ラインファン

ラインファンとは

ラインファンは、吸音材を貼り付けた丸型などのボックスの中にファンと電動機を内蔵した送風機の一種です。空調や換気の設備として、事務所やホテル、映画館、工場など様々な建築物で利用されます。その多くは、天井裏などに吊るすようにして設置され、通風路であるダクトとつなぐことで、居室内の空気や外の空気を搬送します。

ラインファンの他には、遠心ファンや軸流ファンがあります。ファンの特徴としては、遠心ファンは圧力が高くなり、軸流ファンは風量が多くなります。ラインファンは、斜流ファンを内蔵しており、このファンには、遠心ファンと軸流ファンの中間の特性があります。

ラインファンの使用用途

ラインファンは、送風機の一種であり、空気調和、給気及び排気を目的として、高層ビル、病院、ホテル、学校、劇場、工場など、ほとんどの建築物で使用されます。その多くは、天井裏などに施工されたダクトに合わせて、吊るすようにして設置されることが多いです。

ほとんどのラインファンは、ファンとして斜流ファンを内蔵しています。この斜流ファンは、風量と圧力のどちらも必要な場合に使われるため、使用用途としても、そのような状況に適しているといえます。

ラインファンの原理

ラインファンは、斜流ファン、電動機、内側に吸音材を貼り付けた丸型もしくは角形のボックスなどで構成されます。ファンは遠心ファンを内蔵する場合もあります。ファンの駆動方法は、ほとんどが、ファンと電動機を直接つなげる直動式ですが、ベルトによる駆動方法も採用されています。最近のボックスは、ファンとのすき間を埋めるように吸音材を配置し、その吸音材でファンを固定するような構造となっています。

ファンは、その回転によって空気などの気体にエネルギーを与える回転機械です。遠心ファンは吸い込んだ気体を直角に曲げ吐き出すが、扇風機などに使われる軸流ファンは、気体を後方に送り出します。そのため、遠心ファンは遠心力による増速、増圧効果がありますが、軸流ファンはその効果がほとんどありません。ラインファンに使用される斜流ファンは、斜め後ろに風を送り出すため、遠心力の効果が得られます。その特性は、遠心と軸流の中間となり、角度を変更することで、遠心もしくは軸流の特性に近づけることができます。

参考文献

https://www.ebook.ebara.com/handbook/fan/50HZ/index_50HZ.html
https://www.ebara.co.jp/about/technologies/abstract/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/08/24/250_P38_1.pdf

ブラストマシン

ブラストマシンとは

ブラストマシンとは、物質に研磨剤を高圧・高速で吹き付けることにより、表面状態や組成を変化させる機械のことです。

ブラスト (噴射する) という意味から、ブラスターとも呼ばれます。研磨剤の種類によっては、サンドブラストやアルミナブラストなどが存在し、噴射構造によっては、エアーブラストやショットブラストといった名称で区別されます。

自動車や飛行機部品の加工において、精密な仕上げや表面改質が求められる場合に利用されます。建築物の強度向上にも寄与し、耐久性の向上が期待できます。さらに、半導体の製造過程でも、接着の下処理として重要な役割を果たしている機械です。

ブラストマシンの使用用途

ブラストマシンは、主に3つの目的で活用されています。

1. 表面粗さの向上

滑り止め処理や塗装の下地処理が可能です。滑り止め処理は、歩行者が滑らないように床面を荒らすことで安全性を高めるのに役立ちます。

また、塗装の下地処理では、表面を荒らすことで塗料の密着性が向上し、耐久性が増します。

2. 剛性の向上

旅客機ボディの強度向上や陸上競技の砲丸玉に活用されています。旅客機ボディでは、ブラスト処理により金属表面の応力を緩和させ、疲労強度の向上を実現可能です。

陸上競技の砲丸玉では、表面を硬化させることで剛性が増し、競技者の投擲性能が向上します。

3. 物質表面の清浄度の向上

具体的には、錆落としや切削後のバリ取り、酸化被膜の除去などが行われます。製品の寿命が延びるだけでなく、美観も向上し、品質の維持が図られます。

ブラストマシンの原理

ブラストマシンは、粉状の物質を圧縮空気や羽根車で高速噴射し、金属や樹脂などの表面に凹凸をつける機械です。圧縮空気で噴射するものをエアーブラスト、羽根車で噴射するものをショットブラストと呼びます。

ブラストマシンは、大型のものから小型のものまでさまざまなサイズがあり、ロボット等と組み合わせて無人でブラストを行ったり、研磨剤を吸引するノズルを使用したりします。研磨剤の種類、吹き付ける強さ、ノズルや距離によって多様な表面状態にすることが可能です。

一般的な研磨剤には、アルミナ、砂、石、亜鉛粒、鉄などがあります。角のある研磨剤を吹き付けると、表面に凹凸を作り、摩擦のある面を作ることが可能です。また、球状の研磨剤を吹き付けることで、金属を締める効果があります。刃物の鍛造と同じ原理で、ブラストした金属の硬度を高められます。

