塩化ビニール手袋

塩化ビニール手袋とは

塩化ビニール手袋

塩化ビニール手袋とは、ポリ塩化ビニル(英: Polyvinyl Chloride、略称: PVC)と呼ばれる合成樹脂を主成分として作られた手袋です。

塩化ビニル手袋や塩ビ手袋、PVC手袋とも呼ばれます。多くの薬品や溶剤に対して耐性がある点が特徴です。これにより、化学物質を取り扱う際に手を保護するのに有利です。

また、 比較的低コストで入手できるため、使い捨てタイプの手袋として広く使用されています。柔軟性も高く、手の動きを妨げずに細かい作業を実施することもできます。

使用する際は手袋を適切に着用し、指先や爪で穴を開けないように注意が必要です。手袋が破損した場合、速やかに新しい手袋に交換します。使用後は地域や法律に従って廃棄物を処理することが重要です。

塩化ビニール手袋の使用用途

塩化ビニール手袋は、さまざまな用途で使用されます。以下は、一般的な使用用途です。

1. 医療

塩化ビニール手袋は医療分野で使用され、感染予防と衛生の確保に重要です。具体的には、手術室での外科手術や薬物投与、採血などが含まれます。医療従事者は患者との直接的な接触時に手袋を着用し、感染病の予防と安全性を確保します。

2. 食品業界

食品業界では、食品の調理時に塩化ビニール手袋が頻繁に使用されます。具体的な用途としては、食材の下ごしらえや盛り付けなどです。これにより、食品の衛生と安全が確保され、食中毒のリスクが軽減されます。

3. 清掃

清掃作業や廃棄物の取り扱い時に非常に便利です。清掃作業員は掃除やゴミ収集などの際に手袋を着用します。これにより、清掃プロセスの効率を向上させ、汚染物質から体を保護することが可能です。

4. 製造業

製造業の作業者は、機械操作や部品の取り扱い中の手の保護に塩化ビニール手袋を使用します。これにより、作業者は機械の動作から手を守り、有害物質から身を守ることが可能です。

5. 一般家庭

一般家庭でもさまざまな用途に使用可能です。清掃や洗濯、庭仕事など、日常的な作業やタスクに役立ちます。これにより、手を汚すことなく作業を行うことができます。

塩化ビニール手袋の原理

塩化ビニール手袋の原理は、ポリ塩化ビニル(PVC)という合成樹脂の特性に基づいています。PVCは塩素とエチレンから合成され、柔軟性のある物質です。耐薬品性と耐久性が高く、多くの薬品や化学物質に対して有効な障壁となります。

また、可塑剤の添加量を制御することで柔らかさを変化させることが可能です。手袋には可塑剤を添加した軟性のポリ塩化ビニルが使用されます。可塑剤としてはフタル酸エステルを使用することが多いですが、食品業界などではコンタミ懸念から異なる可塑剤を使用されることもあります。

ただし、PVCは溶剤への耐性が低いことも多いです。特にトルエンアセトンエタノールなどの有機溶剤に耐性はありません。また、耐熱性も低いため、加熱した装置や機器に触れる作業には塩化ビニール手袋の利用は不利です。

一方で、塩化ビニール手袋は経済性には優れているため、医療や食品業界においては頻繁に用いられます。使用目的に応じて適切な手袋を選択し、安全に使用することが重要です。

塩化ビニール手袋の選び方

塩化ビニール手袋を選ぶ際には使用目的などに合わせて適切な手袋を選びます。以下は塩化ビニール手袋を選ぶ際の基本的な要点です。

1. サイズ

手袋のサイズを選ぶ際には、自分の手のサイズを正確に測定することが重要です。手袋が適切にフィットしないと、作業中に手袋がずれたり、指先が破れたりする可能性があります。

手袋のサイズは通常、S、M、Lなどのサイズラベルで示されます。手袋のメーカーやブランドによってサイズ基準が異なることがあるため、サイズガイドを確認して適切なサイズを選ぶことが大切です。

2. 厚さ

塩化ビニール手袋は異なる厚さで提供されます。一般的な厚さは0.1mmから80.2mmです。必要に応じてさらに厚い手袋も選択できます。

作業の性質によって厚さを選びます。薄い手袋は柔軟性が高い反面、耐久性は低いです。厚い手袋は耐久性がありますが、柔軟性は低下します。

3. 使い捨て・再利用

塩化ビニール手袋は使い捨てタイプと再利用可能タイプがあります。使い捨て手袋は一度きりの使用に適しており、衛生的です。再利用可能な手袋は洗浄して何度も使用できますが、適切なケアが必要です。

4. パウダーフリー

一部の塩化ビニール手袋には、手袋を取り出しやすくするために内部にパウダーが含まれています。ただし、パウダーはアレルギーを引き起こすことがあるため、パウダーフリーの手袋を選ぶことを検討することがあります。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/c-71143/
https://ec.midori-anzen.com/shop/c/cHAEADA/
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/workglove_material/

