バンドパスフィルタ

監修:株式会社トーカイ

バンドパスフィルタとは

バンドパスフィルタとは、特定の周波数帯域の信号を通過させ、それ以外の周波数を減衰させる電子回路です。

入力信号の中から特定の周波数範囲を選択的に通過させ、カットオフ周波数より低いまたは高い周波数の信号を抑制します。音声信号処理や無線通信、画像処理などの分野で広く利用されます。音声信号の中から特定の音域を抽出したり、無線信号から特定の周波数を選別したりすることが可能です。

バンドパスフィルタの使用用途

バンドパスフィルタは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 音響業界

音響業界では、バンドパスフィルタが音声処理において重要な役割を果たします。ミキシングやマスタリングの過程で、特定の楽器やボーカルの周波数を調整するために使用されます。たとえば、バンドパスフィルタを使用して100 Hz〜1 kHz付近を強調することでギターの音を強調することが可能です。

また、録音やライブ音声においては、背景ノイズを除去するためにも使用されます。これにより、クリアで高品質な音質へ調整することが可能です。

2. 通信業界

通信業界において、特定の周波数帯域の信号を受信し、他の周波数からの干渉を防ぐために使用されます。例えば、携帯電話は複数の周波数帯域で通信を行うため、それぞれの周波数帯域に対応するバンドパスフィルタを利用して必要な信号を正確に受信することが可能です。さらに、携帯電話の基地局では、複数のユーザーからの信号が混在するため、バンドパスフィルタを用いて特定の周波数帯域の信号を抽出し、ユーザー間の通信が干渉しないように調整します。

3. 映像業界

映像処理においては、バンドパスフィルタが画像の品質向上や情報抽出に使用されます。特にエッジ部分は周波数成分が高いため、特定の高周波数を通過させることで画像の境界を鮮明にすることが可能です。これにより、物体認識や映像分析の精度が向上します。

また、映像処理ではノイズを低減するためにバンドパスフィルタが使われることも多いです。スムージングフィルタやメディアンフィルタと組み合わせて使用することで画質が向上し、高品質な映像に調整することができます。

バンドパスフィルタの原理

バンドパスフィルタは通過帯域と呼ばれる特定範囲の周波数を有します。通過帯域には下限周波数と上限周波数が定義されており、下限以下の周波数と上限以上の周波数の信号をフィルタによって減衰させる仕組みです。これにより、特定の信号成分を抽出することができます。

バンドパスフィルタは抵抗・コンデンサ・インダクタなどの電子部品を使用して製造されることが多いです。近年は電子基板を内蔵したデジタルフィルタも多く販売されています。

バンドパスフィルタの種類

バンドパスフィルタには主にアナログフィルタとデジタルフィルタ2種類が存在します。

1. アナログフィルタ

アナログバンドパスフィルタは抵抗・コンデンサ・インダクタなどの受動素子を用いて構成される回路です。連続信号を処理し、特定の周波数範囲内の信号を通過させるとともに、それ以外の周波数成分を減衰させる役割を果たします。

アナログフィルタの設計は比較的単純で、回路図を描いて部品要素を接続することで実現可能です。フィルタリング処理において即時性が高く、遅延がほとんどありません。フィルタの特性も設計に応じて調整でき、スロープや通過帯域幅を変更することができます。しかしながら、温度や経年劣化の影響を受けやすく、精度が求められる場合には制約が生じることがあります。

2. デジタルフィルタ

デジタルバンドパスフィルタはデジタル信号処理技術を利用した回路です。サンプリングされたデジタル信号に対してフィルタリングを行います。DSPやマイクロコントローラといった計算機が用いられます。

アルゴリズムやプログラムの変更により設計を柔軟に変更できるため、用途に応じた設定が可能です。また、デジタルフィルタは数値計算に基づくため、温度や経年劣化に対して比較的安定しており、高い精度を有します。複雑なフィルタリング処理や非線形処理を実現することが可能です。

ただし、デジタルフィルタはサンプリングや量子化の影響を受けるため、適切な設計が必要不可欠です。処理にはわずかな遅延が生じることもあります。

本記事はバンドパスフィルタを製造・販売する株式会社トーカイ様に監修を頂きました。

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メタルソー再研磨

メタルソー再研磨とは

メタルソー再研磨とは、金属切削用のソー (刃物) を再度研磨して切れ味を回復させるサービスです。

メタルソーは使用しているうちに摩耗し、切れ味が低下します。新しいバンドソーを購入するのは高額ですが、再研磨を行うことで使用中のソーを再利用できます。これにより、経済的な負担を軽減することが可能です。

鈍った刃物を使うと過剰な力が必要となり、事故のリスクが高まります。鋭い刃物を使用することで安全に作業が行えます。したがって、定期的な再研磨が必要不可欠です。

メタルソー再研磨の使用用途

メタルソー再研磨は、主にメタルソーに対して実施します。各業界において重要な役割を果たしており、コスト削減や品質向上及び安全性の向上など、様々な面で利点を提供しています。以下はその一例です。

1. 製造業

製造業において、メタルソーは金属部品・製品の加工に幅広く使用されます。再研磨されたメタルソーは高精度な切断を実現することができ、組立工程でのトラブルを減少させることが可能です。

また、鋭い刃物を使用することで加工時間が短縮され、生産性が向上し、全体のコスト効率も改善されます。さらに、品質管理が厳しい製造業では切断面の仕上がりが非常に重要です。再研磨によってその品質が向上するため、顧客満足度も高まります。

