微小電流計

微小電流計とは

微小電流計はナノアンペア、ピコアンペアなどの微小な電流を測定する装置です。マルチメーター、ピコアンメーターとも呼ばれます。電子機器の技術の進歩に伴って回路の小型化、省エネ化が進み、回路を流れる電流もマイクロアンペア未満と非常に小さくなりました。一般的な電流計では測定時に生じるノイズなどの影響があるため、非常に小さな電流を検出するのは困難です。しかし、微小電流計はこのようなノイズの影響が極力小さくなるように設計されており、小さな電流の測定が可能になっています。

微小電流計の使用用途

微小電流計は電気回路を流れる電流の評価や半導体デバイスのリーク電流の評価を始め、材料の特性評価、バイオテクノロジーなど、様々な分野で使用されています。

微小電流計は電気、電子回路の電流値測定に用いられており、例えば増幅回路や通信回路など、高集積化、小型化した回路で使用されています。装置によってはフェムトアンペアまで測定可能な装置もあります。

また、トランジスタやダイオードのような回路素子単体の漏れ電流の検出にも微小電流計が用いられます。

材料の性能評価の方法に、材料の電気的特性を用いることがあります。これには、評価対象となる材料に電圧をかけて、材料に流れる微小電流を測定する手法があります。

バイオテクノロジーの分野では、細胞の電気的活動や生体分子の相互作用を調査する際に微小電流計が利用されます。

その他、微小電流計は、物理学、化学、材料科学、生物学などの研究分野で、実験や測定に広く活用されています。

微小電流計の原理

微小電流計は、電流が装置内を通過するときに、その周囲に磁場が生成されることを利用して電流を測定します。この電流によって生成された磁場は、電流計内の永久磁石またはコイルと相互作用し、指針がスケール上で偏向する機械的な力を引き起こします。

この方式は電流計の一般的なものです。微小電流を正確に測定するためには、ノイズと過剰電流に注意が必要です。

1.微小電流計使用時はノイズに注意が必要

微小電流計はナノアンペア、ピコアンペアの微小な電流から1A程度の電流が測定可能な装置です。微小電流を測定する際はノイズの原因となるものを極力排除する必要があります。微小電流計自体はノイズの影響を受けないように対策されていますが、サンプルの抵抗や電源、設置している環境の温度などもノイズの要因となるため測定対象に由来するノイズの影響にも注意が必要です。

2.微小電流計は過剰電流が流れないように注意する

微小電流計には超高抵抗計が組み合わせられた装置もあります。このような装置ではエレクトロメーターとしても用いることができます。またサンプリングスピードを優先する形式とノイズ削減を優先する形式を選択できる微小電流計も販売されています。なお測定値の誤差は測定値に対する相対値であるため、常にナノアンペア程度の精度で測定できるわけではなく、測定値によって誤差の絶対値も変化する点に注意が必要です。また、装置の上限値以上の電流を流すと装置を破損させる恐れがあるため、測定時に過剰な電流が流れないように注意が必要です。

微小電流計の選び方

微小電流計を選択する際には、流れる電流の大きさの範囲と感度、校正と保守、サンプルとの接続方法などを考慮する必要があります。

1.流れる電流の大きさの範囲と感度

測定したい電流値に合った感度と測定範囲を持つ微小電流計を選びます。感度が高いほど小さな電流を正確に測定できますが、測定範囲が広すぎると精度が低下します。

2.校正と保守

正確な測定を行うためには定期的な校正や保守が必要になります。メーカーが提示する校正手順、保守手順に従って、校正や保守が行えるか確認します。

3.サンプルとの接続方法

測定対象(例:回路、素子、バイオセンサーなど)に電流プローブ等を適切に接続することで、正確な測定が可能になります。測定対象にあった接続方法が用意されているか確認しましょう。

参考文献
https://www.hioki.co.jp/jp/products/detail/?product_key=1633
https://www.keysight.com/jp/ja/assets/7018-03320/technical-overviews/5990-9804.pdf
https://www.adcmt.com/products/dc/5450

高圧ガス設備

監修:株式会社東洋高圧

高圧ガス設備とは

高圧ガス設備とは、液化ガスや圧縮ガスなどの高圧ガスを取り扱うための施設及び装置です。

非常に高い圧力でガスが取り扱う設備群であり、同じ体積でもより多くのガスを貯蔵・輸送できます。エネルギー密度が高く、効率的な点が特徴です。これにより、設備のサイズを小さくすることが可能になり、スペースを節約することが可能です。