さらに、壊れやすい研磨剤を低速で吹き付けることで、表面粗さをほぼ変化させずに表面を研掃することが可能です。錆落とし、活性面の露出、切削加工後のバリ取りに利用されます。

ブラストマシンの種類

ブラストマシンは、表面処理の技術として幅広く利用されており、その種類も多岐にわたります。主にエアーブラストマシン、ショットブラストマシン、ウェットブラストマシンの3種類が存在します。

1. エアーブラストマシン

エアーブラストマシンは、コンプレッサで作られた圧縮空気を使用して、研磨剤を高速で噴射するタイプのブラストマシンです。手軽でコストパフォーマンスが高く、広範囲の表面処理が可能です。一方で、研磨剤の回収や粉塵の対策が必要になります。

2. ショットブラストマシン

ショットブラストマシンは、モーターを接続した羽根車によって研磨剤を高速で噴射するタイプのブラストマシンです。主に大型の金属製品や建築資材の表面処理に適しており、高い効率で作業ができます。また、研磨剤の回収が容易で、粉塵の発生も抑えられます。

3. ウェットブラストマシン

ウェットブラストマシンは、水と研磨剤を混合したスラリーを噴射するタイプのブラストマシンです。水によって研磨剤の衝撃力が緩和されるため、繊細な表面処理が可能で、微細な仕上げが求められる部品に適しています。また、粉塵の発生が抑えられ、環境負荷も低いのが特徴です。

参考文献
https://www.hidaka-sa.co.jp/with-blast/

ビジョンセンサー

ビジョンセンサーとは

ビジョンセンサーとは、カメラで撮影した画像をコンピューターで処理することによって、さまざまな検査ができる装置です。

近年の製造業では、製造ラインの高速化や製造品種の多様化が進んでおり、それに伴って求められる品質レベルもますます高くなっています。

これらを満たすために、全数目視検査が余儀なくされていますが、人件費の高騰や人員不足、検査員育成に長時間を要するといった、さまざまな問題や課題があります。

そこで、従来の目視検査に代わる検査手段として、ビジョンセンサーが採用される機会が増えている状況です。

ビジョンセンサーの使用用途

ビジョンセンサーは、さまざまな業界で採用されています。大きく分けて、以下の5つの用途があります。

  • 製品の有無や入り数のカウント・異品種の検出などをおこなう検査
  • 産業ロボットなどに製品の位置情報をフィードバックするための位置決め
  • 製品の寸法が規格通りに出来ているかの寸法検査
  • キズやサビなど、さまざまな外観上の欠陥を見つける外観検査
  • 基板上の文字を認識する認識検査

検査員による目視検査の場合、数量のカウントや品種の間違え、判断基準が曖昧になってしまい欠陥を見逃してしまう可能性もあります。それに対して、ビジョンセンサーの場合、判断基準はあくまでも数値で管理できるため、適切に設定することによって安定した検査が可能です。

ビジョンセンサーの原理

ビジョンセンサーによる画像検査は、ハードウェアとそれを動かすソフトウェアの両輪で成り立っています。ハードウェアは、カメラやレンズ、照明などが当てはまります。

検査したい内容が確実に撮影できることが画像検査の重要なポイントです。そのため、ハードウェアの適切な選定が、正確な画像検査には必要不可欠と言えます。 ソフトウェアには、アルゴリズムとプログラムがあります。

画像検査アルゴリズムとは、画像を解析し検査対象が正しいかどうかを検査する手段のことです。画像にある、キズやサビ、異物といった欠陥を、コンピューターにNGとして検出するためには、適切に画像検査アルゴリズムを構築する必要あります。

カメラによって撮影した画像を、画像検査アルゴリズムによって整理することで、さまざまな欠陥や位置情報などを演算、出力して機器の動作に活かすことが可能です。アルゴリズムをもとに、C言語などのコンピューター言語によって、入力と出力を関連付けて検査が進行するように組み立てられたものが、プログラムになります。ハードウェアとソフトウェアが正常に機能することで、ビジョンセンサーとして活用できるようになります。

ビジョンセンサーのその他情報

1. ビジョンセンサーとカメラの違い

いずれも、CMOSやCCDといった撮像素子と光学レンズを組み合わせて、画像や映像を撮影・デジタルデータに変換する機材というところまでは同様です。カメラ (デジタルカメラ) では、そうして得られた画像や映像を保存し、後に見直したり、書類等の作成に活用したりするのが主な用途です。

一方、ビジョンセンサーは得られた画像や映像を基にコンピュータを用いてリアルタイムに解析を行います。これまで人が目視で行っていた外観や数量などの検査を行う、寸法や角度を測る、センサーの代わりに使用することが可能となります。