2. 建設業

建設業では、主に鉄鋼やアルミニウムなどの構造材を切断する際にメタルソーが使用されます。再研磨されたソーは施工の効率化に貢献します。特に大型構造物の建設では迅速な切断が求められるため、作業の効率性が重要です。

また、鋭い刃物を使用することで安全性が向上し、作業者の事故リスクを低減します。建設現場では部材サイズの正確性が重要ですが、再研磨により切断の精度を向上させ、最終製品の品質を向上させることが可能です。

メタルソー再研磨の原理

メタルソーの刃先は金属を切断する際に摩擦や衝撃によって摩耗し、切れ味が低下します。この摩耗を補うために、再研磨のプロセスが行われます。再研磨の基本的な手順は、刃先を研磨工具や研磨機を使って削り、鋭い角度を持つ新しい刃先を形成することです。

再研磨に使用される研磨工具はダイヤモンドや砥石などの硬い材料を内包しており、刃先の形状に合わせて適切な角度で研磨されます。研磨中、刃先の形状や角度が正確に維持されることが重要で、切断精度に直結します。。

さらに、研磨の際には冷却剤を使用することが一般的です。冷却剤は、研磨中に発生する熱を抑え、刃先の過熱を防ぐ役割を果たします。過熱は金属の特性を変化させる可能性があるため、冷却は非常に重要です。

研磨後、刃先の仕上げ処理が行うことがあります。これにより、表面の滑らかさや耐久性が向上し、切断性能がさらに強化されます。このように、メタルソーの再研磨は、精密な研磨プロセスや冷却技術などを組み合わせた作業です。

メタルソー再研磨サービスの選び方

メタルソーを再研磨するサービスを選定する際は、以下を考慮することが重要です。

1. 専門知識

まず、サービス業者の経験と専門性を確認することが重要です。長年の実績があり、メタルソーの再研磨に特化した専門業者を選ぶことで、質の高い再研磨を期待できます。また、技術者が有する資格などもチェックするポイントです。

2. 品質管理

品質管理のプロセスも確認します。特にISO 9001を取得している業者は一定の品質基準を満たすために必要なプロセスや手順を確立しているため、再研磨サービスの品質が一貫して高いレベルに維持されることが期待できます。顧客からのフィードバックをどう扱っているかなども調べることが重要です。

3. 納期・柔軟性

納期やサービスの柔軟性も重要な要素です。特に生産ラインのダウンタイムを最小限に抑えたい場合、迅速な対応が求められます。納期の目安や、緊急対応の可否について確認しておくと安心です。

高性能空気清浄機

高性能空気清浄機とは

高性能空気清浄機とは、主に業務用で使用され、様々な業務環境の清浄化を行う空気清浄機です。

通常の空気清浄機で除去されるほこりやウイルスなどのほかに、業務で発生する粉塵やVOC (揮発性有機化合物) なども除去することが可能です。産業シーンにおいては、通常より高いレベルでの安全性作業環境を保ち、きれいな空気、清潔さが求められるシーンや、業務に伴って発生するVOCなどの汚染物質の除去が必要となるシーン、特に密閉な空間の空気清浄が必要となるシーンなどが有ります。高性能空気清浄機は、高性能な活性炭フィルターや殺菌灯、光触媒や強力ファンなどを搭載しており、このような業務用シーンで多く活用されています。

高性能空気清浄機の使用用途

高性能空気清浄機は、主に下記のような場面で使用されます。

  • 業務上、通常よりも強力かつ高いレベルの集塵、揮発性有機溶剤吸着する機能が必要とされる用途
  • 業務上で発生しうる有害物質を清浄化する必要がある用途

1. 高性能な集塵機能

高性能空気清浄機の用途の1つは、通常より高性能な集塵機能により、クリーン環境を作り出すことです。特に精密機器、食品、医療用品などを製造する工場では、製品への微小な粉塵の混入を抑止することが必要であり、清浄化レベルの高い空気清浄機が使用されます。

作業員の安全を確保するため、また生産ラインにロット番号を印刷するインクジェックプリンターとレーザーマーカーから排出される微細な粉塵やVOCを吸着するために常時に使われます。また、不特定多数の人が出入りする空間や、細菌・ウイルス対策等が必要な業務シーンなどにおける、利用者の健康増進も高機能空気清浄機の目的の1つです。利用されている具体的な施設には下記のようなものがあります。

  • 飲食店・商業施設
  • 病院、薬局などの医療機関
  • 学校・保育園・幼稚園などの教育機関
  • ホテル
  • 介護・福祉施設
  • ペットショップ

2. 有害物質・汚染物質の除去

インクや各種溶剤などに含まれるメチルエチルケトン(MEK)やアセトンなどは、揮発性有機溶剤 (有機溶剤化合物、VOC) と呼ばれ、頭痛、目眩、呼吸器官への刺激、吐き気などの健康被害の原因物質です。VOCは規制対象となっており、例えば、MEKの場合、労働安全衛生法第65条の2第2項に基づく作業環境評価基準では200ppm以下と定められています。

高性能空気清浄機は、こうしたVOCの他、溶接に伴って発生するヒューム、切削に伴うオイルミスト、研磨に伴って発生する粉塵などを空気中より除去する目的で使用される製品です。大掛かりな設置工事が必要である局所排気設備の代わりに設置される場合もあります。