ただし、高圧ガスは危険を伴うため、安全について十分に考慮する必要があります。予想される圧力や流量および温度の変化に対する耐性を十分検討して設計する必要があり、施工に高品質な材料と適切な工法を採用することが重要です。各国において法規制が定められているため、適切な許認可を取得し、関連する規制に順守して適切に使用する必要があります。

高圧ガス保安法では1MPa以上(液化ガスは0.2MPa以上)のガスは高圧ガスと定められ、法規制に応じた設計・製造が必要です。高圧ガス設備は圧力条件や容量により特定設備に分類され、より安全性の高い設計や製造プロセスがの認定が必要になることがあります。また、高圧ガスは毒性・可燃性・それ以外のガス、特殊高圧ガスなどに分類され、それぞれ適切な設計を必要とします。

高圧ガス設備の使用用途

高圧ガス設備は様々な用途で使用されています。以下はその一例です。

1. プロセスの基本要求

高圧ガスを必要とするプロセスの運転条件(圧力、温度、流量)やプロセスフローなど利用方法、利用目的を明確にしておくことが重要です。

過去の消費量データや将来の需要予測を考慮して、適切な容量を選択します。容量が不足していると供給が不安定になりますが、過剰な容量では設備コストが膨大となるため注意が必要です。

2. 使用ガスの種類と特性

毒性、可燃性、それ以外のガスに属するのか、腐食性はあるか、その他の危険な特性があるか等の確認、使用する圧力や温度により流体の状態が変化したり、物性が変わることもあります。

例えば、液化石油ガス (LPG) や液化天然ガス (LNG) または酸素など、ガスの種類に合わせた設備が必要です。また、ガスの特性に合わせた安全対策なども考慮して設備を設計します。

3. 法規制や安全基準

高圧ガス設備を導入、利用するうえで届け出や手続きなどが必要になります。

設置する県からの安全に対する要求事項や高圧ガス保安法への対応状況、使用するうえでの安全体制の構築、防爆対応の必要性など、条件や用途に応じて適切な設計と管理が必要になります。

4. 化学産業

高圧ガス設備はその特性上、完全に密閉された系になりますので、プロセスの制御に適しています。また、高温・高圧の環境下では反応が促進されるという特徴もあり、各種のガスや流体を特定の組成で、特定の条件によって化学的な処理が可能となるため、多種多様な化学プロセスで活用されています。

高圧ガス設備の原理

高圧ガス設備の基本的な原理は、耐圧容器にガスを貯蔵して必要な時に供給することです。堅牢な容器に高圧でガスを収容し、密度を高めている点が特徴です。主にタンクや圧縮機、配管などで構成されます。

タンクは高圧ガスを貯蔵するための容器です。貯蔵されるガスの種類や量に応じて材質や構造が異なっており、用途に応じて個別に設計されることが多いです。一般的には耐圧容器として設計され、鋼鉄やステンレス鋼などの堅牢な材料を適切な厚み加工して製造されます。

ガスを圧縮するための圧縮機は高圧ガス設備の重要な構成要素です。これにより、ガスを必要な圧力まで圧縮して貯蔵し、供給することができます。ガス圧縮機は大流量の気体を高圧で取り扱うため、消費エネルギーが高いことが多いです。

高圧ガスを供給するための配管系統は、タンクから需要場所までガスを送り出すために使用されます。耐圧性の高い材料で作られ、適切な直径と厚みで設計されます。圧力に異常上昇した場合に安全に大気へ放出するために、適宜安全弁を設置することが必要不可欠です。

高圧ガス設備の選び方

高圧ガス設備を選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. ガスの種類

使用するガスの種類によって、適切な高圧ガス設備を選択する必要があります。例えば、液化石油ガス (LPG) や液化天然ガス (LNG) または酸素など、ガスの種類に合わせた設備が必要です。また、ガスの特性に合わせた安全対策なども考慮して設備を設計します。

2. 容量

必要なガスの容量は、使用する目的や需要に応じて選定します。過去の消費量データや将来の需要予測を考慮して、適切な容量を選択します。容量が不足していると供給が不安定になりますが、過剰な容量では設備コストが膨大となるため注意が必要です。

3. 圧力

適切な圧力範囲内で運用することは、安全性を確保するために極めて重要です。設備の圧力レベルに応じて、耐圧容器や配管などの材料を選定します。適切な材料およびサイズで設計することで、設備の安全性と耐久性を確保することが可能です。

