シャコ万力

シャコ万力とは

シャコ万力とは、B型クランプ、C型クランプ、G型クランプの呼称です。

クランプの1種で、クランプは加工する際に工作物と作業台を固定するための道具を指します。B型クランプはバーコ型とも呼ばれます。コの字型金属の開いた部分にネジが通った形状が特徴です。ネジ部についたハンドルを回すことで、開口部の幅を調節します。

C型クランプはB型とは異なり、コの字だった部分がCの字形状になっています。その分奥行きが深いので、固定物を深くまで挟むことが可能です。また、固定強度が強いのも特として挙げられます。

G型クランプはC型と同様にCの字形状です。C型よりもアゴという固定物を加える部分に奥行きがあります。これによりC型では挟めない形状も挟むことが可能です。

シャコ万力の使用用途

シャコ万力は一般のDIYから、土木建築、家具製造、板金、鉄工業などの専門的な組み立て作業や加工作業に幅広く使用されます。シャコ万力は、材料を切断したり、木や金属の穴あけ加工、溶接時の固定などの比較的負荷の軽い加工などに使用され、金属の切削加工のように、高負荷がかかる場合には推奨されません。

万力のように作業台に固定されているものではなく、自由に移動させられる固定用の工具です。材料をしっかり固定することで、作業の効率や正確さの向上につながります。大きさはさまざまで、あらゆる作業シーンで使用されます。

シャコ万力の原理

シャコ万力は、開口部のある本体、金属製のネジ、ネジを回転させるハンドルとで構成されます。クランプの中で最もシンプルな構造です。

開口部のある本体の先端にあるアゴと、もう片方の先についたネジの先端にある「アゴ」の間のことを口開きと呼びますが、この口開きの部分に材料を挟み、ハンドルを使ってネジを回転させ口開きの幅を狭め、材料を強力に固定します。

シャコ万力の特徴

シャコ万力は、本体が一部品からできており、可動部分がないため、他のクランプと比べて一番強度があります。また、締め付ける力が強いので接着などの長時間の固定に最適です。

ネジを締める動作だけで口開きを調節する必要があり、L型クランプなどに比べると作業効率はあまり良くありませんが、強度の面では優れています。工作物の表面に緩い傾斜がある場合にも使用可能です。ネジの先端部分にあるアダプタは、首振り式になっています。

固定物に多少傾斜がある形状でも、アダプターがフィットするので固定できます。ネジの先端部分が金属でできている場合がほとんどなので、柔らかい材料を固定する場合には、材料を傷つけないよう、当て木やゴムパットなどを挟んで使用します。

DIYで使用する小さなものから、建築現場などで使用される大きなものまで、さまざまなサイズと材質のものがあります。そのため、作業スペースや材料の大きさに合わせて選択することが重要です。

シャコ万力の選び方

1. 保証荷重

シャコ万力には、メーカーが定めた保証荷重があります。保証荷重とは、シャコ万力が固定可能な強度を示します。単位はkN (キロニュートン) です。

メーカーの製品情報に必ず記載があるので、事前に固定物の重さを調査し、対応した保証荷重を満たす製品を選定します。保証荷重の範囲外で使用した場合、固定物が動くなどの予期せぬ重大事故につながります。保証荷重は、固定物に対して多少余裕をみて考慮すると良いです。

2. 最大口開きサイズ

最大口開きサイズとは、シャコ万力の開口部を最大まで開いた時の幅です。シャコ万力で挟む対象となる物の厚みを考慮して選定します。固定物を最大口開きサイズいっぱいで挟むよりは、少し余裕があるサイズをおすすめします。メーカーの製品情報から、クランプ範囲や開口部の寸法表記が確認できます。

3. 使用環境

使用する環境や状況も考慮する必要があります。例えば、金属加工のように強い負荷がかかる場合です。複数のシャコ万力を使用したとしても、負荷強度の高い加工には耐えられない可能性があります。また、人が乗る足場の固定なども危険です。想定される使用範囲がわからない場合は、メーカーへの問い合わせがおすすめです。

ワイヤーカッター

ワイヤーカッターとは

ワイヤーカッターとは、ワイヤーロープやケーブル、電線などの細い線をまとめて束ねたような線形の資材を切断するための工具です。

ワイヤーカッターを使って切断することで、資材の切断面が乱れたり、バラバラになったりすることを防ぎ、ニッパーペンチなどで切断したときよりもきれいな断面に仕上げることができます。また、2本以上の金属線を編んで作られた「より線」のような強力なワイヤーも強度を保ったまま切断することができます。

