インクタグ

監修:企業警備保障株式会社

インクタグとは

インクタグの原理

インクタグとは、商品などの持ち去りを防ぐために取り付けられる防犯タグのうちの一種です。

不正にタグを外そうとする場合にインクが漏れて商品を汚損する仕組みです。インクは水性の場合が多いですが、洗濯をしてもシミとして残ってしまう可能性もあり、完全に洗い落とせることを保証するものではありません。

また、取り付け機構がピン針になっているものが主流で、衣料品であれば取り付けが簡単で汎用性が高く、こちらも無理に外そうとすると商品が破れたり、穴が広がったりして、商品価値をなくしてしまいます。防犯タグの中でも特に単体での威嚇効果が高いタグであるといえます。近年では、より多くの商品への取り付けに適合するよう様々な形状のものが開発されており、年々進化し続けています。

インクタグは、持ち出しを感知するための防犯ゲートとセットで導入されることがあります。インクタグがついている物をそのまま外へ持ち出そうとすると、出入り口に設置した防犯ゲートで警報音が鳴る仕組みです。

インクタグの原理

インクタグには、センサー入りとそうでないものがあり、低コスト運用であればセンサーなしの方が確かに安価ですが、たとえ防犯ゲートと併用しない場合でも、基本的にはセンサー入りタグの使用が推奨されます。その理由としては、会計時にタグを外し忘れてしまい、タグが付いたままの商品を持ち帰った購入者とのトラブルを避けるためです。タグを取り付けする担当と会計時にタグを外す担当はそれぞれ別の場合が多いため、タグが誤って複数個取り付けされていた場合やタグが商品の目立ちにくい部分に取り付けされていた場合、目視での確認だけだと見逃してしまう場合が多く、常にタグ外し忘れのリスクを伴います。そのような状況を生まないように、センサー入りのインクタグとタグチェッカー(センサータグ信号を検知し発報する小型の機械)を導入し、会計時には一度商品をタグチェッカーに通すプロセスを挟むことで、タグ外し忘れを防止することが可能です。

インクタグの使用用途

インクタグは、不正な持ち出しを検出したい、あるいはゲートなしでの防犯をしたい小売店向けに様々なシーンで利用されています。

インクタグの原理

インクタグ取付例

1. 防犯ゲートを使用する衣料品店

小売店では、デパートの衣料品コーナーやアパレルショップを中心に導入が進んでいます。近年では中古品市場の拡大に伴い、商品点数が多い古着店などにおける需要が高まっています。また、昨今は衣料品の大量窃盗事件が多発しており、様々な衣料品取扱店が防犯体制の強化に取り組む中で、最も有効かつ経済的な防犯対策のひとつとして再注目されています。商品タグを会計の際にレジで取り外すことにより、警報音が鳴らなくなります。このようにして正規の手続きを踏んだ持ち帰りと不正な持出しとを区別することが可能です。

また、セルフレジの導入が進んでいる店舗では、防犯タグを活用することで会計漏れ・意図的な未会計商品の持ち出しを防ぐことが可能です。セルフレジ向けのハードタグの開発導入も進んでいます。

2. 防犯ゲートを使用しない小売店

一部の小売店では、防犯ゲートを設置するほど十分なスペースが確保できない、あるいは防犯ゲートの持つ威圧感によって店舗に近づきにくい印象を与えてしまう、といった防犯ゲートのデメリットを考慮した結果、あえて防犯ゲートなしでの運用が採用されています。

また、防犯対策に多くの予算を割けない小売店にとっては、インクタグの「無理矢理外そうとすると商品を汚損したり傷つけたりして商品価値をなくす特性」で万引き犯や窃盗犯の心理を突くことで、インクタグ単体での運用も低コストでの有効な手立てのひとつとして考えられます。

本記事はインクタグを製造・販売する企業警備保障株式会社様に監修を頂きました。

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