本記事は高圧ガス設備を製造・販売する株式会社東洋高圧様に監修を頂きました。

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クリーンロボット

クリーンロボットとはクリーンロボット

クリーンロボットとはクリーンルーム内で稼働する産業用ロボットのことです。

半導体製造業、医薬品業、食品業等には製造時に高い空気清浄度が要求される現場があります。これは、空気中に漂う埃や菌が製品に混入することを防ぐためです。これ等の現場では、工場建屋内にクリーンルームという特殊な部屋を作り、その内部に製造ラインを構築しています。

クリーンルーム内で稼働する、発塵性の少ないロボットをクリーンロボットといいます。クリーンロボットは、発塵抑制と作業の合理化を目的として、現場の作業員に代わる形で導入が進んできました。

クリーンロボットの使用用途

クリーンロボットは半導体製造を始めとする精密部品の製造現場や、食品、医薬品などの製造現場など、高い空気清浄度を必要とする現場で稼働しています。

特に非常に高い空気清浄度が要求される半導体製造工場内のクリーンルームでは、人の立ち入りによる発塵を抑える目的で、クリーンロボットが稼働しています。半導体の製造現場では、移動用カセットに入ったウエハーを露光装置、エッチング装置、洗浄装置などの各プロセス装置間を移動させるための搬送ロボットがあります。また、搬送されてきたウエハーをカセットから取り出し、各々のプロセス装置のステージに乗せるためのロボットアームがあります。

食品工場などでは、先端の半導体工場のプロセスラインと比較すると、求められる空気清浄度は比較的緩やかです。これらの工場では、単純作業を人から機械に置き換える目的でクリーンロボットの導入が進みました。

クリーンロボットの原理

クリーンロボットの構造は概ね、他の産業ロボット同様です。以下の特徴を持って発塵を抑えたロボットとなっています。

1.駆動部からの防塵対策

部品の磨耗によるホコリの発生を最小限に抑えています。特にアーム型の多関節ロボットの関節部など、すり減りやすい箇所には耐摩擦性に優れた素材が使用されています。

2.表面の劣化対策

ロボットの表面が錆びたり、塗装が剥げるなどすると発塵が起こります。クリーンロボットにはこれらの発塵が起こりにくい素材や塗装が使用されています。

3.潤滑油の飛散対策

潤滑油が、稼働による振動や熱によって外部に飛散してしまわないよう、適切な構造設計がなされています。また、クリーンロボットに適した潤滑油が選択されています。

4.搬入時と日常の清浄化対策の実施

クリーンロボットをクリーンルーム内に搬入する際には、クリーンルーム前室などでロボット表面に付着した埃のふき取り作業を行うなどの、清浄化作業を行います。また、ロボットをクリーンルーム内に搬入して以降は、必要時を除いてはクリーンルームの内側と外側を行き来することは行わず、クリーンルーム内でのみ稼働します。

クリーンロボットの選び方

クリーンルームは外部の空間から仕切られた空間となっており,使用するエアーフィルタの性能や数、空調設備の位置や能力などの設計段階で保証可能な清浄度がクラス化されて規定されています.クラスが小さいほど保証される清浄度も高く,半導体製造工場ではclass100以下,食品を扱う工場ではclass1,000~10,000程度となります。

この規定された清浄度を下回ってしまうと品質管理や品質保証上問題が発生するために,クリーン・ルーム内には原則そのclassに対応した機器しか設置することができません。

クリーンロボットは摺動部に磁性流体シールを使用するなどして発塵しないような設計となっており、ロボットごとにclass100以下からclass1まで対応した製品が開発されています。クリーンロボットを選択する際には、それぞれの環境仕様に応じたクリーンロボットを選択する必要があります。

また、場合によってはクリーンロボットの周辺部だけをクリーンベンチやパーテーションで覆い、そのほかの場所との空気の出入りを抑制している例もあります。

参考文献
https://robotics.kawasaki.com/ja1/products/robots/clean/
https://www.yamaha-motor.co.jp/robot/lineup/clean/pdf/index/clean-catalog_feature.pdf 

超臨界装置

監修:株式会社東洋高圧

超臨界装置とは

超臨界装置とは、超臨界流体を生成して操作・利用する装置です。

超臨界流体は温度と圧力が臨界点を超えることで変化します。臨界点は流体の液体相と気体相の境界点であり、その点を超えると流体は液体と気体の性質の両方を示すようになります。この状態では、流体は通常の液体や気体よりも特異な性質を持ち、触媒や溶媒として利用されることも多いです。

超臨界流体は二酸化炭素を用いた超臨界CO2や水を用いた超臨界水などが代表的で、特徴としてイオン積が高く、溶剤としての特徴を示すこと、可逆的な性質を示すため、プロセスの制御が可能なこと等があります。