また、機種や設定の仕方によっては検査に使用した画像・映像を残しておき、トレーサビリティに使用することも可能です。

2. ビジョンセンサーの使い方

まず、ビジョンセンサーのカメラが正しく画像・映像を撮影できるように準備をする必要があります。いかに高機能なビジョンセンサーであっても、そもそもきちんと撮影ができなければ、本来の性能を発揮することはできません。

使用するビジョンセンサーやレンズの選定、ビジョンセンサー本体や検査対象物の固定、位置関係、周囲の明るさ (太陽光の時刻による変化を含む) など多くの点に配慮が必要です。場合によっては、専用に照明や遮光板・遮光覆いを設置するケースもあります。

ビジョンセンサーは製品にもよりますが、撮影した画像や映像からマスターとして登録した特定の形状を探す、特定の領域の色を調べる、直線や円を探す、寸法を測るといった多くの処理を行うことが可能です。検査したい内容に応じて、適切な処理を行うよう設定します。

極端に明るめに (暗めに) 撮影する、色を反転させる、ノイズ除去するなどといった「前処理」を行うことで、その後の検査がしやすくなったり、精度が向上したりすることがあります。検査結果に関しても、接点出力で出力するもの、イーサネットなどの通信で出力するものなどがあり、対応するホスト (PC、PLCなど) の選定も必要です。

参考文献
https://www.cognex.com/ja-jp/what-is/vision-sensors/how-do-vision-sensors-work
https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/snsr/sensor/items/vs/index.html
https://www.keyence.co.jp/products/vision/
https://www.cognex.com/ja-jp/what-is/vision-sensors/advantages

USBアダプタ

USBアダプタとは

USBアダプタ

USBアダプタとは、家庭用の交流電源をUSB用電源へ変換するACアダプタの一種です。

USBの正式名称は「Universal Serial Bus」であり、異なる形状のポートを統一化する目的でつくられた規格の一つです。アダプタとは、異なる種類の媒体を仲介する器具を指します。したがって、USBアダプタはUSBポートとコンセントなどを変換する器具です。

USBアダプタの使用用途

USBアダプタは、日常生活でも頻繁に目にする器具です。USBアダプタの使用用途は主に以下の2つがあります。

  • 携帯電話やタブレットをはじめとする電子機器の充電
  • 電子機器同士の情報伝送

USBアダプタは、家電量販店はもちろんコンビニでも安価かつ手軽に入手可能です。

USBアダプタの原理

USBアダプタの場合、コンセントによる交流電源入力の製品が主流です。この製品は、コンセント・USBポート、ケース、AC-DCコンバータ、などで構成されます。

コンセントは家庭用AC100Vタイプが主流です。2本の電源用プラグがあり、抜け防止用の穴が開いています。USBポートは一般的なType-Aの場合、内部が4つの導体に分かれており、両端の2か所が電源用です。

ケースは内部部品を保護し、感電を防止するのが目的の部品です。絶縁性が高い樹脂などが使用され、AC-DCコンバータでAC電源をDC5Vへ変換します。変換の効率や容量は、AC-DCコンバータの性能によって決定されます。

USBアダプタのその他情報

1. USBアダプタと規格

USBの規格統一化により互換性が改善され、消費者の利便性が大幅に向上しました。ただし、USBアダプタだけで携帯電話等の充電ができるわけではなく、USBをMicro BやType-Cなどに変換するUSBケーブルが別途必要です。

USBには情報処理速度の進歩により規格が多種多様にあります。最も主要なタイプはUSB Type-Aと呼ばれるもので、多くのパソコンに採用されています。一方で、Type-Cは近年急速に普及したタイプで、スマートフォンやハイエンドパソコンに採用されています。

2. USBアダプタと充電速度

充電の速度はUSBアダプタの最大電力に依存します。USBは規格として電圧がDC5Vと定められているため、多くの場合は高電流容量のアダプタを使用することで急速充電が可能です。

ただし、USBケーブルの仕様によってはUSBアダプタ本来の性能を得られない場合があります。こうした理由からUSBアダプタや付属のUSBケーブルを購入する際は、スペック情報の確認が必須です。

3. USBのバスパワーとセルフパワー

USB規格で動作する製品は、バスパワーとセルフパワーで動作するものに分かれます。このうち、USBアダプタが必要となるのはセルフパワーで動作する機器のみです。

バスパワーとは、PCなどのUSBポートから電源供給を受けて動作する機器です。バスパワーにより動作するUSB機器は、個別に電源供給を行う必要がありません。そのためケーブル本数を少なくできますが、一方で、大量に電力を消費するUSB機器の動作は不可能です。

一方で、セルフパワーで動作する製品は、USBアダプタを用いて電源供給を行う必要があります。ただし、その分大きな電力を消費した機器の動作が可能です。具体的には、外付HDDやプリンタ・スキャナなどの動作には適応されます。

4. USBアダプタの発熱

USBアダプタは、AC-DC変換および電圧の変換時に発熱します。特に出力の高く、高速充電に対応したUSBアダプタを利用する際には熱が発生しやすくなります。USBアダプタ利用時の熱の発生は避けられません。

