緩衝材製造機

緩衝材製造機とは

緩衝材製造機とは、配送時の衝撃を抑える保護素材を製造する装置です。

梱包作業において、製品への衝撃を緩和する柔軟な梱包材料が欠かせません。緩衝材製造機は空気を充填した泡状素材 (プチプチ) など、多様な保護用パッケージを作り出せる点が特徴です。特にエアー緩衝材製造機は、専用のフィルムに空気を封入しながら連続的にクッションを生成する仕組みです。作業効率を高めつつ必要な分だけ作れる利点があります。

また、気泡の大きさや厚みを調整できる機種もあり、梱包対象物に合わせた柔軟な設定が可能です。一般的にはベルトやローラーなどの搬送部品を通してフィルムを所定の位置へ送り、内部へ空気を注入した後、複数の気室を連結させた緩衝材を完成させます。不要な保管スペースを削減できるメリットも大きく、利便性が高い装置として多くの現場で導入が進んでいます。

緩衝材製造機の使用用途

緩衝材製造機は以下のような用途で使用されます。

1. 製造業 

電子機器、自動車部品、精密機械、医療機器など、デリケートな製品や部品を安全に輸送・保管するために、製品の重さ、形状、壊れやすさ、サイズなどを考慮し、最適な緩衝材の種類 (エアー、紙、発泡など) と、それに合った製造機を選定する必要があります。

緩衝材製造機のサイズは生産ラインのレイアウトや利用可能なスペースに合わせて選定します。大規模な製造ラインでは、梱包ラインに組み込み、自動で緩衝材を供給するシステムを構築することもあります。

2. ECサイト・通販事業者

ECサイトでは衣料品から精密機器、食品、雑貨まで幅広い商品を扱うため、汎用性の高いエアー緩衝材製造機が選ばれることが多いです。商品の特性 (壊れやすさ、重さ、形状) に応じて、ピロー型、バブル型、シート型など、多様な緩衝材を製造できる機種を選定します。梱包材に自社名やブランド名を入れることができるものもあります。

3. 化粧品・医薬品業界

割れやすい・破損しやすい容器が多い化粧品や医薬品は、輸送中の衝撃から確実に守る必要があります。また小型で軽量な製品は、箱の中で製品が動かないように、緩衝材が重要です。化粧品は特に、製品そのものだけでなく、梱包も含めてブランドの世界観を表現する重要な要素です。美しく、かつ開梱しやすい緩衝材を選ぶことで、顧客の開梱体験を向上させ、ブランドイメージを高めます。

緩衝材製造装置のその他情報

緩衝材の種類

緩衝材には主に4つの種類があり、商品の特性に応じて使い分けることが重要です。

  • 発泡スチロール: 軽量で衝撃吸収性に優れた一般的な梱包材です。
  • エアパッキン: 通称プチプチ。柔軟性があり様々な形状に対応できます。
  • ジェル緩衝材: シリコンやポリマー製で衝撃・振動吸収性が高く、形状変更も可能です。
  • フェルト: 繊維を圧縮した素材で、ガラス製品や金属部品などの表面保護に適しています。

緩衝材について詳しく知る

業務用フライヤー

業務用フライヤーとは

業務用フライヤーとは、飲食店や食品加工工場などの業務用厨房で使用される大型の揚げ物調理機器です。

一般的な家庭用フライヤーと比べて高い処理能力と耐久性を持ち、大量の食材を効率よく揚げることができます。動力源は電気またはガスで、電気なら単相100V、3相200Vがあります。選定ポイントは、火力、本体の大きさ、槽の容量、メンテナンス性などです。

業務用フライヤーは、温度管理や安全装置、丈夫な揚げかごなどを備えているのも特徴で、揚げ物の品質を保ちながら作業効率が向上します。

また業務用ならではの製品として挙げられるのが涼厨フライヤーです。輻射熱を低減し、排熱を集中排気するなどの設計が施された製品で、労働環境の改善、火傷のリスク低減、空調コストの低減などにも寄与することができます。