超臨界CO2は高い溶解力を持っており、様々な物質を溶解させることが可能です。超臨界CO2の特徴として、圧力や温度の条件により、溶解力の操作が可能で、これにより有機物質や無機物質の効率的な抽出や分離することができるとされています。また、通常の溶剤とは違い、圧力を下げることでガス化するため、溶剤の分離が容易という特徴を持ちます。超臨界CO2は抽出、分離に用いられることが多く、超臨界クロマトグラフィーなどで活用されています。

超臨界水は高温・高圧の条件(374℃、22.1MPa以上)により相変異した状態で、高い有機物の分解特性や強い化学的反応特性を示し、比較的短い時間でプロセスが進行するなどの特徴を持ちます。超臨界水を用いたプロセスとして、ガス化や分解、酸化、合成などのプロセスが有名です。

超臨界装置の使用用途

超臨界装置は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 半導体産業

半導体製造において、微細なパターンを洗浄する際には超臨界CO2が用いられます。超臨界二酸化炭素などの流体は気液の境界面を持たないため、界面張力が発生せず、微細な構造を持つ材料表面を均一に洗浄し、溶解性のある材料を除去するために利用されます。また、洗浄液の除去も減圧によってガス化するため、容易とされています。

半導体においては微細な微粒子や不純物を除去するためのクリーニングが必要です。超臨界流体を使用したクリーニングは溶解力が高く、表面張力は低いため、微細な構造の表面に効果的に浸透して不純物を除去します。

2. 化学工業

化学工業では、天然物や化学合成物から特定の成分を抽出したり、不純物を除去したりするために使用されます。超臨界流体での抽出は高い溶解力と可逆性を持ち、効率的で選択的な抽出・精製が可能です。特に高価な原料や希少な成分を効率的に回収する場合に有用であり、超臨界CO2を用いた抽出としてコーヒーからカフェインを抽出するなどのプロセスが有名です。

3. エネルギー産業

エネルギー産業では二酸化炭素の排出削減や回収が今後の重要な課題です。超臨界流体を熱媒として利用した地中熱の回収や、超臨界水を利用したバイオマスのエネルギー化などの技術が注目されています。また、高圧技術を用いて二酸化酸素を効率的に回収する技術にも派生するなど、地球温暖化の原因となるガスの排出量を削減することが可能です。

超臨界装置の原理

超臨界装置の原理は流体を超臨界状態に導くことで、その特性を利用する装置です。超臨界状態とは物質が臨界点を超えた温度・圧力の状態になることであり、物質の密度が大きく変化し、溶解力や拡散性が増加します。一般的には反応容器と温度制御装置、圧力制御装置で構成されます。

高圧容器は流体を超臨界状態に保つための容器です。高温・高圧を維持するために耐圧性の高い材料で作られています。
温度制御装置は高圧容器を加熱するための装置です。超臨界状態に達するためには高温が必要です。したがって、電気炉や熱媒ジャケットなどで構成されています。

圧力制御装置は高圧容器内の圧力を制御するための装置です。超臨界状態にするためには高い圧力が必要ですが、安全性を確保するためにも圧力を適切に制御する必要があります。

超臨界装置の選び方

超臨界装置を選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 容量

超臨界装置の容量は処理する物質の量に適した製品を選ぶ必要があります。処理する量に応じて、適切な容量の装置を選ぶことが重要です。容量が小さい装置は研究や試験に適していますが、大量生産を行う場合には大容量の製品や連続処理が可能な装置が必要です。

2. 送液量

超臨界流体を装置に送液する速度や量も重要な要素です。処理する物質の種類や処理の目的に応じて、適切な送液量を選ぶ必要があります。送液量が少なすぎると処理時間が長くなり、送液量が多すぎると処理効率が低下する可能性があります。

3. 設計圧力・温度

超臨界条件を構築するためには高圧と高温が必要です。したがって、処理する物質の超臨界条件に応じて設計されている超臨界装置を選ぶ必要があります。適切な設計圧力と温度範囲を有する装置を選ぶことが重要です。

4. 接液材質

超臨界装置の接液部分は超臨界条件下で安定して動作し、処理する物質との相互作用に耐える必要があります。適切な接液材質を選ぶことで、装置の耐久性や耐食性及び安全性を確保することが可能です。一般的には、ハステロイやステンレス鋼など、耐圧性や耐熱性が高い材料が使用されます。

本記事は超臨界装置を製造・販売する株式会社東洋高圧様に監修を頂きました。

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設備CAD

設備CADとは

設備CAD

設備CADとは、電気、ガス、空調や、給排水などの設備を設計する際に用いられるCADのことを言います。

CAD (Computer Aided Design) はコンピューターを使った設計ツールです。今日では、あらゆる産業において、CADを使って設計や図面の作成を行っています。