トルクレンチ

トルクレンチとは

トルクスレンチ

トルクレンチ (英: torque wrench) とは、特定のトルクでボルト・ナットを締結するために使用される工具です。

トルクはねじり力を測定する単位で、通常N・mなどで表されます。トルクレンチを使用することで、所定のトルク値で正確に締結可能です。これにより、部品の締結が適切に行われ、安全性と信頼性が確保されます。特に自動車や航空機のような高度な工学的応用において、正確なトルク制御は欠かせません。

また、過度なトルクをかけることは部品を損傷させたり、緩みを引き起こす可能性があります。トルクレンチを使用することで、これらの問題を防止することができます。適切なトルクで締結された部品は長寿命で、耐久性が高いです。

トルクレンチの使用用途

トルクレンチは、正確なトルクを必要とするさまざまな用途で使用されます。以下は、トルクレンチの主な使用用途です。

1. 自動車

自動車を整備する際などに、ホイルナットやエンジンなどの締結に正確なトルクが必要です。トルクレンチはこれらの部品を所定のトルク値で確実に締結するのに使用されます。また、エンジンのシリンダーヘッドボルトを締める際にもトルクレンチが必要です。

2. 航空機

航空機メンテナンスでは、安全性が最重要視されるため、トルクの正確な制御が不可欠です。航空機のエンジンを取り付けるために高いトルクが必要なため、トルクレンチで管理します。

また、航空機の翼は高い気流力に耐える必要があり、トルクレンチでボルト・ナットを締結することで、飛行中の安定性の確保が可能です。

3. 建設現場

建物や構造物を建設する際に、大量のボルトやネジが使用されます。正確なトルク制御は、建物の耐久性と安全性に直接影響する重要な要素です。鉄筋の締結やコンクリート部品の締結にトルクレンチが使用されます。

4. 工場

工業機器や機械のメンテナンスでは、正確なトルクが機器の性能と信頼性に直接影響を与えます。プレス機や粉砕機などの大型機器は、部品の締結に正確なトルクが必要です。誤ったトルク設定は、機器の寿命を短縮させる可能性があります。

トルクレンチの原理

トルクレンチの原理はトルクを正確に制御し、所定のトルク値に達するとそれを示すことです。最も一般的な原理は、ばねのひずみとクリッカーメカニズムです。

1. ばねのひずみが原理のトルクレンチ

ばねのひずみが原理のトルクレンチは、ねじりばねの原理を利用しています。ばねがトルクレンチの内部に組み込まれており、ヘッドにかけられたトルクがばねに伝わります。トルクがかかるとばねと共にメーター指針が移動し、トルクを指し示す仕組みです。

2. クリッカーメカニズムによるトルクレンチ

クリッカーメカニズムによるトルクレンチは、クリック音と振動を発する仕組みを使用しています。クリッカーメカニズムはばねとピンで構成されており、トルクがかかるとばねが圧縮され、ピンがクリッカーサウンドを発生させる位置に達します。

トルクが所定の値に達するとピンが解放され、クリック音と振動が作業者に通知される仕組みです。

トルクレンチの選び方

トルクレンチを選ぶ際には、考慮すべき点がいくつか存在します。

1. トルク値

トルクレンチは製品によって、測定可能なトルク値の幅が異なります。測定可能なトルク値を超えて使用した場合は、破損や精度の低下の原因となるため注意が必要です。測定幅に対して小さすぎるトルクで使用すると、測定精度が低くなります。

2. 種類

トルク値が異なるさまざまなナットを締める作業に対しては、調整が可能なプレセット型が推奨されます。ホイールのナットの締め付けなど、同じトルク値で何度も締める作業は単能型のトルクレンチが有利です。用途に応じて選定します。

3. 必要な精度

トルクレンチの精度は一般にデジタル型の方が高い傾向です。1N・mを測定可能な製品も販売されているため、高精度な作業ではデジタル型の使用が推奨されます。ただし、デジタル型は高価かつ別途電源が必要であるといったデメリットがあります。

保護キャップ

保護キャップとは

保護キャップ

保護キャップ(Protective Cap)は先が尖っていて危ない線材、丸棒、パイプ、ボルト、ナット、ネジ山、コネクターやケーブルなどにかぶせたり、
差し込んで使うもので、異物混入やゴミ詰まり防止、サビ防止、切断面保護、ケガ防止などの目的で使われるキャップの事です。

シリコン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール(PVC)樹脂などの素材や、色、穴径のサイズと厚みのバリエーションが豊富で、蓄光タイプ、
丸先タイプや角タイプ、六角ボルト用のスクリュー 頭タイプなど様々なタイプがあるので、使用箇所に合わせて選べます。

保護キャップの使用用途

保護キャップは自動車、工業、建築など幅広い現場で各種電線・ケーブル・鋼管・コネクターなどの端末保護や突起部の保護、
ケガ防止のために使われています。

具体的な使用例は以下の通りです。

  • 針金・細いパイプの先端被せ
  • コントロールボタンの先端保護
  • ボンピンの先端保護と防振
  • バナナコネクターの保護
  • 通電端子の絶縁ネジキャップ
  • 単管パイプボルトキャップ
  • 自動車の空いている配管端末のメクラ蓋

その他、塗装用マスキング用途にも使われています。

保護キャップの原理

保護キャップを選ぶ時は 耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、耐油性など、使用箇所に必要な特性を考えて用途にあった材質を選ぶ必要があります。

