リーククランプメーター

リーククランプメーターとは

リーククランプメーター

リークランプメーター(英語:Leak Clamp Meter, Leakage Current Clamp Meter)は、クランプメーターの一種で、主にリーク電流(漏洩電流)を測定・検出するための計測機器です。リーク電流に加え負荷電流の計測ができるタイプもあります。

リーク電流が発生すると回路に悪影響を及ぼすため、これを計測・検出し予防保全を行うために使用します。

特にクランプメーターの特徴を活かし、電線をクランプで挟み込んで電流計測をすることで、電源を遮断せず電線やケーブルを解線することなく活線作業(電圧のかかった状態で点検や保守作業を行うこと)で容易にかつ安全に絶縁管理を実施できます。

リーククランプメーターの使用用途

リーククランプメーターは、リーク電流測定し、絶縁不良による感電事故や機器の故障診断・予防保全の目的で使用されます。

計測する回路が交流電流(AC)か直流電流(DC)に専用の機種と両用機種があり、デジタル式表示器を付属したものや、一定間隔でデジタル数値としてサンプリング(計測時間と計測値をデータとして抽出すること)し、メモリーにイベントを記録できるものもあります。
最近では、Bluetooth無線通信を使用しデータを転送できるタイプもあり、パソコンでのデータ整理・解析を容易に行うことが可能です。

リーククランプメーターの原理

リーククランプメーターは、リーク電流を測定・検出するための計測機器で、通常のクランプメーターと同じで、クランプにて電線を挟み込み電流から発生する磁界を、センサーが検出し電流換算します。
通常のクランプメーターとの相違は、mA単位の微細なリーク電流を測定・検出できることです。

リーク電流とは、電気・電子回路内部において、本来であれば電流が流れず絶縁されている場所から、漏れ出る電流のことをいいます。このリーク電流は、回路に悪影響を与え、誤動作や消費電力・発熱量の増加などの性能を低下させる原因となるため、リーク電流を検出し対処する必要があります。

リーククランプメーターの構造は、大まかに下記の2つの部品で構成されています。

  1. クランプ:磁気コアを内蔵したC型形状のレバーで開閉し電線を挟み込む部分で、クランプ部の直径はある程度広く1本の配線はもちろん多くの配線をまとめてクランプし測定できます。
  2.  筐体:計測電流を数値し出力するための回路を内蔵し、レンジ切り替えスイッチや計測結果を表示するディスプレイが設置されています。

    リーククランプの性能に関しては、国際規格 IEC/EN 61557-13 に規定されており、この性能基準に準拠している製品もあります。

なめたネジはずしビット

なめたネジはずしビットとは

なめたネジはずしビットとは、その名の通り、なめたネジを取り外すときに使う工具のことです。

「ネジがなめる」とは、ネジを締めつける、あるいは緩める時に、何らかの要因でネジの頭部が変形を起こし、ネジ締め、緩めが困難になることを言います。状況としてはネジが変形していたり、サビなどで固着したときに発生します。

なめてしまったネジは、通常工具では取り外しが非常に困難なため、なめたネジの取り外しに特化した工具が必要なり、この工具が作られました。

なめたネジはずしビットの使い方

なめたネジはずしビットを使うときは、電気ドリルも一緒に使います。

ビットの両端は、片方がドリルになっており、もう片方は逆タップになっています。まずは、ドリル側でなめたネジの中心に穴を空けます。そして、その穴に逆タップを食いつかせます。逆タップとは、ネジの緩め方向、つまり、反時計回りにビットを回すと、刃が食いつくようになっているため、強力な保持力をもってネジを緩ませることができます。しかし、刃の食いつきが甘い状態で回してしまうと、折角空けた穴がズタズタになってしまい、逆タップが食いつかなくなるので要注意です。

