スパナは片方にしか口径部が無いのに対し、両口スパナは両方の先端に口径部があります。

スパナ (SPANNER) はイギリス英語、レンチ (WRENCH) はアメリカ英語で、スパナとレンチの違いは明確に定義されません。しかしながら、日本では一般的に工具の先端が開いているものをスパナ、先端が閉じているものをレンチと呼びます。

両口スパナの使用用途

両口スパナは、一般的なDIYから専門的な現場まで、幅広く使用されている工具です。主に六角ボルトやナットを締めたり緩めたりするときに使用します。機械設備や精密機器、車両、エンジン、建築、家具、DIYなど、あらゆる場面で役立ちます。

両口スパナは先端がU字型に開放されているため、横から差し込むことが可能です。そのため、狭いところにあるボルトやナットの作業に使用されます。両口スパナは2点で支え締めるため、大きな力をかけるのに適している工具ではありません。したがって、仮止めとして使用されるのが一般的です。

両口スパナは、両端の口径部の二面幅のサイズがひとサイズ違いのものがほとんどです。片口スパナに比べて、揃えておくスパナの本数が減るため、持ち運びや管理が楽になります。

両口スパナの原理

両口スパナは「てこの原理」を利用して、小さい力で大きな力を生み出しボルトやナットを締めたり緩めたりします。支点はボルトやナットの中心、力点は手で両口スパナを持っているところ、作用点はボルトやナットとスパナが接する2点の角です。

両口スパナの端の方を持って回すことで、簡単にボルトやナットを締めたり緩めたりできます。両口スパナはボルトとナットに接する部分は2点で、レンチは6点で接するので、レンチの方がしっかり力ををかけて締められます。

両口スパナの種類

1. 一般的な両口スパナ

持ち手の両方の先端にボルトやナットを掴む口径部がついています。二面幅は固定されています。

2. 薄口スパナ

通常よりも薄いスパナです。狭い場所の作業や、ボルトやナットが薄い場合に使用します。大きいボルトやナットには向いていませんが、小さいボルトやナットに使う場合は便利です。

両口スパナの選び方

作業目的にあった両口スパナを使用することによって、作業効率や安全の向上、仕上がりの正確さに影響します。

1. サイズ

ボルトやナットを挟む部分は、固定されているので、ボルトやナットのサイズにあったものを選びます。サイズは直径や半径ではなく、両口スパナがボルトやナットにはまる「二面の幅」の距離を確認します。

サイズは持ち手にメートルで記載されているのがい一般的です。しかし、稀にインチのものもあるので、確認することをおすすめします。

2. セット

両口スパナは使用頻度が高いので、複数のサイズの両口スパナを揃えておくと便利です。

3. 類似品

口径部が円になっているレンチ (メガネレンチ) があります。ボルトやナットの全周に口径部が当たるため、外れにくく、なめさせにくい仕様になっています。

また、片方だけに口径部がある片口スパナやスパナとレンチの両方で構成されたコンビネーションスパナなどがあります。

両口スパナのその他情報

両口スパナの使い方

  1. 手でボルトやナットを回して締めます。
  2. ボルトやナットが口径部の一番奥にはまるようしっかり当てます。口径部はボルトとナットと平行になるようにします。
  3. 両口スパナを回し、ボルトやナットを締めていきます。持ち手の端の方を持って回した方が効率よく力が伝わりやすいです。
  4. 狭い場所で取り扱う際は、回転角度が制限されることがあります。その場合は、一度締結部品からスパナを外して、掛け直します。

硬く締まって動かないボルトやナットを緩めたいは、油をさしてしばらく置いてから、回すと良いです。また、角度が悪く、そのままでは掛け直せない場合も、スパナを裏返すと二面幅を掛ける角度が変わり、掛け直せるようになります。