ただし、太い針金やピアノ線のような硬い素材を切断する場合には、刃が欠けたり切れ味が悪くなったりするため適していません。

ワイヤーカッターの使い方

ニッパーやペンチと同じようなハサミ型の場合は、切断したいワイヤーを刃部分に挟み、ハンドル部分を手で握って刃を閉じることで切断します。

油圧式手動タイプの場合は、切断したいワイヤーを刃部分にセットして固定したあとに、ハンドル部分を上下すると油圧の力によって切断します。

油圧式電動タイプの場合は、ハンドル部分を上下する必要がなく、ワイヤーカッター本体のトリガーを引くと自動で油圧がかかり、刃部分が動くことでワイヤーを切断します。

電動式の場合は、切断したいワイヤーを刃部分で挟み込み、ワイヤーカッター本体の電源を入れます。そのあと、本体のトリガーを引くと刃が自動的に動いてワイヤーを切断します。

ワイヤーカッターの選び方

ワイヤーカッターを選ぶときは、一度に切断できるワイヤーの最大径を示す最大切断能力と、切断可能な材質を必ず確認します。切断能力は、「直径20 mm」や「Φ20 mm」などと表記されることが一般的です。また、「IVΦ20 mm」のように切断可能な材質と併せて表記されているものもあります。この場合、直径20 mm までのIV線(ビニル絶縁電線)が切断可能であることを示します。

主にワイヤーカッターには、ペンチ式、ラチェット式、油圧式、電動式の4種類があり、切断したいワイヤーの太さや硬度により種別を選択します。以下にそれぞれの特徴をまとめます。

  • ペンチ式
    ペンチやニッパーと形状が似ているため初心者でも扱いやすく、ニッパーでは切断できない硬さ、太さのワイヤーを切断することができます。軽くて持ち運びやすいため、精密な作業をする場合にも適しています。
  • ラチェット式
    力を加える一方向にのみ回転を伝え、反対の回転は伝えない「ラチェット機構」を通して切断方向にのみ刃を動かすことで、太めのワイヤーでも少ない力で切断することができます。
  • 油圧式
    加圧した油を介して刃に動力を伝えることで、少ない力でより早くワイヤーを切断することができます。そのため、高所や足場の悪い所でも活用できます。また、長時間に及ぶ作業や頻繁に切断作業をする場合の負担も軽減することができます。
  • 電動式
    モーターによって刃を動作させることで、力を加えず高速で簡単にワイヤーを切断することができます。切断能力が非常に高く、エレベーターのワイヤーロープ交換や火花禁止区域でのワイヤーの切断にも適しています。電動式には、コンセントに繋いで使用するコンセント式と、充電式があります。コンセント式の場合は、電源の位置とコードの長さで作業できる範囲が限られています。対して、充電式の場合は、作業時間に制限があることを考慮する必要があります。

ワイヤーカッターは種類だけでなく、刃の形状や安全性能もさまざまなものがあるため、用途や目的に沿って適切に選びます。以下に主な安全性能や刃の形状についてまとめます。

  • 刃の形状
    両刃の場合は、切断力が片刃よりあるため少ない力で切断することができます。しかし、太めのワイヤーの切断には向いていません。片刃の場合は、両刃より力が必要になりますが、両刃で切断しにくい太さのワイヤーを固定して切断することができます。
  • 安全性能
    ワイヤーカッターを使用していないときや作業を中断しているときに刃が開いたり動いたりしてしまわないように、開閉ロックやストッパー機能がついていると安全です。また、ケーブルや電線を切断する場合に万が一通電していたときでも感電しないように、ハンドル部分が絶縁処理されているものを選ぶと安心です。 

ラチェットハンドル

ラチェットハンドルとは

ラチェットハンドルとは、ソケットレンチの1種で、ラチェット機構を持ったハンドルのことです。

ラチェット機構は、力がかかる回転方向を一方向に制限する歯車を指します。身近な使用例は、自転車のペダル部分です。ペダルを漕ぐ時は力がかかりますが、漕いでいない時は歯車が空回りしています。

これと同じように、ネジを締めたいときにハンドルを時計方向に回した時は力が伝わり、緩め方向の反時計回りにハンドルを回した時は空回りすることが可能になります。これにより、ネジの締め/緩め作業時にネジの回転に伴って工具を持ち換え直す必要が無くなるため、作業が格段に早くなるのが利点です。