なめたネジはずしビットの選び方

なめたネジはずしビットは、一般的にビットが数本組のセットで売られます。ネジのサイズに合わせて、適切なサイズのビットを選択します。大きなネジに対して、小さなビットを使用しても、十分な保持力を発揮できず、ネジがなかなか外れません。また、小さいボルトにたいして、大きなビットを選んでしまっても、穴を空ける段階で上手く中心を狙えず、ネジを外すのに苦労してしまいます。

プラスネジや六角ボルトは、逆タップを食いつかせるために、まず穴を空ける必要がありますが、六角穴付きボルト(キャップボルト)であれば、ドリルで穴を空けずとも逆タップを最初から使える場合があります。逆タップがしっかり食いつくようであれば、そのまま外せます。

ネジの材質によっては、鉄製のビットのドリルでは穴が開かない場合があります。特にステンレス製のネジは、加工性が悪く、刃が通りにくいです。なめたネジがステンレスならば、若干高くなりますがステンレス対応品を準備しておく必要があります。

ツールキャビネット

ツールキャビネットとは

ツールキャビネットとは工具やパーツを収納するための棚で、キャスターが付いています。引き出しが付いた棚の形状をしたものや、ワゴン型のものなどがあります。重さや大きさ、棚の数だけでなくキャスターの大きさや色など様々なものがあります。同じ工具やパーツを収納する道具にはツールボックスやツールチェストがあります。

ツールキャビネットと同じく工具を収納する棚でキャスターのついていないものはツールチェストと呼ばれます。

ツールボックスは持ち手のついた箱型をしており、工具やパーツを収納することができます。たくさんの工具を取り出しやすいように収納しておけるのはツールキャビネットやツールチェストですが、ツールボックスは持ち運びに適しています。

ツールキャビネットの使用用途

ツールキャビネットは様々な工具を一つのキャビネットに収納できるという利点があります。

サイズの異なる同じ種類の工具を大量に収納したいときには、ツールキャビネットの1段にすべて収納することで、使いたい工具を簡単に取り出すことができます。また左右に扉が開く形状のツールキャビネットであれば工具を吊るす収納方法もでき、様々な形状の工具を収納することができます。

ツールキャビネットに一連の工具を収納しておき、必要に応じて工具をツールボックスに入れて持ち運ぶといった使い方も可能です。

ツールキャビネットの選び方

ツールキャビネットを選ぶ際のポイントをご紹介します。

  • キャビネットの大きさ
    多数の工具を保管したい場合には大きなキャビネットが必要になりますが、頻繁にキャビネットを移動させる場合などには比較的コンパクトなものを選ぶとよいでしょう。
  • 棚の数・大きさ
    ツールキャビネットには様々な棚の数を持つものがあります。また引き出しの大きさが一様であるものや、下にいくにつれ深い引き出しが付いているものもあります。収納したい工具の形に応じて棚の数や大きさを選ぶとよいでしょう。
  • 形状
    ツールキャビネットには上部に開閉可能な蓋がついているものや、側面に工具をかけるための突起がついているものなどがあります。収納したい工具の種類やキャビネットを使用する場面などを考慮して選ぶとよいでしょう。

金切りハサミ

金切りハサミとは

金切りハサミとは主に金属を切断するためのハサミです。

金属以外にも様々な材質に対応しており、その用途も多岐に渡ります。金切りハサミの刃の形や材質には様々なものがあり、切断する材質に合ったハサミを使わないと刃が欠けてしまうことがあります。

本格的な金属加工から家庭での使用まで様々な用途で使用されますが、プロ用のものと一般用のものとでは使い勝手が大きく異なるため、購入する際には自分の用途に合ったものを選ぶ必要があります。

金切りハサミの使用用途

金切りハサミが切断することのできるものは鉄板、ステンレス板、アルミ板などの金属板の他、段ボールやベニヤ板、電線なども含まれます。

金切りハサミはプロの手によって金属の加工に使われる他、家庭でも幅広い用途で活躍します。例えば、家庭で出た段ボールや金属などの廃材を小さく切り刻んで捨てるのに使わる他、配線工事やDIYなどにも使うことができます。値段は1500円~2000円の製品が多数あり、100円ショップでも手軽に買うことができます。