下記は主な使用施設の例です。

  • 生産工場の生産ライン(洗浄工程・接着工程)、作業現場、研究室
  • 塗装工場
  • 切削・溶接・研磨・はんだ付けなどを行う金属加工業や各種製造業
  • 印刷業
  • ネイルサロン

高性能空気清浄機の原理

一般的な空気清浄機の仕組みはファンにより強制的に空気を吸い込み、フィルタを通すことで空気を清浄化するというものです。

高性能空気清浄機も基本的に同様の仕組みですが、吸引力が強く、フィルタなどの浄化機能がより高機能になっています。製品によっては、安全面対策、警報、移動可能などの機能があり、処理される有機溶剤や物質によっては、活性炭を特殊な処理を行ったフィルターを採用している場合があります。また、家庭用の空気清浄機に比べて、強力なファンが内蔵されている場合が多いです。

1. フィルター

高性能空気清浄機では、HEPAフィルターが主に使用されます。HEPAフィルターの名称は、High Efficiency Particulate Airの頭文字を取っており、空気中の微粒子を捕捉することができるエアフィルターです。JIS規格の定義では、「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有しており、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」とされます。

高性能空気清浄機で使用されるHEPAフィルターは、繊維による吸着濾過だけでなく、特殊処理された活性炭フィルターの併用により、更に効果が高められている場合が多いです。活性炭フィルターには、一般的なフィルターに比べて特にVOCを吸着する効果を持ちます。

2. 殺菌・分解

高性能空気清浄機には、空気中の細菌やVOCなどの汚染物質の分解機能として、酸化チタン光触媒、冷陰極管紫外線ランプ、深紫外線LEDなどが備えられている場合があります。

光触媒は、VOCをはじめとする化学物質や各種の有害物質を分解する働きを持ち、紫外線灯によって放出される波長254nm付近の紫外線は、細菌やウイルスの除菌効果を持ちます。

高性能空気清浄機の種類

高性能空気清浄機には、用途に応じて様々な製品があります。

主に工場、研究室、洗浄現場に使われる業務用と家庭、公共空間や病院に使われる製品に分けられます。VOC揮発性有機溶剤などの化学物質の除去を主な目的としている製品では、特殊処理した活性炭、HEPAフィルター、汚染物質の化学的吸着・分解が機能の中心に据えられています。公共の空間や病院などにおける、ウイルスや細菌対策をターゲットとしている製品では、除菌・抗菌や飛沫によるエアロゾルの捕集に特に力を入れた機能展開です。

可搬式の通常の小型の空気清浄機の他、壁付けで使用される製品もあります。また、工場におけるオイルミストの除去を目的とする製品では、吊り下げ型で床面から3m程度の高さに設置します。特に工業用製品では局所型や広域型、工作機械などに直接連結する直結型などの種類があり、用途に合わせて選定することが重要です。

再研磨

再研磨とは

再研磨とは、対象物の表面を再度研磨するサービスです。

摩耗や損傷によって劣化した表面を修復し、元の性能や外観を回復させるために行われます。新しい工具や部品を購入するよりも、コストを大幅に削減することが可能です。特に高価な工具や部品の場合、再研磨によって経済的な負担を軽減できます。

また、再研磨を行うことで廃棄物を減少させ、資源のリサイクルを促進します。資源の無駄を減らす、環境へ配慮した選択肢の一つです。

再研磨の使用用途

再研磨は以下のような対象物に実行することが多いです。

1. 工具

切削工具やドリルなどの工作機械用工具は、使用に伴って摩耗し、切れ味が低下します。再研磨によって刃先の形状を復元し、鋭利な状態を回復させることが可能です。これにより、加工精度や生産効率が向上し、無駄な材料の浪費を防ぐことができます。また、再研磨は工具の寿命を延ばし、新しい工具を購入するコストを抑えることにもつながります。

2. 自動車部品

自動車のエンジンやトランスミッションは摩擦や熱によって部品が劣化することがあります。再研磨を通じてこれらの部品表面を修復し、性能を回復させることが可能です。特にピストンリングやシリンダーの再研磨は、エンジンの圧縮効率を改善し、燃費や出力の向上につながります。

3. 金型

プラスチックや金属の成形に使用される金型は、製品を大量生産する際に摩耗します。再研磨を行うことで、金型の形状や寸法を元に戻し、製品精度を維持できます。再研磨によって金型の寿命を延ばすことができ、新しい金型を製作するコストを削減することが可能です。

4. 光学機器

レンズやプリズムなどの光学部品は、表面状態が性能を左右します。表面が傷ついたり汚れたりすると、光学性能が低下します。再研磨を行うことで表面の欠陥を修復し、光の透過率や焦点を正確に保つことが可能です。カメラや顕微鏡、望遠鏡などの精密光学機器において特に重要です。

再研磨の原理

再研磨では、研磨材や研磨工具を使用して、対象物の表面に摩擦をかけます。この摩擦によって、表面の微細な欠陥や汚れが除去され、滑らかさが増す仕組みです。摩擦の程度は、使用する研磨材や速度、圧力によって調整できます。

再研磨は材料表面を削り取ることによって実行します。研磨工具の先端には粒子状の研磨材が付着しており、これが対象物の表面に接触することで微細な層を削り取ります。この削り取りは非常に均一で、必要な厚さだけを削ることが可能です。

仕上げの段階では粗い粒度の研磨剤から細かい研磨材へ変化させていき、均一かつ滑らかな表面仕上がりへ完成させていきます。これにより、光学的な特性や機械的な性能を向上させることが可能です。