なお、力がかかる回転方向はレバーにより簡単に切り替えることができるため、ネジの締め/緩め作業の切り替えも容易です。

ラチェットハンドルの使用用途

ラチェットハンドルは、ネジの締め/緩め作業に使用します。ネジの回転に伴ってソケットを掛け直すことなく締める、あるいは緩める動作を連続で繰り返すことが可能です。

通常は、ネジを回転させるたびに都度工具をネジから外し、再度別の角度から工具を挿入して締める/緩める作業を何度も繰り返して行う必要があります。ボルトのピッチにもよりますが、ボルトが1回転することで1.5mm (もしくは1.25mm) ずつしか進まないため、仮に長さが10mmのボルトだと6〜7回転させないと外せません。

このやり方ではボルトの長さに比例して、作業時間も多くかかってしまいます。しかし、ラチェットハンドルを用いることで、都度工具を外すこと無く高速でボルトを回転できるようになるため、大幅な作業時間の短縮が可能です。

ラチェット機構の力を掛ける回転方向は、レバーによって締め方向、緩め方向を簡単に切り替えることができます。作業スペースの狭い場所でソケットレンチを使う場合は、ハンドルの回転角度いっぱいまできたらソケットを一度抜いて、掛け直す必要があります。それに対して、ラチェットハンドルを使えば、逆方向にハンドルを回転させるだけで再び、締め、緩めを繰り返すことができます。

ラチェットハンドルの原理

ラチェット機構の内部には爪と歯車があり、この爪と歯車が噛み合うことで回転を止めています。爪はバネの力を使って歯車へ押し当てられています。

爪と歯車の関係はある一定方向にのみ作用し、反対方向に歯車が回転することで爪を押し上げて歯車が回転するように設定されています。ラチェット機構を使って力が掛からない方向へ回した際に「カチカチ」音が鳴るのは、爪が押し上げられて次の歯車の間に落ちるためです。

回転方向を切り替えるレバーを操作することで、爪の噛み合わせ方向が異なる別の爪が歯車と再度噛み合い、逆回転にも対応しています。

ラチェットハンドルの選び方

1. サイズ

サイズは、ソケットの差し込みサイズとラチェットハンドル自体のサイズで意味が異なります。ソケットの差し込みサイズは、一般的に1/4 (6.35mm) 、3/8 (9.5mm) 、1/2 (12.7mm) の3種類が広く普及しています。

対応しているソケット側にサイズバリエーションの有無等大きな違いはないため、必要に応じて選定します。3/8 (9.5mm) が大きすぎず小さすぎず使い勝手が良いため、最初はこのサイズがおすすめです。

ラチェットハンドル自体のサイズは、ソケットの差し込みサイズが大きくなるのに比例して、ハンドルも大きくなっていきます。ラチェットハンドルが大型化することで強度が増すため、高いトルクをかけることが可能になります。ソケットのサイズによっては、爪切りのような小さいタイプもあり、狭い場所でも難なく使えるようになります。

2. ロック機構の有無

ロック機構があれば、基本的にはロック解除をしなければソケットが抜けないため、安全に作業することができます。しかし、脱着の際はロック解除ボタンを押しながら、ソケットを脱着する必要があり、頻繁にソケットを脱着する必要がある場合は手間が増えてしまいます。

ロックを解除しないで無理やりソケットを外そうとするとラチェットハンドルの破損に繋がってしまうため、必ずロックを解除してからソケットを脱着する必要があります。ロック機構が無い場合でも、ボールプランジャーと呼ばれる簡易的な抜け防止機構が付いているので、必ずしもロック機構が必要となるわけではありません。

ヘキサゴンソケット

ヘキサゴンソケットとは

ヘキサゴンソケットとは、六角柱の形をしたヘッドをもったソケットレンチのソケット部分に使う工具の一種です。

主に六角穴付きボルト (キャップボルト) を締めたり緩めたりするときに使用します。ヘキサゴンソケット単体で使用することはなく、「ソケットハンドル」や「ラチェットハンドル」「ドライバーハンドル」といったハンドル部分と組み合わせて使用します。

ヘキサゴンソケットは先端が六角柱の形状をしており、二面幅サイズはミリサイズの規格のタイプが多いです。ミリサイズの他にインチサイズのソケットもあるため、相手側のキャップボルトに合わせて使い分けることが必要です。

