監修:シグマー技研株式会社
シュレッダーとは
シュレッダーとは、不要な文書などを細かく切る(細断する)機械です。
“シュレッダ”と呼ばれることもあります。一般にシュレッダーと呼ばれるのはペーパーシュレッダーのことを指し、“文書細断機”とも言います。プライバシー保護や情報漏洩を防止するために使用されます。中にはメディア(CD、CARDなど)を細断できるものもあります。
シュレッダーは大きく分けると、企業や官公庁などでよく使用される業務用と一般家庭や個人で使用される家庭用に分けられます。
使用する人数や目的により多様な機種の中から選定ができます。2005年に施行された個人情報保護法により、個人データが記録された媒体の物理的な破壊が必須となったことから、シュレッダーによる文書やメディアの細断が普及しました。
シュレッダーの使用用途
シュレッダーは、個人情報や企業などの機密情報が記載された文書・メディアなどを細断して、情報の漏洩を防止するために使用されます。
機密情報をその場ですぐに処理できるため、確実に情報の漏洩を防止します。
(回収ボックスの利用や外部委託の場合は、情報漏洩に至る可能性があります。)
シュレッダーの種類
1. 細断方式
文書の細断方式には、ストレートカット、クロスカット、スパイラルカットなどがあります。
・ストレートカット:文書などを縦方向にカットする方式です。細断する文書のセキュリティーがそれほど要求されない場合や、梱包材などとして再利用したい場合に使用します。
比較的安価な業務用シュレッダーや文具タイプのシュレッダーなどで採用されています。
長い麺状に細断されるため紙の投入方向によっては文書を読み取られる危険性があります。
・クロスカット:文書などを縦・横の両方向で同時にカットする方式です。多くのシュレッダーがこの細断方式を採用しており、現在のシュレッダーの主流になっています。
細断した文書などがバラバラになるためセキュリティー性が高いのが特徴です。細断する枚数や細断くずの寸法によって選定することができ、耐久性にも優れています。
・スパイラルカット:文書などを縦切りした後にスパイラル形状のカッターで横切りする方式です。パーティクルカット、ダブルカット、フラットスクエアカットなどと呼ばれる場合もあります。細断した文書などがバラバラになり細断くずの縦方向の寸法が短くできるのが特徴です。
2.電源による分類
市販のシュレッダーに使用されている電源は、単相100V(50Hz/60Hz)と三相200V(50Hz/60Hz)があります。
単相100V(50Hz/60Hz)は、多くのシュレッダー(業務用・家庭用)に採用されています。三相200V(50Hz/60Hz)は、大量に細断する工場や処理施設などで使用されることがあります。小型シュレッダーの中には、手動ハンドルで使用するタイプもあります。
シュレッダーの選び方
シュレッダーには多くの種類があり、選定する際に投入口の幅・セキュリティレベル・ダストボックスのサイズ・使用人数などを考慮する必要があります。
1. 投入口の幅
細断する文書が、A4サイズまでの場合は幅210mm(A4縦切)以上、A3サイズまでの場合は幅300mm(A3縦切)以上の製品を選定する必要があります。
2. セキュリティレベル
セキュリティレベルが高い文書の細断には、クロスカットやスパイラルカットなど細断した文書がバラバラになるタイプのシュレッダーが必要です。メーカーのカタログに細断くずの寸法が記入されているためそれを参考に選定します。ストレートカットのシュレッダーでは、セキュリティレベルが要求に合わないことがあるため注意が必要です。
3. 使用する人数
シュレッダーをあまり使用しない場合や1人で使用する場合は、安価に購入できる家庭用シュレッダーを推奨します。法人など複数人でシュレッダーを使用する場合は、業務用シュレッダーを推奨します。使用する人数に応じてシュレッダーのサイズや処理能力を選定します。
4. ダストボックスのサイズ
シュレッダーによってダストボックスのサイズが異なりますが、市町村などでゴミ袋の指定がある場合やリサイクルの回収などでも袋の指定がある場合があります。指定のゴミ袋が装着できるダストボックスを収納したシュレッダーを選ぶことも重要です。
市販のゴミ袋は「ℓ」などの容量で表記されていることが多いですが、間口の寸法が異なる場合があるためダストボックスの寸法を確認してから大きめのゴミ袋を選定することを推奨します。
シュレッダーのその他情報
<参考> 細断サイズを含むセキュリティレベルの定義(ISO/IEC 21964)
(ドイツではDIN 66399によりセキュリティレベル1~7で定義されています。)
・セキュリティレベルP7:細断寸法 面積5m㎡以下、かつ幅1mm以下
・セキュリティレベルP6:細断寸法 面積10m㎡以下、かつ幅1mm以下
・セキュリティレベルP5:細断寸法 面積30m㎡以下、かつ幅2mm以下
・セキュリティレベルP4:細断寸法 面積160m㎡以下、かつ幅6mm以下
・セキュリティレベルP3:細断寸法 面積320m㎡以下、もしくは
幅2mm以下のストレートカット(長さ制限なし)
・セキュリティレベルP2:細断寸法 面積800m㎡以下、もしくは
幅6mm以下のストレートカット(長さ制限なし)
・セキュリティレベルP1:細断寸法 面積2000m㎡以下、もしくは
幅12mm以下のストレートカット(長さ制限なし)
※日本では明確なセキュリティレベルの基準はありません。
本記事はシュレッダーを製造・販売するシグマー技研株式会社様に監修を頂きました。
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