はめ込みや取り外しが容易で裂けにくいため、ネジ用のキャップ等によく使われる軟質PVC(ポリ塩化ビニール)は塩ビ、塩化ビニルとも呼ばれる材質で、
電気絶縁性・耐油性・耐薬品性・耐寒性・耐摩耗性・耐老化性・可撫性・柔軟性などに優れています。

耐熱温度220℃で、耐熱性に優れ、屋外で紫外線や風雨にさらされても、ほとんど特性に変化がないシリコンは着色が良く調色性に優れており
多様な色のキャップが作られています。

耐熱性はシリコンに劣りますが、安価なEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)は耐候性が優れているのが最大の長所で、耐オゾン性、耐老化性、
耐溶剤性などに優れています。耐油性は劣るため、油が付く環境には適していません。

強酸には侵されるがアルカリには耐久性があるポリエチレンは-60℃~90℃まで断続的に使用でき、パイプキャップや管用ネジ用のキャップによく
使われます。

サイズを選択する際は被せる径より1mm小さいキャップを使用すると、抜けにくくなります。

参考文献
https://www.iwata-fa.jp/html/example/index-27.html#category-title
http://www.sdc-tanaka.co.jp/html/product-parts.html#t3
http://maruichi-kogyo.co.jp/product/product-c/protection-cap/

吊りベルト

吊りベルトとは

吊りベルト

吊りベルトとは、重量機器を吊り上げるために使用されるベルトです。

主に産業や建設現場などで使用され、作業員の安全性に直結する重要な器具です。スリングベルトやスリングとも呼ばれます。吊りベルトは荷物や機器を確実かつ安全に吊り上げるための信頼性が高い手段です。適切に設計されてテストされており、適切に使用される限り事故や落下を防ぎます。

また、さまざまな形状やサイズの物体に適応できる柔軟性があります。そのため、さまざまな重量物の玉掛け作業に使用することが可能です。柔らかな素材で製作される場合が多いため、重量物を傷つけない点も特徴の1つです。

ただし、適切な吊りベルトを選択し、正しく取り付ける必要があります。荷物の重さや形状に合った吊りベルトを選び、正確に設置することが大切です。その上で、損傷がある場合はすぐに修理または交換する必要があります。

吊りベルトの使用用途

吊りベルトはさまざまな産業および建設現場で使用される吊り上げ治具です。以下は吊りベルトの一般的な使用用途です。

1. 建設現場

コンクリートブロックは建物の構築に使用されます。ただし、非常に重いため、クレーンを介して吊り上げられることが多いです。吊りベルトによってクレーンとブロックを固縛することができます。

また、建物の骨組みとして使用される鋼鉄構造物は重量が大きいため、クレーンなどで設置されます。したがって、吊りベルトを使用して設置される場合も多いです。

2. 製造業

工場では大型の機械装置や部品を移動させる必要があります。吊りベルトはこれらの機器をクレーンやホイストに取り付けて安全に移動させるために使用されることが多いです。また、製造ラインに部品や材料を供給する際にも使用されます。

3. 倉庫

倉庫の高所ラックに製品を収納する際に吊りベルトを使用します。吊りベルトによって高所に製品を持ち上げ、ラックに配置することが可能です。トラックやコンテナへの荷物の荷降ろしと積み込みにおいて、吊りベルトとクレーンまたはホイストを使用して、効率的に作業を行うのに役立ちます。

吊りベルトの原理

吊りベルトは、物体を吊り上げたり移動させたりする際に使用される治具です。吊りベルトの原理は物理学の基本原則に基づいています。吊りベルトは物体の荷重を支持し、それをクレーンやホイストなどの持ち上げ装置に転送します。

物体が地面から持ち上げると掛かる重力を吊りベルトによって支える仕組みです。吊りベルトは物体の重さに対するテンションを均等に分散させ、吊り上げられることが可能です。吊りベルトの多くは合成繊維が使用されますが、鋼鉄製が使用されるケースもあります。使用される合成繊維はナイロン、ポリエステル、ポリエチレンなどです。

ナイロン製の吊りベルトは非常に丈夫で柔軟性があり、耐摩耗性が高く、化学薬品に対しても耐性があります。ポリエステル製は強度が高い上に湿気に対しても耐性があるため、屋外での使用に有利です。ポリプロピレン製は軽量で水中使用も可能ですが、耐久性は劣ります。

吊りベルトの選び方

吊りベルトを選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。以下は吊りベルトの選定要素です。

1. 最大荷重

吊りベルトの最大荷重は吊り上げられる荷物の重量をサポートできる能力を示す指標です。最大荷重は吊りベルトの耐荷重性能を表す重要な指標であり、選定時に確認します。選択した吊りベルトの最大荷重は、持ち上げる荷物の重さよりも大きくなければなりません。

2. 全長・幅

吊りベルトの全長は吊り上げられる荷物の高さや距離に合わせて選択される指標です。吊り上げ位置までの距離や高さを計算し、吊りベルトの全長がそれをカバーできることを確認します。

また、吊りベルトの幅は荷物の荷重を均等に分散し、摩擦を提供するために重要です。幅が広い吊りベルトは広い表面に均等に圧力をかけることができ、荷物への負担を減らします。