金切りハサミの選び方

刃の形

金切りハサミには様々な刃の形状のものがあり、どのような切り口で切断したいのかによって使用するハサミを変える必要があります。以下にその一部をご紹介します。

  • 直刃
    直刃は真っすぐな形の刃で、直線を切るのに適しています。
  • 柳刃
    柳刃は刃がゆるやかなカーブを描き、葉のような形をしています。直線、曲線など様々な切り口を描くことができる、最も汎用性の高い一般的な金切りハサミです。
  • エグリ
    エグリは刃渡りが短くかぎづめのような形の刃が特徴です。小さな円をくりぬきたいときや急なカーブを描きたいときにはエグリが適しています。
  • マジック
    マジックは自在に小回りが利くため、複雑な飾りや文字などをくり抜く場合に適しています。

刃の材質

切断したい材料の材質によって、金切りハサミの材質も変える必要があります。以下に主な金切りハサミの材質をご紹介します。

  • ハイス鋼
    ハイス鋼の金切りハサミは硬度、耐久性、切れ味のすべての点において最高級である一方、サビやすいという特徴があります。最も一般的に使われている材質です。
  • SLD鋼
    SLD鋼の金切りハサミはステンレスに対応できるのが大きな特徴です。またコストパフォーマンスに優れています。
  • ZDP鋼
    ZDP鋼の金切りハサミは硬くて刃持ちがよくサビに強いという性質がありますが、使い方に注意しないと刃こぼれを起こしてしまうためある程度作業に慣れた人に適しています。

コーナークランプ

コーナークランプとは

コーナークランプとは、材料同士を直角に固定するクランプです。

額縁・パネルの製作、木箱の角の接着など、材料を直角に組むときの仮固定や接着剤の圧着に使われます。コーナークランプを使うことで、端が45°にカットされた材料同士や90°の角材同士を直角に固定できます。

木枠や箱を製作するときなど、コーナー部の角度がずれると仕上がりに悪影響を与えるため、正確に直角固定ができるコーナークランプの存在は重要です。

コーナークランプの使用用途

コーナークランプは、一般のDIYから専門的な現場まで幅広く使用されます。特に木工制作等の現場で組み立て作業、加工作業に使われることが多いです。

コーナークランプは、直角に材料を固定するのに使用します。基本的な機能は、固定したい材料をクランプで挟むだけのシンプルな構造です。材料同士を接着したり、ビスを打ち込んだり、加工したりする作業の補助をします。

単に直角に材料を固定するものですが、コーナーの角度が少しでもずれると、思った以上に仕上がりに影響します。シンプルな工具ですが、作業工程において重要な役割を担う工具です。

コーナークランプの原理

コーナークランプは、直角に固定する材料をネジ、またはバネを使って固定します。ネジを使って固定する場合は、ネジを回して口開きを広げ、材料を挟み、ネジを回して締め付けます。

バネ式のものはハンドルを引っ張って口開きを広げ、材料を挟みます。バネ式は、バネの強さによって圧迫します。

コーナークランプの種類

コーナークランプには、1つのハンドルでネジを締めるシングルハンドタイプと、それぞれの材料に対して90°の方向から2つのハンドルでネジを締めるダブルハンドルタイプ、L字型をした定規をクランプで挟み込んで使用する直角定規タイプがあります。

1. シングルハンドタイプ

シングルハンドタイプは、材料を挟む直角になった口開き部分の内側にネジ、またはバネがあるタイプのことです。材料を締め付けるバンドルが一本なため、締めつける力はダブルハンドルタイプに比べ弱いですが、ネジ締め作業が一回で済み、作業時間が短くなります。

額縁や棚など小物の製作や作業効率を上げたいときに向いています。ハンドルの軸を左右に調節できる機能がある場合においては、材料の幅が違うものでも使用できます。

2. ダブルハンドタイプ

ダブルハンドルタイプは、材料を挟む直角になった口開き部分の外側に一辺に一つずつのクランプ (締め付けネジ) がついています。2つのハンドルを使って締めつけるので、作業時間はシングルハンドルの倍かかりますが、固定する力が強いです。そのため、大型材料の加工、建築現場などに向いています。