ヘキサゴンソケットの使用用途

ヘキサゴンソケットは、差込角をハンドルのドライブ角部分に差し込んで使用します。

ドライブ角への差込は、浅くて浮かないように奥まで差し込んでいることを確認します。ほとんどのタイプのハンドルには抜け防止機構が付いており、奥まで入ると抜け防止のボールプランジャーが、ヘキサゴンソケットの差込角の内径にある溝にはまり、抜け防止になっています。

キャップボルトへ差し込む際も、穴に対して斜めになったり差し込みが浅くなることのないように、奥まで差し込んでから締結作業を行うよう注意が必要です。

ヘキサゴンソケットの原理

ヘキサゴンソケットは六角柱の形状をしていますが、その理由としては締める/緩める際に工具との噛み合わせが良く、どの角度からでもネジを回わしやすくするためです。

仮にボルトの先端が六角形ではなく四角形だった場合は、工具とボルトの噛み合わせ角度が90度回さないとはまらないため、特に工具スペースの満足に取れない狭い場所ではボルトを締める/緩める作業が難しくなります。逆に八角形となると、工具とボルトの接地面積が減りネジがナメやすくなります。そのため、工具との接地面積と締める/緩める作業時の噛み合わせを考慮して一番バランスの良い六角形が採用されています。

ヘキサゴンソケットを使用するキャップボルトのメリットは、キャップボルトの穴に対してぴったりサイズの工具しか使用できないため、ネジ穴がナメにくく高いトルクを掛けやすいところにあります。また、スパナで回転させる必要がある六角ボルトよりも締める/緩める作業時に、工具がドライバーのような中心点で回転させる構造で作業できるため省スペースで済むメリットもあります。

ヘキサゴンソケットの選び方

ヘキサゴンソケットを選ぶポイントとしては、下記の3点に分けられます。

  1. 二面幅
  2. 六角部の長さ
  3. 差込角サイズ

1. 二面幅

二面幅とは、ヘキサゴンソケットのサイズのことでハンドル側の差込角と関係があります。前述のとおり二面幅はミリサイズが基本です。小さいものだと1.5mm程度のものから、大きいものだと14mmのもの等キャップボルトの規格の分だけ様々なサイズがあります。

一般的には、3mm幅から10mm幅までのセットで売られており、セット内容によってはもう1サイズ前後するタイプもあります。必ずしもセットである必要はないので、必要なサイズだけを単品購入することもできます。また、二面幅がインチサイズのソケットもあるためハンドル側の差込角と適合するか事前に確認が必要です。

2. 六角部の長さ

六角部の長さは、製品にもよりますが10〜30mm程度の通常サイズを基本としてロングタイプとショートタイプがあります。

通常の長さでは届かない場所にキャップボルトがある場合はロングタイプ、長すぎて周辺部品に当たってしまう場合にはショートタイプを選択します。六角部の長さが短い方が締める/緩める作業時にボルトに対して力が伝わりやすい傾向にありますが、周辺部品との兼ね合いを見て適した長さのソケットを選ぶことが大切です。

3. 差込角サイズ

差込角サイズは、一般的に6.3mmや9.5mmがよく使われています。ハンドルの大きさにも関わってくるので、締め付けトルクを大きくしたい場合は大きいタイプを選びます。しかしその分、締めすぎによるネジの破損などにもつながるので、必要に応じた工具を選定する必要があります。

ツールワゴン

監修:山金工業株式会社

ツールワゴンとは

ツールワゴンとは、支柱と棚板やキャビネット(引出し)、又はパネル等で構成された商品でメイン作業の周辺でサブ的に用いられることが多い商品です。大きくはキャスターが付いた移動式ワゴンとキャスターが付かない固定タイプのワゴンに分かれます。その他バリエーションとしては耐荷重別には軽量タイプ、中量タイプ、重量タイプ。サイズ別では棚板サイズとして400mm✕400mm、600mm✕400mm、750mm✕500mm、1000mm✕650mmなどがあります。また、素材がステンレス製の商品など多種多様なカテゴリー商品です。

ツールワゴンの用途

ツールワゴンの用途も商品バリエーションの豊富さ同様に様々なシーンで使われています。基本的には工具などを収納して任意の場所に手軽に移動して作業ができるという点が最大のメリットです。その為、キャスターの種類も多く現場の使用状況に応じた使い方ができます。
また最上段を天板代わりとして使用し簡易的な作業を行なったり木製天板を取り付けてミニ作業台として使用されることもあります。