その中で、特に住宅やビル、工場などに付帯した設備に関する設計や図面作成の用途に適したCADが設備CADです。

設備CADには建物の中に敷設されるパイプやケーブルとそれらの関連部品が、予めデータとして収納されています。また申請書に添付する図面を出力する機能を備える等、業務に特化した機能やライブラリが揃っています。

設備CADの使用用途

設備CADは、建築物における電気、空調、給排水、などの様々な設備に対するる図面の作成に使用されます。その際、一般的には、設備の種類ごとにグループ分けした図面を作成します。

電気設備に関係する図面では、配線図を中心にコンセント、スイッチ、照明などの器具の配置が描かれています。なお、照明関連については、天井のコンセントやそれにつながる配線などを、電気設備の図面とは別の図面として作成する場合もあります。

空調設備図面では、空調システムの配置、ダクトの引き回し、冷暖房ユニットの他、各部屋の空気の流れなども描かれます。

給排水設備の図面では給水管、排水管を作図し、それに給湯器、トイレ、排水管、排水ポンプなどの設備の配置を示します。

ガス設備図面では、ガス供給の配管、ガスメーター、ガスの栓などや、ガス給湯器や固定式のガスストーブの配置などを作図します。

設備CADの原理

設備CADは、建築物の電気、ガス、空調、給排水などの設備設計に特化したCADソフトウェアです。汎用CADと比較すると、設備CADには以下のような違いや特徴があります。

1.専門機能と専用コマンドが充実

設備CADは、設備設計に特化した専用コマンドや機能を提供します。その中には配管や配線などの自動生成が可能もあり、この機能を使うと設備図面の作成を効率的に行えるようになります。

2.詳細図面を用いた解析機能の提供

設備CADは、建築物の電気、空調、給排水、ガスなどの詳細を示す図面を作成できます。また、作成した図面に基づいてエネルギー効率や快適性を最適化するためのシミレーション機能を備えたものもあり、設計時において建築物や設備の性能の向上に関する検討に使用できます。

3.他部門との連携機能の提供

設備CADは、建築や、土木や、製造などの、設備に関する様々な業界で使用されているため、設備CADを介して、業界を超えた業務連携がスムーズになるように活用されています。

一部の設備CADは、3DモデリングとBIM(Building Information Modeling)に対応しています。BIMは設計から施工、メンテナンスまでの一元管理を実現するもので、現在では建築業界で広く活用されています。

設備CADの選び方

初めて設備CADを導入する場合、以下の点に注意して選択することをおすすめします。

1. 設計する設備の種類

電気設備、空調設備、給水設備など、設計する設備の種類によって必要な機能が異なります。自分が担当する設備が電気設備であるならば、電気設備に強いCADなど、設計する設備の種類に応じたCADを選択するのが良いでしょう。

2. 設計する設備の規模

設計する設備の規模や複雑性によって、必要な機能や性能が変わってきます。小規模な案件であれば、基本的な機能を搭載したCADで十分であり、その方が使いやすい場合もあります。

3. 操作性

直感的に使用できて、操作性の良い製品がお薦めです。デモ用ソフトを借りるか、無料のお試し版をダウンロードするなりして、いくつかの製品を比較してみるのも良いでしょう。

4. データの互換性

既に他のCADソフトを使用している場合や、関連先の会社などとCADデータのやり取りをする場合には、予めデータの互換性を確認しておく必要があります。

5.予算

設備CADは、数万円から数百万円程度と幅広い価格帯の商品があります。必要な機能と予算に合わせた最適な製品を選択することをお薦めします。

参考文献
https://bringrow.co.jp/blog/18/
https://bringrow.co.jp/blog/143/
https://tanaksys.com/
https://www.cad100.jp/rebro/
https://www.daitec.jp/catalog/tfas11/tfas_01.html

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Radio over IP

What Is Radio over IP?

Radio over IP (RoIP) represents a transformative technology, encompassing systems and products that empower remote radio communications, transcending conventional range limitations, through connectivity via IP networks like 4G, 5G, and satellite connections.

Enhancing Radio Reach with RoIP

Conventional Push-to-Talk (PTT) radios often encounter restrictions in communication range, a challenge addressed effectively by RoIP. By leveraging LAN infrastructure within buildings, RoIP bridges inter-floor communication gaps. Furthermore, in tandem with satellite networks, RoIP facilitates seamless communication across vast expanses.