業務用フライヤーの使用用途

1. 飲食店での揚げ物調理

ファストフード店、居酒屋、レストランなどでは、フライドポテト、唐揚げ、天ぷらなどの人気メニューを短時間で安定した品質で提供するために業務用フライヤーが活躍します。特にピークタイムにおける大量調理において、業務用フライヤーの高速加熱と連続調理性能が重要な役割を果たします。

2. 給食施設やセントラルキッチンでの大量調理

学校や病院、工場の社員食堂、介護施設など、毎日数百~数千人分の食事を調理する現場では、大容量のフライヤーが不可欠です。一度に多量の食材を均一に揚げられるため、作業の効率化と時間短縮につながり、人手不足対策としても効果的です。

3. 食品製造業での製品加工

冷凍食品メーカーや総菜工場などでは、業務用フライヤーを使って製品の一次加工を行います。コロッケや春巻き、からあげといった揚げ物を一定の品質と時間で仕上げるためには、精密な温度制御と揚げ時間管理が可能なフライヤーが必要です。自動化されたラインに組み込まれることも多く、製造現場の中核機器の一つとなっています。

コンテナハウス

コンテナハウスとは

コンテナハウスとは、貨物輸送用のコンテナを建築物として転用したものです。

元々のコンテナとは、船や鉄道で荷物を輸送することを前提で作られた鋼鉄製の頑丈なものです。壁の一部をドアや窓のために切開して利用されますが、建物構造としては、通常の重量鉄骨建築と同様に取り扱うことができます。

建築用のコンテナハウスには、輸送用コンテナを建築基準法に適合させたJIS規格コンテナが利用されます。他の工法の建物と同様に建築基準法に従って建築が行われ、基礎の設置や建築確認申請が必要です。躯体が既に出来上がった状態で工場から建築地へ運ぶことができるため、工期の短縮・コストカットが可能です。また、複数のコンテナを積み重ねたり並べたりすることや、基礎から切り離して異なる場所へ移設することも比較的容易に行うことができます。

コンテナハウスの使用用途

コンテナハウスは、下記のような事業利用の他にも、一般的な住居として利用することも可能です。

1. 倉庫・オフィス

コンテナハウスは、一般的な業務利用が可能です。倉庫、事務室、オフィスなどとして利用されます。倉庫としては耐久性や気密性に優れており、一般的な事業用倉庫の他、レンタルスペース、トランクルームなどの貸し倉庫としての用途があります。ボイラーハウスなどの事業利用も可能です。

事務所としては、個性的なデザインのオフィスとして活用される他、増築・移転などのカスタマイズ性が高いスペースとして重宝されています。コンテナを複数組み合わせて中・大規模な事務所として利用される他、1つのコンテナで1人〜少人数で集中して作業を行う小規模ワークスペースとしても利用可能です。

2. 商業利用・宿泊施設

コンテナハウスは、外装デザインの特徴的な質感と内装デザインのカスタマイズ性を生かし、個性的な建築として様々な意匠を施すことが可能です。コンテナの開口部の広さを活かて全面をガラス張りにすることもできます。

商業施設としては、店舗、ショッピングモール、飲食店、ショールーム、美容室、サウナ、コインランドリー、休憩所、イベントスペースなどの活用事例があります。また、宿泊施設としては、防音性やプライバシーの確保された独立空間が魅力で、コンテナホテル、貸別荘、コテージなどに利用されています。また、商業用宿泊施設だけでなく、災害時の避難施設にも利用可能です。

3. 介護

コンテナハウスは、介護事業にも利用が可能です。既存の住宅を在宅介護のために改修することは多額の費用が必要であったり、既存住居の構造上理想的な改修ができない場合などがあります。このような場合に、コンテナハウスを介護用のセカンドリビングとして庭に建築する活用法があります。

基礎工事を打設して工場からコンテナハウスを搬入するだけでよく、最短で搬入当日から利用可能です。また、給排水を繋げばトイレや風呂などの水回りも施工することができます。不要になった場合はそのまま撤去すれば良いため、解体工事も不要です。