ツールワゴンの原理

ツールワゴンの多くは4本の支柱と棚板又はキャビネットの組合せにより構成されています。機能性を左右するのはキャスターの選定によるところも多くゴム車、ナイロン車、エラストマー車、ウレタン車、双輪カラー車輪など現場の特性に応じた使い方でカスタマイズできます。

棚板はフラット型で取付けたり、皿型で取付けたりすることで用途も広がり、キャビネットも浅型から深型、超深型など収納物に応じたセレクトができます。

その他、オプション類も多く取り揃えており工具を引っ掛けるフック付きのパンチングパネルや、棚板からスプレー缶などが落下しないようなコボレ止め、天板上の作業をしやすくする棚板用マットなどがあります。また、豊富なサイズバリエーションを実現させたり、部材ごとの組合せにより多彩な機能構造を可能にする為、さらには輸送コストを抑え大量の在庫ができるようにノックダウン方式(組み立て式構造)がとられており、発送先現地にて組み立てを行います。

コンビニワゴン動画 https://youtu.be/RD9BGK_NCL8
色彩ワゴン https://youtu.be/9Ev9QOvRpXM
ジャストフィットワゴン動画 https://youtu.be/juCXS_BMRsM
スペシャルワゴン動画 https://youtu.be/wMeVw1lrH0o
ツーリングワゴン動画 https://youtu.be/sjB7IzyviF8
昇降天板付きスペシャルワゴン https://youtu.be/2eKluFw_IvE
天板付きスペシャルワゴン https://youtu.be/1DwdlQBhdbQ

本記事はツールワゴンを製造・販売する山金工業株式会社株式会社様に監修を頂きました。

山金工業株式会社株式会社の会社概要はこちら

パーツボックス

パーツボックスとは

パーツボックスとは、ボルトやナットなどを収納するケースのことです。

ボルトなどの他にも、圧着端子やエアー継手などの小物部品の収納にも利用されます。

重ねて使ったり、並べて使ったりする組み立て式のタイプや、フタつきのケースの中に仕切りがあって持ち運んで使うタイプなどがあります。また、多数の引き出しが付いた棚として使うパーツボックスもあります。大半はプラスチックからできていますが、中にはスチール製のケースのタイプもあります。

パーツボックスの使い方

パーツボックスは、基本的に物品を収納することを目的としていますが、その使い方は多岐にわたります。

  • 棚として設置して使う
    棚状になっているタイプや、組み立て式のパーツボックスは、部品棚として使われることが多いです。組み立て式の場合は、ある程度自由にカスタマイズできるため、段数を追加することで、棚を拡張することができます。
  • 持ち運んで使う
    フタつきのケースタイプのパーツボックスは、持ち運んで使うのに適しています。中には取っ手のついたパーツボックスもあります。

パーツボックスの選び方

パーツボックスは、プラスチック製のタイプとスチール製のタイプがあるので、それぞれの特徴を理解して目的に適した方を選びます。

プラスチック製の特徴

  1. 軽い
    スチール製のタイプと比べて軽いため、持ち運びやすいです。
  2. 見やすい
    プラスチック製のタイプは、透明ケースのものが多いため、フタを空けなくても、何が入っているか確認できます。確認の回数が減るので、作業時間の短縮につながります。
  3. 壊れやすい
    プラスチックなので衝撃に弱く、すぐに割れてしまいます。また、環境によってすぐに脆くなってしまいます。
  4. 軽いものしか収納できない
    重いものを収納すると底が抜けるので、軽いものしか収納できません。

スチール製の特徴

  1. 頑丈
    金属製なので、頑丈に出来ています。多少の衝撃には耐えられます。
  2. 重たいものも収納できる
    ある程度重いものを入れても、底が抜けたりはしません。ただし、重すぎると持ち運びが困難になります。
  3. 中が見えない
    フタを閉めた状態だと、中身が見えないため、フタを空けて確認する必要があります。

ベアリングプーラー

ベアリングプーラーとは

ベアリングプーラーとは、設備や機器に組付けられたベアリングを取り外すときに使う工具です。ねじの力を利用して引き抜くことで、手では抜きにくいベアリングでも、簡単に取り外すことが出来ます。

類似品として、ギアプーラーがありますが、爪の形状が大きく異なります。ギアは、単体で使うことが多いため、ギアプーラーの爪は、引っかけ部分が厚く爪先も長いです。しかし、ベアリングは2個以上を重ねて使うことが多いため、ベアリングプーラーの爪は隙間に入り込めるように、爪先が薄く短くなっています。

