ドラムフィルター

ドラムフィルターとは

ドラムフィルターとは、回転するドラム状のフィルターを用いて異物などの濾過対象物を除去する濾過方式です。

フィルターの孔径によって様々な大きさ・種類の物質を除去できます。一般的には5~1,000μmの物質を濾過する際に用いられ、フィルターの素材もポリエステルなどの樹脂からステンレスまで幅広く対応しています。

回転しながら濾過するため目詰まりを抑制できるだけでなく、フィルターの洗浄や交換などのメンテナンス性にも優れていることが特徴です。

ドラムフィルターの使用用途

ドラムフィルターは、化学工業や食品工業、金属工業、上下水道などの各種産業の濾過に使用されます。フィルターの孔径を変更するだけであらゆる物質の除去が可能になるため、用途の幅が非常に広いです。

設備費やメンテナンス性、ランニングコストに優れることから、幅広い産業で多くの採用実績を持ちます。また、構造がシンプルなため設備の小型化が可能で、省スペース化に貢献できたり、格子状の支持体にフィルターを装着し、張力により密着させることで洗浄しやすくなるように設計されたりします。

ドラムフィルターの特徴

ドラムフィルターはシンプルな原理かつ効率性、メンテンナンス性などに優れるため、設備導入しやすいことが特徴です。フィルターが目詰まりするので、フィルターの洗浄および交換は定期的に行う必要はありますが、洗浄は自動化されている機種も多くあります。

一方で、フィルター交換は手作業で行いますが、比較的簡単に行えることがメリットです。

ドラムフィルターの選び方

1. 使用目的

液体の浄化、固体の分離、廃水処理など、具体的な目的に合致したフィルターを選ぶことが重要なので、使用目的を明確にすることが必要です。特に使用目的が複数ある場合は、複数の条件を満たすフィルターを選択する必要があります。

2. 処理材料と粒子サイズ

材料が液体である場合、粘度や化学的特性も考慮に入れる必要があります。フィルター材料と耐久性も重要で、腐食性の液体や高温環境下で使用する場合は適切なフィルターを選択する必要があります。

フィルター孔のサイズは、通過する固体粒子のサイズに合致するように選びます。粒子がフィルター孔よりも大きい場合、分離が効果的に行われます。フィルターケーキ( フィルターを通過した固体物質 )の取り扱い方法も検討した上、でスムーズな排出や処分を確保することが大事です。

3. ドラムのサイズ、形状、回転速度、およびフィルターセルの配置

それぞれ処理能力や分離効率に影響するため、プロセスの要件に合致するドラムを選びます。メンテナンス要件も検討し、クリーニングサイクルやフィルターセルの交換が容易であるかどうかを確認することが重要です。

4. 性能とコスト

選択肢が複数ある場合は特に比較を行い、予算内で最適に選択する必要があります。特定の業界やアプリケーションに適合する規制や安全性にも注意を払います。これらの要因を総合的に考慮して、最終的に使用環境と目的に最適なドラムフィルターを選択することが重要です。

ドラムフィルターのその他情報

ケーク層の除去方法

ドラムフィルターに堆積される物質はケーク層とも言われ、ケーク層の種類によって除去及び排出方法が異なります。具体的な例は以下の通りです。

1. スクレッパーディスチャージ法
圧縮した空気でフィルターからケーク層を剥がし、スクレッパーと呼ばれるヘラのようなもので掻き出します。最も一般的な方式ですが、粘着性のある物質には使用できません。

2. ローラーディスチャージ法
ローラーをケーク層に押しつけ、スクレッパーで除去します。ローラーにケーク層の物質を吸着させる必要があるため、粘着性のある物質に使用されます。

3. プリコートカット法
圧縮した空気等は使用せずに、真空下でケーク層をスクレッパーで剥ぎ取ります。除去しきれず残留したケーク層はプリコート層と呼ばれ、プリコート層の上に形成されたケークを定期的に取り除きます。真空下で行うため、濾液の逆流が発生しない点がメリットです。ただし、均一な大きさの粒子以外には適していません。

参考文献
https://www.noritake.co.jp/products/eeg/parts/detail/15/
http://nihon-inka.net/product/roka/drumfilter.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です