盤木とは
盤木とは、重量物の下に敷いて隙間を作りつつ安全に支持する角材です。
船体を進水まで支える目的で造船所が考案した資材であり、厚い角材を積み重ねて高さを調整しながら荷重を受け持ちます。木材製が主流ですが、近年は鋼材やコンクリート製の製品も見られ、安全係数や耐久性に応じて選択されることが多いです。一般的な寸法は幅20cmで長さ1m前後で、成人が一人で持ち運べる重量に抑えられています。
荷と地面の間に隙間を設け、クレーンワイヤやフォークリフトの爪を差し込みやすくすることも可能です。衝撃を吸収する木材特有の弾性が荷の損傷を抑えつつ、床面のへこみも防止できます。造船にとどまらず、建築現場やプラント設備の搬入など、重量物を扱う多様な現場で重宝される基礎資材です。
盤木の使用用途
盤木は以下のような用途で使用されます。
1. 物流
大型設備や鋼材を倉庫で積み替える際、盤木を床と荷の間に差し込むと20cm前後の隙間が生まれます。この隙間がフォークリフトの爪差しや玉掛け作業を円滑にし、荷の下へ手を入れる危険を減らします。木材の弾性が衝撃を和らげるため、荷崩れや床面の損傷も防止することが可能です。繰り返し使用しても消耗が少なく、保守コストが抑えられる点も物流現場に適しています。
2. 製造業
プレス機や大型工作機械を設置する際、盤木を重ねて高さを微調整すれば水平を確保したまま据え付け作業が行えます。ジャッキアップ用の一時支持台としても機能し、負荷を広い面で受けるため架台の変形を防ぎます。長期保管中の部品や治具の下に敷けば通気性が向上し、錆やカビの発生を防止することが可能です。
3. 建築
鉄骨やコンクリート部材を現場に搬入した際、盤木を敷くことで地面の凹凸を吸収しながら部材を水平に支持することが可能です。クレーンで吊り上げる前に高さをそろえられるため、工期短縮につながります。仮設柱の根元に盤木を組めば荷重が分散し、地盤沈下のリスクが低減します。木材は切削が容易なため、現場ごとに必要な寸法へ加工でき、重機を使わず人力で配置可能です。