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チタン銅についての概要、用途、原理などをご説明します。また、チタン銅のメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しております。チタン銅関連企業の2025年2月注目ランキングは1位:株式会社日本製鋼所、2位:DOWAメタルテック株式会社、3位:日本特殊金属株式会社となっています。
チタン銅とは、チタンを添加元素とする銅合金です。
展延性や耐食性、耐熱性、耐摩耗性、耐疲労性に優れており、さらに強度、耐応力緩和特性、曲げ加工性に優れている点が特徴です。
同じく高強度合金であるベリリウム銅よりも安価であるため、代替材料として用いられおり、JIS (日本産業規格) ではC1900に分類されるものの他、NKT322、YCuT-F、YCu-Mなどの種類があります。またチタン銅には微量の鉄 (Fe) などが添加される場合があり、銅チタン合金やCu-Ti系合金などと呼ばれることもあります。
チタン銅は強度が高く、曲げ加工性に優れた合金です。また、高温環境下での接触力保持に優れており、複雑な曲げ加工を施す電気・電子部品、自動車部品など幅広い分野で使用されています。
チタン銅は、その優れた強度と曲げ加工性により、スマートフォンやパソコンといった小型電子機器のコネクタ材として最適な素材です。また電気伝導性と機械的強度を兼ね備えていることから、電子部品の端子、スイッチ、リレーなどにも幅広く利用されています。
さらに、高い精度と耐久性が求められるカメラモジュールにおいては、レンズを支えるばね材としても採用されています。
自動車の電装品用コネクタは、振動や高温環境に晒されるため、高い信頼性が求められます。チタン銅は、優れた強度と導電性を兼ね備え、このような過酷な環境下でも安定した接続を維持できるため、コネクタに最適な材料です。
また、バッテリーターミナルは、大電流を安全に流す必要がありますが、チタン銅は高い導電性だけでなく、強度も持ち合わせているため、大電流による発熱や振動にも耐えることができます。そのため、バッテリーターミナルの材料としても適しています。
高精度計測器においては、微小な力を正確に伝えるばねが不可欠です。チタン銅は、優れたばね特性を有しており、このような用途に最適な材料として採用されています。
また、高温環境で使用される真空管の部品には、耐熱性と電気伝導性が求められ、チタン銅は、これらの要求を満たす材料として、真空管の部品にも利用されています。
チタン銅は、鋼に匹敵する硬度と強度を誇りながら、優れた導電性、熱伝導性、耐食性、耐疲労性も兼ね備えた、さまざまな分野で注目される高性能な銅合金です。
時効硬化処理温度が高いほど導電率が高くなる傾向があるうえ、高温強度にも優れるという特徴も持ち合わせています。他の銅合金と比較しても軟化温度が高く、300℃付近までほとんど引張強度が低下しません。さらに、疲労特性と耐食性においても、代表的な銅合金である銅-ベリリウム合金に匹敵する優れた性能を有しています。
銅にチタンを加えることで、強度と硬度が飛躍的に向上し、鋼に匹敵するほどになります。さらに高強度ながらも、曲げ加工性やプレス加工性にも優れており、複雑な形状の部品にも加工できます。また、繰り返し荷重に対する耐久性も高く、振動や衝撃を受ける環境にも最適です。
純銅に匹敵する高い導電性を持ち、電気回路や電子部品の材料として最適です。くわえて熱伝導性も高く、放熱が必要な場面でも有効です。
銅にチタンを添加すると耐食性が向上し、海水や酸性環境などの様々な腐食環境で使用できます。さらに、磁性を帯びないため、磁気の影響を受けやすい部位にも適用可能です。
高温下でも強度を維持できるため、高温環境での使用に適します。さらに、高温下で長時間負荷を受けても、応力低下が少なく、信頼性が求められる用途に最適です。
チタン銅は、チタンや添加元素の含有量によってさまざまな種類が存在します。代表的なチタン銅の種類と組成は以下の通りです。また、それぞれの加工材の硬さの区分には、EH材、1/4H材、SH材などがあり、これらの硬さの程度は、硬化処理の温度と時間の違いによって生じます。
C1990の化学組成は、Ti: 2.90~3.50%、Cu: Rem. (残り) です。最も一般的なチタン銅合金で、優れた強度と応力緩和特性を持ちます。また同じ組成でありながら、加工プロセスの制御によって、強度、曲げやすさ、電気伝導率などを向上させた製品も提供されています。
NKT322は、チタン銅に少量のFeを添加することで強度や曲げ加工性を向上させた素材です。組成はTi: 2.9~3.4%、Fe: 0.17~0.23%、Cu: Rem. (残り) です。高い導電性と耐応力緩和特性を兼ね備えた合金で、特に高温下での接触力保持に優れています。
耐食性やはんだ付け性を向上させるために、表面に銅メッキを施したチタン銅箔があります。とくに導電率を重視した製品では、電子部品に通電した際の発熱抑制や放熱性向上が期待できます。
チタンと銅を溶解炉で溶かし、均一な合金を製造します。溶解した合金は鋳型に流し込まれ、連続鋳造法やダイカスト法などによってインゴットまたはビレットに成形されます。成形後は、熱間または冷間で圧延・鍛造を行い、板、棒、線などの形状に加工する流れです。
さらに、圧延・鍛造後の材料には、焼入れと焼戻しによる溶体化処理や時効硬化処理などの熱処理を施し、所望の機械的性質や電気的性質を付与します。時効硬化処理は材料の酸化を防ぐため、非酸化性雰囲気下または真空中で行うのが望ましいとされます。加えて、溶体化処理後に冷間加工を施すことで、機械的強度をさらに高めることが可能です。
チタン銅の化学組成は、合金の種類によって異なりますが、一般的にはチタン (Ti) が1.8%~3.5%程度含まれています。残りは銅 (Cu) が占めますが、微量の鉄 (Fe) が0.2%程度添加される場合もあります。鉄が添加されたチタン銅は、優れた曲げ特性を持ちながらも、1GPa以上の高い強度(耐力)を示す点が特徴です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社日本製鋼所 |
40.0%
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2 | DOWAメタルテック株式会社 |
20.0%
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3 | 日本特殊金属株式会社 |
10.0%
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4 | JX金属株式会社 |
10.0%
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