3. 材質

吊りベルトの材質は使用環境や荷物の特性に合わせて選択される指標です。一般的な材質にはナイロンやポリエステル、鋼鉄ワイヤーなどがあります。材質の選択は耐荷重性や耐摩耗性、耐熱性などに影響します。

参考文献
https://www.toray-intl.co.jp/sling/sling/beltsling/nylonSling/nyl_020.html

クロステープ

クロステープとは

クロステープ

クロステープ (英: Cloth tape) とは、ポリエチレンポリエステルなどを糸状にして、クロスさせた織物で作ったテープです。

コシが強く、テープ切断時に糸くずが発生しづらくなっています、手切れ性が良く巻き戻しが軽いので、作業時間を短縮することが可能です。梱包、外壁、コンクリートなど、あらゆる養生に適しています。

定番のダンボール色のポリエチレンクロス以外に、特殊ラミネートクロスやガラスクロスなどを基材として使ったものもあり、材質や粘着力、カラーが様々なので、使用用途によって適したテープを選ぶ必要があります。

クロステープの使用用途

クロステープは包装や補修、補強など幅広い用途があります。交差する線がテープの強度を向上させているため、強力な接着と補強が必要な場面で重宝されています。

1. 包装業界

クロステープは、荷物や箱の梱包・封緘に広く活用されます。特有の交差する線のデザインが荷物の締め付けを強化し、安全な輸送や保管が可能です。強力な接着力により、さまざまな形状や素材の荷物を確実に固定します。

2. 工業分野

工業分野では、クロステープが補強や修理に役立ちます。機械や装置のパーツが破損した場合に、テープを使用して素早く補修が可能です。その堅牢な補強効果は、緊急の修理だけでなく本格的な修復作業にも適しています。

3. クラフト・DIY業務

布や紙、プラスチックなどの素材を結びつけたり、補強したりする際に、クロステープが重宝します。交差する線のデザインにより、接着部分に均等な負荷がかかり、クラフト作品の安定性を高めます。

4. 一般家庭

日常的な用途でもクロステープは役立ちます。本の補修や家具の修理、雑貨の改良など、さまざまな場面でテープを利用可能です。強力な接着性と耐久性により、一般的な修理や補修作業を簡便に行えます。

クロステープの特徴

クロステープの最も特徴的な部分は、テープの表面に交差する線が存在することです。この線はテープの強度を向上させるだけでなく、テープの全体的な構造の安定性を高めます。

交差する線はテープの引張り強度を向上させ、負荷がかかった際にも均等な応力分散を促進します。クロステープの粘着部分は耐久性が高く、様々な表面に強固に接着することが可能です。

これにより、テープが貼り付けられた場所での補強や固定が効果的に行われ、交差する線のパターンは接着部分の剥離や緩みを防ぐ効果もあります。

クロステープの種類

1. 強力な補強テープ

このタイプのクロステープは、交差する線のパターンと耐久性のある材料により、補修や補強に適しています。紙やプラスチックの補修から、家庭用品や工業製品の補強まで、幅広い分野で使用されています。

2. パッケージングテープ

クロステープの強力な接着性と耐久性は、荷物や商品の梱包にも活用されます。特に、重い荷物や特殊な形状の商品を安全かつ堅牢に包装するために使用されます。

3. 防水テープ

一部のクロステープは、防水性能が高く、屋外や湿った環境での使用に適しています。屋外の設置や防水シーリング、船舶や構造物の補修などに利用されます。

4. ヒートリペアテープ

高温に耐える性能を持つ一部のクロステープは、ヒートリペアやヒートシールの用途に使用されます。加熱によって修復や接着が行われ、熱に強い製品や部品の補修に役立ちます。

5. ファブリックテープ

クロステープの一部は、生地や布地にも使用されるファブリックテープです。衣類や布製品の修理、カスタマイズ、補強に利用されるほか、テキスタイル産業での製造工程にも使用されます。

6. 二重粘着テープ

クロステープの一部は両面に粘着剤を持つ二重粘着テープとして利用されます。特に、壁掛けや装飾、床の敷設などで使用され、安定した接着力を提供します。

クロステープのその他情報

クロステープの素材

クロステープは通常、強度を持つ合成繊維やポリマーを基材として使用します。この材料は高い引張り強度や耐久性を提供するため、テープがさまざまな用途で十分な性能を発揮できるようになっています。製造工程では、材料が交差する線のパターンに配置され、適切な接着剤が組み合う仕組みです。

参考文献
http://www.ss-sangyo.co.jp/item/tape/
https://www.sekisui-pack.com/search/category/tape/cloth/index.html
https://www.okamoto-inc.jp/assets/files/kougyoutape.pdf

吊り金具

吊り金具とは

吊り金具

吊り金具とは、物体を持ち上げたり、吊るしたりするために使用される金具です。

重い物体を持ち上げ移動させる際、安全に保持するのに役立ちます。特にタンクに取り付けられる吊り金具をラグやリフティングラグと呼ぶこともあります。吊り金具は、重い物体を効率的かつ安全に持ち上げるために使用可能です。