Applications of Radio over IP

RoIP revolutionizes the communication landscape, extending the reach of traditional radio systems beyond their inherent range constraints. Integration with satellite communication networks forms a versatile network, facilitating connectivity across diverse locales.
Foremost among its applications is emergency communication during disasters, facilitating efficient coordination between remote command centers and disaster sites, or among multiple disaster zones. RoIP also enables connectivity between radios stationed at dispersed locations or mounted on vehicles.

In sectors such as events, security operations, and construction sites, where expansive coverage is paramount, RoIP emerges as an indispensable communication tool. Its versatility finds expression in:

  • Multi-store retail stores and hotel communication networks.
  • Surveillance applications, augmenting IP camera systems through on-site conversation monitoring.
  • Dispatch services, streamlining coordination and task management.
  • Inter-floor communication within buildings, enabling various functions such as calls, audio output to public address systems, or indicator light control.

Moreover, by harnessing LTE and other internet connections, RoIP extends communication coverage nationwide. Beyond two-way communication, radio broadcasts accessible via smartphones represent another dimension of RoIP functionality.

Principles of Radio over IP

Understanding PTT Radio Dynamics

Traditional radio communication revolves around direct signal transmission and reception within a shared frequency band. PTT radios, a prevalent variant, utilize a single frequency band. In PTT operations, transmission and reception alternate, precluding simultaneous transmission. A customary practice involves signaling the end of transmission with “over” to indicate completion.

Mechanism of Radio over IP

RoIP seamlessly transitions traditional PTT radio communications into IP-based interactions, enabling communication via IP-capable devices. Through RoIP gateways, it facilitates inter-group radio communication over the internet or satellite networks. Some products integrate with public address systems and indicator lights using audio and control terminals.

RoIP supports both long-distance communication via IP networks (bridge mode) and communication between radios and IP phones (converter mode).

Types of Radio over IP Products

RoIP products offer diverse functionalities, including gateway capabilities for VPN establishment and multiple input ports such as VoIP, POTS, and RoIP. Certain models feature mixing functions for seamless radio communication, while satellite-oriented products incorporate optimization technologies like packet aggregation and RTP header compression. Additional features may include USB recording and automatic channel switching, enhancing operational efficiency and versatility.

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Encrypted Radio Systems

What Is an Encrypted Radio System?

An encrypted radio system stands as a pinnacle in wireless communication technology, employing encryption techniques to safeguard sensitive communication content against unauthorized access by third parties. In essence, it ensures confidentiality, a critical requirement in various applications where wireless communication is prevalent.

Encrypted radio systems operate by encrypting messages at the transmitting end and decrypting them upon reception, effectively thwarting eavesdropping attempts and preventing data breaches if intercepted. This level of security extends across a spectrum of frequencies, encompassing UHF, VHF, and broader wireless communication standards such as Wi-Fi, Bluetooth, and specialized business radio systems.

Applications of Encrypted Radio Systems

Originally stemming from military terminology, the term “COMSEC” (communications security) denotes the meticulous protection of communication confidentiality. Encrypted radio systems find predominant usage in sectors with stringent security demands, notably those intertwined with military and infrastructural operations.

Military operations rely extensively on encrypted radio systems for secure VHF and UHF communications, particularly aboard ships and helicopters. Beyond military applications, these systems are indispensable in various sectors, including:

  • Public emergency services such as fire departments, police forces, and emergency medical services
  • Transportation sectors ensuring secure communication in aviation, railways, and maritime operations
  • Energy industries encompassing oil, gas, and power generation facilities
  • Maintenance and security management across diverse infrastructural facilities
  • Maritime and shipping operations ensuring secure communications amidst maritime logistics

These applications underscore the indispensable role of encrypted radio systems in critical infrastructure-dependent sectors.

Principles of Encrypted Radio Systems

Basics of Encryption
Encryption operates on the principle of transforming original data, termed plaintext, into ciphertext through an encryption process. Subsequently, decryption reverses this process, converting ciphertext back into plaintext. Encryption and decryption employ respective keys, akin to passwords, to secure data. Encryption methods include symmetric key encryption and public key encryption, with hybrid encryption techniques combining elements of both.

Symmetric Key Encryption

Symmetric key encryption, also known as secret-key or shared-key encryption, employs a single key for both encryption and decryption. While it offers faster processing speeds, securely sharing the encryption key between sender and receiver poses a challenge. Common algorithms include AES and RC4.

