変換継手

変換継手とは

変換継手は、配管と配管を接続・方向転換・分岐する継手(つぎて)の一種で、異なる種類の配管同士を接続する継手です。

配管は材質によって合金鋼管、ステンレス管、アルミニウム管、銅管ポリエチレン管、ポリブデン管などがあり、移送する流体の種類、移送目的、配管周辺の環境によってそれぞれの材質を使い分けています。しかし、建物内と屋外で異なる材質の配管を使用する場合や、リフォーム工事などで既設の配管に異なる種類の配管を接続する場合などがあり、変換継手はこのような場面で使われます。

また、継手の接続方法の一つであるねじ込み式の場合、異なる種類のねじを接続する場面もあります。このようなときに使われる継手は、特にねじ変換継手と呼ばれます。 

変換継手の使用用途

変換継手は、気体・液体などを移送する配管のうち、異種材料の配管同士や、ねじの種類の異なる配管同士を接続する部品です。

給水設備、給湯設備、排水管、下水管、通気管、ガス配管、循環液温度調節設備、防災配管、真空配管、農水配管、化学工場配管など幅広い分野で、変換継手は異種配管を接続するために使用されています。特に給水給湯設備では、古くから抗菌作用の強い銅管がよく使われてきましたが、近年はステンレス管、ポリエチレン管、ポリブデン管などが使われることも多く、既設の銅管との接続に変換継手が使用される場面が増えています。

また、海外製のガスボンベと圧力調整器とを接続する場合や、海外規格のねじとJIS企画のねじを接続する場合など、配管周辺で海外製品を導入する場面でも変換継手が使用されています。

変換継手の特徴

変換継手を使って異種材質の配管を接続する際、特に異種金属の配管同士を接続する際、異種金属が接触することによって起こる腐食を考慮する必要があります。

一般的に、水などの電解液中でイオン化傾向が異なる金属同士が接触すると、両者の間に電位差が生じ、イオン化傾向の高い卑金属が陽極、イオン化傾向の低い貴金属が陰極になって、電池を形成します。電池の陽極側からはプラスの電荷を持つ金属イオンが流れ出し、陽極側(卑金属側)が腐食します。この現象は異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)と呼ばれます。

たとえば、ステンレス管と銅管を接続する場合、両者はイオン化傾向が同程度なので、二種類の配管の間に電位差はほとんど生じません。したがって、ステンレス管と銅管が直接触れていても問題ありません。

一方、ステンレス管と黄銅管を接続した場合は、黄銅に含まれる亜鉛のイオン化傾向が高いため、この二種類の配管を接続することで両者間の電位差による電池が形成され、黄銅がガルバニック腐食します。

これを防ぐために、変換継手には電気的絶縁処理が必要になります。絶縁の形式としては、絶縁性のボルトを持つフランジ式、絶縁ユニオン式、ねじ部分に絶縁材を装着したねじ込み式などがあります。

参考文献
http://www.jssa.gr.jp/greenpipe/wp-content/uploads/2017/02/technique08.pdf
https://www.takenaka.co.jp/takenaka_e/services/research/pdf/no64_2008/papers/03_R030.pdf

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