熱によってUSBアダプタが変形したり異臭が発生した場合は、そのまま使い続けると発火の危険があります。使用を中止したうえで、新しい製品との交換が必要です。

参考文献
https://smartlog.jp/163540#S30791411
https://time-space.kddi.com/ict-keywords/20190116/2549
https://web-style.info/usb-power-adapter/
https://uzurea.net/usb-type-complate-list/
https://www.mco.co.jp/blog/20190821/
https://www.sanwa.co.jp/product/peripheral/howto/self-bus.html

ナイロンコーティング

ナイロンコーティングとは

ナイロンコーティングとは、物体の表面を高分子であるナイロンでコーティングする技術です。

結晶性の熱可塑性樹脂であるナイロンのパウダーを母材に付着させて、母材表面で溶融させてコーティングします。ナイロンにも数多くの種類が存在しますが、一般的には優れた特性を有するナイロン11が広く使われています。

ナイロン11はヒマシ油を原料とした植物由来であるため、環境負荷が小さいです。ナイロンコーティングを施すことで、高い耐熱性や耐摩耗性、耐衝撃性、耐候性、密着性を母材に付与できます。

ナイロンコーティングの使用用途

ナイロンコーティングは、その特性から様々な分野で利用されています。例えば、工業製品の部品や家電製品、自動車の部品、農業機器、医療機械、さらにはスポーツ用品など、多岐にわたる製品の表面に使われます。

特に、摩擦が生じやすい部分や電気を遮断する必要がある部分、耐久性を高めるための部分には積極的に使用されます。また、1cm以下の小さな製品から数mサイズの大きな製品までコーティングが可能です。ただし、耐酸性は低く酸性環境下では使用できません。

ナイロンコーティングの特徴

はじめにナイロンコーティングのメリット・デメリットを紹介します。

1. 長所

ナイロンコーティングの長所は、母材に高い耐熱性や耐摩耗性、耐衝撃性、耐海水性、耐候性などを付与できる点です。これにより、製品の寿命を延ばすことができます。

また、電気を通さないため、電気製品の絶縁体としても活躍します。さらに、ナイロンコーティングは色を変えることができ、製品の見た目を美しくするためにも有用です。

ナイロン11は植物由来かつ安全性に優れるため、食品衛生法にも適用できます。そのため、飲料水向けの排水管などにも利用可能とされ、衛生的な表面処理方法の1つとして知られています。

2. 短所

ナイロンコーティングの短所は、酸性の薬剤を使用できない点です。酸性条件下での使用を想定している場合は、注意が必要です。ただし、酸性以外の薬品には高い耐性を有しているため、用途の幅は広がります。

また、ナイロンコーティングを施すためには専門的な機械や技術が必要で、そのために初期投資が不可欠となります。

ナイロンコーティングのその他情報

ナイロンコーティングの方法

ナイロンコーティングの歴史は古く、1935年にナイロンが初めて合成されて以来、その特性が注目され、各種製品の表面処理として利用されてきました。その後も技術の進化とともに、より高品質なナイロンコーティングが可能となり、現在に至るまで多くの製品で活用されています。

ナイロンコーティングは主に流動浸漬法、静電粉体塗装法、ミニコート法のいずれかの方法で行われます。

1. 流動浸漬法
ナイロンのパウダーを多孔質の隔壁をもつ浸漬槽に入れ、その底面から不活性ガスを封入します。これにより生じる圧力でパウダーを浮かせ、そこに加熱した母材を浸漬させます。母材表面に溶融付着したパウダー粒子だけが付着し、その後後加熱によって均一なコーティング層を形成します。

2. 静電粉体塗装法
静電粉体塗装法は、塗装する物体に対して静電気を利用してナイロン粉末を付着させる方法です。この方法では、ナイロン粉末に電気的な帯電を施し、それを塗装したい物体に吹き付けます。

帯電したナイロン粉末は物体に引き付けられて付着し、その後高温の炉での加熱によって粉末が溶け、均一なコーティング層を形成します。

3. ミニコート法
ミニコート法は、特に小型の部品に対してナイロンコーティングを施すのに適した方法です。この方法では、部品をプレヒート (予熱) した後、ナイロン粉末を部品に付着させます。その後、部品を高温のオーブンに入れて粉末を溶かし、均一なコーティング層を形成します。

参考文献
http://www.ryushin.jp/resin/
http://www.nakata-coating.co.jp/powder/powder-nylon11.html
http://f-minoru.co.jp/resin/nylon.html

ドラムフィルター

ドラムフィルターとは

ドラムフィルターとは、回転するドラム状のフィルターを用いて異物などの濾過対象物を除去する濾過方式です。

フィルターの孔径によって様々な大きさ・種類の物質を除去できます。一般的には5~1,000μmの物質を濾過する際に用いられ、フィルターの素材もポリエステルなどの樹脂からステンレスまで幅広く対応しています。