3. 直角定規タイプ

直角定規のようにL字型のタイプです。本体には材料を固定するクランプがついてないので、別途C型クランプやL型クランプ、バネクランプなどを使って固定します。本体には目盛りが入っており、長さや角度を手軽に測れるのが特徴です。材質はABS樹脂やアルミ合金があり、サイズも種類があります。

 

上記の3つのタイプの他にベルトクランプも、コーナーの固定として使用できます。

コーナークランプの選び方

1. 最大口開きサイズ

コーナークランプのサイズは、最大口開きサイズが10mm程度から200mm程度のものまであります。コーナークランプは、ネジによって締め付けることで材料を固定するので、最大口開きサイズが固定する材料の幅以上のものを選択します。

2. 材質

コーナークランプの材質はアルミや合金が主流ですが、柔らかい材料の加工など、あまり強く締めつけたくない材料を固定するときは、樹脂製のコーナークランプを選択することも1つの方法です。

3. その他

大きな木材などを固定する場合は、ダブルハンドルタイプのネジで締め付けるものがしっかりと固定できます。小さいサイズの額縁などの軽い材料の場合は簡単に取り付けられるバネ (スプリング) タイプが作業効率的にも適しています。2個や4個など複数セットで揃えておくと便利です。

スプリングクランプ

スプリングクランプとは

スプリングクランプとは、洗濯バサミのようにバネの力で材料を固定するタイプのクランプです。

ハンド (ハンディ) クランプやバネクランプとも呼ばれます。クランプは、締め具などとも呼ばれる、材料を作業台などに固定する工具です。

スプリングクランプは、バネの力を利用しているため、ネジで固定する一般的なクランプに比べ締め付ける力は強くありませんが、脱着作業が簡単で手早く材料を固定することができます。また、ネジの締め付けにより、固定する材料が微妙にズレが発生しにくいという利点もあります。

スプリングクランプの使用用途

スプリングクランプは、一般のDIYから専門的な組み立て作業、加工作業に幅広く使用されます。C型クランプやF型クランプなどのネジで締めるタイプに比べ、締め付ける力が弱いので、主に薄めの木材やシートの仮止めや固定、接着の作業に最適です。

一人で作業する場合でも、片手で装着することができます。また、複数揃えておくと1つでは力が足りない場合や、複数方向から固定したい場合などに便利です。

スプリングクランプの原理

洗濯バサミと同じような構造になっており、挟むだけで簡単に材料を固定します。グリップを握って口金を開き、材料を挟みます。グリップを離すとスプリングの力で材料が固定される仕組みです。大きなスプリングクランプは握るのに握力が必要ですが、ロック機能がついている場合は、それを解除するだけで簡単に握ることができます。

スプリングクランプを外すときは、挟み込むときと同様にグリップを握って力を入れ、材料から外します。もしくは、ロック解除レバーを使って外します。材料を挟む口金の部分が可動するようになっているものは、材料を挟みながら水平に保つことが可能です。

スプリングクランプの種類

1. スプリング・バネタイプ

通常のスプリングクランプ・バネタイプで、洗濯バサミと同じような構造になっています。スプリングが元の形に戻ろうとする力を利用して、口金を締めます。

2. ラチェットタイプ

ラチェット機構とは、歯車と歯止めの構造を使って、回転方向を一方向だけにする機構のことです。この機構をスプリングクランプに使用しているのをラチェットタイプといいます。つまり、ハンドルを閉じる方向 (クランプの口金が材料を締め付ける方向) に動くことはできても、ハンドルが開く方向 (クランプの口金が開く方向) には動かないようになっています。

