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トリエチレンテトラミンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、トリエチレンテトラミンのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。トリエチレンテトラミン関連企業の2024年11月注目ランキングは1位:メルク株式会社となっています。
図1. トリエチレンテトラミンの基本情報
トリエチレンテトラミン (英: Triethlenetetramine, TETA) とは、有機化合物の1種で、化学式C6H18N4で表される一級アミンです。
別名には、「3,6-ジアザオクタン-1,8-ジイルジアミン」や「トリエンチン」などの名称があります。CAS登録番号は、 112-24-3です。分子量146.23、融点12℃、沸点266〜267℃であり、常温において無色からわずかにうすい黄色の液体です。
密度は0.982g/mLであり、水に極めて溶けやすく、エタノール及びアセトンに溶けます。
トリエチレンテトラミンは、繊維製品において防しわ剤、界面活性剤、染料固着剤として用いられています。また、エポキシ樹脂の硬化剤、紙の湿潤強化剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、キレート剤、コーティング剤、接着剤、潤滑油や切削油の添加剤、イオン交換樹脂、ゴム薬品 (加硫促進剤) などの用途があり、幅広く使用されている物質です。
このほか、トリエチレンテトラミンの二塩化水素化物は、銅のキレート剤として銅の尿中排泄を促進する効果があります。銅代謝異常であるウィルソン病の治療薬としても用いられています。
図2. トリエチレンテトラミンの合成の例
トリエチレンテトラミンは、エチレンジアミンまたはエタノールアミンとアンモニア混合物を酸化物触媒上で加熱して合成します。この合成方法により、トリエチレンテトラミンの他にさまざまなアミン類が得られます。
図3. トリエチレンテトラミンの不純物の例
無色の油状の液体ですが、古くなると空気酸化による不純物のために黄色をおびます。これは多くのアミン類一般に共通する性質です。商業サンプルには分枝異性体のトリス(2-アミノエチル)アミンおよびピペラジンが混入している可能性があります。
トリエチレンテトラミンは、主に研究開発用試薬製品として販売されています。容量の種類は、10mL、25mL、50mL、500mLであり、実験室で取り扱いやすい低容量での提供です。
通常、室温で取り扱い可能な試薬製品として販売されています。製品の中にはエチレンアミン混合物として販売されているものもあるため、注意が必要です。
トリエチレンテトラミンは、配位化学の四座配位子であり、トリエンと呼ばれます。銅 (II) 選択的キレート剤としての作用が特によく知られている物質です。金属に配位してM (trien) L2 タイプの八面体錯体を形成し、いくつかのジアステレオマー構造をとることができます。
ウィルソン病は、先天性銅代謝異常によって無機銅が代謝されずに蓄積する疾患ですが、この疾患の治療にトリエチレンテトラミンの塩酸塩は銅キレート剤として有効です。トリエチレンテトラミン塩酸塩は、特にペニシラミンによる効果が低い人や投与が望ましくない人に向けて投与されることが多い物質です。
具体的な物質としては、トリエチレンテトラミン塩酸塩、トリエンチン二塩酸塩、トリエンチン四塩酸塩の各種塩酸塩が各国で用いられています。
トリエチレンテトラミンは、引火点138℃であり、引火性のある物質です。そのため、消防法では第4類危険物、第三石油類 (水溶性液体) に指定されています。
また、海洋汚染防止法では有害液体物質に指定されており、船舶安全法、航空法、港則法では腐食性物質に指定されている物質です。 廃棄の前には、可能な限り無害化や安定化及び中和などの処理を行い、危険有害性のレベルを低い状態にする必要があります。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/cas-62-55-5.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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