回転しながら濾過するため目詰まりを抑制できるだけでなく、フィルターの洗浄や交換などのメンテナンス性にも優れていることが特徴です。

ドラムフィルターの使用用途

ドラムフィルターは、化学工業や食品工業、金属工業、上下水道などの各種産業の濾過に使用されます。フィルターの孔径を変更するだけであらゆる物質の除去が可能になるため、用途の幅が非常に広いです。

設備費やメンテナンス性、ランニングコストに優れることから、幅広い産業で多くの採用実績を持ちます。また、構造がシンプルなため設備の小型化が可能で、省スペース化に貢献できたり、格子状の支持体にフィルターを装着し、張力により密着させることで洗浄しやすくなるように設計されたりします。

ドラムフィルターの特徴

ドラムフィルターはシンプルな原理かつ効率性、メンテンナンス性などに優れるため、設備導入しやすいことが特徴です。フィルターが目詰まりするので、フィルターの洗浄および交換は定期的に行う必要はありますが、洗浄は自動化されている機種も多くあります。

一方で、フィルター交換は手作業で行いますが、比較的簡単に行えることがメリットです。

ドラムフィルターの選び方

1. 使用目的

液体の浄化、固体の分離、廃水処理など、具体的な目的に合致したフィルターを選ぶことが重要なので、使用目的を明確にすることが必要です。特に使用目的が複数ある場合は、複数の条件を満たすフィルターを選択する必要があります。

2. 処理材料と粒子サイズ

材料が液体である場合、粘度や化学的特性も考慮に入れる必要があります。フィルター材料と耐久性も重要で、腐食性の液体や高温環境下で使用する場合は適切なフィルターを選択する必要があります。

フィルター孔のサイズは、通過する固体粒子のサイズに合致するように選びます。粒子がフィルター孔よりも大きい場合、分離が効果的に行われます。フィルターケーキ( フィルターを通過した固体物質 )の取り扱い方法も検討した上、でスムーズな排出や処分を確保することが大事です。

3. ドラムのサイズ、形状、回転速度、およびフィルターセルの配置

それぞれ処理能力や分離効率に影響するため、プロセスの要件に合致するドラムを選びます。メンテナンス要件も検討し、クリーニングサイクルやフィルターセルの交換が容易であるかどうかを確認することが重要です。

4. 性能とコスト

選択肢が複数ある場合は特に比較を行い、予算内で最適に選択する必要があります。特定の業界やアプリケーションに適合する規制や安全性にも注意を払います。これらの要因を総合的に考慮して、最終的に使用環境と目的に最適なドラムフィルターを選択することが重要です。

ドラムフィルターのその他情報

ケーク層の除去方法

ドラムフィルターに堆積される物質はケーク層とも言われ、ケーク層の種類によって除去及び排出方法が異なります。具体的な例は以下の通りです。

1. スクレッパーディスチャージ法
圧縮した空気でフィルターからケーク層を剥がし、スクレッパーと呼ばれるヘラのようなもので掻き出します。最も一般的な方式ですが、粘着性のある物質には使用できません。

2. ローラーディスチャージ法
ローラーをケーク層に押しつけ、スクレッパーで除去します。ローラーにケーク層の物質を吸着させる必要があるため、粘着性のある物質に使用されます。

3. プリコートカット法
圧縮した空気等は使用せずに、真空下でケーク層をスクレッパーで剥ぎ取ります。除去しきれず残留したケーク層はプリコート層と呼ばれ、プリコート層の上に形成されたケークを定期的に取り除きます。真空下で行うため、濾液の逆流が発生しない点がメリットです。ただし、均一な大きさの粒子以外には適していません。

参考文献
https://www.noritake.co.jp/products/eeg/parts/detail/15/
http://nihon-inka.net/product/roka/drumfilter.html

デプスフィルター

デプスフィルターとは

デプスフィルターとは、濾過対象物をフィルターの表面ではなく、内部で捕捉し除去するタイプのフィルターです。

フィルター上部の孔径が大きく、下部に近づくにつれ孔径が小さくなるように構造設計されているため、内部で捕捉できます。一方で、表面で阻止するタイプのフィルターはスクリーンフィルターと呼ばれ、広く使われています。

スクリーンフィルターは表面に濾過対象物が蓄積され、次第に目詰まりが発生し流束が低下する点がデメリットです。その一方で、デプスフィルターは目詰まりを抑制し、高い濾過速度を維持できます。

デプスフィルターの使用用途

デプスフィルターは、化学工業や食品、医薬など各種産業の精製、濃縮、細菌や異物の除去を目的に使用されています。フィルター自体は浄水器などの分野で一般家庭でも利用されていますが、デプスフィルターは工業用途での前処理に使用されるのが一般的です。