また、再研磨中に発生する摩擦熱は、材料の性質に影響を与えることがあります。そのため、熱の発生を抑えるための冷却材を使用したり、適切な速度や圧力に設定したりすることが重要です。

再研磨サービスの選び方

再研磨を代行するサービスが存在します。これらを選定する際は、以下を考慮することが重要です。

1. 専門分野

再研磨の施行業者が、研磨対象物に対する専門知識や経験を有することを確認します。特に自動車や光学機器などの特定分野での経験がある場合、技術的な要件や標準を理解している可能性が高いです。したがって、再研磨のサービスを安心して委託することができます。

また、再研磨を希望する対象物の材質に対する知識があることを確認します。それぞれ適切な研磨方法などがあり、適合しない方法で研磨を行うと、性能の低下や損傷を招きます。

2. 設備・技術

再研磨に使用される設備や技術の種類も重要です。最新の機械や技術を導入している場合、より高品質な仕上がりが期待できます。また、CNC研磨やレーザー加工などの高度な技術を有する場合、精度が求められる作業に適しています。

3. 信頼性

良好なカスタマーサポートがあることも考慮すべき点です。問い合わせに対する迅速な対応や納期についての明確な説明があることなどを確認します。技術的な質問に対しても親切に応じてくれることも重要な要素です。

バンドカッター

バンドカッターとは

バンドカッターとは、梱包バンドや工業用バンド、結束バンドなどを切断するための工具です。

物流業や製造業、重工業、建設業など様々な産業において、梱包・固定・結束の用途で多様なバンドを用いており、開梱時にはバンドカッターを使用しバンドを切断しています。

バンドカッターには手動式、電動式、空圧式などがあり、バンドの材質や厚み、作業量などを考慮して最適なバンドカッターを選ぶことで、効率的にバンドを切断することを可能にします。

バンドカッターを使用し切断する際には、切断したバンドが飛び散る危険があるので、保護具を着用するなど安全に気を配りながら作業をすることが大切です。

バンドカッターの使用用途

バンドカッターは様々な場面で使用されています。以下はその使用用途の一例です。

1. 梱包バンドの切断

物流現場や倉庫などでの保管、運搬工程で、荷物やパレット積み荷に梱包バンドが多く使用されています。開梱時にバンドカッターを使用し、金属製やプラスチック製の梱包バンドを切断します。

2. 工業用バンドの切断

製造業や重工業、建設業などにおいては、大規模な製品や機械、資材の固定及び梱包用途として、強靭な工業用バンドが使用されています。バンドカッターは、帯鉄 (鉄製やステンレス製などのバンド) を始めとする工業用バンドの切断にも使用されます。

例えばコイル (熱延帯鋼) を加工するコイルセンターでは、コイル外周のバンドを切断します。また、様々な工業用途として使用される線材や鋼材、パイプなどの梱包に使用したバンドの切断も頻繁に行われています。

3. ケーブルなどの結束バンドの切断

電気設備工事におけるケーブル交換や修理などの必要時に、ケーブルを束ねていた結束バンドを、専用のバンドカッターで切断することができます。

バンドカッターの種類

以下に、バンドカッターの主な種類を記載します。

1. 手動式バンドカッター

ハンドルを手で握って力を加えることにより、先端の刃でバンドを切断する手動式のものです。てこの原理を利用しており、プラスチック製のバンドや比較的薄い金属製のバンドを、少ない力で切断することができます。小型で軽量なものから、大型で金属製のバンドの切断に対応するものなど様々な種類があります。

2. 電動式バンドカッター

電動で切断するタイプのバンドカッターです。製造現場や倉庫などで、頻繁に金属製などの硬いバンドを切断したり、長時間作業する場面での使用に適しています。

3. 空圧式バンドカッター

圧縮空気を利用して切断するタイプのバンドカッター装置です。重工業や製造業などの現場で、大量のバンドを安全かつ高速に切断します。自動的にバンドを検出・切断するだけでなく、廃バンドの巻き縮めやカット除去などを行うタイプもあります。

4. ケーブルタイカッター

電気設備工事などで、ケーブルを束ねるのに使用する結束バンド (ケーブルタイ) 専用のカッターです。カッターの先端引っ掛け部に結束バンドを引っ掛け切断するタイプを使用すれば、ケーブルなどの結束物を傷つける心配がありません。

バンドカッターの選び方 

以下に、バンドカッターの選び方について記載します。

1. 切断するバンドの材質及び厚さ

切断するバンドの材質と厚さに応じて適切なカッターを選びます。手動式バンドカッターで厚めの金属製のバンドや帯鉄を切る場合は、強力な刃と耐久性のあるカッターが必要で、ハンドルが長い方が少ない力で切断することができます。

2. 作業頻度や作業量

頻繁に使用する場合や大量にバンドを切断する必要がある場合は、電動式や空圧式バンドカッターの使用も検討します。その際は、手動式バンドカッターに比べてコストがかかる為、費用対効果を考慮することも大切です。

手動式バンドカッターを頻繁に使用する場合は、軽量で長時間の作業でも疲れにくいものを選びます。

3. メンテナンスのしやすさ

バンドカッターの使用頻度が上がると、刃の交換などのメンテナンスが必要になります。耐久性のあるカッターを選び、替刃が手に入りやすいものや、手入れが簡単なものを選ぶと長期間使用できます。