非球面レンズ測定機

非球面レンズ測定機とは

非球面レンズ測定機とは、楕円面・双曲面・4次曲面など、球面ではない曲面を持つレンズである、非球面レンズの形状測定を行うための測定機です。

非球面レンズは、複雑な曲面を持つことにより球面収差や歪曲収差などの収差を補正することができ、様々な精密光学系装置・機器で利用されています。非球面レンズの加工は複雑で難易度の高い加工で、非球面レンズ測定機を用いてレンズを測定し、品質管理や加工・設計へのフィードバックを都度行うことが必要です。

非球面レンズ測定機には、プローブで表面をスキャンする接触式の測定機や、干渉測定法などによる非接触式測定機などの種類があります。勾配や変曲点などの制限無く、精密な形状評価・偏心測定・厚み測定・粗さ測定などを行うことが可能です。測定精度は装置にもよりますが、誤差範囲はナノメートルやマイクロメーターのオーダーで精密な測定を行うことができます。

非球面レンズ測定機の使用用途

1. 精密光学機器・装置用レンズ

非球面レンズは、光学機器の高画質化・小型化・軽量化に貢献しており、様々な精密機器に利用されます。非球面レンズ測定機は、精密機器に搭載される小型の非球面レンズの形状測定が可能です。

主な例として、デジタルカメラ、スマートフォン用カメラ、プロジェクター、LED照明、イメージングセンサーなどがあります。比較的大型の非球面レンズの利用例には望遠鏡や自動車ランプなどが挙げられます。

2. 産業機器用レンズ

非球面レンズは、様々な産業用途や業務用途でも利用されており、レンズの製造段階の誤差測定・品質管理に非球面レンズ測定機が利用されます。

例えば、大規模なものでは人工衛星や防衛システムに搭載される非球面レンズがあります。また、レーザービームを用いる製造加工や医療用眼科機器など、業務用のレーザーシステムも非球面レンズの用途の一つです。また、非球面レンズを用いた高品質の画像システムやカメラシステムは、製造品質の管理、ロボット工学システム、医用画像システムなどにも活用されています。

3. レンズ製作用金型

非球面レンズの多くは、金型を用いて製造されます。非球面レンズ測定機の中にはレンズそのものだけではなく、レンズ製作用の金型の測定を行うことができる製品もあります。

金型製作の段階で誤差の測定と製造へのフィードバックを行うことにより、金型製作の精度を向上させることが可能です。金型開発のスピードアップにも繋がります。また、レンズと金型の両方について1台で測定が完結するため、測定機が変わることによる測定誤差の影響を受けること無く形状評価を行うことが可能です。

樹脂切削加工

樹脂切削加工とは

樹脂切削加工とは、プラスチック素材を機械加工で削り出すサービスです。

樹脂は鉄やステンレスに比べて軽く錆びにくい材料として知られ、電子機器や日用品など幅広い分野で活用されます。樹脂切削加工は専用の工作機械を使用し、切削刃によって樹脂を高精度に削る工程を指します。CNC技術や高度なソフトウェアを組み合わせることで、複雑な形状や微細寸法での製品づくりが可能です。

金型を用いる成形手法とは異なり、小ロットの生産や試作品の製作にも柔軟に対応できる点が特徴です。さらに、樹脂には電気絶縁性や耐薬品性など多種多様な特性があり、医療部品のように厳密な管理が求められる分野でも多く採用されています。樹脂特有の色調や質感を生かしたパーツ製作にも向いており、製造現場では欠かせない技術の一つです。

樹脂切削加工の使用用途

樹脂切削加工のサービスは以下のような用途で使用されます。

1. プロトタイプ・試作

試作品を作る段階では、急な設計変更や複数パターンの検証が求められます。樹脂切削加工は金型を必要としないため、設計段階で修正があっても短時間で再加工が行えます。量産前に寸法や機能を確かめたい場面に最適です。また、限定生産の製品や特注パーツを扱う際にも有利です。これにより、製品開発などの費用を抑えることができます。