3. 伸縮アームハンディタイプ

アーム部分が伸縮可能で、幅の広いものも固定できます。

スプリングクランプの選び方

1. 最大口開きサイズ

スプリングクランプは、最大口開きサイズが15mm程度のものから100mm程度のものまでさまざまなサイズがあり、固定する材料の厚さで決めます。ベニア板などを挟む用途であれば、ベニア板のサイズに合わせて15mm程度のスプリングクランプを複数個用意するとよいでしょう。厚手の木材を挟む場合は、その厚さに合わせてスプリングクランプのサイズを選びます。

サイズが大きいスプリングクランプは、口金を開けるのにかなりの力を必要とする場合がありますが、グリップ部分にロックレバーがついているタイプは比較的楽にグリップを握ることができます。

2. 形状

スプリングクランプには、洗濯バサミと同じ形状の小さなものから、全長100mm〜200mmの中型タイプ、アームが伸縮自在で口開き寸法の調整が可能なものまであり、作業内容に応じてタイプを選びます。

3. 材質

スプリングクランプは、金属製のものと樹脂製のものがあります。金属製の方が、強度があり強固に固定できます。樹脂製のものは、熱に弱いので高温のものには適しません。洗濯バサミ型の小さいサイズのものは、先端部分に樹脂のコーティングがしてあり、材料に傷がつかないようになっています。

4. 締圧力

スプリングクランプは、挟み込む力が比較的弱く口開きサイズも小さいため、主に薄い材料の仮止め作業用に使われます。厚い材料を扱う場合や材料を固定してノコギリで切断する作業には向いていません。

トグルクランプ

トグルクランプとは

トグルクランプとは、作業台などに設置し、小さな力をてこの原理とトグル機構のメカニズムを使って増幅し、大きな力で材料を固定できるクランプです。

クランプは、締め具などとも呼ばれる、材料を作業台などに固定する工具を指します。トグルクランプは材料を固定するという機能はシンプルですが、種類が豊富にあります。

使い方を工夫すれば、様々な加工作業において使用することが可能です。また、作業効率アップや安全面でも重要な役割があります。

トグルクランプの使用用途

トグルクランプは、一般のDIYから専門的な現場まで幅広く使用されます。特に木工制作等の現場で、加工作業を安全かつ正確に行うための重要な工具です。

トグルクランプは、治具の一部として使用される場合がほとんどで、加工する材料を固定するために使用されます。クランプは通常、単体で使用することができますが、トグルクランプは必ず本体を作業台や治具等にビスで固定して使用します。

例えば、木材などの切断や切削加工をする際、治具にトグルクランプを設置し、加工する材料を固定します。治具を使用することによって、テーブルカッターやルーターテーブルの刃と手の距離を十分に保てるようになるため、手持ちで作業するよりも安全で精度の高い加工が可能です。

トグルクランプの原理

トグルクランプは、ハンドルとヘッドがあり、ハンドルを操作すると、ヘッドが動き、加工する材料を押さえ、固定する仕組みになっています。トグルクランプは、トグル機構という倍力構造を利用して材料を固定します。倍力機構とは、てこや滑車のように、モーメント (力 x 距離) がつりあうことを応用し、小さな力で大きな力の作用を得られる機構のことです。

トグルクランプの種類

1. 下方押え型トグルクランプ

ヘッド部分を下方へ押し付けることによって、加工する材料を固定します。固定する時にハンドルを下へ倒すタイプ、上に立てるタイプとあります。作業するときのスペースや手の置き場所を考慮して選択します。

2. 横押し型トグルクランプ

ヘッド部分を前方へ押し出して、加工する材料を固定します。材料を挟んでクランプと反対側に固定されたストッパーに押し付けて固定します。ハンドルを立てて固定するタイプ、倒して固定するタイプがあります。

3. 引張り型トグルクランプ

フック型とも呼ばれる引張り型タイプは、ヘッド部分が鍵状になっており、U型のフックに引っかけて固定します。ヘッド部分がU型になっているものもあります。

4. 空圧クランプ (エアークランプ)