バンドカッターのその他情報 

以下に、バンドカッターを使用する際の注意事項について記載します。

バンドを切断する際には、切断したバンドが跳ね上がったり飛び散る危険があります。

バンドカッターに飛び散り防止機能や保護カバーが付いているものをなるべく選び、使用時には保護メガネや保護手袋などを着用し、安全に切断しましょう。ハンディータイプのバンドカッターでバンドを切断する時には、上に跳ね上がるバンドを手で押さえながら作業することも大切です。

予防保全

監修:中山水熱工業株式会社

予防保全とは

予防保全とは、設備保全の一種で、設備等に致命的な不具合が起きる前に、予め決まったサイクルで点検や修理などを行うサービスです。

保全 (maintenance) は、設備や機器を健全 (使用可能) な状態で維持・管理する活動のことで、その形態は、大きく、事後保全 (corrective maintenance=修復的保全) と予防保全 (preventive maintenance=予防的保全) に分類できます。事後保全は、その名のとおり、設備や機器に不具合 (故障) が起き、機能が発揮できなくなってから修理・修復する活動のことであり、予防保全は、設備等に不具合が起きる前に部品交換やその他の手入れ、調整を行い、故障を未然に防ごうとするサービスです。

予防保全の使用用途

予防保全は、突発的な事故や計画外の故障を防止する目的で、様々な産業分野やインフラにおいて活用されている保全方法です。特に、故障や事故が重大な被害に繋がる場合や、突発的な故障によって大きな損害が想定される場合には、事後保全は許容されないため、予防保全の確実な実施が極めて重要となり、次のようなところに利用されます。

  • ビルなど一般建築物の外壁補修
  • 下水道などの管路・各種配管
  • 配線
  • 道路の路面・道路付属物
  • 河川の各種橋梁
  • トンネル
  • ダム
  • 砂防堤防・海岸堤防
  • 港湾
  • 空港・航路標識
  • 土木施設
  • 公園
  • スプリンクラー
  • 火災報知器
  • 無停電電源装置 (UPS)
  • 漏電ブレーカー

また、製造業では、工場における機械や設備の安定した稼働による効率的な生産のために利用されています。具体的な導入事例には、次のものがあります:

  • ベアリングの定期交換
  • 空油圧関係の圧力点検
  • ロボットやチェーンへのグリスアップ
  • ベルト点検
  • 切削工具・プレス機など各種加工機等の点検

このように、予防保全には、前もって点検交換の準備ができるため、効率的な保全活動が実現できることや故障や事故の被害を最小化できるなど、大きなメリットがあります。

一方、本来まだ必要でないタイミングで過剰に点検・交換を行うことになる場合があります。これをオーバーメンテナンスと呼びます。反対に、予防する計画が失敗し、保全前に設備や機器が故障を起こしてしまうことも完全に防ぐことはできません。

予防保全の種類

1.時間基準保全 (TBM)

時間基準保全 (定期保全) とは、カレンダー時間を基準として、保全計画 (保全間隔) を定める予防保全の方法です。TBM (英: Time-based Maintenance) 、カレンダー基準保全 (英: Calendar-based Maintenance) とも呼ばれます。間隔は、過去の故障データや経験則などを参考として決めます。

2.利用基準保全 (UBM) 

利用基準保全 (経時保全) とは、設備の稼働回数や実際の稼働時間を基準として保全作業の実施計画を定める予防保全の方法で、UBM (英: Usage-based Maintenance) とも呼ばれます。回数や時間の管理には、装置の使用記録を利用する場合や、1日当たりの平均使用量・回数を基準にする場合があります。

3. 状態基準保全 (CBM)

状態基準保全は、設備の出す信号を検出し、それが一定の値に達して設備の状態が悪化したと判定したときに修理や交換を行う保全方法で、CBM (英: Condition-based Maintenance) とも呼ばれます。信号の種類やその処理方法はさまざまですが、振動センサ又は加速度センサなどによる振動測定、電流などのアナログ信号を利用し、その波形解析によって状態を監視する方法が一般的です。

なお、最近の保全の分類では、センサの種類やセンシングの間隔 (常時又は定期)、信号処理及び解析方法の違いにより、状態基準保全の細再分類として、予知保全、モニタード保全、オンコンディション保全など、さまざまな名称が用いられる場合がありますが、区別は必ずしも明確ではありません。

本記事は予防保全を提供する中山水熱工業株式会社様に監修を頂きました。

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セラミック加工

監修:レーザージョブ株式会社

 セラミック加工とは

セラミック加工のイメージ

セラミック加工とは、セラミックス材料でできた粗材などを、切削や研削、研磨、焼結などの技術で特定の形状や機能を持つ製品に仕上げるプロセスです。

セラミックスは酸化物や窒化物、炭化物などの無機材料で構成されており、耐熱性や耐摩耗性、耐腐食性、絶縁性に優れています。このため、セラミックス製品は高温環境や化学薬品が使用される場面で活躍します。

一方で、セラミックスは金属やプラスチックに比べて加工が難しい点があり、特にその硬さと脆さが原因で通常の加工方法では破損しやすいです。そこで、ダイヤモンド工具やレーザー、水ジェット切断などの特殊な技術が必要となります。

なお、セラミックスには陶磁器、ガラス、セメントなども含まれますが、ここではファインセラミックスと呼ばれる、工業用の高度な機能を有した材料への加工を中心に扱います。