2. 精密部品

樹脂切削加工は高い寸法精度を実現できるため、微細な部品の製造に適しています。特に計測装置や医療関連の部品では、ミクロン単位の精度が要求される場合も多いです。必要に応じて樹脂素材を選定することで、耐薬品性や静電気対策など、機能面の要件にも柔軟に対応できます。

3. 装飾・化粧パーツ

装飾目的のパーツに樹脂切削加工が活用されます。樹脂は着色や表面処理を行いやすく、曲面などの複雑なデザインにも対応しやすい点が利点です。金属よりも軽量なため、持ち運びやすさを重視した製品の外装部品にも使われる例が見受けられます。

パレットラック

パレットラックとは

パレットラックとは、物流や倉庫で大量の貨物を整理しやすくする頑丈な棚です。

パレットラックは、パレットに乗せた資材や製品を効率的に保管するために用いられます。一般的にはスチール製のフレームや梁が組み合わさっており、積載可能重量や高さのバリエーションが豊富です。フォークリフトなどの荷役機器で荷物をスムーズに搬入・搬出できるため、作業負担を軽減できる点が特徴と言えます。

ラック本体は柱と棚板で構成され、棚板の位置を調整することで高さや段数を柔軟に変えられます。さらに、安全バーや背面ネットなどのオプションを追加することで、荷崩れや落下を防ぎ、作業者の安全を保ちやすくなります。限られたスペースで大量の在庫を扱う際にも、効率的かつ安全に保管できるラックとして広く知られています。

パレットラックの使用用途

パレットラックは以下のような用途で使用されます。

1. 大量の在庫保管

パレットラックは大量の在庫を整理しながら保管するのに適しています。段ごとの高さを調整できるため、一度に多くの貨物を積み上げても効率よく収納可能です。倉庫の床面積を有効に使えるため、在庫をまとめて管理する際に重宝されます。

2. 異なるサイズの荷物の保管

パレットラックは高さや棚板の調節が容易なため、異なる大きさや形状の荷物にも合わせやすい構造です。荷物同士が干渉しにくいレイアウトにすることで、梱包材などを最小限に抑えられます。特に多品種少量生産を行う倉庫では、パレットの大きさがばらつく場合でも柔軟に対応できるため、商品の混載管理にも有効です。

3. 作業中の安全確保

パレットラックは荷物を一定の高さに配置できるため、作業者が腰をかがめる負担を減らす効果も期待できます。必要に応じてガードレールや支柱の補強を施し、転倒や荷崩れを防ぐ設計にすることが重要です。また、ラック内に通路を確保しておけば、フォークリフトの操作や人の往来が円滑になります。安全標識や注意喚起のステッカーを適切に設置することで、事故を未然に防ぎ、スムーズな運用につなげられます。

モジュラー圧着工具

モジュラー圧着工具とは

モジュラー圧着工具とは、LANケーブルや電話線などの通信ケーブルの先端に、モジュラープラグ (RJ-45やRJ-11など) を確実に接続 (圧着) するための専用工具です。

モジュラープラグとは、通信機器に接続するためのコネクタで、正確に圧着しなければ、通信エラーや接続不良の原因となるため、正しい工具の使用が求められます。

この工具は、ワイヤーの被覆を剥き、金属端子に芯線をしっかりと押し当てながらモジュラープラグを固定する役割を果たすものです。圧着工具の多くは複数の機能を備えており、ケーブルのカット、ストリップ (被覆剥き) 、圧着の3つの作業が1本で行えるようになっているものもあります。コンパクトで持ち運びやすく、通信工事やネットワークの構築作業において不可欠なアイテムです。

モジュラー圧着工具の使用用途

モジュラー圧着工具の主な使用用途は、ネットワークや電話回線などに用いられる通信ケーブルの端末処理です。

1. ネットワーク設備の施工・保守

企業や学校、工場などでのLAN配線工事やネットワークの保守点検時に、圧着工具は欠かせません。ケーブルの長さや配線経路の変更に応じて、その場で加工・接続を行うことで、作業の効率化が図れます。ITインフラの整備に携わるエンジニアや施工業者の現場作業では必須のツールです。