ベアリングプーラーには、ベアリングの外輪だけではなく内輪に引っ掛けるタイプのタイプもあります。

ベアリングプーラーの使い方

ベアリングプーラーの使い方は、対象のベアリングの外周部に爪を引っかけて、爪が外れないように挟み込むための、ボルトを締めておきます。その後、ベアリングが組み付いている軸に当たるまで、センターボルトを締めこみます。センターボルトや爪が外れないように支えながら、六角部分にスパナなどをかけて強く締めこんでいくと、ベアリングが爪に引っ張られて抜けてきます。

内径用のベアリングプーラーは、センターボルトをねじ込んでいくと爪が広がっていき、内径に引っかかります。しっかりと爪が引っ掛かったら、ノック抜きの要領で引き抜きます。ノックタイプ以外にも、外輪用と同様にねじ込みによって引き抜くタイプもあります。

ベアリングプーラーの選び方

ベアリングプーラーを使うには、まず外輪用か内輪用を選ぶ必要があります。軸に取りついたベアリングには、爪を外輪に掛けるタイプを選択し、ベアリングボックスなどのケースに取りついたベアリングを外すには、内径に掛けるタイプを選択します。

外輪用のサイズ選びは、本体ごと大きさが変わってきます。ある程度の大きさであれば、1種類のベアリングプーラーでも十分対応できますが、あまりに大きい、あるいは小さいベアリングとなると、サイズの違うベアリングプーラーを用意する必要があります。爪の掛かりが悪いとベアリングの破損や爪の摩耗につながります。

内輪用のサイズ選びは、爪のサイズを取り替えることができるため、本体1セットに対して爪を複数サイズを揃えておくことができます。こちらも、ベアリングのサイズにしっかり合うものを選ばなければ、引き抜くときに爪が外れてしまうので、しっかりと爪がベアリングに引っかかっていることを確認してから、引き抜き作業をしましょう。

ケレン

ケレンとは

ケレン(英語:Keren, Kelen, Kellen)は、主に鉄部表面の黒皮や錆び、付着している汚れを落し、被塗装面(塗装を施工する面)を清浄する作業と、その洗浄された素地調整状態の程度を表す一般呼称になります。語源は英語のクリーン(Clean)に由来するといわれています。

鉄部表面の黒皮や錆び、付着している汚れを、ワイヤーブラシやディスクサンダー、ブラストなどで除去します。除去する方法や使用する工具により除去できる程度が変わり、その程度をケレン 1種から4種までの指標で表します。

ケレンの使用用途

ケレン(素地調整)を行う目的は2つあり、1つは被塗装面の調整、2つ目は塗料の付着性も向上になります。

  1.  塗装面の調整
    塗布前に黒皮(鋼材を熱1つした際に発生する黒い2つ物)・錆・塩分・水分・粉塵などの付着物を可能なかぎり除去し、塗料の塗膜が被塗装面にしっかり密着させるために行います。
  2.  塗膜付着性の向上
    塗膜の付着性を向上させるために、被塗装面に微細な凹凸をつけます。平滑な被塗装面と比較して凸凹(アンカーパターン)になることで表面積が増し、被塗装面に微細な凹凸に塗料を入り込ませ、塗膜を定着させ剥がれ難くします。この方法をアンカー効果(投錨効果)といいます。

ケレンの選び方

ケレンの処理の程度は、1種から4種まであり、それぞれの程度の内容と使用する工具などが異なります。1種から順に処理程度の精度が高くなります。

  • 1種ケレン
    表面状態:全ての黒皮・錆・汚れを完全に除去され、表面積の95%には明瞭な残存物がない状態です。
    処理方法:ショットブラスト、サンドブラストなどで施工します。

  • 2種ケレン
    表面状態:完全に固着した黒皮を残し、固着していない黒皮・錆・汚れは完全に除去され、少なくとも表面の 2/3 には明瞭な残存物がない状態です。
    処理方法:ディスクサンダー、ワイヤホイール、グラインダーなどで施工します。

  • 3種ケレン
    表面状態:浮いた錆・旧塗膜・汚れを除去し、表面がかすかに金属光沢の状態です。
    処理方法:ワイヤーブラシ、スクレーバーなどで施工します。

  • 4種ケレン
    表面状態:活膜(塗膜の美観が損なわれてもなお素地に対する付着性を保ち、保護膜として機能する塗膜)は残し、それ以外の錆や汚れを除去した状態です。
    処理方法:ワイヤーブラシ、スクレーバーなどで施工します。