片口スパナ

片口スパナとは片口スパナ

片口スパナとは、主に六角ボルトやナットを締めたり緩めたりするために使用する工具です。

ボルトやナットを掴む部分を「口径部」、U字型になっている開口部の幅を「二面幅」と呼びます。両口スパナは両方の先端に口径部があるのに対し、片口スパナは片方にしか口径部がありません。

スパナ (SPANNER) はイギリス英語、レンチ (WRENCH) はアメリカ英語で、もともとの意味に差はありません。しかし、日本では一般的に工具の先端が開いているものをスパナ、先端が閉じているものをレンチと呼びます。

片口スパナの使用用途

片口スパナは、一般的なDIYから専門的な現場まで、幅広く使用されています。片口スパナは主に六角ボルトやナットを締めたり緩めたりするときに有用です。機械設備や精密機器、車両、エンジン、建築、家具、DIYなど、あらゆる場面で欠かせない工具です。

片口スパナは先端がU字型に開放されているため、横から差し込むことが可能で、狭いところにあるボルトやナットの作業に使用されます。片口スパナは2点で支え締めるので、大きな力をかけるのに適している工具ではありません。したがって、一般的には仮止めとして使用されます。

ほとんどの片口スパナは、持ち手の部分に穴が空いており、高所作業などで落下しないように紐を通して使用することができます。また、両口スパナに比べ、片方にしか口径部がないため、持ちやすいのも利点です。

片口スパナの原理

片口スパナは「てこの原理」を利用して、小さい力で大きな力を生み出しボルトやナットを締めたり緩めたりします。支点はボルトやナットの中心、力点は手で片口スパナを持っている部分、作用点はボルトやナットとスパナが接する2点の角です。

片口スパナの端の方を持って回すことで、簡単にボルトやナットを締めたり緩めたりできます。片口スパナはボルトとナットに接する部分は2点で、レンチは6点で接するので、レンチの方がしっかり力ををかけて締めることが可能です。

片口スパナの種類

1. 片口スパナ

持ち手の片方にボルトやナットを掴む口径部がついています。二面幅は固定されています。使用するボルトやナットのサイズが同じものの場合に便利です。

2. 薄口スパナ

通常よりも薄いスパナです。狭い場所の作業や、ボルトやナットが薄い場合に使用します。大きいボルトやナットには向いていませんが、小さいボルトやナットに使う場合は便利です。

3. 打撃スパナ

通常の片口スパナはハンマーなどで叩いたりする強度はありません。必要以上に強い力を加えると、ボルトやナットを傷めたり、スパナ本体が変形したりする可能性があります。

この打撃スパナは、強度がありハンマーで柄を打撃することができます。錆びついたナット類の取り外しや増し締めが必要な場合に使います。

片口スパナの選び方

作業目的にあった片口スパナを使用することによって、作業効率や安全の向上、仕上がりの正確さに影響します。

1. サイズ

ボルトやナットを挟む部分は、固定されているので、ボルトやナットのサイズにあったものを選びます。サイズは直径や半径ではなく、片口スパナがボルトやナットにはまる「二面の幅」の距離を確認します。

サイズは持ち手に数字で記載されています。基本的にサイズはメートルで記してありますが、稀にインチのものもあるので、確認が必要です。

2. 類似品

口径部が円になっているレンチがあります。ボルトやナットの全周に口径部が当たるため、外れにくく、なめさせにくい仕様です。

また、片口だけではなく両端に口径部がある両口スパナ、スパナとレンチの両方で構成されたコンビネーションスパナなどがあります。

片口スパナのその他情報

片口スパナの使い方

  1. まず手でボルトやナットを回して締めます。
  2. ボルトやナットが口径部の一番奥にしっかりとはまるように当てます。口径部はボルトとナットと平行になるようにします。
  3. 片口スパナを回し、ボルトやナットを締めていきます。持ち手の端の方を持って回した方が効率よく力が伝わります。
  4. 硬く締まって動かないボルトやナットを緩めたいときは、油をさしてしばらく置いてから回します。

