研磨盤

研磨盤とは

研磨盤とは、精密な加工が求められる工業製品や部品の表面仕上げをするための機械のことです。

円形の砥石が高速で回転し、加工対象物に研磨を施すことで、滑らかで美しい仕上がりを実現します。研削盤という加工機の1種であり、グラインダーとも呼ばれています。研削盤は、砥石の形状や材質、回転速度によって、様々な加工が可能です。

研磨盤を使用することで、金属やプラスチック、ガラスなどの素材に対して、均一で滑らかな仕上げになります。また、精密加工や表面仕上げにおいて優れた性能を発揮します。

例えば、自動車や航空機、家電製品などの部品製造では、研磨盤の使用が欠かせません。部品同士の組み合わせがスムーズであることや、耐久性が求められる場合には、研磨盤による加工が不可欠です。

研磨盤の使用用途

使用用途は幅広く、機械によって特化された機能が備わっています。研磨盤には平面型や特殊型など、用途に合わせた機種が用意されており、それぞれが異なる目的で使用されます。

1. 平面研磨機

平面研磨機は、加工対象物の表面を平らに仕上げるために利用され、部品同士の合わせ面の密着度を高めることで、摩擦を低減し、部品の効率的な機能の実現が可能です。自動車や航空機など、精密な部品が必要な製品において、平面研磨機は欠かせない存在となっています。

2. 刃物研磨機

刃物研磨機は、刃物の研磨に特化した機械であり、砥石の摩耗を防ぐ工夫がされています。水冷循環方式を利用し、砥石を水平回転させることで、砥石の寿命を延ばすことで、より効率的な研磨が可能です。刃物研磨機は、包丁や鋸などの刃物の性能を維持・向上させるために重要な機械です。

 

研磨盤は、さまざまな用途に応じて専門的な機能が提供されており、それぞれの産業や製品に適した仕上げを実現します。研磨盤の使用用途は多岐にわたり、その効果は精密加工や製品の品質向上、効率性の向上に大きく貢献しています。

研磨盤の原理

研磨盤の原理は、研削盤としばしば混同されることがありますが、研磨盤と研削盤では加工の原理が異なります。研削盤は、高速で回転する砥石で加工対象物の表面を削ることで表面粗さを整える点が特徴です。

一方、研磨盤は砥粒を一定の圧力で加工対象物に押し当てることで、表面を滑らかにする点が特徴です。研磨盤の構造では、円形の砥石の外周に研磨効果があるチップと呼ばれる砥粒が貼り付けられています。研磨作業中に砥石の表面のチップが脱落することがあるため、繰り返しの作業を行う際には砥石の摩耗に注意が必要です。

研磨盤の種類

研磨盤は主に平面研磨盤、外径研磨盤、内径研磨盤の3種類があります。

1. 平面研磨盤

平面研磨盤は、金属部品や素材の表面を一定の粗さまで磨くための機械です。特徴として精度と効率性が挙げられます。極微細な仕上げを必要とする製造業界で広く利用されています。平面研磨盤の魅力は精密さです。

一貫した平坦性と平行性の加工が可能です。精度の高さは、半導体製造、航空機部品製造、精密金属製品製造など、厳密な寸法精度が必要な産業で必要不可欠です。

2. 外径研磨盤

外径研磨盤は、円筒状や円錐状の加工対象物の外側の表面を研磨するために使用されます。主に軸受けや歯車など、高精度が求められる部品の表面仕上げに適した研磨盤です。

また、研磨盤の砥石と加工対象物との間に冷却液を供給することで、研磨精度の向上や砥石の寿命延長が図られます。

3. 内径研磨盤

内径研磨盤は、筒状や円錐状の加工対象物の内側の表面を研磨するために使用される機械です。主に自動車のエンジンやポンプなどの部品の内径の精密加工に用いられます。

研磨盤の砥石は、狭い空間でも効率的に研磨できるように設計されており、高い加工精度が求められる用途に適しています。

参考文献
https://www.skenma.jp/bas/4.html
https://monozukuri.co.jp/article/378/

高電圧抵抗器

高電圧抵抗器とは

高電圧抵抗器 (英: high voltage resistor) とは、kVオーダーの非常に高い電圧まで対応できる抵抗器のことです。

抵抗値は最大100Ωまで対応できるものなどがあり、用途に合わせてさまざまな製品が展開されています。高い抵抗値や狭偏差に対応しており、回路信号のばらつきを抑制したりすることも可能です。抵抗器は回路の中で抵抗の役割を果たし、電気の流れを抑制できる電子部品です。回路を流れる電気量を抑制したり、適正に回路が作動することを助けたりする働きをします。