トグル機構に空圧シリンダを組み合わせたクランプです。締圧力が高いので、船や自動車などの大きなものを加工するとき使われます。

トグルクランプの選び方

トグルクランプは、組立治具、加工治具に材料を固定する作業、特に同様の材料に対して同じ作業を繰り返す場合に適したクランプです。種類や形状、締圧力などを確認して作業にあったものを選ぶことが重要です。

1. 種類

トグルクランプには、上から材料を押さえて固定する下方押え型、シャフトの出し入れで材料を横から押さえる横押し型、材料をクランプ側に引っ張ることで固定する引張り型など、さまざまな種類があります。作業状況に適したタイプを選択します。

2. 形状

ハンドルの位置についても、ロック時にハンドルが立っているハンドル立型、ロック時に横になっているハンドル横型があります。配置するスペースや手の置き場所などを考慮します。また、大きな形状のものは大きな加圧力がかかります。

3. 締圧力

トグルクランプは、締圧力(クランプ力)が20Nの小さいものから5,000N程度のものまであります。重荷重タイプになると、空圧式で10,000Nを超えるものもあります。締圧力の大きい方が材料を押さえる力が高くなりますが、一般的な木工では20〜100N程度の締圧力のものがよく使われます。

トグルクランプを選ぶときは、カタログに記載されている締圧力の値を確認することが重要です。

4. アーム・ストローク

下方押さえ型の場合は、ヘッドがついたアームの長さ、横押し型の場合はストロークの長さが作業に適したものを選びます。

5. 材質

スチールやステンレス、アルミなどの材質があります。固定する材料の大きさや重さに適した強度の材質を選びます。

F型クランプ

F型クランプとは

クランプは、締め具などとも呼ばれる、材料を作業台などに固定する工具です。

F型クランプはクランプの一種で、アゴの片側(くわえ部分)をスライドさせて材料を挟み込むタイプのクランプです。本体アームとスライド部分とを合わせた形状がアルファベットの「F」に見えるため、F型クランプと呼ばれます。

クランプの中で最も基本的なC型クランプに比べると、F型クランプはアームの長さによってサイズのバリエーションが多く、本格的な機械工作から家庭のDITまで幅広い場所で使用されています。

F型クランプの使い方

まず、F型クランプのスライド部分をアームに沿って移動させ、アゴとアゴの間(口開き)の幅を材料の厚さに大まかに合わせます。本体アームの端にはストッパーがついているので、スライド部分が抜け落ちる心配はありません。

材料の固定は、ハンドルを回してネジ部分を回転させ、しっかりと締めつけて行います。

締め付ける強さはハンドル操作で調整しますが、木材のような柔らかい材料の場合は、強く締め付けすぎると表面を傷つけてしまう恐れがあるので、当て木をするとよいでしょう。

F型クランプの選び方

F型クランプは、C型クランプに比べると締め付ける力が弱いという短所があります。

しかし、材料を固定する際、C型クランプが最初からハンドルを回転してネジを締める動作だけで固定するのに対し、F型クランプはスライド部分の移動である程度の距離まで詰めることができ、作業効率がよいという長所があります。

したがって、非常に強い締め付け力を必要としない作業の場合は、C型クランプではなくF型クランプを選択した方が便利です。

F型クランプには、最大口開きサイズとふところの深さの組合せで、さまざまなサイズがあります。最大口開きサイズは、100mmから600mm程度まであり、材料の厚さで決めます。ふところの深さは、最大口開きサイズの半分程度のサイズが一般的で、材料を挟む位置を想定して決めます。

ふところの深さは、材料の端を固定する場合は小さいもので問題ありません。材料を深い位置で挟む作業では、ふところのサイズが大きいものがよいでしょう。

ネジを回すハンドルのタイプには、てこの原理で開閉できるT型ハンドルと、ドライバーのような柄タイプがあります。強くネジ締めしたいときはT型、微調整をしながら締めたいときは柄タイプなど、作業性を考慮してハンドルタイプを選択します。