トルクスドライバー

トルクスドライバーとはトルクスドライバー

トルクスドライバー (英: Torx Screwdriver) とは、トルクスネジ対応の専用ドライバーです。

トルクスとは、ねじ頭に六角星型の溝が加工されたねじで、1967年にアメリカのテキストロン・カムカー社が開発したねじの規格です。現在はアメリカの登録商標となっています。

トルクスという名称は一般には使用できないことから、国際規格のISO10664においてはヘクサロビュラ・インターナル (英: hexalobular internal) と規定されています。一般的な名称としてはヘックスローブやヘクスローブと呼ばれることもあります。

トルクスドライバーの一般名称は、スタードライバーやスタースクリュードライバー (英: Star Screwdriver) と呼ばれています。

トルクスドライバーの原理

トルクスドライバーの原理としては、トルクの伝達効率が良いトルクスの形状にあります。

一般的な十字や六角溝の場合は溝の形状が直線的になっており、工具でトルクをかける際は溝と工具の間にガタがあるため、点接触でトルクをかけます。トルクスの場合は、溝の形状が曲線で構成されているため面接触となりトルクの伝達がしやすいです。

トルクの伝達効率以外にもトルクスのメリットは以下のようなものがあります。

  • 締め付け時に工具が溝から抜けにくい
  • 面接触なため摩耗や割れ/欠けに強く耐久性がある
  • 六角星型によるデザイン性がある

トルクスドライバーの使用用途

トルクスねじは、ねじ頭の溝が六角星型をしているため、トルクスドライバーとねじとの噛み合いが強く、力を効率よく伝達できます。ヨーロッパではプラスネジよりトルクスねじが主流になりつつあり、ヨーロッパ製の自動車やバイクなどに数多く採用されています。

数年前まではトルクスねじは日本において普及していなかったため、トルクスドライバーの使用者も少なく分解防止などの用途で使用されていました。しかし近年では、トルクスドライバーの販売数も増えて一般に普及しており、その効果はほとんどなくなっています。

また、「いじり止めトルクスドライバー」のように、トルクス溝の中央に突起を設けてあり、専用工具以外では分解できないようになっているものもあります。

トルクスドライバーの選び方

トルクスドライバーは、ねじサイズやねじ形状、グリップ形状および軸材質などを、使用目的などに応じて選定します。

 1. ねじサイズ

トルクスドライバー先端六角星型溝のサイズは、一般的にT4からT40まであり、Tの後の数字が大きいほど大きいねじ頭用となります。

トルクスドライバーは、トルクスねじと同じサイズのものを使用する必要があり、サイズ違いのトルクスドライバーを使用するとトルクスねじが損傷してしまうため注意が必要です。

 2. ねじ形状

トルクスねじ形状には複数あり、専用のトルクスドライバーを使用します。

  • セキュリティートルクス (英: Torx TR)
    いたずら防止 (英: Tamper-Resistant) のための溝の中心に突起が付いています。
  • トルクスプラス (英: Torx Plus)
    普通のトルクスに対して溝角部が丸い形状になっていて、より強いトルク・耐消耗性を備えています。
  • トルクスTS (英: Torx TS)
    上記のトルクスプラスにいたずら防止機能を追加したものです。

 3. グリップ形状

一般的なドライバーと同じで、太さ・長さや、くぼみ付き、T型グリップなど様々な形状のものがあります。用途に応じて力の加えやすさや作業性などで選定します。

 4. 軸材質

トルクスドライバーの軸材質は、鉄・ステンレス鋼・クロムバナジウム鋼などが使用されています。一般のドライバーと同じ基準で、トルクスねじ材質やねじサイズに合った選定が必要です。

ボックスドライバー

ボックスドライバーとは

ボックスドライバー

画像出典元: Amazon

ボックスドライバーとは、ドライバーの先端に六角穴のボックスが付いているドライバーのことです。小径のナットを、締めたり緩めたりするのに使います。ナットを外す際に使われるため、ナットドライバーとも呼ばれます。スパナと違い、ドライバーとして回して使うため、狭い場所でも使えるのが特徴です。

