防水キーボード

防水キーボードとは

防水キーボードとは、水や液体がかかっても故障しにくいように設計されたキーボードです。

パソコンのキーボードは、近年、作業状況を選ばない環境で使われることが多く、液体に浸る機会が多々あります。防水キーボードなら、こうした場合にも水などで洗浄することが可能です。また、キーボードは洗浄・清掃がしにくい構造のものが多かったため細菌やバクテリアの温床となり易く、食品業界や医療業界など、衛生環境が重視される場所でのPC操作には、洗浄や消毒(清掃)ができる防水性能に優れたキーボードが求められます。

1口に防水と言っても、各種ランクがあります。防水性能の等級は、国際電気標準会議 (IEC) が定めた防水・防塵規格で表示します。防水規格は、9等級の性能が定められ、IPX0からIPX8まであり、IPX4以下は防滴タイプ、IPX5~8は防水タイプです。汚れたとき水で手入れをする場合は、IPX5以上を選びます。

防水キーボードの使用用途

防水キーボードは、データーサーバ、制御装置、工作機械、産業機械、食品機械、射出成型機、製鉄機械、製紙機械などのデータ出力装置に使用されています。また、衛生を保つことができることから、医療現場でも使用されています。汚れたとき、水で洗えるのは、IPX5以上です。また一部のキーボードは薬品洗浄が行えます。

単なる防水性能だけではなく、粉塵がキーボード内部に侵入するのを防ぐ防塵性能を備えたキーボードは、埃や粉末が発生する環境でも使用されています。

防水キーボードの原理

最も一般的な方法は、キーボードの下面に水を受けるアルミ板を設けることで、バスタブ構造と呼ばれます。キーボードの上から水をこぼしても受け皿で水を受け止め、受け皿に溜まった水はキーボード底面の排水口から流れ出る構造で、プリント基板などへの水の侵入を止める効果があります。

また、表面に耐水能力を持つコーティング層を設けて内部に液体が入らないようにする方法もあります。
この他、各メーカーは独自の方法で、防水性能を発揮しています。

防水キーボードの種類

防水キーボードにも多くの種類があり、代表例を次に示します。

1.有線/無線キーボード

一般のキーボードと同じように防水キーボードにも各種接続形式があります。有線のキーボードでは主にUSB接続やPS2接続があります。昔ながらの接続規格であるPS2接続を用いるものもあります。

無線のキーボードではUSBドングルを用いるものやブルートゥース接続など多彩な接続方法があります。

2. 薄型小型キーボード

通常のキーボードよりも薄型であり引っかかりが少ない設計のキーボードです。シリコンゴムでキーボードすべてを覆うような構造のキーボードもあります。

3. ポインティングデバイス付きキーボード

クリーンルームでの使用や工場での使用時に場所的にマウス等が設置できない場合、ポインティングデバイスが機能を有するキーボードもあります。ジョイパッド形式やタッチパッド形式を持つキーボードもあります。