通常、濾過によって濾過対象物や異物を除去する際は、孔径の異なるフィルターで複数回濾過を行います。これは目詰まりを極力抑えるために有効な工夫です。

デプスフィルターの特徴

デプスフィルターは、使用する種類によっては完全に除去できないという特徴を持ちます。最近ではガラスファイバーやセルロース繊維を材料に用いたフィルターもありますが、押し固めているだけのため厚みや密度調節が不十分な場合、異物が透過してしまいます。確実に異物を阻止したい場合は、孔径の勾配をつけたデプスフィルターを使用することが必要です。

なお、デプスフィルターの最大のメリットは目詰まりを抑制し、高い流束を維持できることです。高い濾過速度を維持することで、生産効率やメンテナンスコストを改善できます。

一方で、デプスフィルターの種類によっては完全に阻止できないことや再利用が困難であることがデメリットとして挙げられます。スクリーンフィルターの場合は、表面を洗浄し再利用することもありますが、デプスフィルターは洗浄することが困難なため使い捨てになります。そのため、シングルユースを基本とする医薬分野に使用される場合が多いです。

デプスフィルターの選び方

1. 使用目的

フィルターを使用する具体的な目的を明確にします。例えば、液体の浄化、粒子の分離、空気の清浄化、音声フィルタリングなど、目的に応じて選択するフィルターは異なります。デプスフィルターのメリットデメリットを理解した上で、使用目的に合うものを選ぶことが重要です。

2. フィルターの材料

フィルターの材料には紙、繊維、金属、活性炭、セラミックなどがあり、使用環境や対象物質に合わせて選択することが大切です。異物の除去率や耐久性などそれぞれの材料で特徴が異なるため、どの材料で作られているか明確にします。

3. 対象物質の性質

フィルターを通過する対象物質 (液体、気体、粒子の種類、サイズ、濃度 ) によって、適切なフィルターの微細度や孔のサイズを選びます。対象物質が微小な粒子である場合は微細なフィルターが必要で、微小でない場合は適切なものを選びます。

4. 環境条件・耐久性

フィルターが使用される環境条件 (温度、圧力、化学的な耐性など) に合致する材料や構造を選択します。特に、極端な環境条件下での使用では耐久性が重要です。耐久性が低いとフィルタ交換の頻度が上がり、手間や工数だけでなく、運用コストもかかってしまいます。

5. 流量要件

フィルターを通過する流体やガスの流量に応じて、適切なフィルターサイズと設計を選びます。高い流量が必要な場合は、大容量のフィルターが必要です。

6. メンテナンス要件・コスト効率

フィルターの交換や清掃頻度に応じて、メンテナンスが容易で経済的なフィルターを選択します。高性能なフィルターは高コストですが、目的と予算に応じた最適なバランスを見つける必要があります。

7. 認証基準

特定の業界や用途には、安全性や品質の基準が存在することがあります。適切な認証を持つフィルターを選ぶ必要があります。

参考文献
https://m-hub.jp/
https://jp.images-monotaro.com/etc/pdf/membrane.pdf

スプリングピン

スプリングピンとはスプリングピン

スプリングピン(英語:Spring Pin, Roll Pin)は、薄板を円筒状に曲げた中空のピンにすり割り加工(スリット加工)を施した、断面がC型形状をしたピンです。

中空であるため、中実ピンと比較して軽量で、ピン外径より少し小さい穴径の加工された穴に挿入し、ピンが外側へ広がろうとするスプリング力で固定や回転拘束するために使用します。

一般的には、ロールピン、テンションピンなどとも同義語として使用されています。

スプリングピンの規格としては下記があります。

  • JIS B2808 スプリングピン
  • ASME B18.8.2, ASME B18.8.4M Slotted Spring Pins
  • ISO 8752 (DIN 1481) Slotted Spring Pins

スプリングピンの使用用途

スプリングピンは、部品同士の位置決め、回転防止や抜け止めなどの用途で使用します。特に、ピンのスプリング力が働き固定することから、高い穴径精度は不要でリーマ加工無しでドリル穴加工のままの十分な固定が可能です。そのため、中実の平行ピンやテーパーピンに比べて使い勝手がよく簡単に使用することができます。また、スプリング力により振動に対しても脱落しにくい特徴もあります。

スプリングの種類は主に、一般用(ストレート)と軽荷重用(波型)の2種類があり、それぞれの特徴によって使い分けます。

一般用は、簡易的な締結や位置決めなどに使用します。すり割り(スリット)はストレートと波型があり、両端はテーパ状やR加工が施されているため、穴に挿入しやすくなっています。

軽荷重用は、一般用より挿入するための荷重は小さくより簡易的な締結で、アルミニウムや樹脂などの軽量で高い強度が必要ない場合に使用します。すり割り(スリット)は波型で絡みにくく自動挿入のような場合に適しています。

スプリングピン 種類

スプリングピンの使用例(シャフトとピニオンギアの回転止め締結)は下図に示しますので参照してください。
ケーブルグランド 使用用途スプリングピンの選定例は下記を参照してください。