ボックス部分は、ドライバーに固定されているタイプと、脱着可能なタイプがあります。また、穴が深く突き出たボルトに対しても使えるディープタイプのボックスドライバーもあります。

ボックスドライバーの使い方

ボックスドライバーは、プラスやマイナスのドライバーと同様にグリップを握りこみ、グリップを回して使います。

回すときに、しっかりとボックスがナットにかかっていることを確認しておかないと、ナットがなめてしまうので注意が必要です。

回転方向にのみ力をかけるのではなく、ナット側に押し込みながら回すと、ナットをなめさせることが減ります。あまりにネジが固くて緩まない場合は、スパナで少し緩めてからボックスドライバーを使うと安全に回せます。

ボックスドライバーの選び方

ボックスドライバーを使うときは、外すナットの環境により、ボックスの形状を選ぶ必要があります。

  • ボックスドライバー(通常)
    特殊な場合を除き、通常のボックスドライバーでナットを緩めることができます。軸の部分が六角になっているタイプもあります。この六角の使い方は、固いナットや六角ボルトを緩める時に、軸の六角部分にスパナをかけて回すことで、強いトルクで緩めることができます。一度緩めば、あとはドライバーとしてグリップを握りながら回すと、素早くナットが取れます。
  • ディープタイプ(ロングタイプ)
    ディープタイプは、外したいナットからボルトが長く突き出ている場合に使います。通常のボックスでは、ボルトにボックスが当たってしまいますが、円筒部が長くなっているため、突き出た部分が当たることなくボックスをかけることができます。類似品として、ボックスの中央に穴が通っているタイプもあります。このタイプは突き出たボルトが穴に収まり、当たらない仕組みになっています。
  • 精密ナットドライバー
    精密ナットドライバーは、基盤などについているナットを外すときに使用します。回転エンドキャップが付いており、手のひらを押しあてたまま早回しすることが可能です。

スタビードライバー

スタビードライバーとは

スタビードライバー

画像出典元: Amazon

スタビードライバーとは、ドライバーの種類のひとつで、全長が非常に短いドライバーのことをいいます。

ネジの種類としては、プラスネジ用とマイナスネジ用が主となり、それぞれに対応したドライバーがあります。他にも、星形などの特殊な形状をしたドライバーもあります。

使い方は普通のドライバーと大きく変わりません。全長が短いため、狭い場所でも使えるのが特徴です。先端のビットを取り替え可能なタイプやラチェット機構をもったタイプのスタビードライバーも存在します。

スタビードライバーの使用目的

スタビードライバーの使用目的は、その短さを使って狭い場所でも、難なくネジを回せることにあります。

一般的なドライバーは、グリップ部も金属部分も長いため、狭い場所ではつっかえて入らないことがあります。そのような場合には、スタビードライバーを使います。スタビードライバーは、グリップ部も金属部分も短いため、握りこぶしが入るくらいの隙間があれば、使用することができます。グリップ自体はしっかり握ることができるため、締め付け力に大きな違いはありません。

スタビードライバーの選び方

スタビードライバーは、どの場所で使うかによってサイズや種類を選ぶことになります。一般的なスタビードライバーは、手のひらサイズです。包み込むようにしてしっかり握って使います。締め付けトルクは普通のドライバーとほとんど変わらないので、場所を選ばず使うことができます。

しかし、それでも入らない場所では、薄くて指先の力で回すタイプを使用します。指先の力だけで締めるため大きな締め付けトルクは得られません。そのため、しっかりと締め付けたいところには不向きになります。

スタビードライバーには、プラスタイプとマイナスタイプがありますが、中には星形や六角のドライバーもあります。すべてを揃えるのは場所も取るので大変です。しかし近年では付け替え可能なビット式のスタビードライバーもあります。使用先に合わせてビットを変えれば、収納もコンパクトになります。また、回転方向を制御するラチェット機構を持ったドライバーを使えば、狭い場所でドライバーを抜き差しの必要がありません。