また、F型クランプには、材料を傷つけないようアゴの先端がゴム付きになっているもの、ネジの締め付け速度が速いもの、重い材料に対応できるようアームが太くなっているものなど、さまざまな種類があります。作業の内容によって、適した種類のF型クランプを選択しましょう。

L型クランプ

L型クランプとは

L型クランプとは、アゴの片側をスライドさせてある程度の距離を詰め、最後にハンドルを回してネジを締めて材料を固定するタイプのクランプです。

クランプは、締め具などとも呼ばれる、材料を作業台などに固定する工具を指します。本体バー (腕) の形状がアルファベットの「L」に見えるため、L型クランプと呼ばれます。

また、腕とスライド部分とを合わせた形状がアルファベットの「F」に見えるため、F型クランプと呼ばれることもあります。

L型クランプの使用用途

L型クランプは、一般のDIYから土木建築、家具製造、板金、鉄工業などの専門的な組み立て作業や加工作業まで、幅広く使用されます。L型クランプは、材料を切断したり、穴を開けたり、接着させたりする加工において、材料を固定する工具です。材料をしっかり固定することで、作業の効率や正確の向上につながります。

クランプには、L型以外にもC型、G型、ラチェットタイプ、バネ型などさまざまです。それぞれに特徴がありますが、L型クランプは腕の部分をスライドさせることができるので、厚みのある材料を固定する作業に適しています。

L型クランプの原理

L型クランプは、L字型になっている本体バー (腕) のアゴと、スライド可能なアームのアゴをアームを移動させることによって、材料を挟みます。アゴとアゴの間のことを口開きと呼びますが、口開きの幅をアームにあるハンドルを回して狭めることによって、アゴ同士を締め付け、材料を強力に固定します。

L型クランプは、スライドできるアームがあることによって、素早く材料に合わせて口開きの幅を調節することが可能です。C型クランプのようにネジを締める動作だけで口開きを調節する必要がないので、C型クランプよりは強度が劣りますが、作業効率の面では優れています。

L型クランプの種類

1. スタンダードタイプ

スライドアームを上下させ、口開きの調節を行います。ハンドルはグリップタイプのものが多いです。

2. 強力タイプ

スライドアームのハンドルがT型になっており、強い締め付けが可能です。また、スライドアームのアゴ部分が六角形になっているものは、ハンドルを閉めてから、六角レンチでさらに締め付けることができます。

3. ワンタッチタイプ

スライドアームのハンドルがラチェット構造になっており、レバーを倒すことによりワンタッチで締め付けられます。

L型クランプの選び方

L型クランプには、「最大口開きサイズ」と「ふところの深さ」の組み合せで、さまざまなものがあります。

1. 最大口開きサイズ

最大口開きサイズは、100mmから600mm程度まで幅広いサイズがあり、挟む材料の厚さで決めます。本体バーの長いL型クランプの方が高い汎用性を持ち、対応可能な口開き幅の範囲は広くなりますが、必要以上に本体バーの長いものを選択すると取扱いしづらくなり、また収納場所をとられることになるため、適当な長さのL型クランプを選択することが大切です。

2. ふところの深さ

L型クランプのふところの深さは、最大口開きサイズに対して、3分の1から半分程度のサイズが一般的です。深型と呼ばれるもので、最大口開きサイズと同サイズ程度です。ふところの深さは、材料を挟む位置を想定して決めます。重い材料を浮かせて固定するときなど、より深い位置で材料を挟みたいときは、ふところのサイズが大きいものを選択します。

3. 本体バー (腕) の太さや材質

本体バー (腕) の太さや、材質がスチール製や、ニッケルクロムメッキ、鋳鉄製のものがあり、強度が違ってきます。

4. ネジを回すハンドルのタイプ

ネジを回すハンドルはC型クランプと同じ、てこの原理で開閉できるT型ハンドルと、ドライバーのようなグリップタイプがあります。強くネジ締めしたいときはT型、微調整をしながら締めたいときはグリップタイプなど、作業性を考慮してハンドルタイプを選択すると良いです。