2. 電話線の加工

家庭やオフィスで使われる電話線の先端処理にも使われます。電話機に接続するRJ-11モジュラープラグを取り付けることで、必要な長さの電話線を自由に作成・交換できます。特に複数の電話機や内線システムを扱う環境では、柔軟な配線対応に必要となる工具です。

3. LANケーブルの自作・修理

ネットワーク構築時に、必要な長さのLANケーブル (カテゴリ5eやカテゴリ6など) を自作する際に使用されます。また、既存のケーブルが断線した場合や、モジュラープラグのぬけどめの爪が折れてしまった際などの修理にも用いられます。

イルミネーションライト

イルミネーションライトとは

イルミネーションライトとは、主に装飾や演出の為に使用される照明器具製品です。

一般的にはLED (発光ダイオード) を光源としたものが多く、消費電力が少なく長寿命であることから、屋外や屋内の様々なシーンで広く利用されています。特に冬季になると、街中や商業施設、テーマパークなどで見かけることが多く、クリスマスや年末年始を彩る風物詩として定着しています。

イルミネーションライトは、単色の光だけでなく、複数の色を切り替えたり、流れるように光ったりする制御機能を持つ製品も多く、視覚的に豊かな演出が可能です。コードタイプのストリングライト、ネット状のライト、立体オブジェを形作るライトなど、形状や構造もさまざまで、使用する目的や場所に応じて選ぶことができます。また屋外用の製品は防塵防滴性に配慮されています。

イルミネーションライトの使用用途

イルミネーションライトの用途は多岐にわたります。

1. 季節イベントの装飾

最も一般的な用途は、クリスマスや冬のイベント時の装飾です。木々や建物の外壁、公園や遊歩道などに設置され、幻想的な雰囲気を演出します。近年では、自治体や観光施設によるイルミネーションイベントも増えており、観光資源としても注目されています。

2. 商業施設の演出

ショッピングモールやホテル、レストランでは、季節感を出したり、特別なプロモーションを際立たせるのがイルミネーションの狙いの一つです。店頭やウィンドウディスプレイの演出により、来店客の関心を引き、購買意欲を高める効果もあります。

3. 家庭でのデコレーション

一般家庭でも、庭やバルコニー、室内にイルミネーションライトを設置する人が増えました。特にLEDライトは安全性が高く、電気代も抑えられるため、個人でも手軽に楽しむことができます。クリスマスツリーの装飾には欠かせないアイテムでもあります。

4. ウェディングやパーティーの演出

結婚式やパーティー会場など、特別な日の演出にもイルミネーションライトは重要なアイテムです。柔らかな光で会場全体を彩ることで、華やかでロマンチックな空間を作り出すことができます。

ヘリウム再凝縮装置

監修:ブルーフォース株式会社

ヘリウム再凝縮装置とは

ヘリウム再凝縮装置とは、寒剤として利用される液体ヘリウムが気化したものを再度液体へ凝縮して再利用するための装置です。

液体ヘリウムは沸点-269℃であり、高い熱冷却性能と、非常に高い化学的安定性をもちます。低温を必要とする様々な理化学装置や産業装置の稼働の上で、不可欠の超低温寒剤です。一方で、国内消費のすべてを輸入に頼っているため、供給不安や価格高騰の問題が頻発しています。

ヘリウム再凝縮装置は、装置内などで気化した液体ヘリウムをGM冷凍機などの極低温冷凍機で冷却し、回収する仕組みです。回収したヘリウムは利用中の機器へ自動的に再投入される仕組みとなっており、ロスなく再利用することができます。低温装置の安定稼働とランニングコストの削減に有効です。製品によって能力は様々ですが、概ね1日あたり1L~20Lの再凝縮能力を持ちます。

ヘリウム再凝縮装置の使用用途

1. NMR

NMR (核磁気共鳴装置) とは、磁場の中で原子の化学的環境 (近傍に存在する元素の種類、結合状態) を明らかにする分析装置です。超電導磁石を液体ヘリウムで冷却して稼働しており、有機化学・無機化学・物理化学の広い分野において無くてはならない装置です。

