リーククランプメーターとは
リークランプメーター(英語:Leak Clamp Meter, Leakage Current Clamp Meter)は、クランプメーターの一種で、主にリーク電流(漏洩電流)を測定・検出するための計測機器です。リーク電流に加え負荷電流の計測ができるタイプもあります。
リーク電流が発生すると回路に悪影響を及ぼすため、これを計測・検出し予防保全を行うために使用します。
特にクランプメーターの特徴を活かし、電線をクランプで挟み込んで電流計測をすることで、電源を遮断せず電線やケーブルを解線することなく活線作業(電圧のかかった状態で点検や保守作業を行うこと)で容易にかつ安全に絶縁管理を実施できます。
リーククランプメーターの使用用途
リーククランプメーターは、リーク電流測定し、絶縁不良による感電事故や機器の故障診断・予防保全の目的で使用されます。
計測する回路が交流電流(AC)か直流電流(DC)に専用の機種と両用機種があり、デジタル式表示器を付属したものや、一定間隔でデジタル数値としてサンプリング(計測時間と計測値をデータとして抽出すること)し、メモリーにイベントを記録できるものもあります。
最近では、Bluetooth無線通信を使用しデータを転送できるタイプもあり、パソコンでのデータ整理・解析を容易に行うことが可能です。
リーククランプメーターの原理
リーククランプメーターは、リーク電流を測定・検出するための計測機器で、通常のクランプメーターと同じで、クランプにて電線を挟み込み電流から発生する磁界を、センサーが検出し電流換算します。
通常のクランプメーターとの相違は、mA単位の微細なリーク電流を測定・検出できることです。
リーク電流とは、電気・電子回路内部において、本来であれば電流が流れず絶縁されている場所から、漏れ出る電流のことをいいます。このリーク電流は、回路に悪影響を与え、誤動作や消費電力・発熱量の増加などの性能を低下させる原因となるため、リーク電流を検出し対処する必要があります。
リーククランプメーターの構造は、大まかに下記の2つの部品で構成されています。
- クランプ:磁気コアを内蔵したC型形状のレバーで開閉し電線を挟み込む部分で、クランプ部の直径はある程度広く1本の配線はもちろん多くの配線をまとめてクランプし測定できます。
- 筐体:計測電流を数値し出力するための回路を内蔵し、レンジ切り替えスイッチや計測結果を表示するディスプレイが設置されています。
リーククランプの性能に関しては、国際規格 IEC/EN 61557-13 に規定されており、この性能基準に準拠している製品もあります。