セラミック加工の使用用途

セラミック加工品は、さまざまな産業で利用されています。

電子部品

セラミックスの耐熱性や絶縁性を活かし、電子回路基板やセンサー、コンデンサーに使用されます。スマートフォンや自動車のエレクトロニクス部品でも重要な部品です。

医療機器

人工関節や歯科インプラントなど、体内に長期間置かれる医療機器には、セラミックスの生体適合性が適しています。金属アレルギーのリスクが低いことも利点です。

航空宇宙産業

高温に耐えるため、ジェットエンジンやロケットエンジンの部品としてセラミックスが使われています。

産業機械部品

ポンプやバルブの部品、研削機の工具などにおいても耐摩耗性の高いセラミックスが役立っています。腐食性の強い環境でも信頼される素材です。

日用品

セラミックス製の刃物や時計のベゼル、歯ブラシなど、日常生活に身近な製品にも使用されています。硬度の高さによって切れ味が持続し、軽量で錆びにくい点が魅力です。

セラミック加工の種類

セラミック加工にはさまざまな技術があります。最終的な製品の形状や精度、用途に応じて適切な方法が選ばれます。

1.レーザー加工

レーザービームを使用して、材料を精密に切断したり、穴を開けたりする方法です。セラミックの材質の特性から適した加工となり、高い精度を求められる微細加工や複雑なパターンの切断で活用されます。

2.切削加工

セラミックス材料を物理的に削る加工方法です。硬さが高いため、通常の工具では難しく、ダイヤモンド工具などが用いられます。大まかな形状を作るために使用されることが多いですが、工具の摩耗が早く、加工に時間がかかる点が課題です。

3. 研削加工

砥石を使い、表面を平滑に整える方法です。切削加工よりも高精度な仕上げが可能で、複雑な形状にも対応できます。特に精密な部品の製造に適した方法です。

4. 研磨加工

製品の表面を滑らかに仕上げるための方法で、光学部品や医療機器に多く用いられます。研磨剤やダイヤモンド粉末を使って細かな凹凸を取り除き、鏡面のような仕上げが求められる場面に適しています。

5. 水ジェット切断

高圧の水に研磨剤を混ぜて材料を切断する方法です。セラミックスの脆さに対応しやすく、熱を加えないため、材料の特性を損なうことなく加工できます。特に薄い部品や複雑な形状の切断に適しています。

6. 放電加工

放電加工は、電極とワーク (被加工物) との間で放電現象を生じさせ、ワークを溶解させる加工方法です。セラミックスの多くは絶縁体なので放電加工はできませんが、一部導電性を有する材料において放電加工が可能になる場合があります。セラミックスは金属に比べると熱伝導率が低く融点が高いため、材料は金属のように溶融飛散するのではなく、昇華やクラックの進展によって行われます。

本記事はセラミック加工を製造・販売するレーザージョブ株式会社様に監修を頂きました。

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ハンディクリーナー

監修:三協アクアシステム株式会社

ハンディクリーナーとは

ハンディクリーナーとは、軽量小型で、片手で取り扱うことができる掃除機のことです。

机や作業台の上の塵を吸い取るときや、片手で操作しなくてはいけない狭い場所の掃除をするときに便利です。

塵を吸引して捕集するメカニズムは掃除機と同じです。羽根を回して吸引するためのモーターと、塵を捕集する仕組み (紙パックまたはフィルターにより捉える、あるいはサイクロン式気流により遠心力で集める) を備えています。

軽量にするため、全体にコンパクトに作られており、装置を取り扱う取っ手も片手用となっています。使用方法は、装置を片手で持ち、掃除したい箇所に本体ごと指向して吸引ノズルをあて、塵を吸い取るというものです。

ハンディクリーナーの使用用途

主に家事用として、家の中の狭い箇所や、片手で操作したいときに用います。特に、台所の奥まったところのように通常の掃除機では取り回しがしにくい場所で便利です。また、片手で物をどかしたり、支えたりしながら掃除する必要がある居間にも有用です。自家用車の中も狭いため、ハンディクリーナーの使用に適します。

また、日曜大工や趣味の工作を行う作業台や机上の掃除にも適します。掃除機を台の上に持ち上げるのは大変なので、ハンディクリーナーがあれば便利です。 機能・性能の適合する範囲で、業務用に用いる場合もあります。この場合の用途は主に作業場所の清掃です。

一般的には、立って床掃除に用いる掃除機と、片手で操作するハンディクリーナーを使い分けますが、部品を付け替えることで両方の用途に使える製品もあります。

ハンディクリーナーの種類

1. 電源方式の違い

コード式と充電式 (コードレス式) があります。自動車内の掃除に特化した商品では、乗用車の社内電源ソケットに適合するものもあります。

2. 集塵方式の違い

紙パック式・紙パックレス式・サイクロン式などがあります。紙パック式は空気を通す紙パックに塵を吸い込んで集めるものです。紙パックレス式は、フィルターを備えた容器に塵を吸い込んで集め、固まった塵を捨てるタイプです。サイクロン式は、吸い込む気流が渦を巻くようにしたもので、塵によって吸引力が下がりにくい設計になっています。