これにより、作業効率が向上し、作業時間が短縮されます。また、適切に設計された吊り金具は物体をしっかりと保持して落下事故を防ぎ、作業現場の安全性向上につながります。

ただし、吊り金具には荷重制限が存在する点に注意が必要です。この制限を厳守し、荷物の過度な重量を吊り金具にかけないようにします。

吊り金具の使用用途

吊り金具はさまざまな産業や作業現場で幅広い使用用途があります。以下は、吊り金具の一般的な使用用途です。

1. 照明

吊り金具は照明設備に使用されることがあります。照明の吊り下げには、さまざまな種類の吊り金具が使用されます。これにより、照明装置を天井や壁に取り付け、適切な位置に配置することが可能です。

2. 建設業

吊り金具は建設現場で多く使用され、建材や構造物の移動または取り付けの際に役立ちます。クレーンやリグなどの機械と組み合わせて使用されることが多いです。鉄骨の吊り下げやコンクリートブロックの運搬、建設材料の持ち上げなどに使用されます。

3. 輸送業

トラックや船舶などの輸送手段において、貨物の積み降ろしに吊り金具が必要です。コンテナやパレットに吊り金具を取り付け、クレーンやホイストを使用して貨物を効率的に積み降ろしします。

また、港湾や物流センターでは大型コンテナの取り扱いに吊り金具が使用し、移動や積卸を行うことが多いです。

4. 倉庫

大型商品や機械部品を倉庫の棚に保管する際、吊り金具を使用してこれらのアイテムを持ち上げ、所定の位置に配置します。倉庫内で商品の移動や棚からの取り出しに吊り金具を使用することで作業の効率が向上し、在庫管理が改善されます。

吊り金具の原理

吊り金具は、物体を持ち上げたり吊るしたりするための金具です。その原理は物理的な法則と機械工学の原理に基づいています。

吊り金具を使用する主な目的は、物体を地面から持ち上げることです。万物には地球の重力がかかっています。吊り金具はこの重力を克服し、物体を吊るすことが可能です。

吊り金具の材質は、一般的に堅牢な金属が使用されます。鋼鉄やステンレスで製造された製品が多いです。鋼鉄製が安価な特性から広く使用されますが、ステンレスは錆に強い特性から食品業界や多湿環境で使用されます。

吊り金具の種類

吊り金具はさまざまな形状やデザインがあり、その用途に合わせて選定します。以下は一般的な吊り金具の種類です。

1. フック

フックは物体を吊り上げるための一般的な吊り金具です。フックは留め金で貨物を保持し、チェーンなどに取り付けて使用されます。

2. シャックル

シャックルはU字型の金具です。一般的に高強度の鋼材で作られています。U字型の部分は輪っか状になっており、ボルトやピンで閉じることが可能です。

非常に耐久性があり、荷重があるものにも対応しています。クレーンやウィンチなどの吊り金具として使用されます。さまざまなサイズと形状があり、用途に合わせて選択することが可能です。

3. アイボルト

アイボルトはリング状の金具です。一端にネジがあり、もう一端に目 (リング) が取り付けられています。一般的に高強度の鋼材やステンレス鋼で製造されることが多いです。

物体を吊り下げるための吊り下げ点を提供します。建設現場や工場で使用され、天井から機器などを吊るす際にも有利です。

吊り金具の選び方

吊り金具を選定する際は、機器重量が重要です。特に大型機器では重心も偏ってることが多いため、慎重に選定することが必要です。

機器の対して、吊り金具を垂直に使用できない場合もあります。45°やそれ以上の角度で使用する際は吊り金具にかかる荷重が変化するため、実際に据え付ける際の荷姿も考慮することが必要です。

吊り金具の選定は機器の強度や実際に搬入・据付する際の吊り姿勢なども考慮する必要があります。誤った設計をした場合、落下事故などのリスクが高まります。

参考文献
https://www.kondotec.co.jp/techinfo/shackle/
https://www.takigen.co.jp/products/detail/B-2130?group_id=12130&view=photo&pageno=1&perpage=20&reset=&allitems=&initial=1

旗蝶番

旗蝶番とは

旗蝶番

旗蝶番(Flag hinge)とは、室内ドアや軽量扉、扉、門扉、蓋などの開閉に使う金具で、取り付け、取り外しが容易な抜き差し蝶番の一種です。
金属板を開いた形が、旗に似ていることから、旗蝶番と呼びます。

ナックル部分に樹脂製のブッシュが入っており、摩耗による金属粉が発生しないようになっているものや折曲げて使用できる組立式もあります。

材質は鉄、ステンレス、真鍮、樹脂、アルミニウム、亜鉛合金などがあり、左右勝手違いがあるため、選定の際は扉の寸法や重量、
使用方法から適切な蝶番を選ぶ必要があります。

旗蝶番の使用用途

旗蝶番は箱や棚、軽量扉から重量扉まであらゆる扉やドアに繋げ、スムーズに開閉できるようにするために使用できます。

具体的には玄関ドア、ドアとドアの枠、箱とその蓋、棚本体と扉、超大型重量扉、門扉、配分電盤、制御盤、工作機械、船舶、車両、厨房機器、
屋外用機器、キュービクル、防潮大型扉、港湾施設、大型船舶、石油コンビナート、原子力発電プラント、表面処理機器、環境機器、海洋機器
などに使用されています。