高い抵抗率を持った導体を材料として使用することで、電気の流れを抑制します。高電圧抵抗器は、抵抗器の中でも高電圧に特化しているものであるため、使用する部品が高い絶縁性が保持することで高電圧に対応できるようになります。

高電圧抵抗器の使用用途

高電圧抵抗器は、高い電圧に対応した抵抗器であるため、高い電圧回路を持つ機器に適しています。主な使用用途は、高電圧電源、X線電源、プリンター、複写機、自動車、エアコン、照明、静電気放電、レーザー・プラズマディスプレイ用の電源などです。

1. 医療用途

医療用途における電子コンテンツは、近年急速に成長しています。新しいタイプの家庭用健康機器、病院のベッドの高機能化、患者の検査とモニタリングなどに高電圧抵抗器が使われます。

検査・モニターには、X線装置、超音波検査装置、携帯型除細動器、血圧および血糖値モニター、電動車椅子、病院用ベッドなどがあります。

2. 自動車用途

自動車分野では、EVのエンジン制御、インバータ制御、DC-DCコンバータ、充電器、ハイブリッド/EVのバッテリパック、ATの制御、車体制御、カーナビゲーションシステムなどに、多くの高電圧抵抗器が使用されます。また、先進運転支援システム、車両照明、バッテリ管理システムなどにも有用です。

3. 産業用途

産業用途では、インバータ/ACサーボアンプ、制御回路、LAN、HDD/SSD、コントローラなどのデジタルI/O、アナログ入力、出力、無停電電源装置、試験/測定機器、産業用などの自動機器などに多く使われます。また、PC、バッテリ、セキュリティシステム、煙探知機、ソーラーインバータなども用途の1つです。

4. 通信用途

通信用途では、スマートフォン、テレコム電源、加入者ライン カード、タブレットPC、無線基地局、モノのインターネットなどが挙げられます。また、GPS、電源、セットトップ ボックス、無線 LAN、ウェアラブル、モデム/ルータなどにも高電圧抵抗器が使用されます。

5. エネルギー用途

エネルギー関連では、スマートメータ、パワーコンディショナ、省エネスマート家電、LED照明、蓄電システム、空調管理などに高電圧抵抗器が使用されます。

高電圧抵抗器の原理

高電圧抵抗器の構成要素は、基板と碍子をベースとして、抵抗体素子、素子を保護する保護コート、外部電極、素子に接続する内部電極などです。各部分がそれぞれ高電圧に耐えられる構造になっており、碍子には主にアルミナ系が多く使用されます。

また、抵抗体にもパターンがあり、ベタ、ミアンダ、サーペンタインなどの高電圧に耐えられるような形状です。ベタは、一般的な厚膜抵抗器のパターンです。ミアンダは線状のパターンで、長く引き回すことにより抵抗体の電圧勾配を低減する効果があります。

また、サーペンタインは、切り欠きがあるパターンで、抵抗値トリミングなどで高い抵抗値に切り上げる際に用いられます。抵抗器は抵抗体を形成した後に、抵抗値を調整するためのトリミングを行います。抵抗値を調整する方法は、シングルカット、ダブルカット、Lカットなどです。

高電圧抵抗器のその他情報

超精密級高電圧用抵抗器

超精密級高電圧用抵抗器と称する抵抗器があります。使用温度範囲は-55~+150℃で、低い温度係数です。長期安定性と負荷寿命における抵抗変化を最小限に抑えています。また、パルス電圧の変化から保護されます。

