生物脱臭装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、生物脱臭装置のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
監修:ミライエ株式会社
生物脱臭装置とは、微生物の代謝を利用して臭気を分解・除去する装置です。
アンモニアや硫化水素などをはじめとする、動植物由来の悪臭ガスに有効です。微生物が付着した充填材、微生物の乾燥を防止する散水装置などから構成されます。一般に薬剤等を使用せず、電気代と散水用の水を循環するための費用のみで稼働できることからランニングコストが低いです。また、耐久性、耐食牲に優れているため長期間に渡って使用することができます。
生物脱臭装置は、主に動植物などの有機物由来の悪臭ガスの分解脱臭処理のために使用されます。アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル等の各種臭気に対応しており、主には下記のような用途があります。
生物脱臭装置は、主に微生物を定着させる充填材と、微生物の活動活性化と乾燥防止のための散水装置から構成されています。分解脱臭の過程で生じる酸を処理するため、中和設備が併用される場合もあります。
脱臭の仕組みは下記の通りです。
微生物を吸着させる充填材には、多孔質ガラス材や、ガラス発泡材、木質系炭素材、ポリプロピレン・ビニロンなどの繊維状担体が使用されることが多いです。充填材は、充填物の表面積が大きく、気液接触効率に優れている担体が使用され、その中に微生物を高密度で生息させる仕組みです。繊維状担体ではループ状にするなどの工夫により、比表面積が大きくなっています。
散水装置で使用される水は、通常、循環水方式が取られており、循環水槽とポンプが併設されます。タイマーによって処理水が間欠的に散水され、環境に配慮されています。
生物脱臭装置の主な特性は下記の通りです。
生物脱臭装置には、上記で紹介した固相型の他にも、曝気式やスクラバー式などの液相型があります。装置によっては低エネルギー化に力を入れており、散水に循環水方式、送風に低圧ブロワを使用することで、CO2排出量や電気使用量が大幅に削減されます。規模には様々なサイズが有り、目的用途に合わせて選定することが重要です。
また、製品によっては、断熱材入りの二重壁構造が採用されています。二重壁は外気温の変化による装置内の温度変化を抑制し、寒冷地での温度低下や高温時における槽内の温度上昇を防止することが可能です。温度変化に敏感な微生物の活性が損なわれないようにすることができます。また、天井が低い現場に対応する横型タイプの活性炭脱臭を使った製品では、脱臭カートリッジを側面から装填することが可能です。設置場所や、用途などに合わせて適切なものを選択することが必要です。
本記事は生物脱臭装置を製造・販売するミライエ株式会社様に監修を頂きました。
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