旗蝶番の原理

旗蝶番は2枚の金属板である旗が1本の芯棒に繋ぐように、それぞれの旗をネジやボルトで扉側と取りつけ側に1枚づつ固定するというシンプルな
構造になっています。

旗部分が、扉側と取りつけ側で上下に分かれていて、吊り込む時には蝶番を先に付けておけば扉を上から差し込むことが可能です。芯棒を中心にそれぞれの
旗が360度回転できるのも旗蝶番の特長です。

汎用的な旗蝶番であるアルミニウム製の他、ステンレス、亜鉛合金、鉄などが素材として使用されています。
ステンレス製は耐食性に優れて、耐荷重100kg程度の屋外用機器や船舶などに使用できる重量用の蝶番です。
鉄鋼製で、亜鉛めっきで表面を仕上げた旗蝶番は100kg以上の超大型重量扉に使用できます。
アルミやスチール枠扉には建具を掘り込まないで取り付ける面付タイプの亜鉛合金製が最適です。

ナックル部分に樹脂製のブッシュが入っており、摩耗による金属粉が発生しないようになっているものや折曲げて使用できる組立式もあります。
左右勝手違いがあり、扉を手前に引いて左吊元は左勝手、扉を手前に引いて右吊元は右勝手として区別できます。

参考文献
https://search.sugatsune.co.jp/product/g/gZL-1701/?category=200203
https://www.takigen.co.jp/products/list/12041
https://www3.roymall.jp/shop/e/ehinge/

アンテナケーブル

アンテナケーブルとは

アンテナケーブル

アンテナケーブルとは、地上波放送や衛星放送を受信するために使用するケーブルです。

テレビやHDDレコーダの背面のF接線端子といわれる専用の端子に接続します。地上デジタル放送は室外に設置された専用のUHF受信アンテナにて放送信号を受信します。

BSデジタル放送やCSデジタル放送の場合には、専用のパラボラアンテナを使用して放送信号を受信します。BSおよびCSデジタル放送の放送波は比較的同一方角に位置する放送衛星から送られてくるため、1つのパラボラアンテナで双方の放送を同時に受信することが可能です。

アンテナケーブルの使用用途

アンテナケーブルは、アンテナで受信した放送を映像機器へ分配するために使用されます。以下はアンテナケーブルの使用一例です。

  • 家庭用テレビの放送受信用
  • ブルーレイプレーヤ用
  • HDDレコーダ用
  • 同軸カメラ用

主に放送送受信用に使用されます。ただし、同軸ケーブルであるため、プラグが合えばカメラの映像送信にも使用可能です。

アンテナケーブルの原理

アンテナケーブルは同軸ケーブルと呼ばれる種類のケーブルです。芯線、絶縁体、外部導体、外部被覆で構成されます。

1. 芯線

芯線は電気信号を送受信する部分です。多くの場合は銅線が使用され、撚線構造を使用せず単芯構造なのが特徴です。主に直径は5.4mm・6mm・7.7mmの3種類が使用されます。

2. 絶縁体

絶縁体は芯線と外部導体を絶縁する部材で、主にポリエチレンが材料の場合が多いです。外部被覆は、ケーブル全体を外部環境から保護するための部分で、材料はビニールなどです。

3. 外部導体

外部導体は絶縁体の外周を取り囲む信号用配線で、材料は網目状のが使用されます。外部導体は一般的に接地させて使用され、芯線をノイズから保護する遮蔽層としての役割もあります。

外部導体と芯線間の微弱電圧で信号を伝送しています。

アンテナケーブルのその他情報

1. アンテナケーブルによる信号分配

放送信号はアンテナから受信した後にケーブルを通して、各部屋の壁面端子まで送られます。アンテナと壁面端子が離れている場合や多くの部屋がある場合には、ブースターと言われる機器で信号増幅して分配します。

壁面端子以降はアンテナケーブルによって受信機器へ送られます。地上波とBS/CS放送の周波数は大きく異なるため、これらの信号はそれぞれ別のケーブルを使用しなければなりません。

2. 地上波放送とBS/CS放送の違い

地上波は周波数範囲が470~710MHzの放送です。この放送信号はテレビなどの受信機内部で処理可能な信号に変換されます。

470~710MHz帯の高周波信号はベースバンド信号と言われる周波数帯に変換された後に、B-CASカードを使って暗号を解除します。信号中には映像・音声信号や番組情報信号などが混ざっているためそれぞれ分離します。分離された信号は展開や変換 (デコード)が実施され、最終的に画面上へ投影されます。

BS放送
BS放送は「Broadcasting Satellites」の略称です。パラボラアンテナで受信し、BS-IFと言われる周波数帯1022~1522MHzにダウンコンバートされてBS放送用チューナに入力されます。

CS放送
CS放送は「Communication Satellites」の略称です。110度CSデジタル放送とも呼ばれます。BS放送同様にパラボラアンテナで受信し、CS-IFと言われる周波数帯1572~2072MHzにダウンコンバートされてCS放送用のチューナに入力されます。