具体的な用途は、理化学測定装置・X線装置・電子顕微鏡等の産業機器などです。外装塗装表面は特殊処理を施して表面リークの影響を少なくしています。表面の清掃に際しても溶剤の使用が可能です。

参考文献
https://article.murata.com/ja-jp/article/what-is-resistor
https://www.murata.com/ja-jp/products/resistor/highvoltage
https://www.general-bussan.co.jp/product/resistor/lead/high.html
https://www.koaglobal.com/product/purpose/hva
https://www.koaglobal.com/product/library/resistor/basic

圧力トランスデューサ

圧力トランスデューサとは

圧力トランスデューサ (英: pressure transducer) とは、圧力を連続的な電気信号に変換する装置のことです。

圧力トランスデューサと同様な意味に使用される用語に、圧力センサー、圧力トランスミッタ、圧力コンバータ、圧力変換器などが挙げられます。ただし、明確な差異はありません。

圧力を電気信号に変換する方法は、ひずみゲージ式をはじめ、圧電式、金属薄膜式、静電容量式などさまざまです。

圧力トランスデューサの使用用途

物理量である圧力を連続的な電気信号に変換するために使用され、pc基板搭載タイプや汎用タイプなどに種類が分かれます。

  • 故障の検知
    自動車のブレーキ、油圧シリンダ、空調機など
  • 品質保持用
    クリーンルームの管理、真空質の管理
  • 医療分野
    血圧計や人工呼吸器など
  • その他
    スマホや転倒検知用の機器など

圧力トランスデューサの原理

圧力トランスデューサの受圧部は、主にダイヤフラムです。ダイヤフラムが圧力を受けて変形し、変形量を各種の方式を使って電気量に変換します。

変換する方法には、ひずみゲージ式、圧電式、金属薄膜式、静電容量式、光ファイバー式、振動式など多くの種類があります。

1. ひずみゲージ式

ひずみゲージ式は、ひずみゲージをダイアフラムの裏側に貼り付け、ゲージ抵抗値の変化を測定します。ひずみゲージは、変形すると電気抵抗が変化する金属の性質を利用して変形量を測定する抵抗体で、ひずみと圧力を対応させることで圧力の出力が可能になります。

ダイヤフラムに通常4個貼り付け、抵抗の変化をブリッジ回路で電圧の変化として出力します。ひずみゲージに半導体を使用したタイプがあります。半導体は、変形に対する抵抗の変化が、通常のひずみゲージに比べて非常に大きいので、圧力感度が大きいセンサです。

2. 圧電式

圧電式は、受圧部に圧電素子を直接取り付けたタイプです。圧電素子は、圧力を受けると電圧が発生します。

この電圧から圧力が測定できます。感度が高いので小型化が可能で、また堅牢で耐久性に優れているのがメリットです。

3. 金属薄膜式

金属薄膜式は、ダイアフラム上に金属薄膜を形成し、圧力によって変形した金属薄膜の電気抵抗の変化を測定します。ひずみゲージ式よりも高感度で高温下でも使用できることが特徴です。

4. 静電容量式

静電容量式は、固定された電極とダイアフラム電極との間の静電容量を検出する方式です。圧力の変化に応じて変形するダイアフラムの変位量を静電容量の変化として計測し,圧力に換算します。複数のガス種や混合ガスの圧力を測定するのに適しています。

5. 光ファイバー式

光ファイバー式は、ダイアフラムに圧力がかかると、光ファイバー先端の回折格子が変形し、反射する光の波長の変化を測定します。高温・高精度の測定ができ、溶融樹脂の圧力や身体内の血圧測定などに使われます。

6. 振動式

振動式はシリコンのダイアフラムチップに振動子を設け、圧力によりダイアフラムが変形すると、振動子の固有振動数が変化します。振動数の変化を検出して圧力に換算します。高精度・高感度・高分解能などの特徴があります。

圧力トランスデューサのその他情報

圧力トランスデューサの出力信号

圧力トランスデューサの出力は、mV電圧出力と4~20mA電流出力があります。mV電圧出力のタイプは、温度補償がなく、電子機器から20ftの範囲で使用する必要があります。一方、4~20mA電流出力の方は、EMI干渉やノイズの影響を受けにくく、距離の制約もありません。