圧着工具

圧着工具とは

圧着工具は、電線と圧着端子を接合するために用いられる工具です。

圧着工具は大別して、手動片手式工具、手動両手式工具、手動油圧式工具、電動油圧式工具に分類され、圧着端子には裸圧着端子絶縁被覆付圧着端子など、いくつかの種類があります。

電気機器によって使用されている端子の種類と端子寸法が異なり、圧着工具はこれらの端子に対応できるものが必要になります。

使用範囲(端子呼び寸法)は、一般的に手動片手式工具が14mm²以下、手動両手式工具が100mm²以下、手動油圧式工具で150mm²以下となります。

圧着された端子の信頼性を保証するため、圧着後の性能はJISによって規定される値を満足する必要があります。

圧着工具の使用用途

圧着工具は、主に電気機器用配線、屋内配線、電装品用配線において、電線に端子を接合するのに使用されています。

圧着工具には複数の寸法のダイスが備わっており、圧着は端子の呼び寸法に合ったダイス位置で行います。圧着後の端子には寸法が刻印されます。

圧着する電線の断面積は、使用する端子の抱合が可能な範囲とします。抱合が範囲から脱落している場合には「電線抜け」、範囲から逸脱している場合には「電線切れ」などの事故の原因となります。接合部分を安定して加締めるためには、電線の心線部が端子から約1mm出た状態で圧着を行うことを推奨しています。

手動片手式工具などでは、成形確認機能(ラチェット機能)により圧着が完了するまでハンドルが開かない構造になって、成形が完全に行われたことを常に確認できるものもあります。

圧着工具の選び方

圧着工具を選ぶ際のポイントは、以下の通りになります。

  •  適正工具の選定方法
    例えば 、絶縁付端子を裸端子用工具で圧着すると、 絶縁体が裂け、端子の金属部が露出して、ショートの原因となる場合があります。電線寸法および圧着端子寸法によっても対応する工具を選ぶ必要があります。さらに、自動車の電装関係に用いる電装用と電気機器に用いる電工用では圧着工具が異なる場合もあるため、用途に合わせて選ぶことも大切です。
     
    電工用など現場で使用するものは、操作が楽にできることが重要です。軽い力で圧着することが可能で、ハンドルが最大に開いても片手操作ができることが大切です。また、成形確認機能(ラチェット機能)を備えてダイス間が適正な圧着接続の範囲になければ、接続端子を工具から離脱できないこともポイントのひとつになります。

工具の信頼についても選定する上で重要となります。

圧着後の端子にサイズが刻印され、工程のトレースが可能なことや圧着成形試験により圧着成形高さが製造管理されていることが信頼性を評価する上で大切なポイントです。そのほかにも、接続性能が接続性能試験で定められた値を満足していることも工具の選定を行う上で大切になります。

エアポリッシャー

エアポリッシャーとは

エアポリッシャーとは、エアーコンプレッサーと接続し圧縮した空気を動力として用いることで先端のバフを回転させ、金属や木材などの材料の研磨を行う工具です。

研磨以外にも「塗装の剥がし」「さび落とし」「パテの研磨」などを行うことができます。エアサンダーなど同様の研磨工具との違いは、エアサンダーでは主に粗い研磨が行われるのに対し、エアポリッシャーでは細かい研磨を行うことができ、比較的低回転高トルクである点にあります。

 

エアポリッシャーの使用用途

エアポリッシャーの使用用途としては、木材などの材料の研磨が主に挙げられます。

エアポリッシャーはエアーコンプレッサーで空気を圧縮して動力としているため回転力が強く、金属の研磨やさび落とし、塗装の剥がしなどにも用いることができます。

さらに、取り付けるバフを変更することによってツヤ出しやワックスがけなどの仕上げ作業をすることができます。また、研磨の際に飛散する塵を吸引できる吸塵式の製品もあり、周囲の環境に配慮して作業を行うことも可能です。