C型クランプ

C型クランプとは

C型クランプとは、クランプの一種で、ハンドルを回してネジを締めて材料を固定するタイプのクランプです。

本体は基本的に鍛造で、強度のある鋼製、軽いアルミニウム製、安価な鋳造品やプレス製、プラスチック製などがあります。種類問わず、最大口開きサイズとふところの深さが固定されています。

そもそもクランプは、材料を作業台などに固定する工具です。C型クランプは、その形状がアルファベットの「C」に見えるため、この名前で呼ばれます。

シャコ万力」「G型クランプ」「B型クランプ」とも呼ばれますが、構造的には同じ工具です。クランプの中でもっとも一般的で安価なクランプで、固定力が強いことが特徴です。

C型クランプの使用用途

C型クランプは、一般のDIYから土木建築、家具製造、板金、鉄工業などの専門的な組み立て作業や加工作業まで、幅広く使用されます。

C型クランプは、材料を切断したり、穴を開けたり、接着させるなどの加工作業をするために、材料を固定する工具です。作業の正確さや効率性を向上させることができます。

万力のように作業台に固定されているものではなく、自由に移動させることが可能な固定用の工具です。大きさはさまざまで、あらゆる作業シーンで使用されます。

C型クランプの原理

C型クランプは、C型の本体、金属製のネジ、ネジを回転させるハンドルとで構成されます。クランプの中で最もシンプルな構造です。

C型をした本体の片方の先端にあるアゴと、もう片方の先についたネジの先端にあるアゴの間のことを口開きと呼びますが、この口開きの部分に材料を挟み、ハンドルを使ってネジを回転させ口開きの幅を狭め、材料を強力に固定します。

C型クランプの特徴

C型クランプは、本体が一部品からできており、可動部分がないため、他のクランプと比べて一番強度があります。また、締め付ける力が強いので接着などの長時間の固定に向いています。

ネジを締める動作だけで口開きを調節する必要があるので、L型クランプなどに比べると作業効率はあまり良くありませんが、強度の面は優れています。ネジが金属でできている場合がほとんどなので、柔らかい材料を固定する際は、材料を傷つけないよう、当て木やゴムパットなどを挟んで使用することが大切です。

DIYで使用する小さなものから、建築現場などで使用される大きなものまで、様々なサイズと材質のものがあります。作業スペースや材料の大きさに合わせて選択しましょう。作業に適したものを選ぶことが、作業の安全性、正確性、効率につながります。

C型クランプの選び方

C型クランプには、「最大口開きサイズ」「ふところの深さ」「材質」の組み合せで、さまざまな選択肢があります。

1. 最大口開きサイズ

最大口開きサイズは25mm、50mm、100mm、150mm、200mmなどがあり、挟む材料の厚さで決めます。

2. ふところの深さ

ふところの深さは、最大口開きサイズの半分程度から同程度の長さのものが一般的ですが、中には最大開口サイズを超えるふところの深さを持つC型クランプもあります。ロングリーチまたは深型C型クランプなどという名称がついています。アゴの深さは材料を挟むときの奥行きで決めます。

3. 材質

C型クランプの本体の材質は、鋳鉄製、アルミ製、プラスチック製などがありますが、一般的なのは鋳鉄製です。材料を強固に固定したい場合は、アルミ製やプラスチック製などの柔らかい材質ではクランプ自体が壊れてしまう可能性があるため、鋳鉄製を使います。また、溶接作業などに使う場合は熱に強い鋳鉄製がおすすめです。腐食防止のために亜鉛メッキがしてあるものもあります。

アルミ製やプラスチック製は、軽くて持ち運びがしやすいので、木工作業中のちょっとした材料の仮止めに向いています。また錆びにくいことから、湿気の多い場所での作業にも最適です。

4. 形状

ネジのアゴ部分が六角形になっているものは、ハンドルを閉めてから、六角レンチでさらに締め付けることが可能です。