Public Key Encryption

Public key encryption, also known as asymmetric encryption, utilizes distinct keys for encryption and decryption. The receiver holds a public key, shared for encrypting data, and a private key, kept confidential for decryption. This eliminates the need to transmit the decryption key, enhancing security and simplifying key management. Notable methods include RSA, DSA, and ECDSA.

Types of Encrypted Radio Systems

Encrypted radio systems span a diverse array of applications, supporting conventional VHF and UHF radio communications alongside modern methods like Voice over IP (VoIP) and IP-based transmissions. Products range from encrypted RoIP (Radio over IP) transceivers to IP encryption devices facilitating secure interconnection of HF radios via IP networks and encrypted multiplexers. These systems accommodate traditional voice interfaces, fiber optic communications, and IP networks, seamlessly transitioning between plaintext and encrypted modes to meet evolving communication demands.

エレベーターシステム

エレベーターシステムとは

エレベーターシステムとは、エレベーターの安全運用を目的として遠隔監視などの役割を担う通信システムです。

従来のエレベーターの保守は、人力での通報・監視・点検保守に頼る部分が大部分でした。ネットワーク・IoTを活用した現在のエレベーターシステムにおいては、エレベーターとサービス拠点との通信を利用し、自動での異常検知並びに報告・自動点検・遠隔復旧などを行うことが可能となります。

エレベーターシステムの使用用途

エレベーターシステムは、主にエレベーターの安全運用と保守管理を目的として導入されています。エレベーターの状態を、サービス拠点 (管制センター) に逐次送信するとともに、トラブル発生時にはエレベーター内の利用者と音声通話を行うことも可能です。災害時などの緊急停止の際、オペレーター側から利用者に外部の状況など、情報提供を行うこともできます。エレベーターの安全運用のため、備えられている主な機能は下記の通りです。

  • 平常時の運行状況・機器状況の遠隔監視
  • 緊急停止などの際におけるオペレーターへの自動通報
  • 緊急時などにおけるエレベーター内とオペレーターとの音声通話
  • トラブル時の遠隔復旧・遠隔救出
  • 自動点検・機器変調の診断
  • 運行データの収集・解析

エレベーターシステムの利用によって遠隔で利用状況を知ることができるため、現地確認・点検などのコストを削減することができるというメリットがあります。また、現地での作業員対応が必要なトラブルの場合も、遠隔監視システムで予め情報を得てから出向くことができるので、作業時間の短縮・作業の効率化に繋がります。

また、機器による遠隔監視・点検により、ドアの開閉状態や開閉に関わるベルトの緩みなどを目視よりも更に細かく正確に定量することが可能です。目視で点検ができない部分についても、点検が可能になる場合があります。そのため、エレベーターシステムの導入により、異常の早期発見精度が向上するという効果もあります。

エレベーターシステムの原理

1. 構成

エレベーターシステムは、エレベーターに設置する「デバイス」、エレベーターとサービス拠点を繋ぐ「ネットワーク」、データを蓄積する「クラウド」の要素から構成されます。

デバイスは、エレベーターに付属している各種の監視装置・センサーに接続しており、ネットワーク経由でサービス拠点とやり取りします。緊急通報用のスイッチがついており、非常時には音声通話機能を備えます。

使用されているネットワークは、PHSや公衆電話回線、ISDN、LTEなどです。近年、高速・大容量回線であるLTEへの移行が進められています。従来の通信は、データ通信と音声通話との通信を切り替える必要がありましたが、LTEを利用したVoIPはデータ通信と同時に通話が可能なため、通話と遠隔救出作業を同時に行えることが長所です。また、Wi-Fiネットワークは、配線用ケーブルを必要としないというメリットがあります。

また、動作に関わるデータにはクラウド・サーバーを活用することで、システム構築に関わるコスト削減が行われている場合があります。

2. 監視・点検項目

エレベーターシステムで監視・点検が行われる項目には下記のようなものがあります。それぞれにセンサーが設置されており、データはネットワーク経由でサービス拠点へと送信されます。

  • 制御関連 (機器温度・ブレーキ動作状態・接触器動作状態・制御機器動作状態)
  • かご関連 (戸の開閉・ゲートスイッチ動作・押しボタン動作・インターホン電源)
  • 昇降路内における安全スイッチの動作
  • 乗場 (戸の開閉・ドアスイッチ動作・乗場操作盤の押しボタン動作)
  • 走行状態 (起動状態・着床状態)
  • 運行状況 (月毎起動回数・階床別利用状態)

エレベーターシステムの種類

エレベーターシステムは複数の企業から提供されており、それぞれ特色ある機能が搭載されています。

例えば、エレベーターが自動で点検運転を行う製品では、夜間に毎日1回定期点検を行う場合があります。運行データを取得し、顧客希望に応じてエレベーター機械監視点検報告書・エレベーター利用状況などの報告書を発行します。