圧力トランスデューサの出力はアナログ信号で、電圧mV、増幅した電圧V、電流4~20mAの3つが標準的に使用されます。出力電圧は、供給電圧に比例します。

ひずみゲージや金属薄膜式の圧力トランスデューサの出力は、入力1V当たり2~3mVです。また、最新のMEMS技術を使用した圧電式圧力トランスデューサは、入力1V当たり20mVの出力が得られます。

電流出力の場合、4~20mAの出力を得るには、DC8~28Vの供給電圧が必要です。電池の消費が大きい短所があります。

参考文献
https://www.jp.omega.com/prodinfo/pressuretransducers.html
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/3496/
https://www.fujielectric.co.jp/technica/faq/transducer/01.html

レベルパッド

レベルパッドとは

レベルパッドとは、機器や構造物に振動が伝わるのを防ぐことができる防振機器のことです。

主に産業用の用途で使用され、防振機能に加えてレベル調整を行うこともでき、広い範囲のレベルの調整機能を持っています。

振動源となる機器などから発生される振動が、機器が設置されている床などの外部に伝わると、周辺に影響がでてしまうため、レベルパッドを機器の取り付けに用いることでこれらの振動による影響を防ぐことができます。

レベルパッドの使用用途

レベルパッドを用いることで、機器の据え付けを安定して行うことができることに加え、振動や、振動による騒音を防ぐことができます。

レベルパッドの用途は、主にプレス機やダイカストマシンなど、作業に伴う振動が大きい機器に対して安定した据え付けと振動を防ぐ目的で使用されています。また、レベルパッドを用いることで、床面が傾斜している場合でも、機械を水平に保ったまま支えることができます。

レベルパッドの原理

レベルパッドは、防振機能とレベル調節機能を同時に備えている調整支持機器です。レベルパッドは、台座に可動するねじがついており、さらに振動を吸収する防振ゴムを間に取り付けた構造をしています。

防振機能は、弾性体である防振ゴムによって、振動を吸収することにあります。振動する機器を据え付ける際に防振したい場合、外部から機器に対する振動や、機器から外部に対する振動によって様々な影響を及ぼすことを防ぐため、防振ゴムを用いて機器の支持を行います。この力の関係を表す防振モデルを用いて計算し、レベルパッドは作られています。

レベル調節機能の原理は、可動するねじ部分にあります。ねじ部分が自在に可動することにより、床面が傾斜していたり、水平になっていなかったりするなどの様々な条件下でも水平を保つことができます。

参考文献
https://www.monotaro.com/g/01378575/
https://www.orange-book.com/ja/c/series/index.html?seriesCd=0547594
https://www.orange-book.com/ja/c/series/index.html?seriesCd=0557866
https://www.kuraka.co.jp/technology/develop/vibration_isolation/index.html

レベルバンド

レベルバンドとは

レベルバンドとは、両端にねじとナットが付いた構造をしている固定器具のことです。

床面の水平さや傾きなどに左右されずに使用する対象の勾配を任意のレベルで調節することができるほか、対象物の高さも調節することができます。中にはワンタッチで使用できるもの、耐食性や耐久性に優れたものなど、工夫された機種もあり用途に合わせて選択することができます。

レベルバンドの使用用途

レベルバンドは、両端に取り付けられたナットとねじによって配管を固定、傾きを変えることで配管の勾配レベルを幅広く調整することができます。

床下や天井などで排水管や配管の施工や固定する際に使用されており、別名排水管支持金具などと呼ばれる場合もあります。また、水回りの部材である排水管の他にポンプや油圧機器などに対しても使用されています。

レベルバンドの原理

構造は非常にシンプルで、台座に取り付けられた2つの棒に半円型の金具であるバンドが上下に分かれて取り付けられ、この金具の間に配管などのパイプをのせて上下の金具で挟み金具をナットで締めることで固定させています。