3. アンテナケーブルの規格

アンテナケーブルには、「S-5C-FB」といった品番が印字されています。この印字には、アンテナケーブルの規格などが表示されています。

先頭文字
先頭の「S」は衛星放送に対応していることを意味し、対応していない場合には無表記となります。

2番目文字
2番目の「5」はケーブルの太さ (単位:mm) を表しています。「2」は外径約4mm、「3」は外径約5.4mm、「4」は外径約6mm、「5」は外径約7.7mmです。

3番目文字
3番目の「C」はケーブルのインピーダンスを意味しています。「C」は75Ω (テレビ用) 、「D」は50Ω (無線用) です。

4番目文字
4番目の「F」は絶縁体の材質を表しています。「F」は材質が発泡ポリエチレンで、「2」は材質がポリエチレンです。

5番目文字
最後の「B」は編線組の種類を意味しています。「B」は編線組の内側にアルミ箔を巻いた構成、「V」は編線組一重、「W」は編線組二重、「T」は編線組三重であることを表しています。

4. アンテナケーブルプラグの種類

アンテナケーブルのプラグには、いくつか種類があります。プラグは接続するアンテナケーブルの種別や使用場所などに応じて、最適なものを選択することが重要です。

ストレートタイプ
もっとも一般的なプラグで、テレビとレコーダーとの接続などに適しています。ケーブルを曲げると負荷がかかりやすいため、狭い場所での使用には不向きです。

L型プラグ
L字状にプラグが屈曲した形状で、狭い場所での使用に適しています。

F型プラグ
内側にネジ溝が形成されたプラグです。アンテナケーブルとねじ込みながら接続します。ネジ式のため接続が外れにくいというメリットがあります。

混合型
一端がストレート形状、他端がL型形状など、両端で形状が異なるタイプです。

参考文献
https://thebest-1.com/a4563/
https://minantena.com/knowledge/cable.html
https://www.sun-ele.co.jp/support/how/bs_freq.html
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/cable_type/
http://www.satellite.co.jp/coaxial-cable.html
https://www.antenakoji110.com/news/20200413-4.php

塗装用養生シート

塗装用養生シートとは

塗装用養生シート

塗装用養生シート (英: Paint Curing Sheet) とは、塗料が飛散して周囲に付着しないように保護するためのシートです。

建設現場、リフォーム、塗装業者などさまざまな分野で広く利用されており、作業の効率向上と品質向上に寄与します。塗装用養生シートは建物の壁や床など、塗料から既存物の表面を保護するのが役割です。これにより、不用意な汚れや傷つきを防ぎ、作業後の清掃作業を軽減することが可能です。

また、塗料の飛散や微粒子の拡散を防ぎ、作業場の安全性も向上します。一般的に軽量で取り扱いが簡単で、必要に応じて切り裂いたり配置したりすることができます。一部の塗装用養生シートは洗浄して再利用もできるため、経済的にも優れた製品です。

ただし、塗装用養生シートは通気性が低く、塗料の揮発物が外部に排出されない場合があります。揮発性の高い塗料を扱う際には、適切な換気が必要です。

塗装用養生シートの使用用途

塗装用養生シートは、リフォームや塗装作業など建設関連の企画でさまざまな用途に使用されます。以下は塗装用養生シートの主な使用用途です。

1. 建築

塗装作業時に、壁と天井の周囲に養生シートを設置して、塗料の飛散や滴りを防ぎます。これにより、塗装が付着しないように、壁や天井の表面を保護することが可能です。

また、床面を保護するためにも使用されます。特に室内の床材やタイルを保護し、塗料や建設材料の落下やこすれから守ります。これにより、床材の交換や修復を回避することが可能です。

2. 塗料の調合エリア

塗料を調合するエリアでは、養生シートが作業エリアを覆い、塗料の飛散やこぼれを防ぎます。これにより、清潔で安全な環境で塗料調合が行うことが可能です。

3. 屋外

塗装用養生シートは室内作業だけでなく、室外の塗装作業や建設作業にも使用されます。特に風や雨の影響から作業エリアを守る際に有利です。これにより、塗料の架線などへの漏洩を防止することが可能です。

4. 自動車

自動車の塗装作業時、車体の周囲に養生シートを設置し、車体表面を保護します。これにより、塗料の飛散や塗装中の傷つきを防ぎ、塗装を均一で美しく仕上げることが可能です。また、自動車のウィンドウやホイールなどの部品も保護の対象です。

塗装用養生シートの原理

塗装用養生シートは、一般的に不透性のフィルムで構成されます。基材に表面処理などを施すことで製造されることが多いです。

塗装用養生シートの基材はシートの主要な構造要素です。通常は耐久性のあるポリエチレン (PE) やポリプロピレン(PP)などのプラスチック材料で作られています。これらの材料は撥水性が高く、塗料や水分が浸透しないように設計されています。

塗装用養生シートの一側または両側に、特殊な処理が施されることがあります。これにより、表面が滑りにくくなり、塗料の付着を防ぎつつ滴りを抑制することが可能です。また、透明な製品は透明性を保つための表面処理が行われます。