3. 機能・用途による違い

ハンディクリーナには、一般的な掃除に適したタイプから、様々なアタッチメントが付属しているもの用途に即したものがあります。

  • 車用:車内の掃除に特化したタイプで隙間ノズルやブラシノズルなど、車内の掃除に便利なアタッチメントが付属していることが多いです。
  • 布団クリーナー:布団のダニやホコリを吸い取るために特化したタイプで、UVランプや振動機能が付いているものもあります。
  • ウェット&ドライタイプ:水分を吸い取ることができるタイプです。飲みこぼしやペットの粗相などを掃除する際に便利です。またソファなどの布製品に使用できるものかどうかも重要なポイントです。

ハンディクリーナーの選び方

使用目的を明確にし、それに応じた製品を選ぶことが重要です。一般には、吸引力、取り回しやすさ、ランニングコスト、動作音の大きさ、価格を勘案して選びます。

  • 吸引力:弱すぎる場合、掃除がはかどらず不便に感じる可能性があります。
  • 取り回しやすさ:重量、大きさ、コードのあるなしに影響されるものです。一般にはコードレスが便利と思われるのですが、コードレスの方がバッテリーの重量の分の重さを感じる面もあるため、よく検討する必要があります。
  • ランニングコスト:紙パック式は塵の処理がしやすい利点がある反面、紙パックを追加購入し続ける必要があります。また、コードレス型ではバッテリーが劣化したときの交換価格も考慮すべき点です。
  • 動作音:掃除する環境や時間帯により大きい音が好ましくない場合は、静音型が好まれます。
  • 価格:今までに挙げた各性能が良ければ良いほど高価となるため、妥協できる性能を特定することで、目的に合った製品をリーズナブルに購入することができることになります。

なお、片手で持つことができる軽量型の掃除機で、ホースを取り外すことでハンディクリーナーとして運用できる製品もあります。そのため、専用機としてハンディクリーナーを持つか、軽量型の掃除機をハンディクリーナーとして運用するかも、考慮すべき点です。

本記事はハンディクリーナーを製造・販売する三協アクアシステム株式会社様に監修を頂きました。

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遮熱マット

監修:株式会社エステック21

遮熱マットとは

遮熱マットとは、放射熱(輻射熱)を反射させて遮る遮熱と、断熱効果を併せ持つ厚手の素材です。

熱の伝わり方には放射・伝導・対流の3種類がありますが、遮熱とは、放射熱 (輻射熱) を遮る効果を指します。遮熱マットは、薄手の遮熱シートとは異なり、熱移動を総合的に抑えることができるので、遮熱シートよりも高い省エネ効果が期待できます。また省エネは、同時に脱炭素(カーボンニュートラル)にも貢献することから、今後更に注目を集めると考えられます。

また対象高温物への直接施工において、熱傷防止できない薄い遮熱シートに対して、遮熱マットでは実表面温度を下げることができるので、熱傷防止効果もあります。

遮熱マットの使用用途と選定注意点

1. 概要

遮熱マットは、主に高温設備からの放射熱と対流熱を遮る目的で使用されます。また、高温設備の外側に使用すると外壁から熱が逃げるのを防ぎ、エネルギー削減と生産性の向上に効果があります。それ以外では、低温配管の結露対策にも用いられます。食品工場、クリーンルームなどの清浄空間の高温設備には、コンタミ防止マットが使用されることが多いです。

2. 高温設備の場合

表面温度が高い、或いは稼働時間が長く、単位表面積当たりの年間放熱ロスが大きい場合は、遮熱シートや断熱のみよりも高い投資効率が得られることが多いです。 選定に当たっては、①求める省エネ性能、②対象物の表面温度の施工前温度と施工後目標値、③施工の容易性、④コンタミネーション(異物混入)を嫌うプロセスか否か、等を総合的に検討して選定します。一般に、断熱材は熱伝導率が低く、厚いほど高性能ですが、その分重く施工はしにくくなります。対策前後の放熱ロスを試算することでその優位性をチェックすることができます。また、④については、特に食品工場や半導体等のクリーンルーム等のコンタミを嫌う場所には、ガラスファイバーに代表されるような綿状断熱材は好ましくなく、代替品としてスポンジ状の断熱材を使った素材もあります。

3. 低温設備の場合

低温設備向けで留意すべきは結露です。結露水が生成付着すると、以下の問題が発生します。
1) 遮熱性能が低下
 薄い遮熱シートではこれが避けれませんので、温度等の条件に応じた素材・厚みの遮熱マットが不可欠です。
2) 断熱材内への水分侵入
 断熱材は、ガラスファイバー等の細い繊維で細分化された空気層で断熱効果を発揮しています。
ここに水分が入れば、その性能が大きく低下することが避けられません。なのでしっかり周囲をシールする必要がありますが、長年の使用で僅かな隙間からも水分混入するケースが見受けられます。これを防止するには、独立気泡タイプの断熱材の使用をお勧めします。

遮熱マットの原理

遮熱マットは、外側の遮熱層と内側の断熱材の相乗効果によって機能を発揮する複合資材です。外側の遮熱層はアルミシート製です。熱を跳ね返し、放射熱をカットします。反射率は95〜97%であることが多いです。

内側の断熱材には、ガラスファイバーや他各種断熱材などが用いられます。例えば熱伝導率は、λ=0.035W/(m・K)前後の素材があります。断熱材の厚さは製品によって異なっており、この厚みの違いがそのまま製品厚みに反映されます。

アルミシートと断熱材とは接着剤で接着され、ガラスメッシュシートなどが間に挟まれているものもあります。

遮熱マットは、こうした厚い断熱材構造の仕組みにより、省エネ効果に加え熱傷防止効果も期待できる資材です。尚、水分の侵入によって断熱性能が低下するため、水気のある場所 では注意が必要です。