下側の金具の高さを変化させて配管の高さの位置と勾配レベルを変えることができるため、任意の傾きに調節しています。

スライドレベルと呼ばれる種類は配管をスライドさせることで配管を固定しています。温度変化の大きい浴室や台所では配管の伸縮が原因でトラブルが起きることがあります。スライドレベルは温度変化による配管の伸縮を考慮してレベルバンドのようにしっかりと固定するのではなく、配管とバンドの間にあそびを持たせることで配管の伸縮に対応することができます。

参考文献
https://www.monotaro.com/g/02968033/
https://www.monotaro.com/g/00264236/
https://www.showa-cp.jp/products-own/level/

フリーバイス

フリーバイスとは

フリーバイスとは、対象物の大きさに合わせて固定できるバイス (万力) のことです。

バイスとは、対象物を両側から強い力で締めて固定することができる作業工具のことです。バイスでは挟み込みを行う口金部分の開きが限られており、大きな対象物には対応できません。フリーバイスは作業台に合わせて開きを自由に調整できるため、バイスでは対応できない大きな対象物を固定できます。挟み込みを行うため2個1組で販売されていることが多く、変形や破損しないよう頑丈につくられています。

フリーバイスの使用用途

金属加工業や建築業などで様々な分野で使用されています。金属や木材の切断、研磨、溶接などの際に対象物を固定する用途で使用されます。

対象物の大きさに合わせて作業台などに本体をそれぞれ設置します。設置した本体をボルトなどで締め付けて対象物の固定を行います。本体底面にキー溝加工がされ、位置決めのためのステップキーが使用できる製品もあります。ステップキーとは、機械加工の際に、加工したい対象物を固定するのに用いられる固定具です。

フリーバイスのその他情報

プルダウンバイス

対象物を垂直 (横向き) 方向の力で強く締め付けると対象物が浮き上がることがあります。フリーバイスの一部製品ではプルダウンという仕組みを利用して浮き上がりを防止しています。本体に工夫を施し、対象物に対して斜め下方向の力がかかるように締め付けることで、対象物を下向きに押さえる力を生み出す仕組みです。この仕組みを使用しているフリーバイス製品を特にプルダウンバイスと呼ぶことがあります。

参考文献
https://www.monotaro.com/g/01123203/
https://www.monotaro.com/p/0701/5478/
https://www.monotaro.com/g/01241930/
https://www.supertool.co.jp/products/products.php?eid=00448
https://dskk.site/supertool-fv350e
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223006454107/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223004923443/

オールプラグ

オールプラグとは

オールプラグとは、打ち込み式のビスのことです。

母材に下穴をあけ、プラグを差し込んで使用します。プラグのビス部分をハンマーなどで打ち込むだけで容易にビスの固定できます。ブロック、コンクリート、中空壁など様々な母材への取り付けが可能です。また、ドライバーなどで手軽に取り外すことができます。

オールプラグの使用用途

母材にビスを設置するために使用します。硬い材質に対しても固着するため、コンクリートなどに使用されます。他にも中空壁やALCなど様々な母材に用いることができます。笠木や内装下地材の取り付け、配線や配管のサドル取り付け、照明器具の取り付けなど用途は多岐に渡ります。

オールプラグの構造

ナイロンなどでできた筒部分と金属製のビスで構成されています。ビスとは鋭く尖った先端を持ち、ねじ溝が螺旋状に切ってある部品のことです。使用する際はドリルで母材に下穴をあけて粉塵など清掃します。奥までしっかりオールプラグを挿入した後、母材から飛び出ているビス部分をハンマーなどで打ち込みます。ビスに押され筒部分が広がることで、母材とビスの隙間が埋まり固着します。

コンクリートなどは、ビスを打ち込むと母材じたいが崩れたり、もろくなったりして固着しにくくなります。ビスと一緒に筒部分を打ち込むことで、母材に対する接地面積をひろげ固定しやすくしています。

参考文献
https://www.monotaro.com/g/00322183/
https://www.monotaro.com/g/00433932/
https://www.monotaro.com/g/01405394/
https://www.homemaking.jp/products/detail.php?product_id=154760