最新のエレベータゲートウェイは、VolPやVoLTEを介した音声伝送をサポートし、エレベーターの通信システムのシームレスなリモート監視と管理する製品です。また、災害時に備えてエレベータ内部にバックアップバッテリーが備えられている場合もあります。

費用やグレードによって様々な製品があり、施設や建物の用途に合わせてサービス内容を選ぶことが必要です。

真空グリース

真空グリースとは

真空グリースとは、真空環境下で使用される潤滑剤です。

一般的に真空状態では通常の潤滑剤が効果を発揮しづらい特性があります。したがって、高い真空度の機械では真空グリースを使用されることが多いです。真空グリースは耐熱性が高い上に揮発性は低く、真空中でも安定性が高い点が特徴です。

真空グリースの使用用途

真空グリースは真空の環境で幅広く使用されています。以下はその主な一例です。

1. 航空宇宙産業

宇宙船や宇宙探査機は極めて厳しい条件下での動作が求められます。真空グリースは宇宙空間でも機械を潤滑し、耐熱性や低揮発性などの特性を活かして重要な役割を果たします。機器や機械部品の摩擦を軽減し、運用中の問題を最小限に抑えることが可能です。

2. 半導体産業

半導体製造プロセスは高真空環境が必要な場合も多いです。真空グリースは半導体製造装置内での潤滑やシーリングに使用され、機器の動作安定性や生産性の向上に貢献します。特に、ハンドリングマシーンやバルブなどの部品において重要な役割を果たします。

3. 光学装置産業

光学機器やレーザー装置などの高精度な機器では、摩擦や振動が許容されません。真空グリースはこれらの機器の摺動部品や機構部分の潤滑に使用され、正確な動作と安定した性能を確保します。また、光学レンズや鏡面の保護や保守にも利用されることが多いです。

4. 研究・開発

物理学や化学などの研究分野では、高真空環境が必要とされる実験装置や加速器が使用されます。真空グリースはこれらの装置内での部品の潤滑などに必要不可欠です。また、真空を作り出すための真空ポンプやバルブにも使用され、漏れを防止しつつ滑らかな動作を保証します。

真空グリースの原理

真空グリースは高真空環境下での潤滑やシールに使用される特殊な潤滑剤です。その主な原理は高真空度下での安定性と低揮発性です。一般的な潤滑剤やシーリング材は高真空環境下では気化してしまい、効果を失うことがありますが、真空グリースは上記特性から高真空条件下でも効果的に機能します。

真空グリースは一般的に以下のような構成要素で作られています。

1. 基油

基油は真空グリースの主要な成分となる油脂です。一般的にはシリコーンオイルやミネラルオイルなどが使用されます。これらの基油は、潤滑性やシーリング効果を提供するための基本的な役割を果たします。

2. 増粘剤

増粘剤は基油を固体状態にし、グリースの粘度を調整する役割を果たす薬剤です。一般的には、リチウムやカルシウムなどの金属酸塩が使用されます。これにより、油を固体として取り扱うことが可能となります。

3. 添加剤

添加剤は、真空グリースの性能を向上させるために添加される化学物質です。耐熱性や耐酸化性を向上させるための抗酸化剤や、摩擦係数を減少させるための摩擦抑制剤などが使用されます。

真空グリースの選び方

真空グリースを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. ちょう度(粘度)

真空グリースの粘度は、潤滑剤の適用範囲や環境に影響を与えます。一般的に高負荷での動作を必要とする場合は、より低いちょう度のグリースが有利です。高速度の場合は、高いちょう度のグリースを選択します。

2. 材質

真空グリースの基油と増粘剤の材質は、潤滑性や耐熱性などの特性に影響を与えます。一般的に使用される基油にはシリコーンオイルやポリアルキレンオイル、ミネラルオイルなどがあります。増粘剤にはリチウムやカルシウムまたはポリウレアなどが一般的です。

3. 使用温度

真空グリースは適用される環境の温度範囲に応じて選択する必要があります。過酷な温度条件下で使用される場合は、耐熱性が高いグリースが必要です。また、低温下での動作が必要な場合は、低温での流動性が確保されたグリースが適しています。

4. 耐真空度

真空グリースは、高真空環境下での安定性が求められます。耐真空度はグリースが高真空条件下での効果を維持できるかどうかを示す指標です。特に、宇宙産業や半導体製造装置などの高真空環境で使用する場合は、耐真空度の高いグリースを選択する必要があります。

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