    ケレンによる素地調整の程度は、一般呼称のため規格で規定されたものではありませんが、ケレンと他規格の程度との相当は下記の通りで、比較対称の規格は ISO 8501-01、SSPC(Steel Structures Painting Council USA 米国鋼構造物塗装協会)、SIS(Svenska Standard SIS 05 5900 スウェーデン規格)があります。

    1種ケレンは、ISO および SISで Sa3/Sa2, SSPCで SP-5/SP-10
    2種ケレンは、ISO および SISで St3, SSPCで SP-3
    3種ケレンは、ISO および SISで St2, SSPCで SP-3
    4種ケレンは、相当は無し

プラスチックハンマー

プラスチックハンマーとは

画像出典元: Amazon

プラスチックハンマーとは、ハンマーの1種で、ヘッド部分にプラスチック素材を使用した工具です。

ハンマーはものを叩くために使われ、用途に応じて素材や形状、サイズが異なります。プラスチックハンマーは金属製のハンマーと違って、対象物に傷を付けずに衝撃を与えることができるのが特徴です。

しかし、釘を打つような作業には向いていません。衝撃を吸収する性質を生かした用途で使われることが多く、プラハンという略称でも親しまれています。なお、プラスチックハンマーは、キズに配慮しながら作業を行う際に適しています。

プラスチックハンマーの使用用途

プラスチックハンマーは、金属製品などにキズを付けずに衝撃を与えるために使われる工具です。特に、傷を付けたくない箇所や部品が多い自動車やバイクの整備に向いています。繊細な部品や外れにくい部品があるため、エンジン内部の修理など、損傷が許されない作業にも適しています。

また、対象物を叩いて位置を調整する際にも活用可能です。柔軟なプラスチック素材の特性を活かし、さまざまな場面で使用されています。

プラスチックハンマーの原理

プラスチックハンマーは、ヘッド部分に強靭で柔軟性のあるプラスチック素材を使用することで、打ち込み作業を行っても対象物を傷めにくくするものです。打撃時に衝撃を吸収するプラスチック素材の特性で、対象物に傷がつきにくくなります。

また、プラスチックハンマーの打撃力は、金属製ヘッドと比べて半分程度であり、ゴム製のものと比べると倍以上の力です。しかし、プラスチックハンマーは軽量であるため、打ち込み作業には適していません。

プラスチックハンマーの構造

プラスチックハンマーは、プラスチック素材を取り付けたヘッドと柄が基本の構造です。反動を抑えるためと、打撃力を増幅させるために、鉛などをヘッド内部に取り入れているものもあります。効果的な力を発揮しながら、作業中の負担を軽減することが可能です。

プラスチックハンマーの種類

プラスチックハンマーは、ヘッドの両端にプラスチック素材が取り付けられているのが一般的です。一般的なプラスチックハンマーの他に、打ち込み時の反動が少ない 「ショックレスハンマー」 、ヘッドの素材がプラスチック素材と異なる素材を取り付けた 「コンビネーションハンマー」 があります。また、ゴムハンマーなど、比較的プスチックに近い素材を利用しているハンマーもあります。

1. プラスチックハンマー

一般的なプラスチックハンマーは、ヘッド中心の金属部分の両端にプラスチックの打撃面が取り付けられているハンマーです。対象物にキズ付けることなく、打ち込めるのが特徴です。重心部は金属製なのでしっかりと衝撃を与えることができます。

2. ショックレスハンマー

ショックレスハンマーとは、名前の通り衝撃の無いハンマーです。内部に鉛の玉が入っており、打ち込むことで鉛の球が打撃面の方へ移動し、打撃力を増幅させます。さらに、鉛の球が反動を吸収するため、腕や手にかかる負担が軽減されます。

3. コンビネーションハンマー 

コンビネーションハンマーとは、ヘッド打撃面にプラスチックとゴム、プラスチックと金属など、異なった素材を取り付けたハンマーです。1本で2つの用途で使用することができるメリットがあります。

4. その他

プラスチックに近い素材を使ったハンマーには、ゴムハンマー、ラバーマットハンマー、ウレタンハンマー、ナイロンハンマーなどがあります。

プラスチックハンマーの選び方

プラスチックハンマーを選ぶ際は、用途や作業内容を考慮することが大切です。適切なハンマーを選ぶことで、作業効率や安全性が向上し、快適に作業できます。

そのためには、ハンマーの重さやサイズを作業内容に合わせて選ぶ必要があります。また、柄の長さも作業のしやすさや力の入れ方に影響します。グリップも選択基準の1つで、滑りにくく手にフィットするものを選ぶことで、作業中の安全性向上につながります。

