圧力トランスデューサ

圧力トランスデューサとは

圧力トランスデューサ (英: pressure transducer) とは、圧力を連続的な電気信号に変換する装置のことです。

圧力トランスデューサと同様な意味に使用される用語に、圧力センサー、圧力トランスミッタ、圧力コンバータ、圧力変換器などが挙げられます。ただし、明確な差異はありません。

圧力を電気信号に変換する方法は、ひずみゲージ式をはじめ、圧電式、金属薄膜式、静電容量式などさまざまです。

圧力トランスデューサの使用用途

物理量である圧力を連続的な電気信号に変換するために使用され、pc基板搭載タイプや汎用タイプなどに種類が分かれます。

  • 故障の検知
    自動車のブレーキ、油圧シリンダ、空調機など
  • 品質保持用
    クリーンルームの管理、真空質の管理
  • 医療分野
    血圧計や人工呼吸器など
  • その他
    スマホや転倒検知用の機器など

圧力トランスデューサの原理

圧力トランスデューサの受圧部は、主にダイヤフラムです。ダイヤフラムが圧力を受けて変形し、変形量を各種の方式を使って電気量に変換します。

変換する方法には、ひずみゲージ式、圧電式、金属薄膜式、静電容量式、光ファイバー式、振動式など多くの種類があります。

1. ひずみゲージ式

ひずみゲージ式は、ひずみゲージをダイアフラムの裏側に貼り付け、ゲージ抵抗値の変化を測定します。ひずみゲージは、変形すると電気抵抗が変化する金属の性質を利用して変形量を測定する抵抗体で、ひずみと圧力を対応させることで圧力の出力が可能になります。

ダイヤフラムに通常4個貼り付け、抵抗の変化をブリッジ回路で電圧の変化として出力します。ひずみゲージに半導体を使用したタイプがあります。半導体は、変形に対する抵抗の変化が、通常のひずみゲージに比べて非常に大きいので、圧力感度が大きいセンサです。

2. 圧電式

圧電式は、受圧部に圧電素子を直接取り付けたタイプです。圧電素子は、圧力を受けると電圧が発生します。

この電圧から圧力が測定できます。感度が高いので小型化が可能で、また堅牢で耐久性に優れているのがメリットです。

3. 金属薄膜式

金属薄膜式は、ダイアフラム上に金属薄膜を形成し、圧力によって変形した金属薄膜の電気抵抗の変化を測定します。ひずみゲージ式よりも高感度で高温下でも使用できることが特徴です。

4. 静電容量式

静電容量式は、固定された電極とダイアフラム電極との間の静電容量を検出する方式です。圧力の変化に応じて変形するダイアフラムの変位量を静電容量の変化として計測し,圧力に換算します。複数のガス種や混合ガスの圧力を測定するのに適しています。

5. 光ファイバー式

光ファイバー式は、ダイアフラムに圧力がかかると、光ファイバー先端の回折格子が変形し、反射する光の波長の変化を測定します。高温・高精度の測定ができ、溶融樹脂の圧力や身体内の血圧測定などに使われます。

6. 振動式

振動式はシリコンのダイアフラムチップに振動子を設け、圧力によりダイアフラムが変形すると、振動子の固有振動数が変化します。振動数の変化を検出して圧力に換算します。高精度・高感度・高分解能などの特徴があります。

圧力トランスデューサのその他情報

圧力トランスデューサの出力信号

圧力トランスデューサの出力は、mV電圧出力と4~20mA電流出力があります。mV電圧出力のタイプは、温度補償がなく、電子機器から20ftの範囲で使用する必要があります。一方、4~20mA電流出力の方は、EMI干渉やノイズの影響を受けにくく、距離の制約もありません。

圧力トランスデューサの出力はアナログ信号で、電圧mV、増幅した電圧V、電流4~20mAの3つが標準的に使用されます。出力電圧は、供給電圧に比例します。

ひずみゲージや金属薄膜式の圧力トランスデューサの出力は、入力1V当たり2~3mVです。また、最新のMEMS技術を使用した圧電式圧力トランスデューサは、入力1V当たり20mVの出力が得られます。

電流出力の場合、4~20mAの出力を得るには、DC8~28Vの供給電圧が必要です。電池の消費が大きい短所があります。

参考文献
https://www.jp.omega.com/prodinfo/pressuretransducers.html
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/3496/
https://www.fujielectric.co.jp/technica/faq/transducer/01.html

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