遮熱マットの種類

遮熱マットには様々な種類があります。

遮熱層が断熱材の両側に接着されている製品と片側に接着されている製品があります。アルミシートが片側となっている製品では、断熱材側は遮熱アルミ (例: -70〜90℃) よりも高温 (例: 150℃、240℃など) に耐えることが可能です。特に温度の高い高温設備への使用に適しております。

厚み・寸法は使用されている断熱材の種類により、様々な製品があります。

コンタミリスク対策用製品はコンタミリスクへの配慮が必要な食品工場、クリーンルーム等高温設備へ利用されている製品です。断熱材にメメラミンスポンジなどの不燃スポンジを使用し、一般断熱材よりコンタミリスクを抑えることができます。

本記事は遮熱マットを製造・販売する株式会社エステック21様に監修を頂きました。

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見積管理システム

見積管理システムとは

見積管理システムとは、見積書の作成・発行、承認フローを一括で管理し、業務の効率化に貢献するシステムです。

見積もり管理業務では、見積書について、見積内容の情報や承認プロセス・業務フローなどの管理が必要です。ローカルで業務を行った場合、情報の一元化・共有が難しく、情報が断片化・属人化しやすいという特徴がありますが、見積管理システムを利用することで、業務の一本化が可能です。見積書発行時の金額計算や承認フローまでを一本化・効率化することができます。さまざまな機能を持ったシステムが有り、用途・業種等に合ったシステムを選定することが大切です。

見積管理システムの使用用途

見積管理システムは、見積管理業務における下記のような効率化を目的として利用されます。

  • 一元管理の実現
  • 見積もり作成の効率化・ペーパーレス化
  • 業務改善につながる見積もり分析

まず、従来各担当者が個人で管理していた情報を一元化し、リアルタイムで共有することが可能です。これにより、見積規格などの統一を図り、また、業務遂行上さまざまな形で活用できるようになります。承認フローもシステム内で完結するため印刷・押印などのプロセスも効率化が可能です。

また、見積管理システムは、システムから直接見積もり依頼を行うことができるようになっており、関係部署との連携が容易になり、業務効率の改善に有効です。例えば、個々に行っていた、仕入れ値の確認、他営業の見積もりと照らし合わせた相場の確認、在庫管理部門に売り止め指示を出すなどの一連の業務が一括で進行します。また、PDFやブラウザ閲覧などによる見積もりのペーパーレス化も実現します。

また、見積管理システムを利用することで過去の見積もりの成約率や、成約からの利益率なども記録が可能です。過去の見積のデータから、成約に結びつかなかった理由や、利益率が低かった場合の原因を確認できます。

見積管理システムの原理

見積管理システムの主な機能は

  • 作成・発行
  • 承認フロー
  • 保管
  • 商品マスタ・顧客マスタなどのマスタデータの一元管理
  • 帳票管理
  • データ連携・システム連携

です。

作成・発行では、過去の見積書などのテンプレートを読み込んだり、受注内容を取り込んで見積書を自動作成したりすることが可能です。また、AI (人工知能) によって入力ミスなどを指摘するアシスト機能が搭載されている場合もあります。

見積書の確認と承認はシステム内にてオンラインで可能です。従来決裁者の押印を必要としていた承認プロセスも効率化とスピードアップを図ることができます。

見積書の保管はシステム内で自動的に行われます。また、合わせて商品マスタや取引先マスタなどのマスタデータもシステム内で管理されます。

システム連携機能は、外部システムとデータを自動でやり取りする機能です。データを再入力する手間が省くことができる省力化の観点だけでなく、ヒューマンエラーの防止の上でも有効です。CRM (顧客管理システム) やSFA (営業支援ツール) などと連携して使用されます。

見積管理システムの種類

1. 機能面

見積管理システムは、機能面で大きく分けて

  • 見積管理専用型
  • ERP、販売管理システム一体型
  • 業種 (業界) 特化型

の3種類に分類されます。

見積管理専用型は、見積書の作成、発行、管理に特化したシステムです。シンプルな機能のみなので操作性に優れて要ることが特徴です、

ERPや販売管理システムに一体型となっている見積管理システムは、ERP (基幹システム) のモジュールの1つとして見積管理機能が搭載されているシステムです。見積書の作成後、会計処理までを自動化で行ったり、他システムと連携して経理業務などを行うことが可能です。受注から納品までの広範な販売業務に対応したい場合などに適しています。

業種特化型は、特定の業種に必要とされる項目や機能を備えた見積管理システムです。建設業・組立製造・プロセス製造・IT・卸売り・マーケティング・医療業界などの業種に対応した製品があります。機能の例としては、積算見積書 (製造や建築業界などにおける人材や材料、工事費用を考慮した見積) の作成に対応した製品や、参考として相場単価や適性金額を表示する製品などがあります。

2. オンプレミス型・クラウド型

見積もり管理システムには、オンプレミス型とクラウド型の種類があります。

オンプレミス型とは、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどのシステムの稼働やインフラの構築を自社で保有して運用する形態です。導入費用は高いものの、セキュリティの安全性が高い点で優れています。

クラウド型は、初期費用が抑えられ、システム構築に手間がかからないという特徴があります。スマートフォンやタブレットの端末などを使用すれば出先でも見積もり作成が可能であるという柔軟性の高さがメリットです。