プラスチックハンマーのその他情報

プラスチックハンマーの使用上の注意点

金属製ハンマーと比較し、軽量なプラスチックハンマーは、扱いやすいものの、手をぶつけないよう注意が必要です。打撃時は打撃面の中央を対象物に合わせ、効率的かつ安全に作業を行うことが大切です。適切な使い方を心がけることで、安全に快適な作業ができます。

電工ペンチ

電工ペンチとは

電工ペンチ

電工ペンチとは、主に電気工事や電子工作の際に用いられる工具です。

主に、電線に端子などを圧着するために使用されています。電工ペンチは、一般的に端子の圧着を行う「圧着ペンチ」と同一視されることがあります。日本工業規格 (JIS) にも明確な規定がないため、両者は同じ意味で扱われる場合が多いです。

しかし、両者がもっている機能は大きく異なります。主に電気工事関係において両者は、電線と圧着端子をかしめる機能 “のみ” を持つ「圧着ペンチ」と、かしめる機能に加えて電線を切るためのケーブルカッター機能や電線の被覆を剥くワイヤーストリッパー機能を合わせ持った「電工ペンチ」に区別されています。

よって、この項では後者の「電工ペンチ」について記述いたします。

電工ペンチの使用用途

電工ペンチじゃ、電線に端子の圧着する一連の作業を行うために使用されています。電子工作や狭い場所での配線修理作業等で便利です。ラジオペンチ等でも端子を潰して電線に接続できますが、電線の被覆にツメを食い込ませて端子の抜け防止を行うため、圧着時に正しい圧着形状を形成できず電気的接続の信頼性が低くなります。

電工ペンチを使用することで端子を潰す際にしっかりとツメを生じさせ、このツメが電線の被覆に食い込み、簡単には外れないように圧着可能です。端子の圧着以外にも電線の切断や被覆の剥ぎ取り、ボルトの切断といった作業も電工ペンチ1つで行うことができるため、作業時に他の工具が不要な点が大きな魅力です。

電工ペンチの価格は製品によりますが、1,000円前後で購入できるものもあり、圧着ペンチに比べて安く手に入れられます。

電工ペンチの原理

電工ペンチの原理として、圧着ペンチとの違いを解説します。

1. ダイス (端子圧着部)

ダイスは、圧着端子を締め付ける先端部分を指しています。圧着ペンチは各圧着端子の専用設計になっているものが多く、圧着後の仕上がりがきれいで確実に結線できます。また、ダイスを交換することで、サイズが異なる圧着端子にも対応できるようになっているものもあります。

対して電工ペンチは汎用品としての側面が強く、ダイス交換はできずサイズが合えば圧着作業も可能な形です。汎用品なため電工ペンチ1本に対して、さまざまなサイズのかしめ形状が複数設定されていますが、各圧着端子の細かい寸法などには対応できないため、仕上がりのきれいさでは圧着ペンチにどうしても劣ります。

2. ケーブルカッター機能

電工ペンチには電線を切るための機能もあり、別途ニッパー等の工具を用意する必要もなく、工具を持ち替えずに作業できます。

3. ワイヤーストリッパー機能

電工ペンチには電線の被覆を剥くための機能もあり、圧着端子の一連の作業を電工ペンチ1つで完結することができます。

電工ペンチの選び方

電工ペンチを選ぶ際に気を付けることは、以下の通りです

1. 使用用途

電工ペンチにはさまざまな用途があり、各製品によって搭載されている機能が異なります。例えば、ボルトカッターが搭載されていたり、一度に3本の電線被覆を剥がすことができたりとプラスアルファの機能が付与されているため、必要に応じて製品を選定する必要があります。

2. グリップ

電線と端子を圧着する際は、強い力で端子を潰す必要があるため、グリップの形状が握りやすいかが重要です。握りやすいよう形状や素材がデザインされたもの、スプリングによる補助が付いたものなどがあるので、必要に応じて製品を選定すると良いです。

3. 使用する圧着端子の種類

平形接続端子やギボシ端子など、機器によって用いられている端子は異なるため、それぞれの端子の種類に応じた電工ペンチを選択する必要があります。目的とする端子に適さない電工ペンチを用いた場合は、接合部が外れたり電線が切れてしまったりといった不具合が生じる可能性があります。

中には、100種類以上の端子に対応する電工ペンチも存在するため、使用する予定の圧着端子に適合するか事前に確認してください。