変換継手

変換継手とは

変換継手は、配管と配管を接続・方向転換・分岐する継手(つぎて)の一種で、異なる種類の配管同士を接続する継手です。

配管は材質によって合金鋼管、ステンレス管、アルミニウム管、銅管ポリエチレン管、ポリブデン管などがあり、移送する流体の種類、移送目的、配管周辺の環境によってそれぞれの材質を使い分けています。しかし、建物内と屋外で異なる材質の配管を使用する場合や、リフォーム工事などで既設の配管に異なる種類の配管を接続する場合などがあり、変換継手はこのような場面で使われます。

また、継手の接続方法の一つであるねじ込み式の場合、異なる種類のねじを接続する場面もあります。このようなときに使われる継手は、特にねじ変換継手と呼ばれます。 

変換継手の使用用途

変換継手は、気体・液体などを移送する配管のうち、異種材料の配管同士や、ねじの種類の異なる配管同士を接続する部品です。

給水設備、給湯設備、排水管、下水管、通気管、ガス配管、循環液温度調節設備、防災配管、真空配管、農水配管、化学工場配管など幅広い分野で、変換継手は異種配管を接続するために使用されています。特に給水給湯設備では、古くから抗菌作用の強い銅管がよく使われてきましたが、近年はステンレス管、ポリエチレン管、ポリブデン管などが使われることも多く、既設の銅管との接続に変換継手が使用される場面が増えています。

また、海外製のガスボンベと圧力調整器とを接続する場合や、海外規格のねじとJIS企画のねじを接続する場合など、配管周辺で海外製品を導入する場面でも変換継手が使用されています。

変換継手の特徴

変換継手を使って異種材質の配管を接続する際、特に異種金属の配管同士を接続する際、異種金属が接触することによって起こる腐食を考慮する必要があります。

一般的に、水などの電解液中でイオン化傾向が異なる金属同士が接触すると、両者の間に電位差が生じ、イオン化傾向の高い卑金属が陽極、イオン化傾向の低い貴金属が陰極になって、電池を形成します。電池の陽極側からはプラスの電荷を持つ金属イオンが流れ出し、陽極側(卑金属側)が腐食します。この現象は異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)と呼ばれます。

たとえば、ステンレス管と銅管を接続する場合、両者はイオン化傾向が同程度なので、二種類の配管の間に電位差はほとんど生じません。したがって、ステンレス管と銅管が直接触れていても問題ありません。

一方、ステンレス管と黄銅管を接続した場合は、黄銅に含まれる亜鉛のイオン化傾向が高いため、この二種類の配管を接続することで両者間の電位差による電池が形成され、黄銅がガルバニック腐食します。

これを防ぐために、変換継手には電気的絶縁処理が必要になります。絶縁の形式としては、絶縁性のボルトを持つフランジ式、絶縁ユニオン式、ねじ部分に絶縁材を装着したねじ込み式などがあります。

参考文献
http://www.jssa.gr.jp/greenpipe/wp-content/uploads/2017/02/technique08.pdf
https://www.takenaka.co.jp/takenaka_e/services/research/pdf/no64_2008/papers/03_R030.pdf

ソーター

ソーターとは

ソーター (英: sorter) とは、仕分け能力が高い仕分け搬送機のことです。

搬送経路を分岐させ、多数の経路を備え、商品を行き先ごとに仕分けます。そのため人の手を介さずに、コストを削減しながら正確に大量の商品を短時間で仕分け可能です。

ソーターの運用には物流センターの処理速度や処理能力が求められ、システムで全体制御する必要があります。ソーターの方式によって、様々な機種があります。

ソーターの使用用途

ソーターは大規模な物流センターなどで、様々な商品を仕分ける際に作業を自動化し、人手を介さずに短時間で大量に仕分けできます。クロスベルト式、パン式、スライドシュー式、ポップアップ式などの多種多様な機種があり、商品の用途に合わせて選択可能です。