NMRは研究開発の非常に広い分野で利用されているため、ヘリウム再凝縮装置もNMRに対して最も多く利用されます。NMR専用のヘリウム再凝縮装置も様々なメーカーから販売されており、高効率で回収液体ヘリウムをNMRへ戻すことが可能です。NMRの安定稼働とランニングコスト削減に貢献します。

2. MRI

医療用MRIはNMRと同様の原理で超電導磁石を液体ヘリウムで冷却し、体内の水素原子の共鳴を画像化する画像診断装置です。筋肉、骨、内臓、血管など、様々な組織の画像を撮影することができ、腫瘍や炎症、脊髄疾患などの発見に役立ちます。

MRIの場合、外付け形のヘリウム再凝縮装置を利用する場合もありますが、MRIの装置自体にヘリウム再凝縮装置が組み込まれている場合も多いです。再凝縮装置によるヘリウム回収により、一度の液体ヘリウム補充で最長10年ほど装置の利用が可能になる場合もあります。

3. 超低温分野の研究・開発

液体ヘリウムは4K (4ケルビン) という他の寒剤にない超低温状態を作り出すことができるため、NMR以外にも様々な超低温分野の研究開発で利用されています。超電導磁石などを用いる様々な低温実験や、クライオスタット、希釈冷凍機、走査型プローブ顕微鏡 (STM) 、 ARPES などの各種低温実験装置などにヘリウム再凝縮装置を活用することが可能です。

装置から失われる液体ヘリウムを回収するだけでなく、ヘリウム保存デュワーからの回収・再投入にも用いられ、廃棄ヘリウムの削減に効果的に活用することができます。

本記事はヘリウム再凝縮装置を製造・販売するブルーフォース株式会社様に監修を頂きました。

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大型シーリングファン

大型シーリングファンとは

大型シーリングファンとは、大きな羽根で広い室内の空気を循環させる天井付き送風機です。

従来の小型ファンよりも直径が大きいため、遠くまで風を届ける力があります。モーターの動作効率が高く、少ない消費電力で広範囲に風を行き渡らせます。風を均等に送り出すことで冷暖房効率を高め、快適性の向上にも寄与します。

また、天井に取り付ける形状のため、床や壁を圧迫しない点も大きなメリットです。障害物の少ない高所でゆっくりと回転するため、広い空間であっても効率的に風を送り込むことが可能です。室内全体の環境を快適に保つだけでなく、作業のしやすさや来場者の居心地にも影響を与える存在として、多岐にわたる用途で活躍されます。近年はモーター技術の進歩により、振動や騒音が抑制された機種も増えています。

大型シーリングファンの使用用途

大型シーリングファンは以下の用途で使用されます。

1. 工場・倉庫

工場内や倉庫では、機械の稼働による熱や湿気がこもりやすく、空気が淀むことで作業環境が悪化する恐れがあります。大型シーリングファンを設置すれば、ゆるやかな気流を循環させて温度ムラを抑え、生産効率や作業者の快適性を高めることが可能です。広いスペースに対して少ない台数で効率的に風を届けられるため、エネルギーの無駄も削減しながら快適な職場環境を実現します。

2. 商業施設や店舗

ショッピングモールや飲食店などの商業施設では、多くの人が行き交うため空気が篭りがちです。大型シーリングファンは天井を有効活用して室内全体に風を送り届け、冷暖房と組み合わせることで一定の温度を保ちやすくします。売り場全体の雰囲気を快適に維持し、顧客の滞在時間を増やす効果が期待できます。

3. スポーツ施設・多目的ホール

スポーツジムや体育館などでは、運動による体温の上昇や湿度の上昇が起きやすい点が特徴です。大型シーリングファンを使えば、広い空間の空気を効率的に循環させることで、温度差や湿度の偏りを緩和することが可能です。観客席を備えた多目的ホールでも、大きく風を動かして来場者の居心地を向上させます。