化成肥料

化成肥料とは

化成肥料とは、2種類以上の原料を混ぜて粒状に成形された肥料です。

化成肥料とは、化学的に合成された肥料のことで、植物の生育に必要な窒素 (N) 、リン酸 (P) 、カリウム (K) などの成分のうち2種類以上を含んでいる複合肥料の一種のことを指します。

原料は、有機質肥料でも化学肥料でもよく、植物が吸収しやすいように、粒状、粉末状、液体状、固形状に加工指定あります。

化成肥料は、植物の生育に重要なもので、農業やガーデニング、公園などで使われます。

化成肥料の使用用途

化成肥料の用途は、主に短期間で土に養分を補うことです。この肥料は肥料成分が植物の根から吸収し易いので、効果が比較的速く出ます。ただし、成分がゆっくり溶けて長続きするタイプもあります。

具体的な用途は、米・野菜・果樹・花卉などの栽培、家庭菜園、盆栽、鉢植え、公園の樹木・芝生・花壇、ゴルフ場の芝生育成などです。

化成肥料の原理

この肥料は、窒素・リン酸・カリウムの3要素を含むものが多く、植物の種類や用途により、適した比率の肥料を選びます。各成分の役割は次のようです。

1. 窒素N

葉・茎・根の成長を早める成分です。葉肥とも呼ばれ、窒素が不足すると、葉が小さくなったり、緑色が薄くなったりします。逆に窒素が多すぎると、葉や茎だけが大きくなって、実や花が少なくなります。

2. リン酸P

リン酸は、植物が花や実をつけるための栄養素です。花肥や実肥とも言われ、リン酸が不足すると、実や花が良く付きません。

3. カリウムK

根肥とも言われ、根の成長に必要な要素です。カリウムはもともと土中に殆どないので、植物を育てるには肥料が必要です。病害虫への抵抗力を高め、環境の変化に対しても効果大です。

化成肥料の種類

化成肥料は、肥料成分の合計含有率によって大きく2種類に分けられます。

1. 普通化成肥料

窒素、リン酸、カリウムの合計含有率が15%~30%の肥料です。成分バランスが比較的穏やかで、幅広い作物に利用されます。

2. 高度化成肥料

窒素、リン酸、カリウムの合計含有率が30%以上の肥料です。成分濃度が高いため、施肥量が少なくて済むというメリットがありますが、施用量を誤ると植物を傷める可能性もあります。

また、肥料が効く速さにより即効性・緩効性・液体肥料などに分かれます。

  • 即効性肥料
    成分が水に溶ける速さが大きく、効き目がすぐに表れます。長く持続しないので、追加の施肥が必要です。  

  • 遅効性、緩効性肥料
    成分がゆっくり水に溶けるので、1~12か月にわたり効果が持続します。製品によりこの期間が異なり、一般のガーデニングに多く使われます。

  • 液体肥料
    原液や粉末の肥料を水に溶かしたもので、植物の根にすぐ届き、速く効きます。鉢植え・プランターに良く使用されます。

化成肥料の選び方

1. 3要素等分型

N-P-Kの量が、8-8-8のものや、14-14-14など各種あります。花壇用、菜園用などに適しています。1つの成分が多すぎることが無いので、元肥にも追肥にも安心して使えます。ただし、数字が大きいものは、肥料成分が多く、根を痛めることがあるのでに注意が必要です。

2. 左上がり型

N-P-Kの値が、12-8-8などの肥料があります。窒素成分が多いので葉物野菜や観葉植物、芝生など、葉を育てたい作物用です。

3. 山型

N-P-Kが山型で、6-10-5などがあり、リン酸が多い肥料です。火山灰性土壌はリン酸分を利用するのが困難であるため、山型肥料で補うのに使われます。赤土や鹿沼土に使うときの元肥や追肥に便利です。

4. 右上がり型

N-P-Kが右上がりに増加するタイプです。6.5-6-19などがあり、カリウムが多いのが特徴です。観葉植物を冬越しさせる時などに使います。

 5.谷型

N-P-Kが10-5-10のものは谷型です。リン酸は果実の実が小さくなるので、このタイプを使うのは特殊な場合です。

化成肥料のその他情報

化成肥料を構成する化学肥料と有機肥料には下記のような特徴があります。」

1. 化学肥料

  • 窒素質肥料:尿素・硫安・塩安・石灰窒素

  • リン酸質肥料:過リン酸石灰、よう成リン肥

  • カリ質肥料:塩化カリ・硫酸カリ   
  • 複合肥料:高度化成肥料・普通化成肥料・配合肥料   
  • 石灰質肥料:消石灰・炭酸カルシウム肥料    
  • その他の肥料:ケイ酸質肥料・苦土肥料

2.  有機質肥料   

  • 堆肥:牛ふん堆肥・豚ふん堆肥・鶏ふん堆肥

  • 動植物質肥料:魚粕粉末・菜種油粕・骨粉    

  • 有機副産物肥料:汚泥肥料