糸鋸盤とは
糸鋸盤は、糸鋸を電動化したもので、材料を置くテーブルと一体化した工具です。
糸鋸がモーターで上下し、作業者はテーブル上で材料を移動させて糸鋸に押しつけ、切断・加工します。木材、プラスチック、金属などさまざまな材料を加工でき、電動工具の中でも特に細かい曲線で切断、中抜き加工などができます。
糸鋸盤には、モーターで刃を下に引張り、バネの力で上方向に戻す「バネ式」、刃の両端を支えるアームをモーターで上下させる「パラレルアーム(カム式)」、パラレルアームの改良版で、アームを前後に動かし先端は上下に動く「パラレルリンク(カム式)」の3種類があります。
糸鋸盤の使い方
加工する材料や加工内容に合わせて糸鋸の刃を選びます。材料の材質によって、木工用、プラスチック用、金工用などを選び、材料の厚さ、加工の細かさなどによって、刃の幅、数、厚さなどを選びます。
コンセントを抜いている状態で、糸鋸をセットします。最初にテーブルの下にある下部刃止めのネジを締め、次に上部刃止めレバーをセットして刃を固定します。
糸鋸盤のスイッチを入れ動作を開始させると、糸鋸がミシン針のように上下します。材料をテーブルに置き、切断したい部分に刃を当て、両手で上から材料を押さえながら押し出します。
糸鋸は自動的に動いているので、安全のため切断部分から目を離さず、ゆっくり確実に作業することが大切です。
糸鋸盤の選び方
糸鋸盤には、卓上に置くことができる小型のものから据え置きタイプの大型のものまで、さまざまなサイズがあります。
糸鋸盤のサイズを選ぶときの基準になるのは、糸鋸からアームまでの距離であるふところ寸法です。小型糸鋸盤では一般的に300mm〜600mm程度で、大型になると1000mmを超えるものもあります。ふところ寸法が材料に対して十分余裕のある糸鋸盤を選びます。
糸鋸盤の性能は、糸鋸が1分間に上下する回数であるストローク数と、糸鋸が上下する幅であるストローク幅で決まります。ストローク数、ストローク幅ともに、数値が大きいほど作業スピードがあがります。ただし、ストローク幅が大きいものは糸鋸盤のサイズも大きくなるため、糸鋸盤のサイズとストローク幅とは連動して考慮しなくてはなりません。
また、ストローク数については、一般的に木材は高速で、プラスチックや金属は低速で加工します。ストローク数を調節できる糸鋸盤もあるので、さまざまな材料、加工内容を網羅したい場合は、ストローク数の調節可能な糸鋸盤を選ぶとよいでしょう。