ソーターの原理

ソーターは仕分け作業を行うハードウェアであり、搬送経路に分岐機能を備えているため、大規模な物流センターでシステムを構築して一括管理しています。システム構築のために、高度な処理速度や処理能力が必要です。機種ごとに構成と原理が下記のように異なります。

1. スライドシュ―式

板状のシューを用いてシューをスライドさせながら商品を運搬します。搬送面の押し出し機構によって衝撃を抑えながら滑らかに搬送物を押し出せます。

2. クロスベルト式

短いベルトコンベヤでトレイを構成し、荷物を仕分けながら搬送可能です。搬送物自体は動かずに摩擦を抑えて仕分けできます。

3. パン式

ケースごとに商品を入れて運搬する構造です。

4. ポップアップ方式

ホイールコンベヤが回転しつつ上下に動かすことで仕分けします。

5. ターンテーブル方式

ローラーコンベヤを用いてターンテーブルで仕分けを行います。

6. プッシャー方式

搬送物や商品を押し出して仕分け可能です。

7. ダイバータ方式

コンベヤ上に設置された案内板をスイングさせて仕分けします。

8. チルトトレイ方式

トレイにバーコードが読み込まれた製品を載せ、行き先に応じてトレイが傾いてダンボールなどへ投入します。

ソーターの種類

ソーターはコンベヤタイプとロボットタイプの2種類に分類可能です。

1. コンベヤタイプ

コンベヤタイプはコンベヤが運んだ搬送物を連続で仕分けます。大型倉庫で利用され、導入のために広い場所が必要です。

2. ロボットタイプ

ロボットタイプはコンベやタイプとは異なり、1台ごとにロボットが製品を運搬して仕分けます。パレットやテーブルを使って容易に導入でき、小規模の倉庫でも導入可能です。

ソーターの選び方

ソーターには多種多様な機種があり、種類や特徴によって、メリットやデメリットがあります。

1. スライドシュ―式

仕分け能力が高く、小物から長尺物まで幅広い形状や重量の商品に対応できます。仕分け能力が高く、商品の衝撃が少ないためスライドシュー式は主流です。割れ物の仕分けや袋物の搬送物に利用されます。

2. クロスベルト式

商品に衝撃を与えずにコンベヤで運んで仕分けできます。ただしトレイに載る大きさには限りがあります。ベルトの大きさをカスタマイズすれば、小型から大型まで対応可能です。

3. パン式

袋に入った商品の袋が噛まない設計です。アパレルなどの袋物商品には、パン式が普及しています。

4. ポップアップ方式

滑らかに上下するため、ソフトで素早い仕分けが可能です。ビンやダンボールを代表として重い搬送物に適しています。

5. ターンテーブル方式

非常にシンプルな仕組みのソーターです。拡張性に優れていますが、ターンテーブルに載せる搬送物の大きさは限られます。的確に方向を定め、仕分けが安定しています。

6. プッシャー方式

分岐点で押し出す機種だけでなく、プッシャー方式で流れてきた搬送物を指定区画で投下する種類もあります。書籍の素早い仕分けに特化しています。

7. ダイバータ方式

非常にシンプルな構造であり、幅広い大きさにも対応可能です。トラックターミナルや運輸倉庫のような、継続して仕分けする場所に適しています。空港でも用いられている仕分け方式です。

8. チルトトレイ方式

ピース単位での仕分けに用いられ、検品と仕分けが同時にできるためダブルチェックが必要ありません。

参考文献
https://dstp.co.jp/glossary/sa/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC/
https://www.mr-butsuryu.com/equipment/sorting.html
https://www.hokusho.co.jp/standard_as.html
https://www.muratec.jp/logistics/products/crossbelt/

MSATASSD

MSATASSDとは

MSATASSD

MSATASSDとは、主にノートパソコンやコンパクトなデスクトップPCの記憶装置として使用するものです。

MSATAは接続方法を示しており、マザーボードに設けられている接続端子に差し込んで使用されています。また、SSDは記憶装置の種類で、磁気性の記憶装置であるHDDとは異なり、半導体の記憶装置です。

