ガス測定器

ガス測定器とは

ガス測定器

ガス測定器とは、空気中に含まれる特定の性質を有する気体を測定する機器です。

特定の性質を持つガスの具体例として、可燃性のガス、毒性のガス、不活性ガス、支燃性ガスなどが挙げられます。直接人に危険を及ぼすガスや引火の可能性があるガスなどを、ガス測定器によって測定する場合も多いです。

測定するガスの特性に応じて、測定する方式も多様です。具体的には、光学的な性質を利用するガス測定器のほか、物性的な性質を用いて測定する機器などもあります。

ガス測定器の使用用途

ガス測定器は、ガスを検知するために使用可能です。大気中に漏洩した可燃性ガスや毒性ガスの有無を確認でき、ガスの濃度を測定できます。ガスは無色の気体が多く、人が気づきにくいため、人に危険が及ぶ可能性があります。代表的なガス測定器は、メタンガス測定器、一酸化炭素測定器、炭酸ガス測定器などです。

ガスの測定器には、濃度を連続的に測定する方式だけでなく、短時間の濃度や長時間の積算濃度を測定する種類もあります。通常測定したいガスは気体中に混ざっており、単独で存在する場合はまれです。したがって目的のガスの濃度を、他のガスの影響を受けずに検知する方式を選ぶ必要があります。

ガス測定器の種類

ガス測定器の原理には、大別すると固体センサ、電気化学センサ、光学センサなどがあります。

1. 固体センサ

固体センサを用いてガスを測定する方式には、接触燃焼方式、ニューセラミック方式、半導体方式、熱線型半導体方式、熱電動方式などがあります。

2. 電気化学センサ

電気化学センサを用いる方式の具体例は、定電位電界方式、隔膜分離型の定電位電界方式、隔膜電極方式、隔膜ガルバニ電池方式などです。

3. 光学センサ

光学センサを用いる方式には赤外線方式や検知テープ方式があり、それ以外にも熱粒子化方式などがあります。

ガス測定器の構造

接触燃焼式のセンサは、可燃ガスが燃焼する際の発熱量を利用しており、一般的な可燃性ガスの測定器です。加熱された白金線コイルの検知素子表面で可燃性ガスが燃焼し、素子の温度を上昇させます。この温度変化に伴い素子を構成する白金線コイルの抵抗値が変化します。このときの抵抗値変化はガスの濃度にほぼ比例するため、ガスの濃度を測定可能です。

ガス測定器の原理

1. ニューセラミック式

ニューセラミック式のセンサは超微粒化酸化触媒上で、可燃性ガスが燃焼したときの発熱量を用います。

2. 半導体式

半導体式のセンサは、金属酸化物半導体がガスと接触して発生する抵抗値の変化を使います。

3. 熱線型半導体式

熱線型半導体式のセンサは、酸化物半導体表面での可燃性ガスの吸着や酸化反応による電気伝導度の変化を検出可能です。

4. 熱伝導式

熱伝導式のセンサは熱した素子にガスが接触し、ガス固有の熱伝導度差を使っています。

5. 定電位電解式

定電位電解式のセンサでは電位が一定に保たれた電極上で、ガスの電気分解により生じた電流を調べます。

6. 隔膜ガルバニ電池式

隔膜ガルバニ電池式のセンサは酸素が電極上で電気分解する際の電流を、酸素濃度として検知可能です。

7. 赤外線式

赤外線式ではセンサ内の光源から放たれた赤外線が、ガスに吸収された量を利用可能です。

ガス測定器の選び方

接触燃焼式は応答性、反応速度、精度、再現性に優れています。温度や湿度のような使用環境の影響をほとんど受けません。

1. ニューセラミック式

ニューセラミック式は1つのセンサで幅広い温度範囲を検知でき、耐被毒性に優れ、感度劣化が少ないため、長期安定的に使用可能です。

2. 半導体式

半導体式は可燃性ガス以外のあらゆるガスを検知でき、過酷な環境条件にも耐性があります。

3. 熱線型半導体式

熱線型半導体式は低濃度で可燃性ガスの検出に適し、省電力でも迅速に高感度で起動します。

4. 熱伝導式

熱伝導式は化学反応を伴わないため、触媒の被毒や劣化などの心配がなく、長期間安定です。

5. 定電位電解式

定電位電解式は設定電位を選択して、高感度で毒性ガスを検知します。

6. 隔膜ガルバニ電池式

隔膜ガルバニ電池式は軽量かつ小型で、センサの動作に外部電源が必要ありません。

7. 赤外線式

赤外線式は感度が劣化しにくく長期的に測定結果が得られ、水蒸気や共存ガスの影響が少なく、ガス選択性に優れています。

参考文献
https://www.rikenkeiki.co.jp/cms/riken/pdf/support/PC9-0314-180610S.pdf

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