スクリュープラグとは

スクリュープラグ (英: Screw plugs) とは、ねじ込み式の栓 (プラグ) で、流体や液体の漏洩を止めるために、油槽や配管などを塞ぐ部品です。
一般的に、スクリュープラグは、ねじプラグとも呼ばれています。プラグという名称ですが、ガソリンエンジン点火用のスパークプラグや、電気コンセント差し込み用のプラグではありません。
スクリュープラグは、JIS規格で規定されている「自動車部品-ねじプラグ」ですが、ねじ込み式管継手のプラグもスクリュープラグと呼ばれることがあります。
スクリュープラグの使用用途

図1. 使用例
1. 自動車部品用
自動車用の場合、エンジンや各種ギアボックス内のオイル (潤滑油) の排出用穴の栓 (プラグ) や、その他液体状のものを排出させる穴の栓として使用します。使用例として、エンジンや各種ギアボックスハウジングの側面や底部には、オイル排出用穴にねじ加工が施されていて、その穴にスクリュープラグをねじ込み封止します。
2. 配管用
配管用の場合、管継手の穴を閉止または開放し、内部流体の流出を閉止するために使用します。
スクリュープラグの原理

図2. 種類と形状
1. ねじの種類、頭部の形状
スクリュープラグの種類は、ねじの種類、頭部の形状によって下記のとおりに分けられます。
種類
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ねじ |
頭部形状 |
1種 |
A形 |
管用テーパねじ |
四角頭 |
B1形
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六角穴付き |
B2形
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四角穴付き
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C形
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六角頭
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2種 |
A形
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メートル並目ねじ
メートル細目ねじ
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六角頭
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B形
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つば付き六角頭
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C形
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つば付き六角穴付き
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JIS B2301 ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手 |
Ⅰ形
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管用テーパねじ
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四角頭
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JIS B2308 ステンレス鋼製ねじ込み式管継手 |
P1
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管用テーパねじ
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四角頭
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P2
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六角頭または八角頭
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2. ねじ先端の形状

図3. ねじの先端形状
スクリュープラグは、ねじ先の形状が平坦のものと、外径が少し細くなっているパイロット形状があり、ストレート形とテーパ形 (管用テーパねじの場合のみ) があります。
3. 漏洩防止方法

図4. 漏洩防止方法
管用テーパねじの場合、スクリュープラグのおすねじ外周にシールテープを巻き、めすねじに側にねじ込むことで、ねじ相互間が密着し封止します。
メートル並目・細目ねじの場合、スクリュープラグ座面と相手側取り付け面の間にガスケットを挟み込み、スクリュープラグをめすねじ側にねじ込み、座面相互が密着し封止します。このガスケットは、JIS D2101の附属書 表3 2種のプラグのガスケット形状・寸法に記載されています。
4. 材質
一般的なスクリュープラグの材質例を下表に示します。
材質
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適用規格
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JIS D2101 自動車部品–ねじプラグ
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SWCH10A~12A、SWCH10K~12K、SWCH43K~48K
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冷間圧造炭素鋼
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JIS G3539
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S10C~S20C、S43C~S48C
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機械構造用炭素鋼鋼材
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JIS G4051
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C3604
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銅及び銅合金の棒
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JIS H3250
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JIS B2301 ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手
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FCMB27-05
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黒心可鍛鋳鉄
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JIS G5705
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FCMW34-04
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白心可鍛鋳鉄
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JIS G34-04
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FC200
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ねずみ鋳鉄
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JIS G5501
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JIS B2308 ステンレス鋼製ねじ込み式管継手
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オーステナイトステンレス鋼
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ステンレス鋼鋳鋼品
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JIS G5121
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圧力容器用ステンレス鋼鍛鋼品
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JIS G3214
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ステンレス棒鋼
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JIS G4303
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冷間圧造炭素鋼、機械構造用炭素鋼鋼材製は、防錆のためにJIS D0201 自動車部品-電気めっき通則に規定されている、Ep-Fe/Zn5cの表面処理が施されています。可鍛鋳鉄製は、溶融亜鉛めっきを施している場合があります。