エアポリッシャーの選び方

エアポリッシャーを選ぶ際に気を付けることは、以下の通りです。

  • 回転方式
     エアポリッシャーの回転方式には、「シングルアクション」「ギヤアクション」「ダブルアクション」の3種類があります。シングルアクションではバフが一方向にのみ回転し、研磨力が最も高いタイプです。ギヤアクション・ダブルアクションではバフが変則的な動き方をするため、研磨力はシングルアクションに比べて劣りますが、材料に傷がつきにくいというメリットがあります。
  • 形状
     エアポリッシャーの形状には「ハンディ型」「アングル型」「ピストル型」など多様な種類があります。ハンディ型は最も一般的な形状であり、両手もしくは片手で使用します。アングル型にはサイドハンドルが付いている機種もあり、ピストル型は取り回しが容易な小型機種でよく用いられています。
  • 使用用途
     エアポリッシャーは、取り付けるバフの種類によって、「研磨」「ツヤ出し」「ワックスがけ」に用いることができます。そのため、目的に応じたバフを選ぶ必要があります。

糸鋸盤

糸鋸盤とは糸鋸盤

糸鋸盤は、糸鋸を電動化したもので、材料を置くテーブルと一体化した工具です。

糸鋸がモーターで上下し、作業者はテーブル上で材料を移動させて糸鋸に押しつけ、切断・加工します。木材、プラスチック、金属などさまざまな材料を加工でき、電動工具の中でも特に細かい曲線で切断、中抜き加工などができます。

糸鋸盤には、モーターで刃を下に引張り、バネの力で上方向に戻す「バネ式」、刃の両端を支えるアームをモーターで上下させる「パラレルアーム(カム式)」、パラレルアームの改良版で、アームを前後に動かし先端は上下に動く「パラレルリンク(カム式)」の3種類があります。

糸鋸盤の使い方

加工する材料や加工内容に合わせて糸鋸の刃を選びます。材料の材質によって、木工用、プラスチック用、金工用などを選び、材料の厚さ、加工の細かさなどによって、刃の幅、数、厚さなどを選びます。

コンセントを抜いている状態で、糸鋸をセットします。最初にテーブルの下にある下部刃止めのネジを締め、次に上部刃止めレバーをセットして刃を固定します。

糸鋸盤のスイッチを入れ動作を開始させると、糸鋸がミシン針のように上下します。材料をテーブルに置き、切断したい部分に刃を当て、両手で上から材料を押さえながら押し出します。

糸鋸は自動的に動いているので、安全のため切断部分から目を離さず、ゆっくり確実に作業することが大切です。

糸鋸盤の選び方

糸鋸盤には、卓上に置くことができる小型のものから据え置きタイプの大型のものまで、さまざまなサイズがあります。

糸鋸盤のサイズを選ぶときの基準になるのは、糸鋸からアームまでの距離であるふところ寸法です。小型糸鋸盤では一般的に300mm〜600mm程度で、大型になると1000mmを超えるものもあります。ふところ寸法が材料に対して十分余裕のある糸鋸盤を選びます。

糸鋸盤の性能は、糸鋸が1分間に上下する回数であるストローク数と、糸鋸が上下する幅であるストローク幅で決まります。ストローク数、ストローク幅ともに、数値が大きいほど作業スピードがあがります。ただし、ストローク幅が大きいものは糸鋸盤のサイズも大きくなるため、糸鋸盤のサイズとストローク幅とは連動して考慮しなくてはなりません。

また、ストローク数については、一般的に木材は高速で、プラスチックや金属は低速で加工します。ストローク数を調節できる糸鋸盤もあるので、さまざまな材料、加工内容を網羅したい場合は、ストローク数の調節可能な糸鋸盤を選ぶとよいでしょう。