  • ピン外径: 各メーカーの寸法表などに記載されていると、穴径の組み合わせから選定します。
  • ピンの強度: 各メーカーの寸法表などに記載されている、せん断荷重に適合していることを確認します。

また、スプリングピンの材質は、ばね用鋼やステンレス鋼(SUS304CS、SUS420CJ)などが使用されています。

スプリングピンの原理

スプリングピンの主な特徴は、ピン外径より少し小さい穴径の加工された穴に挿入し、ピンが外側へ広がろうとするスプリング力で固定や回転拘束が可能であることです。したがって、高い精度の穴径が不要でリーマ加工のような仕上げ加工を省くことができ、ドリル穴あけ加工のままで使用できるため、工程が少なく製造コストも安価になります。

ただし、中実に平行ピンやテーパーピンに比べせん断強度は低く、荷重が大きく精度の高い締結部には向いていません。より強度が必要な場合は、ピン外径の異なる2つのピンを重ねて使用する方法もあります。

ピンの軸方向と平行方向に振動が発生するような場合は、ピンが抜けやすくなりますので使用するうえでは注意が必要です。また、締結物が繰り返し回転するような場合も、ピンが抜けやすくなるため注意が必要です。

スプリングピンの挿入は、ピン端面をハンマーなどで軽くたたき挿入します。スプリングピンが入りにくい場合は、穴径を少し大きくして微調整してください。スプリングピンの引き抜きは、ピンポンチなどをピンの先端に当てハンマーなどで軽くたたき引き抜きます。

スタッド

スタッドとは

スタッド

スタッド(英語: stud)とは金具や留め具の意味を表します。スタッドは和名表記で鋲と呼ばれており、鋲は頭部に笠形のものが付いたとめ針のことを指します。例えば画鋲などがこれにあたります。差し込んで利用する方法が一般的ですが、鋲の用途によっては針の先端をつぶすこともあります。そして、鋲にキャップなどを組み付け固定する利用方法などもあります。

スタッドとして用いられるもので画鋲以外ではリベットスタッドボルト、スパイクタイヤなどが挙げられます。そして鋲は飾り鋲としても家具や鞄、洋服にも利用されています。飾り鋲は家具では例えばアイアン鋲があります。この他に鞄や洋服ではランス鋲やスタッズなどが挙げられます。

スタッドの使用用途

スタッドは主に紙や金属などを固定するために用いられます。しかし、スタッドという名称が利用される工業製品や部品は広範囲に及んでおり、利用される産業や分野は様々です。したがって、スタッドは金属からプラスチックまで素材の種類も豊富です。

例えばスタッドの中でリベットがありますが、身近なものでは自動車のシートの固定や板金部、シャッターの組み付けなどにも利用されています。

その一方でスタッドは飾り鋲と呼ばれる用途にも利用されており、この分野では物を固定する用途ではなく装飾として用いられています。例えばアンティーク調に加工することが可能なので住宅用のドアに装飾として打ち込まれていたりします。

また、スタッドはスパイクタイヤにも組み込まれており、ここでは滑り止めの金属鋲として用いられています。

スタッドの原理

スタッドは幅広い用途として利用されており、スタッドの構造も様々である。

例えば画鋲は主に壁や物に対して鋲から笠形の頭部までの範囲ならば押しさすだけで固定できます。押し込む笠部の面積がさしこむ鋲よりも大きいため必要な力がとても少なくて済みます。これらの原理は飾り鋲でも同様です。飾り鋲では母材に硬度があり、人の手では困難な場合にはハンマーなどを使用することがあります。

その一方でリベットは一般的にハンドリベッターなどの工具を利用してかしめる方法で固定します。リベットにも様々な種類があり、押し込み固定する鋲の部分をつぶして固定する方法もあります。人の手ではかしめることが困難な母材を工具を利用することで簡単に固定することが可能になっています。

また、洋服に利用されているボタンもスタッドの分類に分けられます。Yシャツに縫い付けられている丸ボタンはスタッドの中には入りません。しかし、装飾されたボタンの中には上部と下部が分かれており、上部のピン部分と下部の受け部分が合わさることで装飾用のボタンになるものがあります。

このようにスタッドとは比較的安価に製作でき、利用できるものが数多くあるため他分野で利用されています。

参考文献
https://www.jisc.go.jp/index.html
https://www.osg.co.jp/
https://www.byora.co.jp/index/products/fastening/blind/index.html
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0171.html
https://fastener-parts.com/column/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%A8/
https://car-me.jp/articles/11700
広辞苑 第七版
大辞林 第四版
JIS B1173

低濃度オゾン発生装置

低濃度オゾン発生装置とは

低濃度オゾン発生装置 (英: Low Concentration Ozone Generator) とは、文字通り低濃度のオゾンを発生させるための装置です。

オゾン (英: Ozone) は、酸素原子3個からなる酸素の同位体で、その効果は殺菌・脱臭・脱色・酸化など多岐にわたり、殺菌力は天然元素の中ではフッ素に次いで高く、空気中では塩素の約1.65倍、水中では約7倍といわれています。

