指サック

監修:株式会社鈴木ラテックス

指サックとは

指サックとは、指の先端に装着して指を保護したり、紙をめくりやすくする道具です。

袋状又は指輪状で、事務や電子部品の組み立て時に使用します。工業用途の指サックは、袋状のゴムでできており、天然ゴムや合成ゴムなど、用途に応じた素材が使用されています。指先に装着することで、電子部品の組み立て時に、指の汗や脂、ホコリなどが製品に付着することを防ぎ、部品の劣化や静電破壊を防止する効果があります。また、滑り止め効果もあり、小部品が滑るのを防ぎ、作業をスムーズに進められます。

事務用指サックには、袋状やリング状のものがあり、主に指先の保護や紙めくりなどに使用されます。中には、シール貼り専用の指サックも存在します。

医療用としては、絆創膏や包帯の上から指サックをかぶせ、指先を保護するために使用されます。

指サックの使用用途

指サックは、主に以下の用途で活用されています。

1. 電子機器の作業

皮脂や汗、ホコリなどによる製品への悪影響や、静電気による静電破壊を防ぎます。電子産業では、銀・銅・真鍮・鉛フリーはんだなどが指サックの硫黄分と反応し、電子部品を損傷させることがあるため、硫黄を使わない指サックが製品化されています。

2. 事務作業

指サックを使用することで、紙をめくりやすくなります。特に大量の書類を扱う際、指先への負担を軽減し、作業効率を向上させると同時に、指先を保護します。また、指先による汚れや破損を防ぎ、書類をきれいに保つことができます。又テープやシールなどを使用する際には専用指サックを推奨します。

3. 医療用

医療用指サックは、防水性に優れ、滅菌処理されているため、傷の早期回復を促進します。指の怪我や炎症、あかぎれ、ささくれ、切り傷などで痛みがある場合、絆創膏の上から指サックをかぶせることで、痛みを軽減し、剥がれや水濡れを防ぎます。

また、ゴルフや釣りなどのスポーツ時にも、指の痛みを軽減する目的で使用されます。

指サックの種類

1. 用途による分類

工業用指サック: 使用環境(クリーンルーム等)や対象物に応じた指サックを選ぶことで、生産性や製品の信頼性が向上します。

文具用指サック: 強力な滑り止めや丈夫な被膜により、紙めくり作業の効率を高め、指を保護します。

医療用指サック: あかぎれやささくれ、切り傷などで痛みがある場合、絆創膏の上から被せることで痛みを軽減し、剥がれや水濡れを防止します。

2. 形状による分類

カットタイプ: 口元の断面をカットした形状で、指の付け根への締め付けが軽減され、長時間の作業に適しています。指との一体感があり、小部品や宝飾品を取り扱う細かい作業に最適です。

ストレートタイプ: 口元がリング状になっている形状で、脱着がしやすいのが特徴です。

ロールタイプ: 別名「巻き指」とも呼ばれ、最も装着しやすく、装着時間が短縮できるため、大規模工場などでの生産性向上に役立っています。

リング状タイプ: 指輪形式のサックで、指先にはめて使用します。着脱が容易で、そのままパソコン操作も可能です。

指サックの選び方

指サックには、使用するシチュエーションに応じてさまざまな特長があります。

1. 素材

天然ゴム: ゴムの木の樹液が主原料で、柔らかく、伸縮性に優れ、フィット感が高いのが特徴です。

合成ゴム: ニトリルゴムやポリウレタンなどがあり、石油製品を精製したナフサが主原料です。用途に応じてさまざまな性能を付加できます。ラテックスアレルギーをお持ちの方にはこちらがおすすめです。

シリコーンゴム: シリカを基にした化合物で構成され、薬品耐性や耐熱性に優れています。ラテックスアレルギーをお持ちの方にはこちらがおすすめです。

2. サイズ

一般的に、内径13.5mmから21mm程度のサイズが流通しています。合成ゴムは天然ゴムに比べて硬い傾向があるため、サイズバリエーションが豊富にラインナップされています。自身に合ったサイズを選びましょう。

3. エレクトロニクス分野

金属腐食対策: 指サックからの溶出物による錆や変色の可能性がある場合、硫黄や塩素を使用していないNBR指サックを推奨します。

静電破壊対策: 静電気が電子部品の回路にダメージを与える可能性がある場合、導電性材料を使用した指サックを推奨します。

発塵対策: 微細なホコリの混入・付着が不良原因となる場合、異物の付着がない工程管理で製造されたパウダーフリーの指サックを推奨します。

転写対策: 残留薬品がコーティングや塗装に不良を引き起こす場合、対象物に影響を与える薬品を使用していない指サックを推奨します。

本記事は指サックを製造・販売する株式会社鈴木ラテックス様に監修を頂きました。

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