ノッカーとは
ノッカーとは、詰まりや堆積を防止するための装置です。
粉状の製品を生産する箇所で使用され、振動を目標物に与えることで詰まりや堆積を取り除くことが可能です。ホッパーやタンクなど、粉製品を一時的あるいは継続的に貯蔵する機器に取付、任意の時間と間隔を設定し振動させます。
振動させるためにエアーを投入することから、エアーノッカーとも呼ばれます。
ノッカーの使用用途
ノッカーはホッパーやタンクなどに取り付け、粉のブリッジ現象を防止するために使用されます。具体的には、食品工場や化学工場などです。粉には安息角と呼ばれる角度があり、これが大きいほどブリッジしやすくなります。
ホッパーの形状として円錐部分の角度が鈍角であるほど、粉体のブリッジが発生しやすくなります。また、粉体によっては完全に乾燥しているものもありますが、乾ききっていないものもしくは添加剤などを投入して少し湿ったものなど状態は様々です。後者の状態の粉体は前者の状態よりもブリッジしやすいため、よりノッカーやバイブレーターなどを取り付ける必要があります。
また、パッケージングプロセスにおいても、ノッカーは製品をパッケージ容器に均等に配置するために使用されます。振動によって製品が均等に敷き詰められ、効率的な包装が実現可能です。その他にも、製品や部品の耐久性をテストするための振動試験装置にも利用されます。製品が振動に耐えられるかどうかを評価するのに有用です。
ノッカーの原理
ノッカーは、一般的に電磁振動子やエアーノズルなどの方式で振動を生成します。振動子は、電力を供給することで振動を発生させ、これにより取り付けられたノズルや振動子の端末が物体に振動を伝えます。この振動は、物体を振動させるためのエネルギー源です。
ノッカーの特徴
ノッカーの特徴は汎用性の高い点です。ノッカーは主にさまざまな工業用途に使用されており、粉体処理、コンベアシステム、振動ふるい、非破壊検査、包装など、多くの分野で利用されています。また、ノッカーを使用するメリットは、振動を使用して物体を処理することで製品の品質向上が実現できることです。
粉体処理においては、均一な混合物を作成したり、不純物を分離したりするのに役立ちます。また、ノッカーは一般的に非破壊的な方法で物体に振動や衝撃を与えるため、物体自体に損傷を与えることなく、必要な操作を実行できます。
ノッカーのその他情報
1.リレーノッカーの原理
リレーノッカー (英: Relay Knocker) は、電気的なリレーを使用して振動を生成し、物体を振動させます。通常、リレーと振動用のアームやハンマーから構成されていますが、リレーのコイルは振動用アームに接続されており、リレーが作動するとアームが振動します。この振動が物体に伝わり、物体を振動させることが可能です。
リレーノッカーの作動は、電流をリレーのコイルに供給することで開始されます。コイルに電流が流れると、リレーのアームが振動し、アームの振動が物体に伝わります。電流が停止すると、アームは元の位置に戻ります。このプロセスを繰り返すことで、物体に継続的な振動を与えることが可能です。
2. バイブレーター
エアーノッカー以外にも、バイブレーターと呼ばれる装置があります。バイブレーターの種類は多く、内部でボールが回転することで振動を起こすボールバイブレーターやピストンにエアーを投入することで往復運動させ振動を起こすピストンバイブレーターなどさまざまです。
ノッカーは一撃一撃が大きく、衝撃間隔が比較的広いのに対して、バイブレーターは振動の大きさは小さいうえ、衝撃間隔が狭く継続的に衝撃を与え続けることができます。どちらもエアーのみで駆動させることが可能です。