旗蝶番とは
旗蝶番 (はたちょうづがい) とは、室内ドアや軽量扉、扉、門扉、蓋などの開閉に使う金具です。
板状の部分を開いた形が旗に似ていることからこの名前がつきました。名称の通り軸を中心に上下に分割でき、扉の取り外しや取り付けが簡単に行えるのが特徴です。旗蝶番は室内用家具の扉の取り付けから重量のある機械の鉄製の扉まで、様々なところで使われています。材質は鉄、ステンレス、真鍮、樹脂、アルミニウム、亜鉛合金など多くの種類があります。
旗蝶番の使用用途
旗蝶番は、小さな箱の蓋や身近な家具の扉から屋外設備の重量扉まで、あらゆる蓋や扉、ドアの取り付けに使用されています。
身近なところでは、玄関ドアのドアとドア枠の取り付け部分、書棚や食器棚などの家具の扉、門扉などで使用されています。小さな箱類の蓋の取り付けにも旗蝶番が使用されています。
工場や、倉庫、商業施設などにおいては、分電盤、制御盤、工作機械、厨房機器、屋外用機器などに付随する扉に使用されています。また、屋外で使用する車両や船舶の扉や、港湾施設にある防潮堤の扉など超重量物の開閉用でも、広範囲に使用されています。
旗蝶番の原理
旗蝶番は、2枚の金属板である旗が1本の芯棒に繋ぐように、それぞれの旗をネジやボルトで扉側と取りつけ側に1枚づつ固定するというシンプルな構造になっています。旗部分が扉側と取りつけ側で上下に分かれていて、吊り込む時には蝶番を先に付けておけば扉を上から差し込むことが可能です。芯棒を中心にそれぞれの旗が360度回転できるのも特徴です。
またナックル部分に樹脂製のブッシュが入っており、摩耗による金属粉が発生しないようになっているものや折曲げて使用できる組立式もあります。他には左右勝手違いの旗蝶番もがあり、扉を手前に引いて左吊元は左勝手、扉を手前に引いて右吊元は右勝手として区別できます。
旗蝶番の種類
旗蝶番にはステンレス、アルミ、亜鉛合金、真鍮などの金属製の素材が使われているほか、樹脂や木材のような非金属素材も使用されています。旗蝶番を選ぶ際は、取り付ける扉の大きさや重さに適したサイズと耐荷重性に加え、使用用途に合った材料を選択することが必要です。
1. ステンレス製
ステンレス製の旗蝶番は耐食性に優れており、耐荷重100kg程度の屋外用機器や船舶などに使用できる重量物にも適した蝶番です。
2. アルミ製
アルミ製の旗蝶番は軽量で錆びにくく、加工性が高いのが特徴です。軽量なドア、引き戸、システムキッチンなど軽量化が求められる場所や、デザインの自由度が高い場所での使用に適しています。
3. 亜鉛合金製
鉄製で亜鉛めっきで表面を仕上げた旗蝶番は、100kg以上の超大型重量扉に使用できます。アルミやスチール枠扉には建具を掘り込まないで取り付ける面付タイプの亜鉛合金製が最適です。
4. 真鍮製
真鍮製の旗蝶番は耐食性があり、美しい光沢を持ちます。さらに経年変化で色が深まり、アンティークな雰囲気が楽しめます。このような特性から、高級家具やアンティーク調のインテリア、デザイン性の高いドアなど、高級感や重厚感を表現したい場合に適しています。
5. 樹脂製
樹脂製の旗蝶番は金属製に比べて非常に軽量です。耐腐食性に優れ水や湿気に強く、屋外や水回りでの使用も可能です。また静音性に優れ、開閉時の音が静かです。クローゼットや食器棚、ガーデンファニチャー等の軽量扉の取り付けに適しています。
6. 木製
木製の旗蝶番には温かみのある質感があり、インテリアに自然な雰囲気を与えます。また金属製に比べて重厚感があり、高級感のある印象を与えます。木製ドアやアンティーク風の家具に使用することにより、雰囲気を引き立たせます。
参考文献
https://search.sugatsune.co.jp/product/g/gZL-1701/?category=200203
https://www.takigen.co.jp/products/list/12041
https://www3.roymall.jp/shop/e/ehinge/