MSATASSDは、接続方法とむき出しの形状が特徴です。この薄型でコンパクトな形状によって、パソコンの組み込みスペースに余裕が生まれます。このため、薄型で軽量なパソコンの開発に貢献しています。

MSATASSDの使用用途

MSATASSDは前述した通り、主にノートパソコンやコンパクトなデスクトップPCの記憶装置として使用されています。薄いカード型でコンパクトな形状をしているため、サイズが小さいパソコンやノートパソコンに搭載されている場合が多いです。

パソコンの薄型化や軽量化に貢献しています。MASATASSDは、ノートパソコンやコンパクトなデスクトップPCのOSやアプリケーション、データなどを保存するドライブとして使用されています。

したがって、小型・軽量なスペックを必要とするパソコンには必要不可欠な記憶装置です。

MSATASSDの原理

MSATASSDは、半導体の記憶デバイスであるSSD (英: Solid State Drive ) にMSATA規格で読み書きできるインターフェースを備えた記憶装置です。SSDは、不揮発性メモリであるフラッシュメモリを用いた記憶デバイスで構成されています。

フラッシュメモリは、セルとよばれている構造に電子を保存したり放出したりすることでデータを記録します。電子が保存されるセルは絶縁状態になっているため電源が切断されても、電子が保持されるので不揮発性メモリとして利用可能です。

なお、MSATA (英: mini serial ATA) は、インターフェース規格のSATAの一種です。SATAではデータを1つの経路で送ることにより、複数経路で送った場合に発生する伝送経路のズレによる待ちをなくすことで、高速化を図った転送方式です。
MSATAでは最大で6Gbpsの速度を達成しています。

MSATASSDは、SSDとMSATAの技術を組み合わせることで小型軽量化と高速化の両方を実現しています。

MSATASSDの構造

MSATASSDの形状は、SSDは薄型の長方形よりも、もっと薄いカードの形状をしています。それによって、さらなる省スペース化を可能にしています。

MSATASSDの小型の特徴を生かして、SSD搭載のパソコンであってもMSATASSDを後付けで搭載可能なモデル等もあります。また、MSATASSDはむきだしになった基盤が特徴です。

SATASSDはケーブル接続なので配線を必要としますが、MSATASSDはケーブルを用いず、スロット端子にカード型の基盤を装着する形で接続することができます。

MSATASSDのその他情報

1. MSATASSDの類似製品

SSDを使った記憶装置はMSATASSD以外にもあります。それぞれの違いは以下の通りです。

2.5インチSSD
形状が2.5インチサイズで接続インターフェースはSATAです。2.5インチのHDDと同じ形状でノートPCなど、起動やデータ転送の速度を高速化するのに使われています。MSATASSDよりもサイズは大きくなりますがストレージ容量が大きいモデルが揃っています。

M.2SSD
MSATASSDの後継規格と言えるものです。MSATASSDと同様にマザーボードに備わっている接続端子に差し込んで使用されます。M.2SSDの転送速度は理論上ですが40Gbpsで、MSATASSDと比べると約6.7倍高速です。形状もスティック型でMSATASSDよりコンパクトになっています。

2. MSATASSDのメリット・デメリット

MSATASSDのメリットとデメリットに関して、2.5インチHDDを比較対象として記載します。

メリット
サイズは2.5インチHDDよりも小さくかつ薄型です。また、接続インターフェースの速度は同等ですが、記憶装置を含めたアクセス速度を考慮するとMSATASSDの方が数倍から10倍以上高速です。

さらに、振動や衝撃についても機械的部分がないMSATASSDの方がより耐性を持っています。

デメリット
1GBあたりの単価がMSATASDDは2.5インチHDDよりも数倍するので、大容量が必要な場合は非常に高価です。最大容量もMSATASSDは1TBまで、2.5インチHDDは4TB以上の容量が提供されています。

参考文献
http://direct.pc-physics.com/column-msata-ssd-difference.html
https://www.partitionwizard.jp/partitionmanager/msata-ssd.html
https://www.pro.logitec.co.jp/houjin/usernavigation/hddssd/20191018/index.html
https://www.dospara.co.jp/5info/cts_str_parts_msata