塗装用養生シートの種類

塗装用養生シートにはいくつかの異なる種類があり、それぞれ異なる特性や用途に適しています。以下は代表的な塗装用養生シートの種類です。

1. ポリエチレンシート

ポリエチレンシートは、ポリエチレンが材料のシートです。通常は透明または半透明で、耐久性があります。薄いシートから厚いシートまでさまざまな厚さの製品を購入可能です。

一般的な塗装用途で広く使用されます。壁や床の保護や室内外での塗装作業などに適しています。

2. 不織布シート

不織布シートは、不織布材料から製造された養生シートです。不織布は織り込まれていない繊維が熱で結合されたもので、薄いプラスチックシートと比較して破れにくいのが特徴です。柔軟性があり、曲面に適した製品もあります。

3. 片口コロナ処理シート

片口コロナ処理シートは、プラスチックシートに片口コロナ処理が施されたシートです。この処理により、シートの表面エネルギーが増加して接着性が向上します。シートの表面に塗料を効果的な付着することが可能です。

参考文献
https://www.nitto-lmaterials.com/product/curing/#dr_cur_sheet
https://www.diatex.co.jp/publics/index/137/
https://www.jefcom.co.jp/
https://www.diy-shop.jp/second/penki/paint/curing.html

LANコネクタ

LANコネクタとは

LANコネクタ

LANコネクタとは、ケーブルとPCなどのネットワーク対応機器を接続する際に使われているコネクタです。

ケーブル側にはオスのコネクタ、ネットワーク対応機器側にはメスのコネクタがついています。このコネクタがネットワークケーブルと接続することにより、機器とネットワークとの橋渡しをしています。

LANコネクタとして一般的に使われているのがRJ-45というタイプのプラグです。ピン数は8ピンでデータの送信ピン、受信ピンからなっています。逆刺しができないに工夫されていたり、差し込んだ後に抜けにくくするためコネクタの先端には爪がついたりしています。

LANコネクタの使用用途

LANコネクタは、ネットワーク対応機器をケーブルを介して確実にネットワークへ接続するために使用されます。ケーブル側のオスコネクタは、ケーブルと圧着されており、ネットワーク機器側のメスコネクタは、ネットワーク機器内のLAN通信回路上に半田付けされます。

LANコネクタの原理

LANコネクタは、8端子のコネクタです。端子配列は規格で定められており、各コネクタ共通です。LAN通信は差動信号による通信のため、LANコネクタも差動通信に対応できるように送信用端子、受信用端子それぞれ+、ーと独立しています。

LAN通信は、カテゴリー5は100bps,100MHz、カテゴリー6は1Gbps,1GHzと高速通信です。LANコネクタの伝送性能は、高速な通信に対応できるように、周波数が上がっても信号減衰量が低くなっています。LANコネクタは、使用するLAN通信の速度によって使用する端子が異なり、カテゴリー5で通信する際は4端子のみ使用しますが、カテゴリー6で通信する際は、8端子すべてを使用します。

LANコネクタの形状は、オス型とメス型共に、アメリカ合衆国の米国連邦通信委員会FCC (Federal Communication Commission) で規定され、全世界で共通化されています。

LANコネクタの選び方

使用するLAN通信の速度に合わせて、LANコネクタを選定します。LAN通信の一般的な速度は、カテゴリー5の100bps、カテゴリー6の1Gbpsです。

カテゴリー5、カテゴリー6共に使用するコネクタの形状は同じですが、カテゴリー5のみ対応のコネクタは、伝送性能がカテゴリー6に対応してません。カテゴリー6で通信している所にカテゴリー6非対応のコネクタを用いると、通信信号波形に規定以上の減衰が発生し、通信エラーが発生する可能性があります。

カテゴリー6に対応しているコネクタは、カテゴリー5にも対応することになりますが、部品コストが上がるデメリットがあります。

LANコネクタのその他情報

1. パルストランス内蔵コネクタ

LAN通信は非常に長いケーブルを用いて通信するため、ケーブルと通信機器側のLAN通信回路を絶縁する必要があります。また、LAN通信回路にはパルストランスを搭載しなければなりません。

通信回路の省スペース化、パルストランスの実装コストを下げるために、LANコネクタにパルストランスが内蔵されているコネクタも存在します。LANコネクタにパルストランスを内蔵するデメリットは、コネクタの奥行きが大きくなることです。

2. LED内蔵コネクタ

コネクタにLEDが内蔵されているコネクタも存在します。一般的に搭載されるLEDは緑と赤で、LAN通信の状態を判別するために使用されます。通常は緑が正常状態、赤が異常状態です。LANコネクタにLEDを内蔵するデメリットは、コネクタの高さが大きくなることです。

3. 金属シェル

コネクタの外装部が、金属シェルで囲まれているコネクタも存在します。コネクタを金属シェルで囲むことで、外来ノイズがコネクタからケーブルに入り込むのを防いだり、外来ノイズがコネクタからネットワーク機器に入り込んだりするのを防げるため、EMC性能が向上します。金属シェル付きのLANコネクタのデメリットは、コネクタの高さや幅が大きくなることです。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/el_wire/E1424000000/E1424100000/?CategorySpec=SP487318%3A%3Ac
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/
https://prebell.so-net.ne.jp/tips/pre_17112101.html
https://note.cman.jp/network/lan_cable_cross.cgi
https://www.daitron.co.jp/