濾過装置とは
濾過とは、液中に含まれる物質を取り除き、固体と液体の混合された状態を分けることをいいます。
液体中に粒子が懸濁しているものをスラリーとよび、液体と固体を分けるためのシート状の多孔性物質を濾材とよびます。そして濾過装置は、液中の液体と固体を分けるために濾材を用いて濾過を行う装置のことです。細かい穴が開いた多孔板である濾材を用いて液体と固体に分離をします。
濾過は人類が利用した最も古い技術の一つであり、紀元前6000年ころには古代メソポタミアでワインの濾過に用いたといわれています。
濾過装置の使用用途
濾過装置は様々な場所で使用されています。例えばプールや浴槽水、工作機械や廃水のための濾過、下水道の濾過、空気清浄機や浄水器の濾過などです。
単純な濾過を行う使用例としては、コーヒーを入れる際にコーヒードリッパを用いて濾過を行います。掃除機によって吸い取ったゴミを分離したり、エアコンや空気清浄機のフィルタでも液体ではなく気体中の粒子を濾過しています。酒の製造工程においても酒と酒かすとに分離する際に濾過工程を用います。
また飲料水用の浄水をおこなうための濾過装置や、災害時に被災者のための飲料水を確保するための雨水濾過装置、井戸水用の濾過装置などもあります。
濾過装置の原理
濾過装置の仕組みは、液中の液体と固体を分けるために濾材を用いて濾過を行います。濾過装置の種類としては大きく3種類に分かれ、ケーク濾過装置、ケークレス濾過装置、清澄濾過装置の3種類に分かれます。
ケーク濾過装置は、濾材に対して濾過の進行に伴ってケーク層が成長します。所定量のケーク層が形成されたらケーク排出を行う必要があります。
ケークレス濾過装置は、液体をフィルタ表面上を高速流動させる濾過方式で、ケーク層を撹拌して除去することで連続使用が可能になります。ケークレス濾過はその動的な特徴からダイナミック濾過とも呼ばれます。
清澄濾過装置は、沈降分離や浮上分離で除去できなかった混濁物をさらに除去し、清澄な水を得るための装置です。砂などの濾材を通過させ、混濁物質を補足して分離を行います。補足される粒子は濾材の隙間よりはるかに小さいものですが凝集作用によって補足がされるものです。そのため凝集性のない粒子は砂濾過によって補足はできません。
参考文献
https://www.shoei-roka.co.jp/useful/filter1/
https://www.miura-eco.co.jp/what_to_know/filtration/
https://www.jfe-eng.co.jp/products/aqua/sup03.html