その反面、独特の臭気をもつ毒性ガスで、高濃度になると人体へ悪影響を及ぼすため、日本産業衛生学会では作業環境基準としての許容濃度を0.1ppm (0.2 mg/m3) と定めています。

一般的な工業用のオゾン発生装置は高濃度で、作業環境の殺菌や脱臭のために使用するにはオゾン濃度が高く人体への悪影響があるため使用に敵していません。低濃度オゾン発生装置は、作業環境で安全に殺菌・脱臭することを目的としています。 

低濃度オゾン発生装置の使用用途

低濃度オゾン発生装置は、人体へ悪影響がない低濃度のオゾンを発生するため、作業環境で安全にカビ臭や細菌・ウィルス・有機物などの除去することを目的とに適用されています。

現在、低濃度発生装置を利用した機器は、広さによって最大30畳 (約50m2) の広範囲タイプ、最大10畳 (約15m2) のパーソナルスペースタイプ、個人周辺をケアするポータブルタイプなどがあります。

低濃度オゾン発生装置の使用例は、以下になります。

  • 広範囲タイプ:医療機関・介護施設の待合室や廊下、一般企業のフロア、学校・学習塾の教室など
  • パーソナルスペースタイプ:個室トイレ、玄関、病院・介護施設の個室、飲食店など
  • ポータブルタイプ:飛行機・新幹線・電車・自動車の移動、応接室・VIPルームなどの面談・商談時、外食時など

低濃度オゾン発生装置の原理

低濃度オゾン発生装置の原理

図1. 低濃度オゾン発生装置の原理

低濃度オゾン発生装置のオゾン発生式は、主に放電式の一種であるコロナ放電式です。コロナ放電とは、針状の電極を空中に配置し、高電圧がかけられた際にその針の先端の周辺に気中放電が生じることです。暗くするその電極の周辺にコロナ (英: Corona)  (王冠) 状の光が見えることからこの名前がついています。

針周辺に酸素含気体を充填し、ここにコロナ放電で発生した電子により酸素がオゾンに変換されます。酸素分子に放電により気体中に放出された電子を衝突させ酸素原子に解離させ(O2 + e → 2O + e) 、3体衝突によりオゾンが形成されます (O+O2 + M → O3 + M)。

コロナ放電式は、オゾンの発生効率が低く高濃度になりにくいため、人体や環境への悪影響が気になるがオゾンの殺菌効果等を使用したい場面で、低濃度オゾン発生装置として使用することに採用されています。 

低濃度オゾン発生装置のその他情報

1. 低濃度オゾン発生装置の効果

これまで人体に悪影響のある高濃度のオゾンでの新型コロナウイルスへの除菌効果は確認されていましたが、人体に悪影響のない0.05ppmまたは0.1ppmの低濃度オゾンガスでも除菌効果があることが、2020年8月に藤田医科大学から研究結果として発表されました。

湿度とオゾン濃度で効果に違いがあることも分かっていて、湿度80%では日本の作業環境基準の低濃度オゾンガス0.1ppmで、10時間後のウイルスの感性性は4.6%まで低下します。

さらに湿度55%では、低濃度オゾンガス0.1ppmで4時間後に53%とほぼ半減することが分かっています。より厳しいアメリカの作業基準である0.05ppmであっても、湿度80%で10時間後で5.7%まで感性性が低下することが分かっていて、低濃度オゾンの除菌効果の高さがわかる結果です。

この研究結果から、低濃度オゾン発生器装置を適正に運用することで、医療機関や公共施設、また飲食店などの人が密集しやすい場所での新型コロナウイルス感染症の予防措置がとれることになり、経済活動の幅も広がる可能性があります。さらに、新型と季節性インフルエンザにも効果があることが分かっているので、今後の予防対策として有効な手段の一つとして考えられます。 

2. 低濃度オゾン発生装置の安全性

オゾンは人体への悪影響が確認されているため、日本産業衛生学会では厳密に作業基準が決められていて、許容濃度は0.1ppmとされています。0.01ppmから0.02ppmではオゾン臭気を感じ始め、0.1ppmを超えると鼻や喉への刺激が始まるので、オゾン測定器の値とともに体感としても影響を感じやすいためすぐに対策が取れます。

オゾン自体は自然界にごく低濃度で存在していて、さらに数時間で酸素に戻り残留性が低いので、濃度を適正に管理すれば比較的高い安全性を確保できます。 

参考文献
https://www.ecodesign-labo.jp/ozone/word/
http://www.cnpnet.co.jp/cnpe/ozon/basis.html
https://www.mitsubishielectric.co.jp/society/ozonizer/technology/index.html
http://www.wako-system.co.jp/
https://www.iwasaki.co.jp/optics/cleaning/ozone/ozonizer.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000061752.html
https://www.ohric.jp/ozone/influenza.htm
https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv0000007394.html
https://www.karumoa.co.jp/qa/service/qa35/